日蓮正宗法華講開信寺支部より

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御書研鑚の集い 開目抄を学ぶ


背景と大意

開目抄(かいもくしょう)は、文永9年(西暦1272年)二月、聖寿51歳の時に極寒の佐渡の塚原三昧堂で顕されました。
日蓮宗の本山、身延山久遠寺の原本(真跡)が有りましたが、明治8年(西暦1875年)に火災で焼失しました。
また、慶長9年(西暦1604年)に日乾〔につけん〕が書写した複写(真跡対交本)が京都の本満寺に現存しています。
日蓮大聖人は、文永八年(西暦1271年)9月12日に幕府に捕らえられ、片瀬竜ノ口〔たつのくち〕現在の神奈川県藤沢市で首を斬られようとしました。
しかし、遂に幕府は、それが叶わず、結局、大聖人を佐渡へと流罪に及んだのです。
その間に多くの日蓮大聖人門弟も捕えられて数多くの者が退転しました。
それは、正しい仏法を実践しているはずの法華経の行者である者がなぜこのような過酷な運命となるのかと言う当然の疑問からの事でありました。
日蓮大聖人は、佐渡に流されてより、これらの弟子に対して、この疑問に応えられたのがこの開目抄であるのです。
その為に本抄は、四条中務三郎左衛門尉頼基に与えられました。
種種御振舞御書には、「去年の十一月より勘へたる開目抄と申す文二巻造りたり、頚切るるならば日蓮が不思議とど〔留〕めんと思ひて勘へたり。此の文の心は日蓮によりて日本国の有無はあるべし。譬〔たと〕へば宅〔いえ〕に柱なければたもたず。人に魂なければ死人なり。日蓮は日本の人の魂なり。平左衛門既に日本の柱をたをしぬ。只今世〔よ〕乱れて、それともなくゆめ〔夢〕の如くに妄語出来して、此の御一門どしう〔同士討〕ちして、後には他国よりせめらるべし。例せば立正安国論に委〔くわ〕しきが如し。かやうに書き付けて中務三郎左衛門尉が使ひにとらせぬ。」(御書1065頁)とあります。
四条中務三郎左衛門尉頼基は、当時の慣例で唐名によって金吾と通称し一般には「四条金吾」と呼ばれていました。
北条一門の江間家の家臣であり、武道だけではなく医学にも通じていました。
竜の口の法難に際しては、四条金吾が日蓮大聖人の馬の轡〔くつわ〕を取り殉死する覚悟でお供しました。
四条金吾殿御消息に「かかる日蓮にとも〔伴〕なひて、法華経の行者として腹を切らんとの給ふ事、かの弘演〔こうえん〕が腹をさい〔割〕て主の懿公〔いこう〕がきも〔肝〕を入れたるよりも、百千万倍すぐれたる事なり。日蓮霊山にまいりて、まづ四条金吾こそ、法華経の御故に日蓮とをな〔同〕じく腹切らんと申し候なりと申し上げ候べきぞ。」(御書479頁)とその時の事が書かれています。
そしてその答えとして、まさに日蓮大聖人こそ末法の御本仏であって全人類救世の為にこのような大試練に耐えられているとの大確信を述べられているのです。
大石寺第59世堀日亨御法主上人猊下は、「佐渡流罪中、筆舌に尽くせぬ大法難の最中、深縁の門下に、筆紙ご窮乏のなかから、遺言的にしたためられた重書であるから、信読、身読にあらざれば、奥旨に達することはできぬ。」とこの事を述べられています。
このように「開目抄」は、日蓮大聖人の人本尊開顕の書とされており、法本尊を顕された「観心本尊抄」とともに重要な御書として「立正安国論」「撰時抄」「報恩抄」として五大部〔ごだいぶ〕に選ばれています。
また御書の読み方には、文〔もん〕義〔ぎ〕意〔い〕の三通りの読み方があります。
「文」とは仏の言葉、すなわち経文の面、文相をいいます。
「義」とはその経文上に示された教え、道理をいいます。
そして「意」とは文義の奥底に存する仏の本意をいいます。
いくら文上の言葉の意味を追いかけても、その意味は、その文だけでは読み取る事は出来ません。
つまり、その文章の前と後ろそして全体を通して初めてその真実の意味、「義」がわかるのです。
また、それでも文章の底にある意〔こころ〕までもなかなかすぐにわかるものではありません。
それは、まさに「日興遺誡置文」に「当門流に於ては御抄を心肝に染め極理を師伝して」とあるように本門戒壇の御本尊を受け継がれる日興上人、日目上人そして現御法主上人猊下の御指南を拝していかなければなりません。
その事を当然の事として、ここに開目抄の研鑚の資料として語句の説明をしていきたいと思います。

御書研鑚の集い 開目抄を学ぶ
第 1 回 内道と外道について
第 2 回 一念三千の法門を盗んで自らの説とする
第 3 回 二乗作仏について
第 4 回 久遠実成について
第 5 回 法華経の行者の証明
第 6 回 権経と実経について
第 7 回 開目抄(上)まとめ
第 8 回 開近顕遠を示す
第 9 回 諸宗を破折し正義を示す
第10回 経文の勝劣について
第11回 三類の強敵について
第12回 法華経の行者を顕わす
第13回 折伏こそ時に適うを明かす
第14回 開目抄(下)まとめ
第15回 開目抄 総論

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