日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


妙法蓮華經 薬王菩薩本事品第二十三


【妙法蓮華經薬王菩薩本事品第二十三:みょうほうれんげきょうやくおうぼさつほんじほんだいにじゅうさん】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 薬王菩薩本事品第二十三〔やくおうぼさつほんじほんだいにじゅうさん〕




【爾時宿王華菩薩。:にじしゅくおうけぼさつ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に宿王華菩薩〔しゅくおうけぼさつ〕、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【薬王菩薩。:やくおうぼさつ】
...薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕は、

【云何遊於。:うんがゆお】
...云何〔いか〕にしてか

【娑婆世界。:しゃばせかい】
...娑婆世界〔しゃばせかい〕に遊〔あそ〕ぶ。

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【是薬王菩薩。:ぜやくおうぼさつ】
...是〔こ〕の薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕は、

【有若干百千萬億。:うにゃっかんひゃくせんまんのく】
...若干〔そこばく〕百千萬億〔ひゃくせんまんのく〕

【那由他。:なゆた】
...那由他〔なゆた〕の

【難行苦行。:なんぎょうくぎょう】
...難行〔なんぎょう〕苦行〔くぎょう〕有〔あ〕らん。

【善哉世尊。:ぜんざいせそん】
...善哉〔ぜんざい〕、世尊〔せそん〕、

【願少解説。:がんしょうげせつ】
...願〔ねが〕わくは少〔すこ〕し解説〔げせつ〕したまえ。

【諸天。:しょてん】
...諸〔もろもろ〕の天〔てん〕、

【龍神。:りゅうじん】
...龍神〔りゅうじん〕、

【夜叉。:やしゃ】
...夜叉〔やしゃ〕、

【乾闥婆。:けんだつば】
...乾闥婆〔けんだつば〕、

【阿修羅。:あしゅら】
...阿修羅〔あしゅら〕、

【迦楼羅。:かるら】
...迦楼羅〔かるら〕、

【緊那羅。:きんなら】
...緊那羅〔きんなら〕、

【摩睺羅伽。:まごらが】
...摩睺羅伽〔まごらが〕の

【人非人等。:にんぴにんとう】
...人非人等〔にんぴにんとう〕、

【又他国土。:うたこくど】
...又〔また〕他〔た〕の国土〔こくど〕より

【諸来菩薩。:しょらいぼさつ】
...諸〔もろもろ〕の来〔きた〕れる菩薩〔ぼさつ〕、

【及此声聞衆。:ぎゅうししょうもんじゅ】
...及〔およ〕び此〔こ〕の声聞衆〔しょうもんしゅ〕、

【聞皆歓喜。:もんかいかんぎ】
...聞〔き〕いて皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕せん。

【爾時佛告。:にじぶつごう】
爾〔そ〕の時〔とき〕に佛〔ほとけ〕、

【宿王華菩薩。:しゅくおうけぼさつ】
宿王華菩薩〔しゅくおうけぼさつ〕に告〔つ〕げたまわく、

【乃往過去。:ないおうかこ】
...乃往〔ないおう〕過去〔かこ〕、

【無量恒河沙劫。:むりょうごうがしゃこう】
...無量恒河沙劫〔むりょうごうがしゃこう〕に

【有佛。:うぶつ】
...佛〔ほとけ〕有〔いま〕しき。

【號日月浄明徳如来。:ごうにちがつじょうみょうとくにょらい】
...日月浄明徳如来〔にちがつじょうみょうとくにょらい〕・

【應供。:おうぐ】
...應供〔おうぐ〕・

【正遍知。:しょうへんち】
...正遍知〔しょうへんち〕・

【明行足。:みょうぎょうそく】
...明行足〔みょうぎょうそく〕・

【善逝。:ぜんぜい】
...善逝〔ぜんぜい〕・

【世間解。:せけんげ】
...世間解〔せけんげ〕・

【無上士。:むじょうじ】
...無上士〔むじょうじ〕・

【調御丈夫。:じょうごじょうぶ】
...調御丈夫〔じょうごじょうぶ〕・

【天人師。:てんにんし】
...天人師〔てんにんし〕・

【佛世尊。:ぶっせそん】
...佛世尊〔ぶっせそん〕と號〔なづ〕けたてまつる。

【其佛有八十億。:ごぶつうはちじゅうおく】
...其〔そ〕の佛〔ほとけ〕に八十億〔はちじゅうおく〕の

【大菩薩摩訶薩。:だいぼさつまかさつ】
...大菩薩摩訶薩〔だいぼさつまかさつ〕、

【七十二恒河沙。:しちじゅうにごうがしゃ】
...七十二恒河沙〔しちじゅうにごうがしゃ〕の

【大声聞衆。:だいしょうもんじゅ】
...大声聞衆〔だいしょうもんしゅ〕有〔あ〕り。

【佛壽四萬二千劫。:ぶつじゅしまんにせんごう】
...佛〔ほとけ〕の壽〔じゅ〕は四萬二千劫〔しまんにせんごう〕、

【菩薩壽命亦等。:ぼさつじゅみょうやくとう】
...菩薩〔ぼさつ〕の壽命〔じゅみょう〕も亦〔また〕等〔ひと〕し。

【彼国無有女人。:ひこくむうにょにん】
...彼〔か〕の国〔くに〕には、女人〔にょにん〕、

【地獄。:じごく】
...地獄〔じごく〕、

【餓鬼。:がき】
...餓鬼〔がき〕、

【畜生。:ちくしょう】
...畜生〔ちくしょう〕、

【阿修羅等。:あしゅらとう】
...阿修羅等〔あしゅらとう〕、

【及以諸難。:ぎゅういしょなん】
...及以〔および〕諸難〔しょなん〕有〔あ〕ること無〔な〕し。

【地平如掌。:じびょうにょしょう】
...地〔じ〕の平〔たいら〕かなること、掌〔たなごころ〕の如〔ごと〕くにして、

【瑠璃所成。:るりしょじょう】
...瑠璃〔るり〕の所成〔しょじょう〕なり。

【寶樹荘厳。:ほうじゅしょうごん】
...寶樹〔ほうじゅ〕荘厳〔しょうごん〕し、

【寶帳覆上。:ほうちょうふじょう】
...寶帳〔ほうちょう〕上〔うえ〕に覆〔おお〕い、

【垂寶華幡。:すいほうけばん】
...寶〔たから〕の華幡〔けばん〕を垂〔た〕れ、

【寶瓶香炉。:ほうびょうこうろ】
...寶瓶〔ほうびょう〕、香炉〔こうろ〕、

【周遍国界。:しゅへんこっかい】
...国界〔こっかい〕に周遍〔しゅへん〕せり。

【七寶為台。:しっぽういだい】
...七寶〔しっぽう〕を台〔うてな〕と為〔な〕して、

【一樹一台。:いちじゅいちだい】
...一樹〔いちじゅ〕に一台〔いちだい〕あり。

【其樹去台。:ごじゅこだい】
...其〔そ〕の樹〔き〕、

【尽一箭道。:じんいっせんどう】
...台〔うてな〕を去〔さ〕ること一箭道〔いっせんどう〕を尽〔つく〕せり。

【此諸寶樹。:ししょほうじゅ】
...此〔こ〕の諸〔もろもろ〕の寶樹〔ほうじゅ〕に、

【皆有菩薩声聞。:かいうぼさつしょうもん】
...皆〔みな〕、菩薩〔ぼさつ〕、声聞〔しょうもん〕有〔あ〕って、

【而坐其下。:にざごげ】
...其〔そ〕の下〔もと〕に坐〔ざ〕せり。

【諸寶台上。:しょほうだいじょう】
...諸〔もろもろ〕の寶台〔ほうだい〕の上〔うえ〕に、

【各有百億諸天。:かくうひゃくおくしょてん】
...各百億〔かくひゃくおく〕の諸天〔しょてん〕有〔あ〕って、

【作天伎楽。:さてんぎがく】
...天〔てん〕の伎楽〔ぎがく〕を作〔な〕し、

【歌歎於佛。:かたんのぶつ】
...佛〔ほとけ〕を歌歎〔かたん〕して、

【以為供養。:いいくよう】
...以〔もっ〕て供養〔くよう〕を為〔な〕す。

【爾時彼佛。:にじひぶつ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に彼〔か〕の佛〔ほとけ〕、

【為一切衆生喜見菩薩。:いいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...一切衆生喜見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【及衆菩薩。:ぎっしゅぼさつ】
...及〔およ〕び衆〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【諸声聞衆。:しょしょうもんじゅ】
...諸〔もろもろ〕の声聞衆〔しょうもんしゅ〕の為〔ため〕に

【説法華經。:せつほけきょう】
...法華經〔ほけきょう〕を説〔と〕きたもう。

【是一切衆生喜見菩薩。:ぜいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...是〔こ〕の一切衆生喜見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【楽習苦行。:ぎょうしゅうくぎょう】
...楽〔ねが〕って苦行〔くぎょう〕を習〔なら〕い、

【於日月浄明徳佛法中。:おにちがつじょうみょうとくぶっぽうちゅう】
...日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕の法〔ほう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【精進經行。:しょうじんきょうぎょう】
...精進〔しょうじん〕經行〔きょうぎょう〕して、

【一心求佛。:いっしんぐぶつ】
...一心〔いっしん〕に佛〔ほとけ〕を求〔もと〕むること、

【満萬二千歳已。:まんまんにせんざいい】
...萬二千歳〔まんにせんざい〕を満〔み〕て已〔おわ〕って、

【得現一切色身三昧。:とくげんいっさいしきしんざんまい】
...現〔げん〕一切〔いっさい〕色身〔しきしん〕三昧〔ざんまい〕を得〔う〕。

【得此三昧已。:とくしさんまいい】
...此〔こ〕の三昧〔さんまい〕を得〔え〕已〔おわ〕って、

【心大歓喜。:しんだいかんぎ】
...心〔こころ〕大〔おお〕いに歓喜〔かんぎ〕して、

【即作念言。:そくさねんごん】
...即〔すなわ〕ち念言〔ねんごん〕を作〔な〕さく、

【我得現一切色身三昧。:がとくげんいっさいしきしんざんまい】
....我〔われ〕現〔げん〕一切〔いっさい〕色身〔しきしん〕三昧〔ざんまい〕を得〔え〕たる、

【皆是得聞。:かいぜとくもん】
....皆〔みな〕是〔こ〕れ①

【法華經力。:ほけきょうりき】
....法華經〔ほけきょう〕を①聞〔き〕くことを得〔う〕る力〔ちから〕なり。

【我今當供養。:がこんとうくよう】
....我〔われ〕今〔いま〕、當〔まさ〕に

【日月浄明徳佛。:にちがつじょうみょうとくぶつ】
....日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕、

【及法華經。:ぎゅうほけきょう】
....及〔およ〕び法華經〔ほけきょう〕を供養〔くよう〕すべし。

【即時入是三昧。:そくじにゅうぜさんまい】
...即時〔そくじ〕に是〔こ〕の三昧〔さんまい〕に入〔い〕って、

【於虚空中。:おこくうちゅう】
...虚空〔こくう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【雨曼陀羅華。:うまんだらけ】
...曼陀羅華〔まんだらけ〕、

【摩訶曼陀羅華。:まかまんだらけ】
...摩訶曼陀羅華〔まかまんだらけ〕、

【細抹堅黒栴檀。:さいまつけんこくせんだん】
...細抹〔さいまつ〕堅黒〔けんこく〕の栴檀〔せんだん〕を雨〔ふ〕らし、

【満虚空中。:まんこくうちゅう】
...虚空〔こくう〕の中〔なか〕に満〔み〕てて、

【如雲而下。:にょうんにげ】
...雲〔くも〕の如〔ごと〕くにして下〔くだ〕し、

【又雨海此岸。:ううかいしがん】
...又〔また〕海此岸〔かいしがん〕の

【栴檀之香。:せんだんしこう】
...栴檀〔せんだん〕の香〔こう〕を雨〔ふ〕らす。

【此香六銖。:しこうろくしゅ】
...此〔こ〕の香〔こう〕の六銖〔ろくしゅ〕、

【価直娑婆世界。:げじきしゃばせかい】
...価直〔げじき〕娑婆世界〔しゃばせかい〕なり、

【以供養佛。:いくようぶつ】
...以〔もっ〕て佛〔ほとけ〕に供養〔くよう〕す。

【作是供養已。:さぜくようい】
...是〔こ〕の供養〔くよう〕を作〔な〕し已〔おわ〕って、

【従三昧起。:じゅうさんまいき】
...三昧〔さんまい〕より起〔た〕って、

【而自念言。:にじねんごん】
...自〔みずか〕ら念言〔ねんごん〕すらく、

【我雖以神力。:がすいいじんりき】
....我〔われ〕、神力〔じんりき〕を以〔もっ〕て

【供養於佛。:くようおぶつ】
....佛〔ほとけ〕を供養〔くよう〕すと雖〔いえど〕も、

【不如以身供養。:ふにょいしんくよう】
....身〔み〕を以〔もっ〕て供養〔くよう〕せんには如〔し〕かじ。

【即服諸香。:そくぶくしょこう】
...即〔すなわ〕ち諸〔もろもろ〕の香〔こう〕、

【栴檀薫陸。:せんだんくんろく】
...栴檀〔せんだん〕、薫陸〔くんろく〕、

【兜楼婆。:とるば】
...兜楼婆〔とるば〕、

【畢力迦。:ひっりきか】
...畢力迦〔ひっりきか〕、

【沈水。:じんずい】
...沈水〔じんすい〕、

【膠香。:きょうこう】
...膠香〔きょうこう〕を服〔ふく〕し、

【又飲瞻蔔。:うおんせんぼく】
...又〔また〕瞻蔔〔せんぼく〕、

【諸華香油。:しょけこうゆ】
...諸〔もろもろ〕の華香油〔けこうゆ〕を飲〔の〕むこと、

【満千二百歳已。:まんせんにひゃくさいい】
...千二百歳〔せんにひゃくさい〕を満〔まん〕じ已〔おわ〕って、

【香油塗身。:こうゆずしん】
...香油〔こうゆ〕を身〔み〕に塗〔ぬ〕り、

【於日月浄明徳佛前。:おにちがつじょうみょうとくぶつぜん】
...日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕の前〔みまえ〕に於〔おい〕て、

【以天寶衣。:いてんほうえ】
...天〔てん〕の寶衣〔ほうえ〕を以〔もっ〕て

【而自纏身已。:にじでんしんに】
...自〔みずか〕ら身〔み〕に纏〔まと〕い已〔おわ〕って、

【潅諸香油。:かんしょこうゆ】
...諸〔もろもろ〕の香油〔こうゆ〕を潅〔そそ〕ぎ、

【以神通力願。:いじんづうりきがん】
...神通力〔じんづうりき〕の願〔がん〕を以〔もっ〕て、

【而自燃身。:にじねんしん】
...自〔みずか〕ら身〔み〕を燃〔しか〕して、

【光明遍照。:こうみょうへんじょう】
...光明遍〔こうみょうあまね〕く

【八十億恒河沙世界。:はちじゅうおくごうがしゃせかい】
...八十億恒河沙〔はちじゅうおくごうがしゃ〕の世界〔せかい〕を照〔てら〕す。

【其中諸佛。:ごちゅうしょぶつ】
...其〔そ〕の中〔なか〕の諸佛〔しょぶつ〕、

【同時讃言。:どうじさんごん】
...同時〔どうじ〕に讃〔ほ〕めて言〔のたま〕わく、

【善哉善哉。:ぜんざいぜんざい】
....善哉〔ぜんざい〕善哉〔ぜんざい〕、

【善男子。:ぜんなんし】
....善男子〔ぜんなんし〕、

【是眞精進。:ぜしんしょうじん】
....是〔こ〕れ眞〔しん〕の精進〔しょうじん〕なり。

【是名眞法。:ぜみょうしんぽう】
....是〔これ〕を眞〔しん〕の法〔ほう〕をもって

【供養如来。:くようにょらい】
....如来〔にょらい〕を供養〔くよう〕すと名〔な〕づく。

【若以華香瓔珞。:にゃくいけこうようらく】
....若〔も〕し華香〔けこう〕、瓔珞〔ようらく〕、

【焼香抹香塗香。:しょうこうまっこうずこう】
....焼香〔しょうこう〕、抹香〔まっこう〕、塗香〔ずこう〕、

【天繒幡蓋。:てんぞうばんがい】
....天繒〔てんぞう〕、幡蓋〔ばんがい〕、

【及海此岸。:ぎゅうかいしがん】
....及〔およ〕び海此岸〔かいしがん〕の

【栴檀之香。:せんだんしこう】
....栴檀〔せんだん〕の香〔こう〕、

【如是等種種諸物供養。:にょぜとうしゅじゅしょもつくよう】
....是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔ら〕の種種〔しゅじゅ〕の諸物〔しょもつ〕を以〔もっ〕て供養〔くよう〕すとも、

【所不能及。:しょふのうぎゅう】
....及〔およ〕ぶこと能〔あた〕わざる所〔ところ〕なり。

【仮使国城。:けしこくじょう】
....仮使〔たとい〕、国城〔こくじょう〕、

【妻子布施。:さいしふせ】
....妻子〔さいし〕をもって布施〔ふせ〕すとも、

【亦所不及。:やくしょふぎゅう】
....亦〔また〕及〔およ〕ばざる所〔ところ〕なり。

【善男子。:ぜんなんし】
....善男子〔ぜんなんし〕、

【是名第一之施。:ぜみょうだいいちしせ】
....是〔これ〕を第一〔だいいち〕の施〔せ〕と名〔な〕づく。

【於諸施中。:おしょせちゅう】
....諸〔もろもろ〕の施〔せ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最尊最上。:さいそんさいじょう】
....最尊〔さいそん〕最上〔さいじょう〕なり。

【以法供養。:いほうくよう】
....法〔ほう〕を以〔もっ〕て、

【諸如来故。:しょにょらいこ】
....諸〔もろもろ〕の如来〔にょらい〕を供養〔くよう〕するが故〔ゆえ〕に。

【作是語已。:さぜごい】
...是〔こ〕の語〔みこと〕を作〔な〕し已〔おわ〕って、

【而各黙然。:にかくもくねん】
...各〔おのおの〕黙然〔もくねん〕したもう。

【其身火燃。:ごしんかねん】
...其〔そ〕の身〔み〕の火〔ひ〕、

【千二百歳。:せんにひゃくさい】
...燃〔も〕ゆること千二百歳〔せんにひゃくさい〕、

【過是已後。:かぜいご】
...是〔これ〕を過〔す〕ぎ已〔おわ〕って後〔のち〕、

【其身乃尽。:ごしんないじん】
...其〔そ〕の身〔み〕乃〔すなわ〕ち尽〔つ〕きぬ。

【一切衆生憙見菩薩。:いっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【作如是法供養已。:さにょぜほうくようい】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き法〔ほう〕の供養〔くよう〕を作〔な〕し已〔おわ〕って、

【命終之後。:みょうじゅうしご】
...命終〔みょうじゅう〕の後〔のち〕に、

【復生日月浄明徳佛国中。:ぶしょうにちがつじょうみょうとくぶっこくちゅう】
...復〔また〕日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕の国〔くに〕の中〔なか〕に生〔しょう〕じて、

【於浄徳王家。:おじょうとくおうけ】
...浄徳王〔じょうとくのう〕の家〔いえ〕に於〔おい〕て、

【結跏趺坐。:けっかふざ】
...結跏趺坐〔けっかふざ〕して、

【忽然化生。:こつねんけしょう】
...忽然〔こつねん〕に化生〔けしょう〕し、

【即為其父。:そくいごぶ】
...則〔すなわ〕ち其〔そ〕の父〔ちち〕の為〔ため〕に、

【而説偈言:にせつげごん】
...而〔しか〕も偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔もう〕さく、

【大王今當知:だいおうこんとうち】
....大王〔だいおう〕今〔いま〕當〔まさ〕に知〔し〕るべし

【我經行彼処:がきょうぎょうひしょ】
....我〔われ〕彼〔か〕の処〔ところ〕に經行〔きょうぎょう〕して

【即時得一切:そくじとくいっさい】
....即時〔そくじ〕に一切〔いっさい〕

【現諸身三昧:げんしょしんざんまい】
....現諸身〔げんしょしん〕三昧〔ざんまい〕を得〔え〕

【勤行大精進:ごんぎょうだいしょうじん】
....大精進〔だいしょうじん〕を勤行〔ごんぎょう〕して

【捨所愛之身:しゃしょあいししん】
....所愛〔しょあい〕の身〔み〕を捨〔す〕てにき

【説是偈已。:せつぜげい】
...是〔こ〕の偈〔げ〕を説〔と〕き已〔おわ〕って、

【而白父言。:にびゃくぶごん】
...父〔ちち〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【日月浄明徳佛。:にちがつじょうみょうとくぶつ】
....日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕、

【今故現在。:こんこげんざい】
....今〔いま〕故〔なお〕現〔げん〕に在〔ましま〕す。

【我先供養佛已。:がせんくようぶっち】
....我〔われ〕先〔さき〕に佛〔ほとけ〕を供養〔くよう〕し已〔おわ〕って、

【得解一切衆生。:とくげいっさいしゅじょう】
....解〔げ〕一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕

【語言陀羅尼。:ごごんだらに】
....語言〔ごごん〕陀羅尼〔だらに〕を得〔え〕、

【復聞是法華經。:ぶもんぜほけきょう】
....復〔また〕、是〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕の

【八百千萬億那由他。:はっぴゃくせんまんのくなゆた】
....八百千萬億那由他〔はっびゃくせんまんのくなゆた〕・

【甄迦羅。:けんがら】
....甄迦羅〔けんがら〕・

【頻婆羅。:びんばら】
....頻婆羅〔びんばら〕・

【阿閦婆等偈。:あしゅくばとうげ】
....阿閦婆等〔あしゅくばとう〕の偈〔げ〕を聞〔き〕けり。

【大王。:だいおう】
....大王〔だいおう〕、

【我今當還。:がこんとうげん】
....我〔われ〕今〔いま〕、當〔まさ〕に還〔かえ〕って

【供養此佛。:くようしぶつ】
....此〔こ〕の佛〔ほとけ〕を供養〔くよう〕すべし。

【白已。:びゃくい】
...白〔もう〕し已〔おわ〕って、

【即坐七寶之台。:そくざしっぽうしだい】
...即〔すなわ〕ち七寶〔しっぽう〕の台〔うてな〕に坐〔ざ〕し、

【上昇虚空。:じょうしょうこくう】
...虚空〔こくう〕に上昇〔のぼ〕ること

【高七多羅樹。:こうしったらじゅ】
...高〔たか〕さ七多羅樹〔しったらじゅ〕にして、

【往到佛所。:おうとうぶっしょ】
...佛所〔ぶっしょ〕に往到〔おうとう〕し、

【頭面禮足。:ずめんらいそく】
...頭面〔ずめん〕に足〔みあし〕を禮〔らい〕し、

【合十指爪。:ごうじっしそう】
...十〔じゅう〕の指爪〔しそう〕を合〔あわ〕せて、

【以偈讃佛:いげさんぶつ】
...偈〔げ〕を以〔もっ〕て佛〔ほとけ〕を讃〔ほ〕めたてまつる、

【容顔甚奇妙:ゆうげんじんきみょう】
....容顔〔ゆうげん〕甚〔はなは〕だ奇妙〔きみょう〕にして

【光明照十方:こうみょうしょうじっぽう】
....光明〔こうみょう〕十方〔じっぽう〕を照〔てら〕したもう

【我適曾供養:がちゃくぞうくよう】
....我〔われ〕適曾〔むかし〕供養〔くよう〕し

【今復還親近:こんぶげんしんごん】
....今〔いま〕復〔また〕還〔かえ〕って親近〔しんごん〕したてまつる

【爾時一切衆生憙見菩薩。:にじいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【説是偈已。:せつぜげい】
...是〔こ〕の偈〔げ〕を説〔と〕き已〔おわ〕って、

【而白佛言。:にびゃくぶつごん】
...佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
....世尊〔せそん〕、

【世尊猶故在世。:せそんゆこざいぜ】
....世尊〔せそん〕猶故〔なお〕世〔よ〕に在〔ましま〕す。

【爾時日月浄明徳佛。:にじにちがつじょうみょうとくぶつ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕、

【告一切衆生憙見菩薩。:ごういっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕に告〔つ〕げたまわく、

【善男子。:ぜんなんし】
....善男子〔ぜんなんし〕、

【我涅槃時到。:がねはんじとう】
....我〔われ〕涅槃〔ねはん〕の時〔とき〕到〔いた〕り、

【滅尽時至。:めつじんじし】
....滅尽〔めつじん〕の時〔とき〕至〔いた〕りぬ。

【汝可安施牀坐。:にょかあんせじょうざ】
....汝〔なんじ〕牀座〔じょうざ〕を安施〔あんせ〕すべし。

【我於今夜。:がおこんや】
....我〔われ〕今夜〔こんや〕に於〔おい〕て、

【當般涅槃。:とうはつねはん】
....當〔まさ〕に般涅槃〔はつねはん〕すべし。

【又勅一切衆生憙見菩薩。:うちょくいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...又〔また〕、一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕に勅〔ちょく〕したまわく、

【善男子。:ぜんなんし】
....善男子〔ぜんなんし〕、

【我以佛法。:がいぶっぽう】
....我〔われ〕佛法〔ぶっぽう〕を以〔もっ〕て

【属累於汝。:ぞくるいおにょ】
....汝〔なんじ〕に嘱累〔ぞくるい〕す。

【及諸菩薩大弟子。:ぎっしょぼさつだいでし】
....及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、大弟子〔だいでし〕、

【并阿耨多羅三藐三菩提法。:びょうあのくたらさんみゃくさんぼだいほう】
....并〔なら〕びに阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕の法〔ほう〕、

【亦以三千大千七寶世界。:やくいさんぜんだいせんしっぽうせかい】
....亦〔また〕三千大千〔さんぜんだいせん〕の七寶〔しっぽう〕の世界〔せかい〕、

【諸寶樹寶台。:しょほうじゅほうだい】
....諸〔もろもろ〕の寶樹〔ほうじゅ〕、寶台〔ほうだい〕、

【及給侍諸天。:ぎっきゅうじしょてん】
....及〔およ〕び給侍〔きゅうじ〕の諸天〔しょてん〕を以〔もっ〕て、

【悉付於汝。:しっぷおにょ】
....悉〔ことごと〕く汝〔なんじ〕に付〔ふ〕す。

【我滅度後。:がめつどご】
....我〔わ〕が滅度〔めつど〕の後〔のち〕、

【所有舎利。:しょうしゃり】
....所〔しょ〕有〔う〕の舎利〔しゃり〕、

【亦付嘱汝。:やくふぞくにょ】
....亦〔また〕汝〔なんじ〕に付嘱〔ふぞく〕す。

【當令流布。:とうりょうるふ】
....當〔まさ〕に流布〔るふ〕せしめ、

【廣設供養。:こうせつくよう】
....廣〔ひろ〕く供養〔くよう〕を設〔もう〕くべし。

【應起若干千塔。:おうきにゃっかんせんとう】
....應〔まさ〕に若干〔そこばく〕千〔せん〕の塔〔とう〕を起〔た〕つべし。

【如是日月浄明徳佛。:にょぜにちがつじょうみょうとくぶつ】
...是〔かく〕の如〔ごと〕く日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕、

【勅一切衆生憙見菩薩已。:ちょくいっさいしゅじょうきけんぼさっち】
...一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕に勅〔ちょく〕し已〔おわ〕って、

【於夜後分。:おやごふん】
...夜〔よ〕の後分〔ごぶん〕に

【入於涅槃。:にゅうおねはん】
...於〔おい〕て涅槃〔ねはん〕に入〔い〕りたまいぬ。

【爾時一切衆生憙見菩薩。:にじいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【見佛滅度。:けんぶつめつど】
...佛〔ほとけ〕の滅度〔めつど〕を見〔み〕て、

【悲感懊悩。:ひかんおうのう】
...悲感〔ひかん〕懊悩〔おうのう〕して、

【恋慕於佛。:れんぼおぶつ】
...佛〔ほとけ〕を恋慕〔れんぼ〕したてまつり、

【即以海此岸。:そくいかいしがん】
...即〔すなわ〕ち海此岸〔かいしがん〕の

【栴檀為𧂐。:せんだんいし】
...栴檀〔せんだん〕を以〔もっ〕て𧂐〔つみき〕と為〔な〕して、

【供養佛身。:くようぶっしん】
...佛身〔ぶっしん〕を供養〔くよう〕して、

【而以焼之。:にいしょうし】
...以〔もっ〕て之〔これ〕を焼〔や〕きたてまつる。

【火滅已後。:かめっちご】
...火〔ひ〕滅〔き〕え已〔おわ〕って後〔のち〕、

【収取舎利。:しゅうしゅしゃり】
...舎利〔しゃり〕を収取〔しゅうしゅ〕し、

【作八萬四千寶瓶。:さはちまんしせんほうびょう】
...八萬四千〔はちまんしせん〕の寶瓶〔ほうびょう〕を作〔つく〕って、

【以起八萬四千塔。:いきはちまんしせんとう】
...以〔もっ〕て八萬四千〔はちまんしせん〕の塔〔とう〕を起〔た〕つること、

【高三世界。:こうさんぜかい】
...三世界〔さんせかい〕より高〔たか〕く、

【表刹荘厳。:ひょうせっしょうごん】
...表刹〔ひょうせつ〕荘厳〔しょうごん〕して、

【垂諸幡蓋。:すいしょばんがい】
...諸〔もろもろ〕の幡蓋〔ばんがい〕を垂〔た〕れ、

【懸衆寶鈴。:げんしゅほうりょう】
...衆〔もろもろ〕の寶鈴〔ほうりょう〕を懸〔か〕けたり。

【爾時一切衆生憙見菩薩。:にじいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【復自念言。:ぶじねんごん】
...復〔また〕自〔みずか〕ら念言〔ねんごん〕すらく、

【我雖作是供養。:がすいさぜくよう】
....我〔われ〕是〔こ〕の供養〔くよう〕を作〔な〕すと雖〔いえど〕も、

【心猶未足。:しんゆみそく】
....心〔こころ〕猶〔なお〕未〔いま〕だ足〔た〕らず。

【我今當更。:がこんとうきょう】
....我〔われ〕今〔いま〕、當〔まさ〕に更〔さら〕に

【供養舎利。:くようしゃり】
....舎利〔しゃり〕を供養〔くよう〕すべし。

【便語諸菩薩大弟子。:べんごしょぼさつだいでし】
...便〔すなわ〕ち諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、大弟子〔だいでし〕、

【及天。:ぎゅうてん】
...及〔およ〕び天〔てん〕、

【龍。:りゅう】
...龍〔りゅう〕、

【夜叉等。:やしゃとう】
...夜叉等〔やしゃとう〕の

【一切大衆。:いっさいだいしゅ】
...一切〔いっさい〕の大衆〔だいしゅ〕に語〔かた〕らく、

【汝等當一心念。:にょとうとういっしんねん】
....汝等〔なんだち〕當〔まさ〕に一心〔いっしん〕に念〔ねん〕ずべし。

【我今供養。:がこんくよう】
....我〔われ〕今〔いま〕、

【日月浄明徳佛舎利。:にちがつじょうみょうとくぶっしゃり】
....日月浄明徳佛〔にちがつじょうみょうとくぶつ〕の舎利〔しゃり〕を供養〔くよう〕せん。

【作是語已。:さぜごい】
...是〔こ〕の語〔ことば〕を作〔な〕し已〔おわ〕って、

【即於八萬四千塔前。:そくおはちまんしせんとうぜん】
...即〔すなわ〕ち八萬四千〔はちまんしせん〕の塔〔とう〕の前〔まえ〕に於〔おい〕て、

【燃百福荘厳臂。:ねんひゃっぷくしょうごんひ】
...百福〔ひゃっぷく〕荘厳〔しょうごん〕の臂〔ひじ〕を燃〔とも〕すこと、

【七萬二千歳。:しちまんにせんざい】
...七萬二千歳〔しちまんにせんざい〕にして、

【而以供養。:にいくよう】
...以〔もっ〕て供養〔くよう〕す。

【令無数求声聞衆。:りょうむしゅぐしょうもんしゅ】
...無数〔むしゅ〕の声聞〔しょうもん〕を求〔もと〕むる衆〔しゅ〕、

【無量阿僧祇人。:むりょうあそうぎにん】
...無量阿僧祇〔むりょうあそうぎ〕の人〔ひと〕をして、

【發阿耨多羅三藐三菩提心。:ほつあのくたらさんみゃくさんぼだいしん】
...阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕の心〔こころ〕を發〔おこ〕さしめ、

【皆使得住。:かいしとくじゅう】
...皆〔みな〕、②

【現一切色身三昧。:げんいっさいしきしんざんまい】
...現〔げん〕一切〔いっさい〕色身〔しきしん〕三昧〔ざんまい〕に②住〔じゅう〕することを得〔え〕せしむ。

【爾時諸菩薩。:にじしょぼさつ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【天人阿修羅等。:てんにんあしゅらとう】
...天〔てん〕、人〔にん〕、阿修羅等〔あしゅらとう〕、

【見其無臂。:けんごむひ】
...其〔そ〕の臂〔ひじ〕無〔な〕きを見〔み〕て、

【憂悩悲哀。:うのうひあい】
...優悩〔うのう〕悲哀〔ひあい〕して、

【而作是言。:にさぜごん】
...是〔こ〕の言〔ことば〕を作〔な〕さく、

【此一切衆生憙見菩薩。:しいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
....此〔こ〕の一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕は、

【是我等師。:ぜがとうし】
....是〔こ〕れ我等〔われら〕が師〔し〕、

【教化我者。:きょうけがしゃ】
....我〔われ〕を教化〔きょうけ〕したもう者〔もの〕なり。

【而今焼臂。:にこんしょうひ】
....而〔しか〕るに今〔いま〕、

【身不具足。:しんぷぐそく】
....臂〔ひじ〕を焼〔や〕いて、身〔み〕具足〔ぐそく〕したまわず。

【于時一切衆生憙見菩薩。:うじいっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...時〔とき〕に一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕、

【於大衆中。:おだいしゅちゅう】
...大衆〔だいしゅ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【立此誓言。:りっしせいごん】
...此〔こ〕の誓言〔せいごん〕を立〔た〕つ。

【我捨両臂。:がしゃりょうひ】
....我〔われ〕両〔ふたつ〕の臂〔ひじ〕を捨〔す〕てて、

【必當得佛。:ひっとうとくぶつ】
....必〔かなら〕ず當〔まさ〕に佛〔ほとけ〕の

【金色之身。:こんじきししん】
....金色〔こんじき〕の身〔み〕を得〔う〕べし。

【若實不虚。:にゃくじっぷこ】
....若〔も〕し實〔じつ〕にして虚〔むな〕しからずんば、

【令我両臂。:りょうがりょうひ】
....我〔わ〕が両〔ふたつ〕の臂〔ひじ〕をして、

【還復如故。:げんぶくにょこ】
....還復〔げんぶく〕すること故〔もと〕の如〔ごと〕くならしめん。

【作是誓已。:さぜせいい】
...是〔こ〕の誓〔ちかい〕を作〔な〕し已〔おわ〕って、

【自然還復。:じねんげんぶく】
...自然〔じねん〕に還復〔げんぶく〕しぬ。

【由斯菩薩。:ゆしぼさつ】
...斯〔こ〕の菩薩〔ぼさつ〕の

【福徳智慧。:ふくとくちえ】
...福徳〔ふくとく〕智慧〔ちえ〕の、

【淳厚所致。:じゅんこうしょち】
...淳厚〔じゅんこう〕なるに由〔よ〕って致〔いた〕す所〔ところ〕なり。

【當爾之時。:とうにしじ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に當〔あた〕って、

【三千大千世界。:さんぜんだいせんせかい】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕

【六種震動。:ろくしゅしんどう】
...六種〔ろくしゅ〕に震動〔しんどう〕し、

【天雨寶華。:てんぬほうけ】
...天〔てん〕より寶華〔ほうけ〕を雨〔ふ〕らして、

【一切天人。:いっさいてんにん】
...一切〔いっさい〕の天〔てん〕、

【得未曾有。:とくみぞうう】
...人〔にん〕、未曾有〔みぞう〕なることを得〔え〕たり。

【佛告宿王華菩薩。:ぶつごうしゅくおうけぼさつ】
佛〔ほとけ〕、宿王華菩薩〔しゅくおうけぼさつ〕に告〔つ〕げたまわく、

【於汝意云何。:おにょいうんが】
...汝〔なんじ〕が意〔こころ〕に於〔おい〕て云何〔いかん〕。

【一切衆生憙見菩薩。:いっさいしゅじょうきけんぼさつ】
...一切衆生憙見菩薩〔いっさいしゅじょうきけんぼさつ〕は、

【豈異人乎。:きいにんこ】
...豈〔あに〕、異人〔ことひと〕ならんや。

【今薬王菩薩是也。:こんやくおうぼさつぜや】
...今〔いま〕の薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕是〔これ〕なり。

【其所捨身布施。:ごしょしゃしんふせ】
...其〔そ〕の身〔み〕を捨〔す〕てて布施〔ふせ〕する所〔ところ〕、

【如是無量。:にょぜむりょう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕く無量〔むりょう〕

【百千萬億。:ひゃくせんまんのく】
...百千萬億〔ひゃくせんまんのく〕

【那由他数。:なゆたしゅ】
...那由他〔なゆた〕数〔しゅ〕なり。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【若有發心。:にゃくうほっしん】
...若〔も〕し發心〔ほっしん〕して、

【欲得阿耨多羅三藐三菩提者。:よくとくあのくたらさんみゃくさんぼだいしゃ】
...阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕を得〔え〕んと欲〔ほっ〕すること

【能燃手指。:のうねんしゅし】
...有〔あ〕らん者〔もの〕は、能〔よ〕く手〔て〕の指〔ゆび〕、

【乃至足一指。:ないしそくいっし】
...乃至〔ないし〕足〔あし〕の一指〔いっし〕を燃〔とも〕して、

【供養佛塔。:くようぶっとう】
...佛塔〔ぶっとう〕に供養〔くよう〕せよ。

【勝以国城妻子。:しょういこくじょうさいし】
...国城〔こくじょう〕、妻子〔さいし〕、

【及三千大千国土。:ぎゅうさんぜんだいせんこくど】
...及〔およ〕び三千大千国土〔さんぜんだいせんこくど〕の

【山林河池。:せんりんがち】
...山林〔せんりん〕、河池〔がち〕、

【諸珍寶物。:しょちんぼうもつ】
...諸〔もろもろ〕の珍寶物〔ちんぼうもつ〕を以〔もっ〕て

【而供養者。:にくようしゃ】
...供養〔くよう〕せん者〔もの〕に勝〔まさ〕らん。

【若復有人。:にゃくぶうにん】
...若〔も〕し復〔また〕人〔ひと〕有〔あ〕って、

【以七寶満。:いしっぽうまん】
...七寶〔しっぽう〕を以〔もっ〕て

【三千大千世界。:さんぜんだいせんせかい】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕を満〔み〕てて、

【供養於佛。:くようおぶつ】
...佛〔ほとけ〕、③

【及大菩薩。:ぎゅうだいぼさつ】
...及〔およ〕び大菩薩〔だいぼさつ〕、

【辟支佛。:ひゃくしぶつ】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕、

【阿羅漢。:あらかん】
...阿羅漢〔あらかん〕に③供養〔くよう〕せん。

【是人所得功徳。:ぜにんしょとっくどく】
...是〔こ〕の人〔ひと〕の所得〔しょとく〕の功徳〔くどく〕も、

【不如受持。:ふにょじゅじ】
...④

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕の、

【乃至一四句偈。:ないしいっしくげ】
...乃至〔ないし〕一四句偈〔いちしくげ〕を④受持〔じゅじ〕する、

【其福最多。:ごふくさいた】
...其〔そ〕の福〔ふく〕の最〔もっと〕も多〔おお〕きには如〔し〕かじ。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【譬如一切。:ひにょいっさい】
...譬〔たと〕えば一切〔いっさい〕の

【川流江河。:せんるごうが】
...川流〔せんる〕、江河〔ごうが〕の

【諸水之中。:しょすいしちゅう】
...諸水〔しょすい〕の中〔なか〕に、

【海為第一。:かいいだいいち】
...海〔うみ〕為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なるが如〔ごと〕く、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕も、

【亦復如是。:やくぶにょぜ】
...亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於諸如来。:おしょにょらい】
...諸〔もろもろ〕の如来〔にょらい〕の

【所説經中。:しょせつきょうちゅう】
...所説〔しょせつ〕の經〔きょう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最為深大。:さいいじんだい】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ深大〔じんだい〕なり。

【又如土山。:うにょどせん】
...又〔また〕、土山〔どせん〕、

【黒山。:こくせん】
...黒山〔こくせん〕、

【小鉄圍山。:しょうてっちせん】
...小鉄圍山〔しょうてっちせん〕、

【大鉄圍山。:だいてっちせん】
...大鉄圍山〔だいてっちせん〕、

【及十寶山。:ぎゅうじっぽうせん】
...及〔およ〕び十寶山〔じっぽうせん〕の

【衆山之中。:しゅせんしちゅう】
...衆山〔しゅせん〕の中〔なか〕に、

【須彌山為第一。:しゅみせんいだいいち】
...須彌山〔しゅみせん〕為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なるが如〔ごと〕く、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕も、

【亦復如是。:やくぶにょぜ】
...亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於諸經中。:おしょきょうちゅう】
...諸經〔しょきょう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最為其上。:さいいごじょう】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ其〔そ〕の上〔かみ〕なり。

【又如衆星之中。:うにょしゅしょうしちゅう】
...又〔また〕、衆星〔しゅしょう〕の中〔なか〕に、

【月天子。:がってんじ】
...月天子〔がってんじ〕

【最為第一。:さいいだいいち】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なるが如〔ごと〕く、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕も、

【亦復如是。:やくぶにょぜ】
...亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於千萬億種。:おせんまんのくしゅ】
...千萬億種〔せんまんのくしゅ〕の

【諸經法中。:しょきょうぼうちゅう】
...諸〔もろもろ〕の經法〔きょうぼう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最為照明。:さいいしょうみょう】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ照明〔しょうみょう〕なり。

【又如日天子。:うにょにってんじ】
...又〔また〕、日天子〔にってんじ〕の、

【能除諸闇。:のうじょしょあん】
...能〔よ〕く諸〔もろもろ〕の闇〔やみ〕を除〔のぞ〕くが如〔ごと〕く、

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【能破一切。:のうはいっさい】
...能〔よ〕く一切〔いっさい〕の

【不善之闇。:ふぜんしあん】
...不善〔ふぜん〕の闇〔やみ〕を破〔は〕す。

【又如諸小王中。:うにょしょしょうおうちゅう】
...又〔また〕、諸〔もろもろ〕の小王〔しょうおう〕の中〔なか〕に、

【転輪聖王。:てんりんじょうおう】
...転輪聖王〔てんりんじょうおう〕

【最為第一。:さいいだいいち】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なるが如〔ごと〕く、

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於衆經中。:おしゅきょうちゅう】
...衆經〔しゅきょう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最為其尊。:さいいごそん】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ其〔そ〕の尊〔そん〕なり。

【又如帝釋。:うにょたいしゃく】
...又〔また〕、帝釋〔たいしゃく〕の

【於三十三天中王。:おさんじゅうさんてんちゅうおう】
...三十三天〔さんじゅうさんてん〕の中〔なか〕に於〔おい〕て王〔おう〕なるが如〔ごと〕く、

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【諸經中王。:しょきょうちゅうおう】
...諸經〔しょきょう〕の中〔なか〕の王〔おう〕なり。

【又如大梵天王。:うにょだいぼんでんのう】
...又〔また〕、大梵天王〔だいぼんてんのう〕の

【一切衆生之父。:いっさいしゅじょうしぶ】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕の父〔ちち〕なるが如〔ごと〕く、

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【一切賢聖。:いっさいげんじょう】
...一切〔いっさい〕の賢聖〔げんじょう〕、

【学無学。:がくむがく】
...学無学〔がくむがく〕、

【及發菩薩心者之父。:ぎゅうほつぼさつしんしゃしぶ】
...及〔およ〕び菩薩〔ぼさつ〕の心〔こころ〕を發〔おこ〕す者〔もの〕の父〔ちち〕なり。

【又如一切。:うにょいっさい】
...又〔また〕、一切〔いっさい〕の

【凡夫人中。:ぼんぶにんちゅう】
...凡夫人〔ぼんぶにん〕の中〔なか〕に、

【須陀洹。:しゅだおん】
...須陀洹〔しゅだおん〕、

【斯陀含。:しだごん】
...斯陀含〔しだごん〕、

【阿那含。:あなごん】
...阿那含〔あなごん〕、

【阿羅漢。:あらかん】
...阿羅漢〔あらかん〕、

【辟支佛為第一。:ひゃくしぶついだいいち】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕、為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なるが如〔ごと〕く、

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【一切如来所説。:いっさいにょらいしょせつ】
...一切〔いっさい〕の如来〔にょらい〕の所説〔しょせつ〕、

【若菩薩所説。:にゃくぼさつしょせつ】
...若〔も〕しは菩薩〔ぼさつ〕の所説〔しょせつ〕、

【若声聞所説。:にゃくしょうもんしょせつ】
...若〔も〕しは声聞〔しょうもん〕の所説〔しょせつ〕、

【諸經法中。:しょきょうぼうちゅう】
...諸〔もろもろ〕の經法〔きょうぼう〕の中〔なか〕に

【最為第一。:さいいだいいち】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なり。

【有能受持。:うのうじゅじ】
...能〔よ〕く⑤

【是經典者。:ぜきょうでんしゃ】
...是〔こ〕の經典〔きょうでん〕を⑤受持〔じゅじ〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕も、

【亦復如是。:やくぶにょぜ】
...亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於一切衆生中。:おいっさいしゅじょうちゅう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【亦為第一。:やくいだいいち】
...亦〔また〕為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なり。

【一切声聞。:いっさいしょうもん】
...一切〔いっさい〕の声聞〔しょうもん〕、

【辟支佛中。:ひゃくしぶっちゅう】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕の中〔なか〕に、

【菩薩為第一。:ぼさついだいいち】
...菩薩〔ぼさつ〕為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なり。

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於一切諸經法中。:おいっさいしょきょうぼうちゅう】
...一切〔いっさい〕の諸〔もろもろ〕の經法〔きょうぼう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最為第一。:さいいだいいち】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ第一〔だいいち〕なり。

【如佛為諸法王。:にょぶついしょほうおう】
...佛〔ほとけ〕は為〔こ〕れ諸法〔しょほう〕の王〔おう〕なるが如〔ごと〕く、

【此經亦復如是。:しきょうやくぶにょぜ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【諸經中王。:しょきょうちゅうおう】
...諸經〔しょきょう〕の中〔なか〕の王〔おう〕なり。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【此經能救。:しきょうのうく】
...此〔こ〕の經〔きょう〕は能〔よ〕く

【一切衆生者。:いっさいしゅじょうしゃ】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕を救〔すく〕いたもう者〔もの〕なり。

【此經能令。:しきょうのうりょう】
...此〔こ〕の經〔きょう〕は能〔よ〕く、

【一切衆生。:いっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕をして、

【離諸苦悩。:りしょくのう】
...諸〔もろもろ〕の苦悩〔くのう〕を離〔はな〕れしめたもう。

【此經能大饒益。:しきょうのうだいにょうやく】
...此〔こ〕の經〔きょう〕は能〔よ〕く、大〔おお〕いに

【一切衆生。:いっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕を饒益〔にょうやく〕して、

【充満其願。:じゅうまんごがん】
...其〔そ〕の願〔がん〕を充満〔じゅうまん〕せしめたもう。

【如清涼池。:にょしょうりょうち】
...清涼〔せいりょう〕の池〔いけ〕の

【能満一切。:のうまんいっさい】
...能〔よ〕く一切〔いっさい〕の

【諸渇乏者。:しょかつぼうしゃ】
...諸〔もろもろ〕の渇乏〔かつぼう〕の者〔もの〕に満〔み〕つるが如〔ごと〕く、

【如寒者得火。:にょかんじゃとっか】
...寒〔さむ〕き者〔もの〕の火〔ひ〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如裸者得衣。:にょらしゃとくえ】
...裸〔はだか〕なる者〔もの〕の衣〔ころも〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如商人得主。:にょしょうにんとくしゅ】
...商人〔しょうにん〕の主〔しゅ〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如子得母。:にょしとくも】
...子〔こ〕の母〔はは〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如渡得船。:にょどとくせん】
...渡〔わたり〕に船〔ふね〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如病得醫。:にょびょうとくい】
...病〔やまい〕に醫〔くすし〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如暗得燈。:にょあんとくとう】
...暗〔やみ〕に燈〔ともしび〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如貪得寶。:にょびんとくほう】
...貪〔まず〕しきに寶〔たから〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如民得王。:にょみんとくおう】
...民〔たみ〕の王〔おう〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如賈客得海。:にょこきゃくとっかい】
...賈客〔こきゃく〕の海〔うみ〕を得〔え〕たるが如〔ごと〕く、

【如炬除暗。:にょこじょあん】
...炬〔かがりび〕の暗〔やみ〕を除〔のぞ〕くが如〔ごと〕く、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕も

【亦復如是。:やくぶにょぜ】
...亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【能令衆生。:のうりょうしゅじょう】
...能〔よ〕く衆生〔しゅじょう〕をして、

【離一切苦。:りいっさいく】
...一切〔いっさい〕の苦〔く〕、

【一切病痛。:いっさいびょうつう】
...一切〔いっさい〕の病痛〔びょうつう〕を離〔はな〕れ、

【能解一切。:のうげいっさい】
...能〔よ〕く一切〔いっさい〕の

【生死之縛。:しょうじしばく】
...生死〔しょうじ〕の縛〔ばく〕を解〔と〕かしめたもう。

【若人得聞。:にゃくにんとくもん】
...若〔も〕し人〔ひと〕、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕を聞〔き〕くことを得〔え〕て、

【若自書。:にゃくじしょ】
...若〔も〕しは自〔みずか〕らも書〔か〕き、

【若教人書。:にゃっきょうにんしょ】
...若〔も〕しは人〔ひと〕をして書〔か〕かしめん。

【所得功徳。:しょとっくどく】
...所得〔しょとく〕の功徳〔くどく〕、

【以佛智慧。:いぶっちえ】
...佛〔ほとけ〕の智慧〔ちえ〕を以〔もっ〕て

【籌量多少。:ちゅうりょうたしょう】
...多少〔たしょう〕を籌量〔ちゅうりょう〕すとも、

【不得其辺。:ふとくごへん】
...其〔そ〕の辺〔ほとり〕を得〔え〕じ。

【若書是經巻。:にゃくしょぜきょうがん】
...若〔も〕し是〔こ〕の經巻〔きょうがん〕を書〔か〕いて、

【華香瓔珞。:けこうようらく】
...華香〔けこう〕、瓔珞〔ようらく〕、

【焼香抹香塗香。:しょうこうまっこうずこう】
...焼香〔しょうこう〕、抹香〔まっこう〕、塗香〔ずこう〕、

【幡蓋衣服。:ばんがいえぶく】
...幡蓋〔ばんがい〕、衣服〔えぶく〕、

【種種之燈。:しゅじゅしとう】
...種種〔しゅじゅ〕の燈〔ともしび〕、

【蘇燈。:そとう】
...蘇燈〔そとう〕、

【油燈。:ゆとう】
...油燈〔ゆとう〕、

【諸香油燈。:しょこうゆとう】
...諸〔もろもろ〕の香油燈〔こうゆとう〕、

【瞻蔔油燈。:せんぼくゆとう】
...瞻蔔油燈〔せんぼくゆとう〕、

【須曼那油燈。:しゅまなゆとう】
...須曼那油燈〔しゅまなゆとう〕、

【波羅羅油燈。:はららゆとう】
...波羅羅油燈〔はららゆとう〕、

【婆利師迦油燈。:ばりしかゆとう】
...婆利師迦油燈〔ばりしかゆとう〕、

【那婆摩利油燈供養。:なばまりゆとうくよう】
...那婆摩利油燈〔なばまりゆとう〕をもって供養〔くよう〕せん。

【所得功徳。:しょとっくどく】
...所得〔しょとく〕の功徳〔くどく〕、

【亦復無量。:やくぶむりょう】
...亦復〔またまた〕無量〔むりょう〕ならん。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【若有人。:にゃくうにん】
...若〔も〕し人〔ひと〕有〔あ〕って、

【聞是薬王菩薩本事品者。:もんぜやくおうぼさつほんじほんしゃ】
...是〔こ〕の薬王菩薩本事品〔やくおうぼさつほんじほん〕を聞〔き〕かん者〔もの〕は、

【亦得無量無辺功徳。:やくとくむりょうむへんくどく】
...亦〔また〕、無量無辺〔むりょうむへん〕の功徳〔くどく〕を得〔え〕ん。

【若有女人。:にゃくうにょにん】
...若〔も〕し女人〔にょにん〕有〔あ〕って、

【聞是薬王菩薩本事品。:もんぜやくおうぼさつほんじほん】
...是〔こ〕の薬王菩薩本事品〔やくおうぼさつほんじほん〕を聞〔き〕いて、

【能受持者。:のうじゅじしゃ】
...能〔よ〕く受持〔じゅじ〕せん者〔もの〕は、

【尽是女身。:じんぜにょしん】
...是〔こ〕の女身〔にょしん〕を尽〔つく〕して、

【後不復受。:ごふぶじゅ】
...後〔のち〕に復〔また〕受〔う〕けじ。

【若如来滅後。:にゃくにょらいめつご】
...若〔も〕し如来〔にょらい〕の滅後〔めつご〕、

【後五百歳中。:ごごひゃくさいちゅう】
...後五百歳〔ごごひゃくさい〕の中〔なか〕に、

【若有女人。:にゃくうにょにん】
...若〔も〕し女人〔にょにん〕有〔あ〕って、

【聞是經典。:もんぜきょうでん】
...是〔こ〕の經典〔きょうでん〕を聞〔き〕いて、

【如説修行。:にょせっしゅぎょう】
...説〔せつ〕の如〔ごと〕く修行〔しゅぎょう〕せば、

【於此命終。:おしみょうじゅう】
...此〔ここ〕に於〔おい〕て命終〔みょうじゅう〕して、

【即往安楽世界。:そくおうあんらくせかい】
...即〔すなわ〕ち安楽〔あんらく〕世界〔せかい〕の

【阿彌陀佛。:あみだぶつ】
...阿彌陀佛〔あみだぶつ〕の、

【大菩薩衆。:だいぼさっしゅ】
...大菩薩衆〔だいぼさつしゅ〕の

【圍遶住処。:いにょうじゅうしょ】
...囲繞〔いにょう〕せる住処〔じゅうしょ〕に往〔ゆ〕いて、

【生蓮華中。:しょうれんげちゅう】
...蓮華〔れんげ〕の中〔なか〕の

【寶座之上。:ほうざしじょう】
...寶座〔ほうざ〕の上〔うえ〕に生〔しょう〕ぜん。

【不復為貪欲所悩。:ふぶいとんよくしょのう】
...復〔また〕、貪欲〔とんよく〕に悩〔なや〕まされじ。

【亦復不為。:やくぶふい】
...亦復〔またまた〕、

【瞋恚愚癡所悩。:しんにぐちしょのう】
...瞋恚〔しんに〕、愚癡〔ぐち〕に悩〔なや〕まされじ。

【亦復不為。:やくぶふい】
...亦復〔またまた〕、

【憍慢嫉妬。:きょうまんしっと】
...憍慢〔きょうまん〕、嫉妬〔しっと〕、

【諸垢所悩。:しょくしょのう】
...諸垢〔しょく〕に悩〔なや〕まされじ。

【得菩薩神通。:とくぼさつじんづう】
...菩薩〔ぼさつ〕の神通〔じんづう〕、

【無生法忍。:むしょうぼうにん】
...無生法忍〔むしょうほうにん〕を得〔え〕ん。

【得是忍已。:とくぜにんに】
...是〔こ〕の忍〔にん〕を得〔え〕已〔おわ〕って、

【眼根清浄。:げんこんしょうじょう】
...眼根〔げんこん〕清浄〔しょうじょう〕ならん。

【以是清浄眼根。:いぜしょうじょうげんこん】
...是〔こ〕の清浄〔しょうじょう〕の眼根〔げんこん〕を以〔もっ〕て、

【見七百萬二千億。:けんしちひゃくまんにせんおく】
...七百萬二千億〔しちひゃくまんにせんのく〕

【那由他。:なゆた】
...那由他〔なゆた〕

【恒河沙等。:ごうがしゃとう】
...恒河沙等〔ごうがしゃとう〕の

【諸佛如来。:しょぶつにょらい】
...諸佛〔しょぶつ〕如来〔にょらい〕を見〔み〕たてまつらん。

【是時諸佛。:ぜじしょぶつ】
...是〔こ〕の時〔とき〕に諸佛〔しょぶつ〕、

【遙共讃言。:ようぐさんごん】
...遙〔はる〕かに共〔とも〕に讃〔ほ〕めて言〔のたま〕わく、

【善哉善哉。:ぜんざいぜんざい】
....善哉〔ぜんざい〕善哉〔ぜんざい〕、

【善男子。:ぜんなんし】
....善男子〔ぜんなんし〕、

【汝能於釋迦牟尼佛法中。:にょのうおしゃかむにぶっぽうちゅう】
....汝〔なんじ〕能〔よ〕く釋迦牟尼佛〔しゃかむにぶつ〕の法〔ほう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【受持読誦。:じゅじどくじゅ】
....是〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕し、読誦〔どくじゅ〕し、

【思惟是經。:しゆいぜきょう】
....思惟〔しゆい〕し、

【為他人説。:いたにんせつ】
....他人〔たにん〕の為〔ため〕に説〔と〕けり。

【所得福徳。:しょとくふくとく】
....所得〔しょとく〕の福徳〔ふくとく〕、

【無量無辺。:むりょうむへん】
....無量無辺〔むりょうむへん〕なり。

【火不能焼。:かふのうしょう】
....火〔ひ〕も焼〔や〕くこと能〔あた〕わず、

【水不能漂。:すいふのうひょう】
....水〔みず〕も漂〔ただよ〕わすこと能〔あた〕わじ。

【汝之功徳。:にょしくどく】
....汝〔なんじ〕の功徳〔くどく〕は、

【千佛共説。:せんぶつぐせつ】
....千佛〔せんぶつ〕共〔とも〕に説〔と〕きたもうとも

【不能令尽。:ふのうりょうじん】
....尽〔つく〕さしむること能〔あた〕わじ。

【汝今已能。:にょこんいのう】
....汝〔なんじ〕今〔いま〕已〔すで〕に能〔よ〕く

【破諸魔賊。:はしょまぞく】
....諸〔もろもろ〕の魔賊〔まぞく〕を破〔は〕し、

【壊生死軍。:えしょうじぐん】
....生死〔しょうじ〕の軍〔ぐん〕を壊〔え〕し、

【諸余怨敵。:しょよおんてき】
....諸余〔しょよ〕の怨敵〔おんてき〕

【皆悉摧滅。:かいしつざいめつ】
....皆〔みな〕悉〔ことごと〕く摧滅〔さいめつ〕せり。

【善男子。:ぜんなんし】
....善男子〔ぜんなんし〕、

【百千諸佛。:ひゃくせんしょぶつ】
....百千〔ひゃくせん〕の諸佛〔しょぶつ〕、

【以神通力。:いじんづうりき】
....神通力〔じんづうりき〕を以〔もっ〕て、

【共守護汝。:ぐしゅごにょ】
....共〔とも〕に汝〔なんじ〕を守護〔しゅご〕したもう。

【於一切世間。:おいっさいせけん】
....一切〔いっさい〕世間〔せけん〕の

【天人之中。:てんにんしちゅう】
....天〔てん〕、人〔ひと〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【無如汝者。:むにょにょしゃ】
....汝〔なんじ〕に如〔し〕く者〔もの〕無〔な〕し。

【唯除如来。:ゆいじょにょらい】
....唯〔ただ〕如来〔にょらい〕を除〔お〕いて、

【其諸声聞。:ごしょしょうもん】
....其〔そ〕の諸〔もろもろ〕の声聞〔しょうもん〕、

【辟支佛。:ひゃくしぶつ】
....辟支佛〔ひゃくしぶつ〕、

【乃至菩薩。:ないしぼさつ】
....乃至〔ないし〕菩薩〔ぼさつ〕の智慧〔ちえ〕、

【智慧禅定。:ちえぜんじょう】
....禅定〔ぜんじょう〕も、

【無有与汝等者。:むうよにょとうしゃ】
....汝〔なんじ〕と等〔ひと〕しき者〔もの〕有〔あ〕ること無〔な〕けん。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【此菩薩。:しぼさつ】
...此〔こ〕の菩薩〔ぼさつ〕は、

【成就如是。:じょうじゅにょぜ】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き

【功徳智慧之力。:くどくちえしりき】
...功徳〔くどく〕、智慧〔ちえ〕の力〔ちから〕を成就〔じょうじゅ〕せり。

【若有人。:にゃくうにん】
...若〔も〕し人〔ひと〕有〔あ〕って、

【聞是薬王菩薩本事品。:もんぜやくおうぼさつほんじほん】
...是〔こ〕の薬王菩薩本事品〔やくおうぼさつほんじほん〕を聞〔き〕いて、

【能随喜讃善者。:のうずいきさんぜんしゃ】
...能〔よ〕く随喜〔ずいき〕して善〔よ〕しと讃〔さん〕ぜば、

【是人現世口中。:ぜにんげんぜくちゅう】
...是〔こ〕の人〔ひと〕現世〔げんせ〕に、口〔くち〕の中〔うち〕より

【常出青蓮華香。:じょうすいしょうれんげこう】
...常〔つね〕に青蓮華〔しょうれんげ〕の香〔か〕を出〔いだ〕し、

【身毛孔中。:しんもうくちゅう】
...身〔み〕の毛孔〔もうく〕の中〔なか〕より

【常出牛頭栴檀之香。:じょうすいごずせんだんしこう】
...常〔つね〕に牛頭栴檀〔ごずせんだん〕の香〔か〕を出〔いだ〕さん。

【所得功徳。:しょとっくどく】
...所得〔しょとく〕の功徳〔くどく〕、上〔かみ〕に説〔と〕く

【如上所説。:にょじょうしょせつ】
...所〔ところ〕の如〔ごと〕し。

【是故宿王華。:ぜこしゅくおうけ】
...是〔こ〕の故〔ゆえ〕に宿王華〔しゅくおうけ〕、

【以此薬王菩薩本事品。:いしやくおうぼさつほんじほん】
...此〔こ〕の薬王菩薩本事品〔やくおうぼさつほんじほん〕を以〔もっ〕て、

【属累於汝。:ぞくるいおにょ】
...汝〔なんじ〕に嘱累〔ぞくるい〕す。

【我滅度後。:がめつどご】
...我〔わ〕が滅度〔めつど〕の後〔のち〕、

【後五百歳中。:ごごひゃくさいちゅう】
...後〔のち〕の五百歳〔ごひゃくさい〕の中〔なか〕に、

【廣宣流布。:こうせんるふ】
...⑥

【於閻浮提。:おえんぶだい】
...閻浮提〔えんぶだい〕に⑥廣宣流布〔こうせんるふ〕して、

【無令断絶。:むりょうだんぜつ】
...断絶〔だんぜつ〕せしむること無〔な〕けん。

【惡魔。:あくま】
...惡魔〔あくま〕、

【魔民。:まみん】
...魔民〔まみん〕、

【諸天。:しょてん】
...諸天〔しょてん〕、

【龍。:りゅう】
...龍〔りゅう〕、

【夜叉。:やしゃ】
...夜叉〔やしゃ〕、

【鳩槃荼等。:くはんだとう】
...鳩槃荼等〔くはんだとう〕

【得其便也。:とくごべんや】
...其〔そ〕の便〔たより〕を得〔え〕ん。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【汝當以神通之力。:にょとういじんづうしりき】
...汝〔なんじ〕當〔まさ〕に神通〔じんづう〕の力〔ちから〕を以〔もっ〕て、

【守護是經。:しゅごぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を守護〔しゅご〕すべし。

【所以者何。:しょいしゃが】
...所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【此經則為。:しきょうそくい】
...此〔こ〕の經〔きょう〕は則〔すなわ〕ち為〔こ〕れ、

【閻浮提人。:えんぶだいにん】
...閻浮提〔えんぶだい〕の人〔ひと〕の

【病之良薬。:びょうしろうやく】
...病〔やまい〕の良薬〔ろうやく〕なり。

【若人有病。:にゃくにんうびょう】
...若〔も〕し人〔ひと〕病〔やまい〕有〔あ〕らんに、

【得聞是經。:とくもんぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を聞〔き〕くことを得〔え〕ば、

【病即消滅。:びょうそくしょうめつ】
...病〔やまい〕即〔すなわ〕ち消滅〔しょうめっ〕して

【不老不死。:ふろうふし】
...不老不死〔ふろうふし〕ならん。

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【汝若見有。:にょにゃっけんぬ】
...汝〔なんじ〕若〔も〕し

【受持是經者。:じゅじぜきょうじゃ】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕を見〔み〕ては、

【應以青蓮華。:おういしょうれんげ】
...應〔まさ〕に青蓮華〔しょうれんげ〕を以〔もっ〕て、

【盛満抹香。:じょうまんまっこう】
...抹香〔まっこう〕を盛〔も〕り満〔み〕てて、

【供散其上。:くさんごじょう】
...其〔そ〕の上〔うえ〕に供散〔くさん〕すべし。

【散已。:さんに】
...散〔さん〕じ已〔おわ〕って、

【作是念言。:さぜねんごん】
...是〔こ〕の念言〔ねんごん〕を作〔な〕すべし。

【此人不久。:しにんふく】
....此〔こ〕の人〔ひと〕久〔ひさ〕しからずして、

【必當取草。:ひっとうしゅそう】
....必〔かなら〕ず當〔まさ〕に草〔くさ〕を取〔と〕って、

【坐於道場。:ざおどうじょう】
....道場〔どうじょう〕に坐〔ざ〕して、

【破諸魔軍。:はしょまぐん】
....諸〔もろもろ〕の魔軍〔まぐん〕を破〔は〕すべし。

【當吹法螺。:とうすいほうら】
....當〔まさ〕に法〔ほう〕の螺〔かい〕を吹〔ふ〕き、

【撃大法鼓。:きゃくだいほっく】
....大法〔だいほう〕の鼓〔つづみ〕を撃〔う〕って、

【度脱一切衆生。:どだついっさいしゅじょう】
....一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕の

【老病死海。:ろうびょうしかい】
....老病死〔ろうびょうし〕の海〔うみ〕を度脱〔どだつ〕すべし。

【是故求佛道者。:ぜこぐぶつどうしゃ】
...是〔こ〕の故〔ゆえ〕に、佛道〔ぶつどう〕を求〔もと〕めん者〔もの〕、

【見有受持是經典人。:けんぬじゅじぜきょうでんにん】
...是〔こ〕の經典〔きょうでん〕を受持〔じゅじ〕すること有〔あ〕らん人〔ひと〕を見〔み〕ては、

【應當如是。:おうとうにょぜ】
...應當〔まさ〕に是〔かく〕の如〔ごと〕く、

【生恭敬心。:しょうくぎょうしん】
...恭敬〔くぎょう〕の心〔こころ〕を生〔しょう〕ずべし。

【説是薬王菩薩本事品時。:せつぜやくおうぼさつほんじほんじ】
是〔こ〕の薬王菩薩本事品〔やくおうぼさつほんじほん〕を説〔と〕きたもう時〔とき〕、

【八萬四千菩薩。:はちまんしせんぼさつ】
八萬四千〔はちまんしせん〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【得解一切衆生語言陀羅尼。:とくげいっさいしゅじょうごごんだらに】
解〔げ〕一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕語言〔ごごん〕陀羅尼〔だらに〕を得〔え〕たり。

【多寶如来。:たほうにょらい】
多寶如来〔たほうにょらい〕、

【於寶塔中。:おほうとうちゅう】
寶塔〔ほうとう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【讃宿王華菩薩言。:さんしゅくおうけぼさつごん】
宿王華菩薩〔しゅくおうけぼさつ〕を讃〔ほ〕めて言〔のたま〕わく、

【善哉善哉。:ぜんざいぜんざい】
...善哉〔ぜんざい〕善哉〔ぜんざい〕、

【宿王華。:しゅくおうけ】
...宿王華〔しゅくおうけ〕、

【汝成就不可思議功徳。:にょじょうじゅふかしぎくどく】
...汝〔なんじ〕不可思議〔ふかしぎ〕の功徳〔くどく〕を成就〔じょうじゅ〕して、

【乃能問。:ないのうもん】
...乃〔すなわ〕ち能〔よ〕く

【釋迦牟尼佛。:しゃかむにぶつ】
...釋迦牟尼佛〔しゃかむにぶつ〕に、

【如此之事。:にょししじ】
...此〔かく〕の如〔ごと〕きの事〔じ〕を問〔と〕いたてまつりて、

【利益無量。:りやくむりょう】
...無量〔むりょう〕の

【一切衆生。:いっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕を利益〔りやく〕す。



ページのトップへ戻る