日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


撰時抄 2 第一章 仏法は時を糾〔ただ〕すべき


【撰時抄 建治元年六月一〇日 五四歳】
撰時抄 建治1年6月10日 五四歳御作


【釈子 日蓮述】
釈尊の弟子、日蓮がこれを述べる。

【夫〔それ〕仏法を学せん法は必ず先づ時をならうべし。】
仏法を学ぼうとする時には、まず仏教を広める時期を習わなければなりません。

【過去の大通智勝仏は出世し給ひて】
過去三千塵点劫の大通智勝仏は、出世してから

【十小劫が間一経も説き給はず。】
十小劫の間、ひとつの経文さえ説きませんでした。

【経に云はく「一坐十小劫」と。】
この事を、法華経化城喩品第七では「一坐十小劫」と説き顕しています。

【又云はく「仏〔ほとけ〕時未だ至らずと知ろしめして】
また「仏は、法を説くべき時が、いまだ来ていない事を知っていたから、

【請ひを受けて黙然〔もくねん〕として坐したまへり」等云云。】
弟子から説法を請い願われても黙って座っていた」と説かれています。

【今の教主釈尊は四十余年の程、法華経を説き給はず。】
また、現在の教主釈尊は、成道してから四十余年の間、法華経を説きませんでした。

【経に云はく】
この事を法華経方便品第二には

【「説時〔せつじ〕未だ至らざるが故なり」云云。】
「説く時がいまだ来ていなかったからである」と説かれています。

【老子は母の胎〔たい〕に処して】
外道であっても老子は、母の胎内に

【八十年、】
八十年間とどまって時を待ったと言われています。

【弥勒〔みろく〕菩薩は兜率〔とそつ〕の内院に籠〔こも〕らせ給ひて】
弥勒菩薩は、将来仏となる菩薩が住むという都率天の内院にこもり、

【五十六億七千万歳をまち給うべし。】
五十六億七千万年の間、出世の時を待っていたと言われています。

【彼の時鳥〔ほととぎす〕は春ををくり、】
あのホトトギスは、春の終わろうとする初夏を待って鳴き、

【鶏鳥〔にわとり〕は暁をまつ。】
ニワトリは、暁を待って鳴きます。

【畜生すらなを〔猶〕かくのごとし。】
このように畜生ですら、時を間違える事はないのです。

【何に況んや、仏法を修行せんに時を糾〔ただ〕さゞるべしや。】
ましてや仏教を修行する時は、時を知るべきなのです。


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