日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


撰時抄 3 第二章 今正しく是其の時なり


【寂滅〔じゃくめつ〕道場の砌〔みぎり〕には】
釈尊が最初に説法をした寂滅道場の時には、

【十方の諸仏示現し、一切の大菩薩集会〔しゅうえ〕し給ひ、】
十方の諸仏が現われ、すべての大菩薩が集〔つど〕い、

【梵〔ぼん〕・帝〔たい〕・四天は衣をひるがへし、】
大梵天、帝釈天、四天王は、衣をひるがえして集まり、

【竜神八部は掌〔たなごころ〕を合はせ、】
竜神、八部衆は、手を合わせて仏を礼拝し、

【凡夫大根性の者は耳をそばだて、】
凡夫の中で仏法を志す者は、耳を澄ませて仏の説法を待ち続け、

【生身得忍の諸菩薩・解脱月〔げだつがつ〕等請〔しょう〕をなし給ひしかども、】
無生忍を証した生身得忍の諸菩薩、解脱月菩薩などが説法を乞うたのです。

【世尊は二乗作仏・久遠実成をば】
このような寂滅道場においてさえ、仏は、二乗作仏、久遠実成を隠して、

【名字をかく〔秘〕し、】
その名すら秘していました。

【即身成仏・一念三千の肝心其の義を宣べ給はず。】
即身成仏、一念三千の法門は、仏教の極理であるが故に説き明かさなかったのです。

【此等は偏〔ひとえ〕にこれ機は有りしかども】
これらは、偏に説法を求めていましたが

【時の来たらざればのべさせ給はず。経に云はく】
未だ時が来ていなかったので述べなかったのです。ゆえに法華経方便品第二では

【「説時〔せつじ〕未だ至らざるが故なり」等云云。】
「説く時が、いまだ至らざるゆえ」と説いてあるのです。

【霊山会上の砌には】
そうして、いよいよ霊鷲山で法華経を説くにあたっては、

【閻浮第一の不孝の人たりし阿闍世〔あじゃせ〕大王座につらなり、】
世界一の不孝の阿闍世王も、その座に連なり、

【一代謗法の提婆達多には天王如来と名をさづけ、】
一生の間、謗法を犯し続けた提婆達多にも天王如来の記別が授けられ、

【五障の竜女は】
女人として五つの障りがある竜女には、

【蛇身〔じゃしん〕をあらためずして仏になる。】
蛇の身のままで仏になるという即身成仏の姿を示しました。

【決定性〔けつじょうしょう〕の成仏は燋〔い〕れる種の】
決定性の二乗は、燋れる種が、

【花さき果〔このみ〕なり、】
ふたたび、芽が出て花が咲き果実がなったように二乗作仏を約束され、

【久遠実成は百歳の叟〔おきな〕】
また久遠実成を説く時には、百歳の老人が

【二十五の子となれるかとうたがふ。一念三千は】
二十五の若い子供になったかと疑わせたのです。そうやって一念三千は、

【九界即仏界、仏界即九界と談ず。】
九界即仏界、仏界即九界と真実の十界互具を説き明かしたのです。

【されば此の経の一字は如意〔にょい〕宝珠〔ほうじゅ〕なり。】
されば、この法華経の一文字は、如意宝珠であり、

【一句は諸仏の種子となる。】
法華経の一句は、諸仏の種子となったのです。

【此等は機の熟不熟はさておきぬ、時の至れるゆへなり。】
これらは、このように衆生の理解度の差は、さておいて、時の至れるゆえなのです。

【経に云はく「今正〔まさ〕しく是〔これ〕其の時なり、】
法華経方便品第二に「今正しく、その時なり、

【決定して大乗を説く」等云云。】
決定して大乗を説く」とあるのは、この事なのです。


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