日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


撰時抄 31 第三十章 大長星、大地震、出来せり


【亡国〔ぼうこく〕のかなしさ亡身〔ぼうしん〕のなげかしさに、】
亡国の悲しさ、亡身の嘆きを思えば、

【身命をすてゝ此の事をあらわすべし。】
身命を捨てて、この事を明らかにしなければならないのです。

【国主世を持つべきならば、あや〔怪〕しとをも〔思〕ひて、】
国主たる者は、世を治めようとするならば、これをあやしく思って

【たづ〔尋〕ぬべきところに、】
この事を尋ねなければならないのに、

【たゞざんげん〔讒言〕のことばのみ用ひて、やうやうのあだをなす。】
ただ、讒言の言葉のみを聞いて、この事を主張する日蓮を迫害しているのです。

【而るに法華経守護の梵天・帝釈・日月・四天・地神〔ちじん〕等は】
それなのに法華経守護の梵天、帝釈、日月、四天、地神は、

【古〔いにしえ〕の謗法をば不思議とはをぼせども、】
過去の善無畏の謗法を罰する事もなく、それを不思議と思ったけれども、

【此をしれる人なければ】
この事を知っている日蓮のような者もいなかったので、

【一子〔いっし〕の悪事のごとくうちゆるして、】
一人っ子が悪い事をした時のように、それを許し、

【いつわりをろかなる時もあり、】
嘘を言ったり、愚かであったりした時も、

【又すこしつ〔摘〕みし〔知〕らする時もあり。】
少しだけ誡めてそれを教えた時もあったのですが、

【今は謗法を用ひたるだに不思議なるに、】
今は、謗法の言葉を用いる事さえ不思議なのに、

【まれまれ諌暁〔かんぎょう〕する人をかへりてあだをなす。】
稀に諌暁する人を返って迫害しているのです。

【一日二日・一月二月・一年二年ならず数年に及ぶ。】
しかも一日、二日、一月、二月、一年、二年だけでなく、数年に及んでいるのです。

【彼の不軽菩薩の杖木〔じょうもく〕の難に値ひしにもすぐれ、】
それは、あの不軽菩薩が杖木の迫害を受けた事さえ及ばず、

【覚徳比丘〔かくとくびく〕の殺害〔せつがい〕に及びしにもこえたり。】
覚徳比丘が刀杖に及んだのですが、それさえ超えているのです。

【而る間、梵釈の二王・】
そうであるゆえに、梵天、帝釈の二王、

【日月・四天・衆星・地神等やうやうにいかり、】
日月、四天、衆星、地神は、ようやく怒りをなして、

【度々いさめらるれども、いよいよあだをなすゆへに、天の御計らひとして、】
何度か諌めたが、いよいよ日蓮を迫害した為に天の計らいとして、

【隣国の聖人にをほせつけられて此をいましめ、】
隣国の聖人に命じて、この謗法の国を攻め、

【大鬼神を国に入れて人の心をたぼらかし、】
大鬼神を国内に入れて人の心を騙〔だま〕して

【自界反逆〔じかいほんぎゃく〕せしむ。吉凶〔きっきょう〕につけて】
内乱を起こさせたのです。良いにつけ悪いにつけ、

【瑞〔きざし〕大なれば難多かるべきことわ〔理〕りにて、】
瑞相が大きければ、難も多いのが道理であって、

【仏滅後二千二百三十余年が間、いまだいでざる大長星〔だいちょうせい〕、】
仏の滅後二千二百三十余年の間、未だ出た事のない大きな彗星や、

【いまだふ〔震〕らざる大地しん〔震〕出来せり。】
未だ経験した事のないような大地震が起きたのです。


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