日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


撰時抄 32 第三十一章 日本第一の法華経の行者


【漢土・日本に智慧すぐれ才能いみじき聖人は度々ありしかども、】
漢土にも日本にも、智慧が優れ、才能の高い聖人は、度々、出たけれども、

【いまだ日蓮ほど法華経のかたうど〔方人〕して、】
未だ日蓮ほど法華経の味方となって

【国土に強敵〔ごうてき〕多くまう〔儲〕けたる者なきなり。】
国土に多くの強敵を作って、それらと闘った者は、いないのです。

【まづ眼前の事をもって】
まず、このような眼の前の事実をもって、

【日蓮は閻浮第一の者としるべし。】
日蓮が世界第一の者である事を知るべきなのです。

【仏法日本にわた〔渡〕て七百余年、一切経は五千七千、宗は八宗十宗、】
仏法が日本に渡って七百余年、一切経は五千巻、七千巻、宗は八宗、十宗もでき、

【智人は稲麻〔とうま〕のごとし、】
智者は、稲や麻のように多く、

【弘通は竹葦〔ちくい〕ににたり。】
その弘通の盛んな事は、竹、葦のようであったのです。

【しかれども仏には阿弥陀仏、】
しかし、その仏といえば、他国土の阿弥陀仏だけであり、

【諸仏の名号には弥陀の名号ほどひろまりてをはするは候はず。】
その他の仏の名は、阿弥陀の称名ほどには、弘まってはいないのです。

【此の名号を弘通する人は、慧心は往生要集をつくる、】
この称名を弘めたのは、比叡山の慧心先徳であり、往生要集を作って、

【日本国三分が一は一同の弥陀念仏者。】
日本の三分の一が念仏者になったのです。

【永観〔ようかん〕は十因と往生講の式をつくる。】
さらに永観が、往生十因、往生講の式を作って、

【扶桑〔ふそう〕三分が二分は一同の念仏者。】
日本の三分の二分が念仏者になってしまったのです。

【法然はせんちゃく〔選択〕をつくる、】
そして、さらには、法然が選択集を作り、

【本朝一同の念仏者。】
日本国一同が念仏者となってしまったのです。

【而かれば今の弥陀の名号を唱ふる人々は一人が弟子にはあらず。】
そうであれば、今、念仏を唱える人々は、一人の弟子ではないのです。

【此の念仏と申すは双観〔そうかん〕経・観経・阿弥陀経の題名なり。】
この念仏というのは、雙観経、観経、阿弥陀経の題名なのです。

【権大乗経の題目の広宣流布するは、】
このような権経の題目が広宣流布する事は、

【実大乗経の題目の流布せんずる序にあらずや。】
実経たる法華経の題目が流布する序分となるのです。

【心あらん人は此をすい〔推〕しぬべし。】
心あらん人々は、この事をよく考えるべきです。

【権経流布せば実経流布すべし。】
権経が流布すれば、必ず実経が流布するのです。

【権経の題目流布せば実経の題目又流布すべし。】
権経の題目が流布すれば、実経の題目もまた流布するのです。

【欽明〔きんめい〕より】
仏教が初めて伝わった欽明天皇より、

【当帝〔とうてい〕にいたるまで七百余年、いまだきかず、いまだ見ず、】
今の天皇にいたるまでの七百余年の間に、

【南無妙法蓮華経と唱へよと他人をすゝめ、我と唱へたる智人なし。】
未だ南無妙法蓮華経と唱えよと、他人にも勧め、自らも唱えた智者はいません。

【日出でぬれば星かくる。賢王来たれば愚王ほろぶ。】
太陽が出れば、星は隠れ、賢王が来れば、愚王は滅ぶのです。

【実経流布せば権経のとゞまり、】
同じように実経が流布すれば権経は廃れ、

【智人南無妙法蓮華経と唱えば愚人の此に随はんこと、】
智者が南無妙法蓮華経と唱えれば愚人がこれに随うのです。

【影と身と声と響きとのごとくならん。】
影と身と声と響きのように、それぞれ対応するのです。

【日蓮は日本第一の法華経の行者なる事あえて疑ひなし。】
日蓮が日本第一の法華経の行者である事は、疑いようがないのです。

【これをもってすい〔推〕せよ。】
これをもって推察すべきです。

【漢土・月支にも一閻浮提の内にも肩をならぶる者は有るべからず。】
中国にもインドにも全世界にも日蓮と肩を並べる者は有り得ないのです。


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