日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


撰時抄 34 第三十三章 南無とのみ唱えて仏と言わず


【いまにしもみよ。】
今に見ていなさい。

【大蒙古国数万艘〔そう〕の兵船〔ひょうせん〕をうかべて日本国をせめば、】
大蒙古国が数万艘の船を浮かべて、日本へ攻めて来るならば、

【上一人より下万民にいたるまで一切の仏寺・一切の神寺をばなげすてゝ、】
上一人より下万民に至るまで、すべての仏寺や、すべての神社を投げ捨てて、

【各々声をつるべ〔連合〕て南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と唱へ、】
各々、声を合わせて南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と唱え、

【掌を合はせてたすけ給へ】
手を合わせて「たすけてください、

【日蓮の御房、日蓮の御房とさけび候はんずるにや。】
日蓮聖人、日蓮聖人」と叫ぶようになるでしょう。

【例せば月支の大族王は幼日王〔ようにちおう〕に掌をあはせ、】
たとえばインドの大族王は、幻日王に手を合わせ、

【日本の宗盛〔むねもり〕は影時〔かげとき〕をうやま〔敬〕う、】
日本の平宗盛は、梶原景時を敬ったのです。

【大慢〔たいまん〕のものは敵に随ふという、このことわりなり。】
このように、大慢心の者は、敵に従わなければ、ならないという事が道理なのです。

【彼の軽毀〔きょうき〕大慢の比丘等は】
不軽菩薩を軽んじ迫害を加えた大慢心の僧達は、

【始めには杖木をとゝのへて不軽菩薩を打ちしかども、】
初めには杖や木を用意して不軽菩薩を打ったが、

【後には掌をあわせて失〔とが〕をく〔悔〕ゆ。】
後には手を合わせて、その誤りを悔いたのです。

【提婆達多は釈尊の御身に血をいだししかども、】
提婆達多は、釈尊の身体に傷を負わせながらも、

【臨終の時には南無と唱へたりき。】
死ぬ時には、「南無」と唱えたのです。

【仏とだに申したりしかば地獄には墮つべからざりしを、】
しかし「南無仏」とまで言えば、地獄へ堕ちないで済んだのに、

【業ふか〔深〕くして但〔ただ〕】
罪業が深く、ただ

【南無とのみとな〔唱〕へて仏とはいわず。】
「南無」だけで「仏」とまで唱えなくて地獄へ堕ちてしまったのです。

【今日本国の高僧等も南無日蓮聖人ととな〔唱〕えんとすとも、】
いま日本の高僧達も、提婆達多と同じく「南無日蓮聖人」と唱えようとしても、

【南無計りにてやあらんずらん。ふびんふびん。】
南無だけで終わるのではないでしょうか。実に憐れで可哀そうなものです。


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