日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


法華取要抄 10 第九章 諸難は何に因って之を起こすや


【問うて曰く、此等の大中小の諸難は何に因〔よ〕って之を起こすや。】
それでは、これらの大中小の諸難は、何が原因になって起きたのでしょうか。

【答へて曰く、最勝王経に云はく「非法〔ひほう〕を行ずる者を見て】
その理由は、金光明最勝王経に「非道な行いをする者を見て、

【当〔まさ〕に愛敬〔あいぎょう〕を生じ】
それを称賛し、

【善法を行ずる人に於て苦楚〔くそ〕して治罰〔じばつ〕す」等云云。】
立派な行いをする人を苦しめ罰する」と説かれています。

【法華経に云はく。涅槃経に云はく。】
また、法華経にも、涅槃経にも同様の事が説かれています。

【金光明経に云はく「悪人を愛敬し善人を治罰するに由〔よ〕るが故に、】
金光明経には「悪人を称賛し、善人を罰する故に、

【星宿〔せいしゅく〕及び風雨皆〔みな〕時を以〔もっ〕て】
星座や風雨がすべて時節通りに、

【行〔めぐ〕らず」等云云。大集経に云はく「仏法実に隠没せば】
行われない」とあり、大集経には「仏法が末法において隠没すれば、

【乃至是くの如き不善業の悪王と悪比丘と我が正法を毀壊〔きえ〕す」等。】
このような不善業の悪王と悪僧とが、正しい法を破壊する」とあります。

【仁王経に云はく「聖人去る時七難必ず起こる」等。】
仁王経には「聖人が去る時には、七難が必ず起こる」とあります。

【又云はく「法に非ず律に非ずして比丘を繋縛〔けばく〕すること】
また「法律によらないで僧侶を捕らえて、

【獄囚〔ごくしゅう〕の法の如〔ごと〕くす。】
囚人のように扱う。

【爾〔そ〕の時に当たって法滅せんこと久〔ひさ〕しからず」等。】
そのような時には、仏法は、久しからずして滅びる」とあります。

【又云はく「諸の悪比丘多く名利を求め国王・太子・王子の前に於て】
また、「多くの悪僧が名聞名利を求め、国王や太子や王子の前において

【自〔みずか〕ら破仏法の因縁・破国の因縁を説かん。】
自ら仏法を破る因縁や国を破る因縁を説くであろう。

【其の王別〔わきま〕へずして此の語を信聴〔しんちょう〕せん」等云云。】
その国王は、それを分別出来ずに、その言葉を信ずるであろう」と説かれています。

【此等の明鏡を齎〔もっ〕て当時の日本国に引き向かふるに】
これらの明鏡によって、現在の日本を考えてみると、

【天地を浮かぶること宛〔あたか〕も符契〔ふけい〕の如し、】
その天地の状況を思い浮かべると、まさに割り符を合わせたように同じなのです。

【眼〔まなこ〕有らん我が門弟は之を見よ。】
眼を開いて、私の門弟は、これらを見なさい。

【当に知るべし、此の国に悪比丘等有って、天子・王子・将軍等に向かって】
まさに知るべきなのです。この国に悪僧がいて、天子、王子、将軍らに向かって、

【讒訴〔ざんそ〕を企〔くわだ〕て聖人を失ふ世なり。】
讒言をもって訴訟を企て、聖人を失なわせようとする世界なのです。

【問うて曰く、弗舍密多羅王〔ほっしゃみったらおう〕・】
それでは、弗舎密多羅王、

【会昌〔かいしょう〕天子・守屋〔もりや〕等は】
会昌天子、物部守屋などは、

【月支〔がっし〕・真旦〔しんだん〕・日本の仏法を滅失し、】
インド、中国、日本の仏法を滅ぼそうとして、

【提婆〔だいば〕菩薩・師子尊者等を殺害す、】
提婆菩薩や師子尊者は、殺害されました。

【其の時何ぞ此の大難を出〔い〕ださざるや。】
その時に、どうして今のような大災難が起きなかったのでしょうか。

【答へて曰く、災難は人に随って大小有るべし。】
それは、災難は、人によって大小の違いがあるのです。

【正像二千年の間の悪王・悪比丘等は、或は外道を用ひ】
正法、像法二千年の間、悪王、悪僧たちは、あるいは、外道を用いたり、

【或は道士〔どうし〕を語〔かた〕らひ或は邪神を信ず。】
あるいは、道教の僧と謀ったり、あるいは、邪神を信じて祈るのです。

【仏法を滅失すること大なるに似れども其の科〔とが〕尚浅きか。】
仏法を滅ぼす事は、重大であるように見えますが、その罪は、まだ浅いのです。

【今当世の悪王・悪比丘の仏法を滅失するは、】
それに対して、現在の悪王、悪僧が仏法を滅ぼそうとしているは、

【小を以て大を打ち、権を以て実を失ふなり。】
小乗を以て大乗を打ち、権経を以て実経を滅ぼしているのであり、

【人心を削〔けず〕りて身を失はず、】
人々の身を滅ぼさずに正法への信仰心を削り、

【寺塔を焼き尽くさずして自然に之を喪〔ほろ〕ぼす。】
寺塔を焼き尽くさずに自然に朽ちるのを待って仏法を滅ぼしているのです。

【其の失〔とが〕前代に超過せるなり。】
その罪は、正法、像法時代よりも重いのです。


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