日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


四信五品抄 6 第五章 福過十号疑ひ無き者なり


【問ふ、汝が弟子一分の解〔げ〕無くして但一口に】
それでは、あなたの弟子が全く意味も解らずただ一回だけ声を出して

【南無妙法蓮華経と称する其の位如何。】
南無妙法蓮華経と唱えた場合、その人の階位はどのようなものなのでしょうか。

【答ふ、此の人は但四味三教の極位並びに】
それは、単に四味、三教の最後の階位の者や、

【爾前の円人に超過〔ちょうか〕するのみに非ず、】
爾前の円教の人を超えるだけでなく、

【将又〔はたまた〕真言等の諸宗の元祖、畏〔い〕・厳〔ごん〕・恩〔おん〕・】
さらには真言宗などの様々な宗派の開祖である善無畏、智厳、慈恩大師、

【蔵〔ぞう〕・宣〔せん〕・摩〔ま〕・導〔どう〕等に】
吉蔵、道宣、達磨、善導などよりも

【勝出すること百千万億倍なり。】
優れている事は、百千万億倍であるのです。

【請ふ、国中の諸人我が末弟等を軽んずること勿〔なか〕れ。】
是非とも国中の人々に私の弟子たちを軽んじないで頂きたいものです。

【進んで過去を尋ぬれば八十万億劫〔まんのくこう〕供養せし大菩薩なり。】
時代を戻って過去を訪ねれば、八十万億劫の間、仏に供養し続けた大菩薩なのです。

【豈〔あに〕煕連一恒〔きれんいちごう〕の者に非ずや。】
どうして熈連一恒供養の者でない事があるでしょうか。

【退〔しりぞ〕いて未来を論ずれば、八十年の布施に超過して】
時代を進めて未来を論ずれば、八十年にわたって布施を行った者を超え、

【五十の功徳を備〔そな〕ふべし。】
さらに五十番目に法華経を聞いた者と同じ功徳を備えるに違いないのです。

【天子の襁褓〔むつき〕に纏〔まと〕はれ大竜の始めて生ぜるがごとし。】
皇帝に生まれた時は産着に包まれ、巨大な竜も生まれた時は小さいものなのです。

【蔑如〔べつじょ〕すること勿れ蔑如すること勿れ。】
決して蔑〔ないがし〕ろにしてはならないのです。

【妙楽の云はく「若し悩乱〔のうらん〕する者は頭七分に破れ】
妙楽大師は「もし法華経を説く者を悩ませれば、頭が七つに割れ、

【供養すること有らん者は福十号に過ぐ」と。】
もし供養する者がいれば、その福徳は十の称号を持つ仏を超える」と述べています。

【優陀延王〔うだえんおう〕は賓豆盧〔びんずる〕尊者〔そんじゃ〕を蔑如して】
優陀延王は、賓豆盧尊者を蔑〔ないがし〕ろにし、

【七年の内に身を喪失〔そうしつ〕し、】
七年の内に身体の自由を失ったのです。

【相州〔そうしゅう〕は日蓮を流罪して百日の内に兵乱に遇〔あ〕へり。】
北条時宗は、日蓮を流罪にして百日の内に内乱に遭ったのです。

【経に云はく「若し復〔また〕是の経典を受持する者を見て】
経文には「もしこの経典を受持する者を見て、

【其の過悪〔かあく〕を出〔い〕ださん。】
その人を悪く言うような事があれば、

【若しは実にもあれ若しは不実にもあれ此の人は】
もし、それが事実であっても事実でなくても、この悪口を言う人は、

【現世に白癩〔びゃくらい〕の病を得ん。】
生きているうちに白癩病になるであろう。

【乃至諸悪重病あるべし」と。】
また、いろいろな重病になるであろう」と説かれています。

【又云はく「当に世々に眼なかるべし」等云云。】
また「生まれる度に仏法を理解する目がないであろう」と説かれています。。

【明心〔みょうしん〕と円智〔えんち〕とは現に白癩を得、】
明心と円智とは、生きているうちに白癩病にかかり、

【道阿弥〔どうあみ〕は無眼の者と成りぬ、】
道阿弥は、盲目の者となったのです。

【国中の疫病〔やくびょう〕は頭破七分なり。】
日本全国の疫病は「頭が七つに割れ」と云う経文通りであるのです。

【罰を以て徳を惟〔おも〕ふに】
誹謗した者たちが受けた罰によって法華経を信じる者の功徳を推しはかるなら、

【我が門人等は福過〔ふくか〕十号疑ひ無き者なり。】
私の弟子は、経文通りの「十の称号を持つ仏を超える」と云う者達なのです。

【夫〔それ〕人王三十代欽明〔きんめい〕の御宇〔ぎょう〕に始めて】
さて神武天皇から数えて三十代にあたる欽明天皇の在位中に初めて

【仏法渡りしより以来〔このかた〕、桓武〔かんむ〕の御宇に至るまで二十代】
仏法が渡って来て以来、桓武天皇の在位時代に至るまで二十代、

【二百余年の間、六宗有りと雖〔いえど〕も仏法未だ定まらず。】
二百余年の間、六つの宗派があると云っても仏法の本義は、いまだ定まらず、

【爰〔ここ〕に延暦〔えんりゃく〕年中に】
ここに延暦年間に

【一〔ひとり〕の聖人あって此の国に出現せり。】
一人の聖人がこの国に出現したのです。

【所謂伝教〔でんぎょう〕大師是なり。】
それが伝教大師と云う人です。

【此の人先より弘通する六宗を糾明〔きゅうめい〕し、】
この人は、以前から広まっていた六つの宗派を問いただし間違いを明らかにして、

【七寺を弟子と為〔な〕して終に叡山〔えいざん〕を建てゝ本寺と為し、】
七つの寺院を自分の弟子として最終的には比叡山延暦寺を立てて根本の寺とし、

【諸寺を取りて末寺と為す。】
その他の寺を末寺と位置づけました。

【日本の仏法唯一門なり。】
日本の仏法は、ただこの一つの流れだけであるのです。

【王法も二に非ず。】
政治の面でも、王が二人いるわけでありません。

【法定まり国清〔す〕めり。其の功を論ぜば源〔みなもと〕】
仏法が安定し国は清浄になりました。その功績を論じるならば、

【已〔い〕今〔こん〕当〔とう〕の文より出でたり。】
已今当の文章によっているのです。

【其の後弘法・慈覚・智証の三大師事〔こと〕を漢土に寄せて】
その後、弘法大師、慈覚大師、智証大師の三人は、中国の学者の説に寄せて、

【大日の三部は法華経に勝〔まさ〕ると謂ひ、】
大日経などの三部経は、法華経より優れていると云い、

【剰〔あまつさ〕へ教大師の削〔けず〕る所の真言宗の】
それだけに止まらず、伝教大師が削除した真言宗の

【宗の一字之を副〔そ〕へて八宗と云云。】
宗の一字を付け加えて、八宗があると主張しているのです。

【三人一同に勅宣〔ちょくせん〕を申し下して日本に弘通し、】
三人は、同じように申請して天皇の命令をもって日本中に真言宗を広めて、

【寺毎〔てらごと〕に法華経の義を破る。】
どの寺でも法華経の教えを否定しているのです。

【是偏〔ひとえ〕に已今当の文を破らんとして】
これらは、偏に法華経の已今当の経文を否定しようとして、

【釈迦・多宝・十方の諸仏の大怨敵と成りぬ。】
釈迦如来、多宝如来、十方の仏の大怨敵となってしまったのです。

【然して後仏法漸〔ようや〕く廃〔すた〕れ、王法次第に衰〔おとろ〕へ、】
その後、仏法は、段々と衰退し天皇の権力も次第に衰えて、

【天照太神・正八幡等の久住の守護神〔しゅごじん〕は力を失ひ、】
天照太神や正八幡大菩薩など昔から日本にいた守護神は力を失い

【梵〔ぼん〕・帝〔たい〕・四天は国を去って已〔すで〕に亡国と成らんとす。】
梵天王や帝釈天、四天王は、既に国を去ってもはや国は滅びようとしているのです。

【情〔こころ〕有らん人誰か傷〔いた〕差〔ま〕ざらんや。】
心ある人の中で誰が苦悩を感じ、嘆かない者がいるでしょうか。

【所詮三大師の邪法の興〔おこ〕る所は所謂東寺〔とうじ〕と】
この三人の大師の邪法が興ったのは、東寺、

【叡山〔えいざん〕の総持院〔そうじいん〕と】
比叡山の総持院、

【園城寺〔おんじょうじ〕との三所なり。禁止せずんば】
園城寺の三ヶ所なのです。これを禁止しなければ、

【国土の滅亡と衆生の悪道と疑ひ無き者か。】
国土が滅亡し、衆生が死後に三悪道に堕ちるのは疑いないでしょう。

【予粗〔ほぼ〕此の旨を勘〔かんが〕へ、】
私は、このような事を考えて、

【国主に示すと雖も敢へて叙用〔じょよう〕無し。】
国主に示しましたが、全く採用する事などなかったのです。

【悲しむべし悲しむべし。】
何と悲しむべき事ではないでしょうか。


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