日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 語句解説 御書研鑚資料

1.十法界


「十法界明因果抄(御書205頁)」
法華経第六に云はく「地獄声、畜生声、餓鬼声、阿修羅声、比丘声・比丘尼声(人道)、天声(天道)、声聞声、辟支仏声(びゃくしぶつ)、菩薩声、仏声」已上十法界の名目なり。

法華経法師功徳品第十九の中に三千大千世界の下、阿鼻地獄から上、有頂に至るまでの其の中に種々言語があるとして挙げられているなかに上の地獄声から仏声の十法界の声が書かれています。

「観心本尊抄(御書647頁)」
或時は喜び、或時は瞋〔いか〕り、或時は平〔たい〕らかに、或時は貪〔むさぼ〕り現じ、或時は癡〔おろ〕か現じ、或時は諂曲〔てんごく〕なり。瞋るは地獄、貪るは餓鬼、癡かは畜生、諂曲なるは修羅、喜ぶは天、平らかなるは人なり。

十法界
(十界)
九界六道
(六凡)
四悪道地獄界瞋〔いか〕るは地獄
餓鬼界貪〔むさぼ〕るは餓鬼
畜生界癡〔おろ〕かは畜生
修羅界諂曲〔てんごく〕は修羅
人天人界平〔たい〕らかなるは人
天界喜〔よろこ〕ぶは天
二乗四聖声聞界出家の弟子
縁覚界辟支仏、独覚
三乗
(二乗を含む)
菩薩界菩提薩埵
仏界仏乗仏界聖人

三界欲界四悪道 地獄六道十界
餓鬼
畜生
修羅
凡夫
六欲天天界
色界十八天
無色界 四天
方便土声聞二乗
縁覚
実報土菩薩三乗
(二乗含む)
寂光土仏乗

「御義口伝、第十五衆生見劫尽〇而衆見焼尽の事(御書1770頁)」
御義口伝に云はく、本門寿量の一念三千を頌〔じゅ〕する文なり。大火所焼時〔だいかしょしょうじ〕とは実義には煩悩の大火なり。我此土安穏〔がしどあんのん〕とは国土世間なり、衆生所遊楽とは衆生世間なり。宝樹多華菓とは五陰世間〔ごおんせけん〕なり。是即ち一念三千を分明に説かれたり。又云はく、上件〔くだん〕の文は十界なり。大火とは地獄界なり、天鼓〔てんく〕とは畜生界なり、人と天とは人天の二界なり、天と人と常に充満するなり。雨曼陀羅華〔うまんだらけ〕とは声聞界なり、園林〔おんりん〕とは縁覚界なり、菩薩界とは及の一字なり、仏界とは散仏なり。修羅餓鬼界とは憂怖諸苦悩〔うふしょくのう〕如是悉充満〔にょぜしつじゅうまん〕の句に摂するなり。此等を是諸罪衆生と説かれたり。然りと雖も此の寿量品の説顕〔あら〕はれては、則皆見我身とて一念三千なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱え奉る者是なり云云。

このように法華経如来寿量品と十法界、三世間の関係が詳しく御教示されています。

如来寿量品大火所焼時大火に焼かるると見る時も地獄界
我此土安穏我が此の土は安穏にして国土世間
天人常充満天人常に充満せり人界
天界
園林諸堂閣園林諸の堂閣縁覚界
種種宝荘厳種種の宝をもって荘厳し
宝樹多華果宝樹華果多くして五陰世間
衆生所遊楽衆生の遊楽する所なり衆生世間
諸天撃天鼓諸天天鼓を撃って畜生界
常作衆伎楽常に衆の伎楽を作し
雨曼陀羅華曼陀羅華を雨らして声聞界
散仏及大衆仏及大衆に散ず仏界
菩薩界
我浄土不毀我が浄土は毀れざるに
而衆見焼尽而も衆は焼け尽きて
憂怖諸苦悩憂怖諸の苦悩餓鬼界
修羅界
如是悉充満是の如き悉く充満せりと見る


2.五時


五時華厳時期間二十一日間華厳宗
場所伽耶〔がや〕城近郊の菩提樹下、
七処八会
経典大方廣仏華厳経
乳味別・円を説く
兼と名づく
頓教、擬宜の教
阿含時期間 十二年間俱舎宗
成実宗
律宗
場所波羅奈〔はらない〕国の鹿野苑
経典増一阿含、長阿含、中阿含、雑阿含の四経
酪味蔵教のみを説く
但と名づく
漸教(秘密・不定教もあり)
誘引の教え
方等時期間十六年間(一説に八年間)法相宗
浄土宗
禅宗
真言宗
場所欲界色界の二界の中間、大宝坊
経典勝鬘経、解深密経、阿弥陀経、大日経
金光明経、維摩経
生蘇味蔵通別円の四教を対比して説く
対と名づく
漸教(秘密・不定教もあり)
弾訶の教え
般若時期間十四年間(一説に二十二年間)三論宗
場所鷲峰山〔じゅほう〕、
白露池〔びゃくろち〕等四一六会
経典摩訶般若、金剛般若経
熟蘇味円教に通別を帯ばしめて説く
帯と名づく
漸教(秘密・不定教もあり)
淘汰の教え
法華
涅槃時
期間八年間(うち涅槃経は一日一夜)天台宗
場所摩訶陀〔まがだ〕国の霊鷲山、虚空会、
二処三会
経典法華経二十八品、涅槃経
醍醐味円教
頓教(秘密・不定教なし)
開会の教え


3.八教


八教化法の四教蔵教三蔵教、小乗教の教え 阿含時
方等時
通教大乗初門の教え方等時
般若時
別教菩薩の為だけに説いた教え華厳時
方等時
般若時
円教円融円満で完全無欠の教え華厳時
方等時
般若時
法華涅槃時
化儀の四教頓教覚りの真実を直ちに説く教え華厳時
法華涅槃時
漸教誘引によって導いていく教え阿含時
方等時
般若時
秘密教同聴異聞で人法俱不知の教え阿含時
方等時
般若時
不定教同聴異聞で人知法不知の教え阿含時
方等時
般若時


4.五眼


「四条金吾釈迦仏供養事(御書992頁)」
普賢経〔ふげんぎょう〕に云はく「此の大乗経典は諸仏の宝蔵なり十方三世の諸仏の眼目〔げんもく〕なり」等云云、又云はく「此の方等経は是諸仏の眼なり諸仏是に因〔よ〕って五眼〔げん〕を具することを得たまへり」云云。此の経の中に得具五眼とは一には肉眼、二には天眼、三には慧〔え〕眼、四には法眼、五には仏眼なり。

「十八円満抄(御書1516頁)」
仏意の五重玄とは、諸仏の内証に五眼の体を具する即ち妙法蓮華経の五字なり。仏眼〔ぶつげん〕妙、法眼〔ほうげん〕法、慧眼〔えげん〕蓮、天眼〔てんげん〕華、肉眼〔にくげん〕経。妙は不思議に名づくるが故に真空冥寂〔しんくうみょうじゃく〕の仏眼なり。法は分別に名づく、法眼は仮なり、分別の形なり。慧眼は空なり、果体は蓮なり。華は用なる故に天眼と名づく、神通は化用なり。経は破迷〔はめい〕の義に在り、迷を以て所対と為す、故に肉眼と名づく。仏智の内証に五眼を具する即ち五字なり。五字又五重玄なり。故に仏意の五重玄と名づく。亦五眼即五智なり。法界体性智〔たいしょうち〕仏眼、大円鏡智〔だいえんきょうち〕法眼、平等性智〔びょうどうしょうち〕慧眼、妙観察智〔みょうかんさっち〕天眼、成所作智〔じょうしょさち〕肉眼なり。問ふ、一家には五智を立つるや。 答ふ、既〔すで〕に九識〔しき〕を立つ故に五智を立つべし。前の五識は成所作智、第六識は妙観察智、第七識は平等性智、第八識は大円鏡智、第九識は法界体性智なり。

五限 仏眼真空冥寂の仏の眼法界体性智第九識
法眼菩薩の目大円鏡智第八識
慧眼二乗の目平等性智第七識
天眼天界所具の目妙観察智第六識
肉眼人間の目成所作智第五識


5.五重の相対


五重の相対
内外相対内道外道
仏教仏教以外の宗教
バラモン教、儒教、道教など
根拠が薄弱な外道に対し
因果による縁起を説く仏教が優れている
大小相対大乗教小乗教
大乗仏教
天台宗、禅宗、真言宗、念仏宗など
小乗仏教
俱舎宗、成実宗、律宗など
灰身滅智する小乗教の二乗に対して
一切衆生悉有仏性を説く大乗仏教が優れている
権実相対権大乗経(権教)実大乗経(実教)
爾前経
阿弥陀経、大日経、華厳経など
法華経
二乗、女人、悪人の不成仏を説く爾前経に対して
二乗作仏、女人成仏、悪人成仏を説く法華経が優れている
本迹相対法華経本門法華経迹門
法華経後半十四品
如来寿量品第十六など
法華経前半十四品
方便品第二など
始成正覚の迹門に対して久遠実成を説く本門が優れている
種脱相対下種仏法脱益仏法
文底独一本門
日蓮正宗
文上釈迦仏法
日蓮宗、真言宗、浄土宗など
末法においては、即身成仏を説く
日蓮大聖人の仏法以外すべて正しくない。


末法においては日蓮大聖人の仏法と釈迦仏法の相対が真実の五重の相対となる
種脱相対下種仏法(日蓮大聖人の仏法)脱益仏法〔釈迦仏法)
本迹相対文底独一本門真実の本門本門迹門
権実相対真実の法華経実教権教
大小相対真実の大乗仏教大乗小乗
内外相対真実の仏教内道外道


6.五十二位









(1)信心
(2)念心
(3)精進心
(4)慧心
(5)定心
(6)不退心
(7)廻向心
(8)護法心
(9)戒心
(10)願心
退位
凡夫菩薩未だ見思を断ぜず




(11)発心住
(12)治地住
(13)修行住
(14)生貴住
(15)具足方便住
(16)正信住
(17)不退住
(18)童真住
(19)法王子住
(20)灌頂住
不退位
見思塵沙を断ぜる菩薩




(21)観喜行
(22)饒益行
(23)無瞋根行
(24)無尽行
(25)離癡乱行
(26)善現行
(27)無著行
(28)尊重行
(29)善法行
(30)真実行





(31)救護衆生離衆生相廻向
(32)不壊一切廻向
(33)等一切諸仏廻向
(34)至一切処廻向
(35)無尽功徳蔵廻向
(36)随順一切堅固善根廻向
(37)等随順一切衆生廻向
(38)真如相廻向
(39)無縛無著解脱廻向
(40)入法界無量廻向





(41)歓喜地
(42)離垢地
(43)発光地
(44)焔慧地
(45)難勝地
(46)現前地
(47)遠行地不動地
(48)不動地
(49)善想地
(50)法雲地
無明を断ぜる菩薩
(51)等覚
(52)妙覚無明を断じ尽くした仏


7.四重興廃


四重興廃爾前の大教が興れば外道廃る
法華経迹門の大教が興れば爾前廃る
法華経本門の大教が興れば 迹門廃る
観心の大教
南無妙法蓮華経が興れば
法華経本門、迹門、
爾前廃る


8.天台宗


時代 西暦名前説明著作
像法
時代
西暦515年

西暦577年
南岳大師
慧思
〔えし〕
中国の南北朝時代の僧。
天台智顗の師であり、
天台宗の第二祖。
法華安楽行
立誓願文
西暦538年

西暦597年
天台大師
智者大師
智顗
〔ちぎ〕
中国隋代の僧。
天台宗第三祖
法華文句二十巻
法華玄義二十巻
摩訶止観十巻
西暦561年

西暦632年
章安大師中国唐代初めの僧。
天台宗の第四祖。
涅槃玄義二巻
涅槃経疏二十巻
観心論疏五巻
西暦711年

西暦782年
妙楽大師
湛然
〔たんねん〕
中国唐代の僧。
天台宗第六祖
止観輔行伝弘決十巻
法華玄義釈籤十巻
法華文句記十巻
西暦767年

西暦822年
伝教大師
最澄
平安時代初期の僧
日本の天台宗の開祖
唐に渡って帰国後、
比叡山延暦寺を建てた。
法華秀句三巻
顕戒論三巻
註法華経十二巻
守護国界章三巻


9.法華三部経


無量義経開経徳行品第一迹門熟益三段
序分
説法品第二
十功徳品第三
妙法蓮華経
法華経
迹門第一巻序品第一
方便品第二迹門熟益三段
正宗分
第二巻譬喩品第三
信解品第四
第三巻薬草喩品第五
授記品第六
化城喩品第七
第四巻五百弟子受記品第八
授学無学人記品第九
法師品第十迹門熟益三段
流通分
見寶塔品第十一
第五巻提婆達多品第十二
勧持品第十三
安楽行品第十四
本門従地涌出品第十五前半の半品
本門脱益三段
序分
後半の半品
本門脱益三段
正宗分
第六巻如来壽量品第十六本門脱益三段
正宗分
分別功徳品第十七前半の半品
本門脱益三段
正宗分
後半の半品
本門脱益三段
流通分
随喜功徳品第十八本門脱益三段
流通分
法師功徳品第十九
第七巻常不輕菩薩品第二十
如来神力品第二十一
属累品第二十二
薬王菩薩本事品第二十三
妙音菩薩品第二十四
第八巻観世音菩薩普門品第二十五
陀羅尼品第二十六
妙荘厳王本事品第二十七
普賢菩薩勧發品第二十八
仏説観普賢
菩薩行法経
(涅槃経)
結経


10.後五百歳


「守護国家論(御書124頁)」
法華経第七に云はく「我が滅度の後、後五百歳の中に閻浮提に於て断絶せしむること無けん」(釈迦如来の誓ひなり。是七)

「法華初心成仏抄(御書1312頁)」
薬王品には「後五百歳の中に閻浮提に広宣流布して断絶せしむること無けん」と説き給ひ、
とあり、如来滅後五五百歳始観心本尊抄(御書661頁)には、
仏の記文〔きもん〕は云何〔いかん〕。答へて曰く「後五百歳閻浮提に於て広宣流布せん」と。天台大師記して云はく「後五百歳遠く妙道に沾〔うるお〕はん」と。

「撰時抄(御書836頁)」
我が滅度の後の五百歳の中には解脱堅固〔けんご〕、次の五百年には禅定堅固(已上一千年)、次の五百年には読誦多聞堅固、次の五百年には多造塔寺堅固(已上二千年)、次の五百年には我が法の中に於て闘諍〔とうじょう〕言訟〔ごんしょう〕して白法〔びゃくほう〕隠没〔おんもつ〕せん等云云。

「教機時国抄(御書272頁)」
日本国の当世は如来の滅後二千二百一十余年、後五百歳に当たって妙法蓮華経広宣流布の時刻なり。
と末法において日蓮大聖人の文底下種仏法が広宣流布することが述べられています。


大集経の五箇五百歳 正法時代 第一の五百歳解脱堅固
第二の五百歳禅定堅固
像法時代 第三の五百歳読誦多聞堅固
第四の五百歳多造塔寺堅固
末法時代第五の五百歳闘諍堅固
白法隠没




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