日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


無量義經 徳行品第一


【無量義經徳行品第一:むりょうぎきょうとくぎょうほんだいいち】
無量義經〔むりょうぎきょう〕 徳行品〔とくぎょうほん〕第一〔だいいち〕

【蕭斉天竺三蔵曇摩伽陀耶舎 訳:しゅくせいてんじくさんぞうどんまかだやし やく】
...蕭斉〔しゅくせい〕の天竺三蔵曇摩伽陀耶舎〔てんじくさんぞうどんまかだやしゃ〕訳〔やく〕す




【如是我聞。:にょぜがもん】
是〔かく〕の如〔ごと〕く我〔われ〕聞〔き〕きき。

【一時。:いちじ】
一時〔いちじ〕、

【佛住。:ぶつじゅう】
佛〔ほとけ〕、

【王舎城。:おうしゃじょう】
王舎城〔おうしゃじょう〕

【耆闍崛山中。:ぎしゃくっせんちゅう】
耆闍崛山〔ぎしゃくっせん〕の中〔なか〕に住〔じゅう〕したもう。

【与大比丘衆萬二千人倶。:よだいびくしゅまんにせんにんく】
大比丘衆萬二千人〔だいびくしゅまんにせんにん〕と倶〔とも〕なりき。

【菩薩摩訶薩八萬人。:ぼさつまかさつはちまんにん】
菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕八萬人〔はちまんにん〕あり。

【天。:てん】
天〔てん〕、

【龍。:りゅう】
龍〔りゅう〕、

【夜叉。:やしゃ】
夜叉〔やしゃ〕、

【乾闥婆。:けんだつば】
乾闥婆〔けんだつば〕、

【阿修羅。:あしゅら】
阿修羅〔あしゅら〕、

【迦楼羅。:かるら】
迦楼羅〔かるら〕、

【緊那羅。:きんなら】
緊那羅〔きんなら〕、

【摩睺羅伽。:まごらが】
摩睺羅伽〔まごらが〕、

【諸比丘。:しょびく】
諸〔もろもろ〕の比丘〔びく〕、

【比丘尼。:びくに】
比丘尼〔びくに〕

【及優婆塞。:ぎゅううばそく】
及〔およ〕び優婆塞〔うばそく〕、

【優婆夷倶。:うばいく】
優婆夷〔うばい〕も倶〔とも〕なり。

【大転輪王。:だいてんりんのう】
大転輪王〔だいてんりんのう〕、

【小転輪王。:しょうてんりんのう】
小転輪王〔しょうてんりんのう〕、

【金輪。:こんりん】
金輪〔こんりん〕、

【銀輪。:ごんりん】
銀輪〔ごんりん〕、

【諸輪之王。:しょりんしおう】
諸輪〔しょりん〕の王〔おう〕、

【国王。:こくおう】
国王〔こくおう〕、

【王子。:おうじ】
王子〔おうじ〕、

【国臣。:こくじん】
国臣〔こくじん〕、

【国民。:こくみん】
国民〔こくみん〕、

【国士。:こくじ】
国士〔こくじ〕、

【国女。:こくにょ】
国女〔こくにょ〕、

【国大長者。:こくだいちょうじゃ】
国大長者〔こくだいちょうじゃ〕、

【各与眷属。:かくよけんぞく】
各〔おのおの〕眷属〔けんぞく〕

【百千萬数。:ひゃくせんまんじゅ】
百千萬数〔ひゃくせんまんじゅ〕にして、

【而自圍遶。:にじいにょう】
自〔おのずか〕ら圍遶〔いにょう〕せると与〔とも〕に、

【来詣佛所。:らいげいぶっしょ】
佛所〔ぶっしょ〕に来詣〔らいけい〕して、

【頭面禮足。:ずめんらいそく】
頭面〔ずめん〕に足〔みあし〕を禮〔らい〕し、

【遶百千帀。:にょうひゃくせんそう】
遶〔めぐ〕ること百千帀〔ひゃくせんそう〕して、

【焼香散華。:しょうこうさんげ】
香〔こう〕を焼〔た〕き華〔はな〕を散〔さん〕じ、

【種種供養已。:しゅじゅくようい】
種種〔しゅじゅ〕に供養〔くよう〕すること已〔おわ〕って、

【退一面坐。:たいいちめんざ】
退〔しりぞ〕いて一面〔いちめん〕に坐〔ざ〕す。

【其菩薩名曰。:ごぼさつみょうわつ】
其〔そ〕の菩薩〔ぼさつ〕の名〔な〕を、

【文殊師利法王子。:もんじゅしりほうおうじ】
文殊師利法王子〔もんじゅしりほうおうじ〕、

【大威徳蔵法王子。:だいいとくぞうほうおうじ】
大威徳蔵法王子〔だいいとくぞうほうおうじ〕、

【無憂蔵法王子。:むうぞうほうおうじ】
無憂蔵法王子〔むうぞうほうおうじ〕、

【大辯蔵法王子。:だいべんぞうほうおうじ】
大辯蔵法王子〔だいべんぞうほうおうじ〕、

【彌勒菩薩。:みろくぼさつ】
彌勒菩薩〔みろくぼさつ〕、

【導首菩薩。:どうしゅぼさつ】
導首菩薩〔どうしゅぼさつ〕、

【薬王菩薩。:やくおうぼさつ】
薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕、

【薬上菩薩。:やくじょうぼさつ】
薬上菩薩〔やくじょうぼさつ〕、

【華幢菩薩。:けどうぼさつ】
華幢菩薩〔けどうぼさつ〕、

【華光幢菩薩。:けこうどうぼさつ】
華光幢菩薩〔けこうどうぼさつ〕、

【陀羅尼自在王菩薩。:だらにじざいおうぼさつ】
陀羅尼自在王菩薩〔だらにじざいおうぼさつ〕、

【観世音菩薩。:かんぜおんぼさつ】
観世音菩薩〔かんぜおんぼさつ〕、

【大勢至菩薩。:だいせいしぼさつ】
大勢至菩薩〔だいせいしぼさつ〕、

【常精進菩薩。:じょうしょうじんぼさつ】
常精進菩薩〔じょうしょうじんぼさつ〕、

【寶印首菩薩。:ほういんじゅぼさつ】
寶印首菩薩〔ほういんじゅぼさつ〕、

【寶積菩薩。:ほうしゃくぼさつ】
寶積菩薩〔ほうしゃくぼさつ〕、

【寶杖菩薩。:ほうじょうぼさつ】
寶杖菩薩〔ほうじょうぼさつ〕、

【越三界菩薩。:おっさんがいぼさつ】
越三界菩薩〔おつさんがいぼさつ〕、

【毘摩颰羅菩薩。:びまばつらぼさつ】
毘摩颰羅菩薩〔びまばつらぼさつ〕、

【香象菩薩。:こうぞうぼさつ】
香象菩薩〔こうぞうぼさつ〕、

【大香象菩薩。:だいこうぞうぼさつ】
大香象菩薩〔だいこうぞうぼさつ〕、

【師子吼王菩薩。:ししくおうぼさつ】
師子吼王菩薩〔ししくおうぼさつ〕、

【師子遊戯世菩薩。:ししゆけぜぼさつ】
師子遊戯世菩薩〔ししゆけぜぼさつ〕、

【師子奮迅菩薩。:ししふんじんぼさつ】
師子奮迅菩薩〔ししふんじんぼさつ〕、

【師子精進菩薩。:しししょうじんぼさつ】
師子精進菩薩〔しししょうじんぼさつ〕、

【勇鋭力菩薩。:ゆうえいりきぼさつ】
勇鋭力菩薩〔ゆうえいりきぼさつ〕、

【師子威猛伏菩薩。:ししいみょうぶくぼさつ】
師子威猛伏菩薩〔ししいみょうぶくぼさつ〕、

【荘厳菩薩。:しょうごんぼさつ】
荘厳菩薩〔しょうごんぼさつ〕、

【大荘厳菩薩。:だいしょうごんぼさつ】
大荘厳菩薩〔だいしょうごんぼさつ〕と曰〔い〕う。

【如是等菩薩摩訶薩。:にょぜとうぼさつまかさつ】
是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔ら〕の菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕

【八萬人倶。:はちまんにんく】
八萬人〔はちまんにん〕と倶〔とも〕なりき。

【是諸菩薩。:ぜしょぼさつ】
是〔こ〕の諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【莫不皆是。:まくふかいぜ】
皆〔みな〕是〔こ〕れ

【法身大士。:ほっしんだいじ】
法身〔ほっしん〕の大士〔だいじ〕ならざること莫〔な〕し。

【戒定慧解脱。:かいじょうえげだつ】
戒〔かい〕・定〔じょう〕・慧〔え〕・解脱〔げだつ〕・

【解脱知見。:げだつちけん】
解脱知見〔げだつちけん〕の

【之所成就。:ししょじょうじゅ】
成就〔じょうじゅ〕せる所〔ところ〕なり。

【其心禅寂。:ごしんぜんじゃく】
其〔そ〕の心〔こころ〕禅寂〔ぜんじゃく〕にして、

【常在三昧。:じょうざいさんまい】
常〔つね〕に三昧〔さんまい〕に在〔あ〕り、

【恬安憺怕。:てんなんたんぱく】
恬安憺怕〔てんなんたんぱく〕にして

【無為無欲。:むいむよく】
無為無欲〔むいむよく〕なり。

【顚倒乱想。:てんどうらんそう】
顚倒乱想〔てんどうらんそう〕、

【不復得入。:ふぶとくにゅう】
復〔また〕入〔い〕ることを得〔え〕ず。

【静寂清澄。:じょうじゃくしょうちょう】
静寂清澄〔じょうじゃくしょうちょう〕にして

【志玄虚漠。:しげんこまく】
志玄虚漠〔しげんこまく〕なり。

【守之不動。:しゅしふどう】
之〔これ〕を守〔まも〕って動〔どう〕ぜざること

【億百千劫。:おくひゃくせんごう】
億百千劫〔おくひゃくせんごう〕、

【無量法門。:むりょうほうもん】
無量〔むりょう〕の法門〔ほうもん〕

【悉現在前。:しつげんざいぜん】
悉〔ことごと〕く現在前〔げんざいぜん〕せり。

【得大智慧。:とくだいちえ】
大智慧〔だいちえ〕を得〔え〕て、

【通達諸法。:つうだつしょほう】
諸法〔しょほう〕に通達〔つうだつ〕し、

【暁了分別。:きょうりょうふんべつ】


【性相眞實。:しょうそうしんじつ】
性相〔しょうそう〕の眞實〔しんじつ〕を①暁了〔ぎょうりょう〕し分別〔ふんべつ〕するに、

【有無長短。:うむじょうたん】
有無長短〔うむちょうたん〕、

【明現顕白。:みょうげんけんびゃく】
明現顕白〔みょうげんけんびゃく〕なり。

【又善能知。:うぜんのうち】
又〔また〕善能〔よ〕く、

【諸根性欲。:しょこんしょうよく】
諸〔もろもろ〕の根性欲〔こんしょうよく〕を知〔し〕り、

【以陀羅尼。:いだらに】
陀羅尼〔だらに〕、

【無礙辯才。:むげべんざい】
無礙辯才〔むげべんざい〕を以〔もっ〕て、

【諸佛転法輪。:しょぶってんぼうりん】
諸佛〔しょぶつ〕の転法輪〔てんぼうりん〕、

【随順能転。:ずいじゅんのうてん】
随順〔ずいじゅん〕して能〔よ〕く転〔てん〕ず。

【微渧先堕。:みたいせんだ】
微渧〔みたい〕先〔ま〕ず堕〔お〕ちて、

【以淹欲塵。:いえんよくじん】
以〔もっ〕て欲塵〔よくじん〕を淹〔ひた〕し、

【開涅槃門。:かいねはんもん】
涅槃〔ねはん〕の門〔もん〕を開〔ひら〕き、

【扇解脱風。:せんげだっぷう】
解脱〔げだつ〕の風〔かぜ〕を扇〔あお〕いで、

【除世悩熱。:じょせのうねつ】
世〔よ〕の悩熱〔のうねつ〕を除〔のぞ〕き、

【致法清涼。:ちほうしょうりょう】
法〔ほう〕の清涼〔しょうりょう〕を致〔いた〕す。

【次降甚深。:しごうじんじん】
次〔つぎ〕に、甚深〔じんじん〕の

【十二因縁。:じゅうにいんねん】
十二因縁〔じゅうにいんねん〕を降〔ふ〕らして、

【用灑無明。:ゆうしゃむみょう】
用〔もっ〕て無明〔むみょう〕、

【老病死等。:ろうびょうしとう】
老〔ろう〕、病〔びょう〕、死〔し〕等〔とう〕の

【猛盛熾然。:みょうじょうしねん】
猛盛熾然〔みょうじょうしねん〕なる

【苦聚日光。:くじゅにっこう】
苦聚〔くじゅ〕には日光〔にっこう〕を灑〔そそ〕ぎ、

【爾乃洪注。:にないぐちゅう】
爾〔しか〕して乃〔すなわ〕ち洪〔おお〕いに

【無上大乗。:むじょうだいじょう】
無上〔むじょう〕の大乗〔だいじょう〕を注〔そそ〕いで、

【潤漬衆生。:にんししゅじょう】
衆生〔しゅじょう〕の

【諸有善根。:しょうぜんごん】
諸〔しょ〕有〔う〕の善根〔ぜんごん〕を潤漬〔にんし〕し、

【布善種子。:ふぜんしゅし】
善〔ぜん〕の種子〔しゅし〕を布〔し〕いて、

【遍功徳田。:へんくどくでん】
功徳〔くどく〕の田〔でん〕に遍〔へん〕じ、

【普令一切。:ふりょういっさい】
普〔あまね〕く一切〔いっさい〕をして

【發菩提萌。:ほつぼだいみょう】
菩提〔ぼだい〕の萌〔め〕を發〔おこ〕さしむ。

【智慧日月。:ちえにちがつ】
智慧〔ちえ〕の日月〔にちがつ〕、

【方便時節。:ほうべんじせつ】
方便〔ほうべん〕の時節〔じせつ〕、

【扶蔬増長。:ふそぞうじょう】


【大乗事業。:だいじょうじごう】
大乗〔だいじょう〕の事業〔じごう〕を②扶蔬増長〔ふそぞうじょう〕して、

【令衆疾成。:りょうしゅしつじょう】
衆〔しゅ〕をして疾〔と〕く

【阿耨多羅三藐三菩提。:あのくたらさんみゃくさんぼだい】
阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕を成〔じょう〕じ、

【常住快楽。:じょうじゅうけらく】
常住〔じょうじゅう〕の快楽〔けらく〕、

【微妙眞實。:みみょうしんじつ】
微妙〔みみょう〕眞實〔しんじつ〕に、

【無量大悲。:むりょうだいひ】
無量〔むりょう〕の大悲〔だいひ〕、

【救苦衆生。:くくしゅじょう】
苦〔く〕の衆生〔しゅじょう〕を救〔すく〕わしむ。

【是諸衆生。:ぜしょしゅじょう】
是〔こ〕れ諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕の

【眞善知識。:しんぜんちしき】
眞善〔しんぜん〕知識〔ちしき〕、

【是諸衆生。:ぜしょしゅじょう】
是〔こ〕れ諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕の

【大良福田。:だいろうふくでん】
大良福田〔だいろうふくでん〕、

【是諸衆生。:ぜしょしゅじょう】
是〔こ〕れ諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕の

【不請之師。:ふしょうしし】
請〔しょう〕ぜざるの師〔し〕、

【是諸衆生。:ぜしょしゅじょう】
是〔こ〕れ諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕の

【安穏楽処。:あんのんらくしょ】
安穏〔あんのん〕の楽処〔らくしょ〕、

【救処護処。:くしょごしょ】
救処〔くしょ〕、護処〔ごしょ〕、

【大依止処。:だいえししょ】
大依止処〔だいえししょ〕なり。

【処処為衆生。:しょしょいしゅじょう】
処処〔しょしょ〕に衆生〔しゅじょう〕の為〔ため〕に、

【作大良導師。:さだいろうどうし】
大良導師〔だいろうどうし〕、

【大導師。:だいどうし】
大導師〔だいどうし〕と作〔つく〕る。

【能為衆生盲。:のういしゅじょうもう】
能〔よ〕く衆生〔しゅじょう〕の盲〔めし〕いたるが為〔ため〕には

【而作眼目。:にさげんもく】
而〔しか〕も眼目〔がんもく〕を作〔な〕し、

【聾劓瘂者。:りょうぎあしゃ】
聾〔りょう〕、劓〔ぎ〕、瘂〔あ〕の者〔もの〕には

【作耳鼻舌。:さにびぜつ】
耳〔に〕、鼻〔び〕、舌〔ぜつ〕を作〔な〕し、

【諸根毀欠。:しょこんきけつ】
諸根毀欠〔しょこんきせつ〕せるをば

【能令具足。:のうりょうぐそく】
能〔よ〕く具足〔ぐそく〕せしめ、

【顚狂荒乱。:てんのうこうらん】
顚狂荒乱〔てんのうこうらん〕なるには

【作大正念。:さだいしょうねん】
大正念〔だいしょうねん〕を作〔な〕さしむ。

【船師。:せんし】
船師〔せんし〕、

【大船師。:だいせんし】
大船師〔だいせんし〕なり、

【運載群生。:うんざいぐんじょう】
群生〔ぐんじょう〕を運載〔うんさい〕し、

【度生死河。:どしょうじが】
生死〔しょうじ〕の河〔かわ〕を度〔わた〕して

【置涅槃岸。:ちねはんがん】
涅槃〔ねはん〕の岸〔きし〕に置〔お〕く。

【醫王。:いおう】
醫王〔いおう〕、

【大醫王。:だいいおう】
大醫王〔だいいおう〕なり、

【分別病相。:ふんべつびょうそう】
病相〔びょうそう〕を分別〔ふんべつ〕し、

【暁了薬性。:きょうりょうやくしょう】
薬性〔やくしょう〕を暁了〔ぎょうりょう〕して、

【随病授薬。:ずいびょうじゅやく】
病〔やまい〕に随〔したが〕って薬〔くすり〕を授〔さず〕け、

【令衆薬服。:りょうしゅやくぶく】
衆〔しゅ〕をして薬〔くすり〕を服〔ふく〕せしむ。

【調御。:じょうご】
調御〔じょうご〕、

【大調御。:だいじょうご】
大調御〔だいじょうご〕なり、

【無諸放逸行。:むしょほういつぎょう】
諸〔もろもろ〕の放逸〔ほういつ〕の行〔ぎょう〕無〔な〕し。

【猶如象馬師。:ゆにょぞうめし】
猶〔なお〕、象馬師〔ぞうめし〕の

【能調無不調。:のうじょうむふじょう】
能〔よ〕く調〔ととの〕うるに調〔ととの〕わざること無〔な〕く、

【師子勇猛。:ししゆうみょう】
師子〔しし〕の勇猛〔ゆうみょう〕なる、

【威伏衆獣。:いぶくしゅじゅ】
威〔い〕、衆獣〔しゅじゅ〕を伏〔ふく〕して、

【難可沮壊。:なんかそえ】
沮壊〔そえ〕すべきこと難〔かた〕きが如〔ごと〕し。

【遊戯菩薩。:ゆけぼさつ】
菩薩〔ぼさつ〕の

【諸波羅蜜。:しょはらみつ】
諸波羅蜜〔しょはらみつ〕に遊戯〔ゆけ〕し、

【於如来地。:おにょらいじ】
如来〔にょらい〕の地〔じ〕に於〔おい〕て、

【堅固不動。:けんごふどう】
堅固〔けんご〕にして動〔どう〕ぜず、

【安住願力。:あんじゅうがんりき】
願力〔がんりき〕に安住〔あんじゅう〕して

【廣浄佛国。:こうじょうぶっこく】
廣〔ひろ〕く佛国〔ぶっこく〕を浄〔きよ〕め、

【不久得成。:ふくとくじょう】
久〔ひさ〕しからずして③

【阿耨多羅三藐三菩提。:あのくたらさんみゃくさんぼだい】
阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕を③成〔じょう〕ずることを得〔う〕べし。

【是諸菩薩摩訶薩。:ぜしょぼさつまかさつ】
是〔こ〕の諸〔もろもろ〕の菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【皆有如斯。:かいうにょし】
皆〔みな〕斯〔かく〕の如〔ごと〕き

【不思議徳。:ふしぎとく】
不思議〔ふしぎ〕の徳〔とく〕有〔あ〕り。

【其比丘名曰。:ごびくみょうわつ】
其〔そ〕の比丘〔びく〕の名〔な〕を、

【大智舎利弗。:だいちしゃりほつ】
大智舎利弗〔だいちしゃりほつ〕、

【神通目揵連。:じんづうもっけんれん】
神通目揵連〔じんづうもっけんれん〕、

【慧命須菩提。:えみょうしゅぼだい】
慧命須菩提〔えみょうしゅぼだい〕、

【摩訶迦旃延。:まかかせんねん】
摩訶迦旃延〔まかかせんねん〕、

【彌多羅尼子富楼那。:みたらにしふるな】
彌多羅尼子富楼那〔みたらにしふるな〕、

【阿若憍陳如。:あにゃきょうじんにょ】
阿若憍陳如〔あにゃきょうじんにょ〕、

【天眼阿那律。:てんげんあなりつ】
天眼阿那律〔てんげんあなりつ〕、

【持律優婆離。:じりつうばり】
持律優婆離〔じりつうばり〕、

【侍者阿難。:じしゃあなん】
侍者阿難〔じしゃあなん〕、

【佛子羅雲。:ぶっしらうん】
佛子羅雲〔ぶっしらうん〕、

【優波難陀。:うばなんだ】
優波難陀〔うばなんだ〕、

【離波多。:りはた】
離波多〔りはた〕、

【劫賓那。:こうひんな】
劫賓那〔こうひんな〕、

【薄拘羅。:はくら】
薄拘羅〔はくら〕、

【阿周陀。:あしゅだ】
阿周陀〔あしゅだ〕、

【莎伽陀。:しゃかだ】
莎伽陀〔しゃかだ〕、

【頭陀大迦葉。:ずだだいかしょう】
頭陀大迦葉〔ずだだいかしょう〕、

【優楼頻螺迦葉。:うるびんらかしょう】
優楼頻螺迦葉〔うるびんらかしょう〕、

【伽耶迦葉。:がやかしょう】
伽耶迦葉〔がやかしょう〕、

【那提迦葉。:なだいかしょう】
那提迦葉〔なだいかしょう〕と曰〔い〕う。

【如是等比丘。:にょぜとうびく】
是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔ら〕の比丘〔びく〕、

【萬二千人。:まんにせんにん】
萬二千人〔まんにせんにん〕あり。

【皆阿羅漢。:かいあらかん】
皆〔みな〕阿羅漢〔あらかん〕にして、

【尽諸結漏。:じんしょけつろ】
諸〔もろもろ〕の結漏〔けつろ〕を尽〔つく〕して、

【無復縛著。:むぶばくじゃく】
復〔また〕縛著〔ばくじゃく〕無〔な〕く、

【眞正解脱。:しんしょうげだつ】
眞正解脱〔しんしょうげだつ〕なり。

【爾時大荘厳菩薩摩訶薩。:にじだいしょうごんぼさつまかさつ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に大荘厳菩薩摩訶薩〔だいしょうごんぼさつまかさつ〕、

【遍観衆坐。:へんかんしゅざ】
遍〔あまね〕く衆〔しゅ〕の坐〔ざ〕して、

【各定意已。:かくじょういい】
各〔おのおの〕定意〔じょうい〕なるを観〔かん〕じ已〔おわ〕って、

【与衆中八萬菩薩摩訶薩倶。:よしゅじゅうはちまんぼさつまかさっく】
衆中〔しゅじゅう〕の八萬〔はちまん〕の菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕と倶〔とも〕に、

【従座而起。:じゅうざにき】
座〔ざ〕より而〔しか〕も起〔た〕って、

【来詣佛所。:らいげいぶっしょ】
佛所〔ぶっしょ〕に来詣〔らいけい〕し、

【頭面禮足。:ずめんらいそく】
頭面〔ずめん〕に足〔みあし〕を禮〔らい〕し、

【遶百千帀。:にょうひゃくせんそう】
遶〔めぐ〕ること百千帀〔ひゃくせんそう〕して、

【焼散天華天香。:しょうさんてんげてんこう】
天華〔てんげ〕、天香〔てんこう〕を焼散〔しょうさん〕し、

【天衣天瓔珞。:てんねてんようらく】
天衣〔てんね〕、天瓔珞〔てんようらく〕、

【天無価寶珠。:てんむげほうじゅ】
天無価寶珠〔てんむげほうじゅ〕、

【従上空中。:じゅうじょうくうちゅう】
上空〔じょうくう〕の中〔なか〕より

【旋転来下。:せんてんらいげ】
旋転〔せんてん〕して来下〔らいげ〕し、

【四面雲集。:しめんうんじゅう】
四面〔しめん〕に雲〔くも〕のごとく集〔あつま〕って、

【而献於佛。:にこんのぶつ】
而〔しか〕も佛〔ほとけ〕に献〔たてまつ〕る。

【天厨。:てんちゅう】
天厨〔てんちゅう〕の

【天鉢器。:てんばっき】
天鉢器〔てんばっき〕に

【天百味。:てんひゃくみ】
天〔てん〕の百味〔ひゃくみ〕

【充満盈溢。:じゅうまんよういつ】
充満盈溢〔じゅうまんよういつ〕せる、

【見色聞香。:けんしきもんこう】
色〔いろ〕を見〔み〕、香〔こう〕を聞〔か〕ぐに、

【自然飽足。:じねんほうそく】
自然〔じねん〕に飽足〔ほうそく〕す。

【天幢。:てんどう】
天幢〔てんどう〕、

【天幡。:てんばん】
天幡〔てんばん〕、

【天軒蓋。:てんこんがい】
天軒蓋〔てんこんがい〕、

【天妙楽具。:てんみょうらくぐ】
天妙楽具〔てんみょうらくぐ〕、

【処処安置。:しょしょあんち】
処処〔しょしょ〕に安置〔あんち〕し、

【作天伎楽。:さてんぎがく】
天〔てん〕の伎楽〔ぎがく〕を作〔な〕して、

【娯楽於佛。:ごらくおぶつ】
佛〔ほとけ〕を娯楽〔ごらく〕せしめたてまつる。

【即前胡跪合掌。:そくぜんこきがっしょう】
即〔すなわ〕ち前〔すす〕んで胡跪〔こき〕し合掌〔がっしょう〕し、

【一心倶共同声。:いっしんくぐどうしょう】
一心〔いっしん〕に倶共〔とも〕に声〔こえ〕を同〔おな〕じうして、

【説偈讃言:せつげさんごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて讃〔ほ〕めて言〔もう〕さく、

【大哉大悟大聖主:だいざいだいごだいしょうしゅ】
...大〔おおい〕なる哉〔かな〕大悟大聖主〔だいごだいしょうしゅ〕

【無垢無染無所著:むくむぜんむしょじゃく】
...垢〔く〕無〔な〕く染〔ぜん〕無〔な〕く所著〔しょじゃく〕無〔な〕し

【天人象馬調御師:てんにんぞうめじょうごし】
...天人象馬〔てんにんぞうめ〕の調御師〔じょうごし〕

【道風徳香薫一切:どうふうとっこうくんいっさい】
...道風徳香〔どうふうとっこう〕一切〔いっさい〕に薫〔くん〕じ

【智恬情泊慮凝静:ちてんじょうばくりょぎょうじょう】
...智〔ち〕恬〔しずか〕かに情〔じょう〕泊〔しずか〕かに慮凝静〔りょぎょうじょう〕なり

【意滅識亡心亦寂:いめつしきもうしんやくじゃく】
...意滅〔いめっ〕し識亡〔しきもう〕じて心〔こころ〕亦〔また〕寂〔じゃく〕なり

【永断夢妄思想念:ようだんむもうしそうねん】
...永〔なが〕く夢妄〔むもう〕の思想念〔しそうねん〕を断〔だん〕じて

【無復諸大陰入界:むぶしょだいおんにゅうかい】
...復〔また〕諸大陰入界〔しょだいおんにゅうかい〕無〔な〕し

【其身非有亦非無:ごしんひうやくひむ】
...其〔そ〕の身〔み〕は有〔う〕に非〔あら〕ず亦〔また〕無〔む〕に非〔あら〕ず

【非因非縁非自他:ひいんひえんひじた】
...因〔いん〕に非〔あら〕ず縁〔えん〕に非〔あら〕ず自他〔じた〕に非〔あら〕ず

【非方非圓非短長:ひほうひえんひたんじょう】
...方〔ほう〕に非〔あら〕ず圓〔えん〕に非〔あら〕ず短長〔たんちょう〕に非〔あら〕ず

【非出非没非生滅:ひしゅつひもつひしょうめつ】
...出〔しゅつ〕に非〔あら〕ず没〔もつ〕に非〔あら〕ず生滅〔しょうめつ〕に非〔あら〕ず

【非造非起非為作:ひぞうひきひいさ】
...造〔ぞう〕に非〔あら〕ず起〔き〕に非〔あら〕ず為作〔いさ〕に非〔あら〕ず

【非坐非臥非行住:ひざひがひぎょうじゅう】
...坐〔ざ〕に非〔あら〕ず臥〔が〕に非〔あら〕ず行住〔ぎょうじゅう〕に非〔あら〕ず

【非動非転非閑静:ひどうひてんひげんじょう】
...動〔どう〕に非〔あら〕ず転〔てん〕に非〔あら〕ず閑静〔げんじょう〕に非〔あら〕ず

【非進非退非安危:ひしんひたいひあんき】
...進〔しん〕に非〔あら〕ず退〔たい〕に非〔あら〕ず安危〔あんき〕に非〔あら〕ず

【非是非非非得失:ひぜひひひとくしつ】
...是〔ぜ〕に非〔あら〕ず非〔ひ〕に非〔あら〕ず得失〔とくしつ〕に非〔あら〕ず

【非彼非此非去来:ひひひしひこらい】
...彼〔ひ〕に非〔あら〕ず此〔し〕に非〔あら〕ず去来〔こらい〕に非〔あら〕ず

【非青非黄非赤白:ひしょうひおうひしゃくびゃく】
...青〔しょう〕に非〔あら〕ず黄〔おう〕に非〔あら〕ず赤白〔しゃくびゃく〕に非〔あら〕ず

【非紅非紫種種色:ひぐひししゅじゅしき】
...紅〔く〕に非〔あら〕ず紫種種〔ししゅじゅ〕の色〔しき〕に非〔あら〕ず

【戒定慧解知見生:かいじょうえげちけんしょう】
...戒定慧解知見〔かいじょうえげちけん〕より生〔しょう〕じ

【三昧六通道品發:さんまいろくつうどうぼんほつ】
...三昧六通道品〔さんまいろくつうどうぼん〕より發〔ほっ〕し

【慈悲十力無畏起:じひじゅうりきむいき】
...慈悲十力無畏〔じひじゅうりきむい〕より起〔おこ〕り

【衆生善業因縁出:しゅじょうぜんごういんねんしゅつ】
...衆生〔しゅじょう〕善業〔ぜんごう〕の因縁〔いんねん〕より出〔い〕でたり

【示為丈六紫金暉:じいじょうろくしこんき】
...示〔しめ〕して丈六紫金〔じょうろくしこん〕の暉〔ひかり〕を為〔な〕し

【方整照曜甚明徹:ほうしょうしょうようじんみょうてつ】
...方整照曜〔ほうしょうしょうよう〕として甚〔はなは〕だ明徹〔みょうてつ〕なり

【毫相月旋項日光:ごうそうがっせんこうにっこう】
...毫相月〔ごうそうつき〕のごとく旋〔めぐ〕り項〔うなじ〕に日〔ひ〕の光〔ひかり〕あり

【旋髮紺青頂肉髻:せんぼつこんじょうちょうにっけい】
...旋髮紺青〔せんぼつこんじょう〕にして頂〔いただ〕きに肉髻〔にっけい〕あり

【浄眼明鏡上下眴:じょうげんみょうきょうじょうげじゅん】
...浄眼明鏡〔じょうげんみょうきょう〕のごとく上下〔じょうげ〕に眴〔まじろ〕ぎ

【眉𥇒紺舒方口頰:みしょうこんじょほうくきょう】
...眉𥇒紺舒〔みしょうこんじょ〕にして方〔ただ〕しき口頰〔くきょう〕なり

【脣舌赤好若丹華:しんぜつしゃくこうにゃくたんげ】
...脣舌赤好〔しんぜつしゃくこう〕にして丹華〔たんげ〕の若〔ごと〕く

【白歯四十猶珂雪:びゃくししじゅうゆかせつ】
...白歯〔びゃくし〕の四十〔しじゅう〕なる猶〔なお〕珂雪〔かせつ〕のごとし

【額廣鼻修面門開:がっこうびしゅめんもんかい】
...額〔ひたい〕廣〔ひろ〕く鼻〔はな〕修〔なが〕く面門開〔めんもんひら〕け

【胸表萬字師子臆:くひょうまんじししおく】
...胸〔むね〕に萬字〔まんじ〕を表〔ひょう〕して師子〔しし〕の臆〔むね〕なり

【手足柔軟具千輻:しゅそくにゅうなんぐせんぷく】
...手足〔しゅそく〕柔軟〔にゅうなん〕にして千輻〔せんぷく〕を具〔そな〕え

【腋掌合縵内外握:やくしょうごうまんないげあく】
...腋掌合縵〔やくしょうごうまん〕あって内外〔ないげ〕に握〔にぎ〕れり

【臂修肘長指直繊:ひしゅちゅうじょうしじきせん】
...臂修肘長〔ひしゅちゅうちょう〕にして指〔ゆび〕直〔なお〕く繊〔ほそ〕し

【皮膚細軟毛右旋:ひふさいなんもううせん】
...皮膚〔ひふ〕細軟〔さいなん〕にして毛〔け〕右〔みぎ〕に旋〔めぐ〕れり

【踝膝露現陰馬蔵:かしつろげんおんめぞう】
...踝膝露現〔かしつろげん〕し陰馬蔵〔おんめぞう〕にして

【細筋鏁骨鹿膞脹:さいこんさこつろくぜんちょう】
...細筋〔さいこん〕鏁骨〔さこつ〕鹿膞脹〔ろくぜんちょう〕なり

【表裏映徹浄無垢:ひょうりようてつじょうむく】
...表裏〔ひょうり〕映徹〔ようてつ〕し浄〔きよ〕くして無垢〔むく〕なり

【濁水莫染不受塵:じょくすいまくぜんふじゅじん】
...濁水〔じょくすい〕も染〔そ〕むること莫〔な〕く塵〔ちり〕を受〔う〕けず

【如是等相三十二:にょぜとうそうさんじゅうに】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔とう〕の相〔そう〕三十二〔さんじゅうに〕あり

【八十種好似可見:はちじっしゅごうじかけん】
...八十種好〔はちじっしゅごう〕見〔み〕るべきに似〔に〕たり

【而實無相非相色:にじつむそうひそうしき】
...而〔しか〕も實〔じつ〕には相非相〔そうひそう〕の色〔しき〕無〔な〕し

【一切有相眼対絶:いっさいうそうげんたいぜつ】
...一切〔いっさい〕の有相〔うそう〕眼〔まなこ〕の対絶〔たいぜつ〕せり

【無相之相有相身:むそうしそううそうしん】
...無相〔むそう〕の相〔そう〕にして有相〔うそう〕の身〔み〕なり

【衆生身相相亦然:しゅじょうしんそうそうやくねん】
...衆生〔しゅじょう〕身相〔しんそう〕の相〔そう〕も亦〔また〕然〔しか〕なり

【能令衆生歓喜禮:のうりょうしゅじょうかんぎらい】
...能〔よ〕く衆生〔しゅじょう〕をして歓喜〔かんぎ〕し禮〔らい〕して

【投心表敬成慇懃:とうしんひょうきょうじょうおんごん】
...心〔こころ〕を投〔とう〕じ敬〔うやまい〕を表〔ひょう〕して慇懃〔おんごん〕なることを成〔じょう〕ぜしむ

【因是自高我慢除:いんぜじこうがまんじょ】
...是〔こ〕れ自高〔じこう〕我慢〔がまん〕の除〔のぞ〕こるに因〔よ〕って、

【成就如是妙色軀:じょうじゅにょぜみょうしきく】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き妙色〔みょうしき〕の軀〔み〕を成就〔じょうじゅ〕したまえり

【今我等八萬之衆:こんがとうはちまんししゅ】
...今〔いま〕我等〔われら〕八萬〔はちまん〕の衆〔しゅ〕

【倶皆稽首咸歸命:くかいけいしゅげんきみょう】
...倶〔とも〕に皆〔みな〕稽首〔けいしゅ〕して咸〔ことごと〕く

【善滅思想心意識:ぜんめつしそうしんいしき】
...善〔よ〕く思想心意識〔しそうしんいしき〕を滅〔めっ〕したまえる

【象馬調御無著聖:ぞうめじょうごむじゃくしょう】
...象馬調御〔ぞうめじょうご〕の無著〔むじゃく〕の聖〔しょう〕に歸命〔きみょう〕したてまつる

【稽首歸依法色身:けいしゅきえほうしきしん】
...稽首〔けいしゅ〕して法色身〔ほうしきしん〕

【戒定慧解知見聚:かいじょうえげちけんじゅ】
...戒定慧解知見聚〔かいじょうえげちけんじゅ〕に歸依〔きえ〕したてまつる

【稽首歸依妙種相:けいしゅきえみょうしゅそう】
...稽首〔けいしゅ〕して妙種相〔みょうしゅそう〕に歸依〔きえ〕したてまつる

【稽首歸依難思議:けいしゅきえなんしぎ】
...稽首〔けいしゅ〕して難思議〔なんしぎ〕に歸依〔きえ〕したてまつる

【梵音雷震響八種:ぼんのんらいしんきょうはっしゅ】
...梵音雷震〔ぼんのんらいしん〕のごとく響〔ひびき〕八種〔はっしゅ〕あり

【微妙清浄甚深遠:みみょうしょうじょうじんじんのん】
...微妙清浄〔みみょうしょうじょう〕にして甚〔はなは〕だ深遠〔じんのん〕なり

【四諦六度十二縁:したいろくどじゅうにえん】
...四諦六度十二縁〔したいろくどじゅうにえん〕

【随順衆生心業転:ずいじゅんしゅじょうしんごうてん】
...衆生〔しゅじょう〕の心業〔しんごう〕に随順〔ずいじゅん〕して転〔てん〕じたもう

【若有聞莫不意開:にゃくうもんまくふいかい】
...若〔も〕し聞〔き〕くこと有〔あ〕れば意〔こころ〕に開〔ひら〕かざる莫〔な〕く

【無量生死衆結断:むりょうしょうじしゅけつだん】
...無量生死〔むりょうしょうじ〕の衆結〔しゅけつ〕を断〔だん〕ず

【有聞或得須陀洹:うもんわくとくしゅだおん】
...聞〔き〕くこと有〔あ〕るは或〔あるい〕は須陀洹〔しゅだおん〕

【斯陀阿那阿羅漢:しだあなあらかん】
...斯陀〔しだ〕阿那〔あな〕阿羅漢〔あらかん〕

【無漏無為縁覚処:むろむいえんがくしょ】
...無漏無為〔むろむい〕の縁覚処〔えんがくしょ〕

【無生無滅菩薩地:むしょうむめつぼさつじ】
...無生無滅〔むしょうむめつ〕の菩薩地〔ぼさつじ〕を得〔え〕

【或得無量陀羅尼:わくとくむりょうだらに】
...或〔あるい〕は無量〔むりょう〕の陀羅尼〔だらに〕

【無礙楽説大辯才:むげぎょうせつだいべんざい】
...無礙〔むげ〕の楽説大辯才〔ぎょうせつだいべんざい〕を得〔え〕て

【演説甚深微妙偈:えんぜつじんじんみみょうげ】
...甚深〔じんじん〕微妙〔みみょう〕の偈〔げ〕を演説〔えんぜつ〕し

【遊戯澡浴法清渠:ゆけそうよくほうしょうこ】
...遊戯〔ゆけ〕して法〔ほう〕の清渠〔しょうこ〕に澡浴〔そうよく〕し

【或躍飛騰現神足:わくやくひとうげんじんそく】
...或〔あるい〕は躍〔おど〕り飛騰〔ひとう〕して神足〔じんそく〕を現〔げん〕じ

【出没水火身自由:しゅつもつすいかしんじゆう】
...水火〔すいか〕に出没〔しゅつもつ〕して身〔み〕自由〔じゆう〕なり

【如来法輪相如是:にょらいほうりんそうにょぜ】
...如来〔にょらい〕の法輪相〔ほうりんそう〕是〔かく〕の如〔ごと〕し

【清浄無辺難思議:しょうじょうむへんなんしぎ】
...清浄無辺〔しょうじょうむへん〕にして思議〔しぎ〕し難〔がた〕し

【我等咸復共稽首:がとうげんぶぐけいしゅ】
...我等〔われら〕咸〔ことごと〕く復〔また〕共〔とも〕に稽首〔けいしゅ〕して

【歸命法輪転以時:きみょうほうりんてんいじ】
...法輪〔ほうりん〕の時〔とき〕を以〔もっ〕て転〔てん〕じたもうに歸命〔きみょう〕したてまつる

【稽首歸依梵音声:けいしゅきえぼんのんじょう】
...稽首〔けいしゅ〕して梵音声〔ぼんのんじょう〕に歸依〔きえ〕したてまつる

【稽首歸依縁諦度:けいしゅきええんたいど】
...稽首〔けいしゅ〕して縁〔えん〕諦〔たい〕度〔ど〕に歸依〔きえ〕したてまつる

【世尊往昔無量劫:せそんおうじゃくむりょうこう】
...世尊〔せそん〕往昔〔おうじゃく〕の無量劫〔むりょうこう〕に

【勤苦修習衆徳行:ごんくしゅじゅうしゅとくぎょう】
...勤苦〔ねんごろ〕に衆〔もろもろ〕の徳行〔とくぎょう〕を修習〔しゅじゅう〕して

【為我人天龍神王:いがにんでんりゅうじんのう】
...我〔われ〕人〔にん〕天〔てん〕龍神王〔りゅうじんおう〕の為〔ため〕にし

【普及一切諸衆生:ふぎゅういっさいしょしゅじょう】
...普〔あまね〕く一切〔いっさい〕の諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕に及〔およ〕ぼしたまえり

【能捨一切諸難捨:のうしゃいっさいしょなんしゃ】
...能〔よ〕く一切〔いっさい〕の諸〔もろもろ〕の捨〔す〕て難〔がた〕き

【財寶妻子及国城:ざいほうさいしぎゅうこくじょう】
...財寶〔ざいほう〕妻子〔さいし〕及〔およ〕び国城〔こくじょう〕を捨〔す〕てて

【於法内外無所恡:おほうないげむしょりん】
...法〔ほう〕の内外〔ないげ〕に於〔おい〕て恡〔おし〕む所〔ところ〕無〔な〕く

【頭目髄脳悉施人:ずもくずいのうしっせにん】
...頭目髄脳〔ずもくずいのう〕悉〔ことごと〕く人〔ひと〕に施〔ほどこ〕せり

【奉持諸佛清浄禁:ぶじしょぶつしょうじょうごん】
...諸佛〔しょぶつ〕の清浄〔しょうじょう〕の禁〔ごん〕を奉持〔ぶじ〕して

【乃至失命不毀傷:ないししつみょうふきしょう】
...乃至〔ないし〕命〔いのち〕を失〔うしな〕えども毀傷〔きしょう〕したまわず

【若人刀杖来加害:にゃくにんとうじょうらいかがい】
...若〔も〕し人〔ひと〕刀杖〔とうじょう〕をもって来〔きた〕って害〔がい〕を加〔くわ〕え

【惡口罵辱終不瞋:あっくめにくじゅうふしん】
...惡口罵辱〔あっくめにく〕すれども終〔つい〕に瞋〔いか〕りたまわず

【歴劫挫身不倦惰:りゃっこうざしんふけんだ】
...劫〔こう〕を歴〔へ〕て身〔み〕を挫〔くだ〕けども倦惰〔けんだ〕したまわず

【昼夜摂心常在禅:ちゅうやせっしんじょうざいぜん】
...昼夜〔ちゅうや〕に心〔こころ〕を摂〔おさ〕めて常〔つね〕に禅〔ぜん〕に在〔あ〕り

【遍学一切衆道法:へんがくいっさいしゅどうほう】
...遍〔あまね〕く一切〔いっさい〕の衆〔もろもろ〕の道法〔どうほう〕を学〔がく〕して

【智慧深入衆生根:ちえじんにゅうしゅじょうこん】
...智慧〔ちえ〕深〔ふか〕く衆生〔しゅじょう〕の根〔こん〕に入〔い〕りたまえり

【是故今得自在力:ぜここんとくじざいりき】
...是〔こ〕の故〔ゆえ〕に今〔いま〕自在〔じざい〕の力〔ちから〕を得〔え〕て

【於法自在為法王:おほうじざいいほうおう】
...法〔ほう〕に於〔おい〕て自在〔じざい〕にして法王〔ほうおう〕と為〔な〕りたまえり

【我復咸共倶稽首:がぶげんぐくけいしゅ】
...我〔われ〕復〔また〕咸〔ことごと〕く共倶〔とも〕に稽首〔けいしゅ〕して

【歸依能勤諸難勤:きえのうごんしょなんごん】
...能〔よ〕く諸〔もろもろ〕の勤〔つと〕め難〔がた〕きを勤〔つと〕めたまえるに歸依〔きえ〕したてまつる



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