日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


色心不二抄 第四章 一法二義の理


【是くの如く、十界の依正、色心の二法、】
このように、十界の依正、色心の二法、

【一法二義の理にして、】
妙法である一法に悟りと迷いの二義があると言う理〔ことわり〕であって、

【生死常住の故に三世に改まることなし。】
生死が常住である故に、現在、過去、未来の三世が変化する事がないのです。

【哀れなる哉〔かな〕、生死の無常を厭〔いと〕ひ悲しみ、】
哀れなことに人々は、生死の無常を嫌っては、それを悲しみ、

【身の常住の生死をし〔知〕らずして厭ひ居る事よ。】
常住の生死の身を知らないで、ただただ嫌って、悲しんでいるのです。

【此の理をしらずして、或は此の生死を厭ひて生死なき浄土をもと〔求〕め、】
この理を知らずに、あるいは、この生死を嫌って、生死などがない浄土を求め、

【或は又此の理をしらずして、生死は虚妄の物なりと観ずる人も之有り。】
あるいは、また、この理を知らずして、生死は、虚妄であると観じる人もいます。

【悲しむべし悲しむべし。】
これは、ほんとうに悲しむべきことです。

【唯〔ただ〕生とは心法なり、滅とは色法なり。】
ただ、生とは、心法であり、滅とは、色法なのです。

【故に生死の二法は色心の二法にて有りけるなり。】
それ故に生死の二法は、色心の二法なのです。

【是即ち真言・止観の観法、出離生死の頓証〔とんしょう〕なり。】
これは、そのまま真言、摩訶止観の観法、出離、生死の即身成仏の証拠なのです。

【道場所得の妙悟、】
道場で得るところの優れた悟りであり、

【妙覚朗然〔ろうねん〕の知見なり。】
菩薩の五十二位の最高位、妙覚の明確な見識なのです。

【最後臨終の時は此の理を思し食し定むべし。】
最後の臨終の時には、この理〔ことわり〕について、よくよく考えてください。

【九月十七日】
9月17日


ページのトップへ戻る