日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


法華本門宗血脈相承事(本因妙抄) 7.生死一大事の秘法


(この頁から段落があります)

【若し末法に於て本迹一致と修行し、所化等に教ふる者ならば、】
もし、末法において本迹一致を修行し、所化〔しょけ〕などに教える者があれば、

【我が身も五逆罪を造らずして無間〔むけん〕に堕ち、】
自分自身も五逆罪を犯すことなく無間地獄〔むけん・じごく〕に堕ち、

【其れに随従せん輩も阿鼻に沈まん事疑ひ無き者なり。】
それに付き従う者達も阿鼻地獄〔あび・じごく〕に沈むことは、疑いありません。

【此の書一見の人々は、理(普賢)智(文殊)一言の薩埵〔さった〕、】
この書を見た人々は、理(普賢)智(文殊)が同時に具〔そな〕わった衆生であり、

【生死絶断の際、定光覚悟の大菩薩なり。】
生死絶断の際、定光三昧〔さんまい〕の不退転の覚悟の大菩薩であるのです。

【伝教の云はく「文殊の利剣を六輪に通し十二の生類を切断す。】
伝教大師は「文殊の利剣を六輪に通し十二の生類を切断す。

【一刀(妙法)を下して万法を勑〔ただ〕すに、】
一刀(妙法)を下して万法を勑〔ただ〕すに、

【自然に由〔なお〕三諦の理を出すこと見聞覚知に明らかなり。】
自然〔じねん〕に由〔なお〕三諦の理を出すこと見聞覚知に明らかなり。

【此の一言の三際を示すは一言に如〔し〕かず。】
此の一言の三際〔さんさい〕を示すは一言に如〔し〕かず。

【若し未だ達せざるの者も一頌(題目)を開くに】
若し未だ達せざるの者も一頌(題目)を開くに、

【三般(三諦)同じく通知せざること無し。生仏自〔おの〕づから一現なる、】
三般(三諦)同じく通知せざること無し。生仏自〔おの〕づから一現なる、

【是を一言の妙旨・一教の玄義と謂ふ」云云。】
是を一言の妙旨・一教の玄義と謂〔い〕う」と述べられています。

【天台の云はく「一言三諦・刹那成道・半偈成道」云云。】
天台大師は「一言三諦・刹那〔せつな〕成道・半偈成道」と述べられています。

【伝教の云はく「仏界の智は九界を境と為し、九界の智は仏界を境と為す。】
伝教大師は「仏界の智は九界を境〔きょう〕と為し、九界の智は仏界を境と為す。

【境智互ひに冥薫〔みょうくん〕して凡聖常恒なる、是を刹那成道と謂ひ、】
境智互ひに冥薫〔みょうくん〕して凡聖常恒なる、是を刹那成道と謂い、

【三道即三徳と解すれば】
三道(煩悩・業・苦)即三徳(法身・般若・解脱)と解すれば

【諸悪儵〔たちま〕ちに真善なる、】
諸悪儵〔たちま〕ちに真善なる、

【是を半偈成道と名づく」と。】
是〔これ〕を半偈成道と名づく」と述べられています。

【今会釈〔えしゃく〕して云はく、諸仏菩薩の】
今、基本に立ち返り、矛盾なく説明すれば、諸仏・諸菩薩の

【定光三昧も、凡聖一如の証道、】
定光三昧においても、六道の凡夫と二乗、菩薩、聖人も同じであるという証道も、

【刹那半偈の成道も、】
経文を半偈、読む短い時間で成道すること、つまり、即身成仏も、

【我が家の勝劣修行の南無妙法蓮華経の一言に摂し尽くす者なり。】
日蓮の立てた宗旨の勝劣修行の、南無妙法蓮華経の一言にまとめあげたのです。

【此の血脈を列ぬる事は、末代浅学の者の】
この血脈を列〔つら〕ね並べる事は、末代の思慮が浅い仏法を学ぶ者たちが

【予が仮字の消息を蔑如〔べつじょ〕し、天台の漢字の止観を見て、】
日蓮の仮名文字が入った書物を軽蔑し、天台の漢字のみの摩訶止観を見て、

【眼目を迷はし心意を驚動し、或は仮字を漢字と成し、】
眼を迷わし、心を驚愕〔きょうがく〕させ、また、仮名文字の書物を漢字に変えて、

【或は「止観明静・前代未聞」の見に耽〔ふけ〕りて本迹一致の思ひを成し、】
あるいは「止観明静・前代未聞」の見解に心を奪われて、本迹一致の思いを成し、

【我が内証の寿量品を知らずして止観に同じ、】
日蓮の内証の寿量品を知らずに、摩訶止観と同じであるとの思いをなし、

【但自見の僻目を本として】
ただ自分の見解だけで、偏〔かたよ〕った考えをし、それを本として、

【予が立義を破失し三悪道に堕つべし。】
日蓮の立てた儀を破壊・消失して、地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ちるのです。

【故に天台三大章疏の奥伝に属〔つ〕けて、】
それ故に摩訶止観・法華玄義・法華文句の天台三大章疏の奥伝に言葉を付け加え、

【天台・伝教等の秘し給へる正義、生死一大事の秘法を】
天台大師、伝教大師などが秘された正義〔しょうぎ〕や、生死一大事の秘法を

【書き顕はし奉る事は、且つは恐れ有り且つは憚〔はばか〕り有り。】
書き顕わす事は、恐れがあり、また、はばかりがあるのですが、

【広宣流布の日、公亭に於て応に之を披覧し奉るべし。】
広宣流布の日、公〔おおやけ〕の場所において、まさにこれを公開してください。

【会通を加ふる事は且つは広宣流布の為、】
経論を照らし合わせ、筋道〔すじみち〕を通す事は、広宣流布の為であり、

【且つは未代浅学の為なり。】
または、未代の思慮が浅い仏法を学ぶ者たちの為なのです。

【又天台・伝教の釈等も予が真実の本意に非ざれども、】
また、天台大師、伝教大師の解釈などを、日蓮の真実の本意ではないのですが、

【未来嬰児の弟子等、彼を本懐かと思ふべき者か。】
未来の日蓮の幼稚な弟子などは、これを本懐〔ほんかい〕と思うのでしょう。

【去る文永免許の日、爾前迹門の謗法を対治し、】
去る文永の流罪が許された日、爾前・迹門の謗法を対治し、幕府に対して

【本門の正義を立てらるれば、不日に豊年ならむと申せしかば、】
本門の正義を立てられるならば、日を置かずに豊年になると言った時には、

【聞く人毎〔ひとごと〕に舌を振るひ耳を塞〔ふさ〕ぐ。】
聞く人々は、驚いて声を挙げ、その耳を塞〔ふさ〕いだのです。

【其の時方人一人も無く、唯我(日蓮)与我(日興)計りなり。】
その時には、それを信じる者は、一人も無く、ただ日蓮と日興だけだったのです。


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