御書研鑚の集い 御書研鑽資料
妙法蓮華經 法師功徳品第十九
【妙法蓮華經法師功徳品第十九:みょうほうれんげきょうほっしくどくほんだいじゅうく】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 法師功徳品第十九〔ほっしくどくほんだいじゅうく〕
【爾時佛告。:にじぶつごう】
爾〔そ〕の時〔とき〕に佛〔ほとけ〕、
【常精進菩薩摩訶薩。:じょうしょうじんぼさつまかさつ】
常精進菩薩摩訶薩〔じょうしょうじんぼさつまかさつ〕に告〔つ〕げたまわく、
【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、
【受持是法華經。:じゅじぜほけきょう】
...是〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕を受持〔じゅじ〕し、
【若読。:にゃくどく】
...若〔も〕しは読〔よ〕み、
【若誦。:にゃくじゅ】
...若〔も〕しは誦〔じゅ〕し、
【若解説。:にゃくげせつ】
...若〔も〕しは解説〔げせつ〕し、
【若書写。:にゃくしょしゃ】
...若〔も〕しは書写〔しょしゃ〕せん。
【是人當得。:ぜにんとうとく】
...是〔こ〕の人〔ひと〕は、
【八百眼功徳。:はっぴゃくげんくどく】
...當〔まさ〕に八百〔はっぴゃく〕の眼〔まなこ〕の功徳〔くどく〕、
【千二百耳功徳。:せんにひゃくにくどく】
...千二百〔せんにひゃく〕の耳〔みみ〕の功徳〔くどく〕、
【八百鼻功徳。:はっぴゃくびくどく】
...八百〔はっぴゃく〕の鼻〔はな〕の功徳〔くどく〕、
【千二百舌功徳。:せんにひゃくぜっくどく】
...千二百〔せんにひゃく〕の舌〔した〕の功徳〔くどく〕、
【八百身功徳。:はっぴゃくしんくどく】
...八百〔はっぴゃく〕の身〔み〕の功徳〔くどく〕、
【千二百意功徳。:せんにひゃくいくどく】
...千二百〔せんにひゃく〕の意〔こころ〕の功徳〔くどく〕を得〔う〕べし。
【以是功徳。:いぜくどく】
...是〔こ〕の功徳〔くどく〕を以〔もっ〕て、
【荘厳六根。:しょうごんろっこん】
...六根〔ろっこん〕を荘厳〔しょうごん〕して、
【皆令清浄。:かいりょうしょうじょう】
...皆〔みな〕清浄〔しょうじょう〕ならしめん。
【是善男子。:ぜぜんなんし】
...是〔こ〕の善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕は、
【父母所生。:ぶもしょしょう】
...父母〔ぶも〕所生〔しょしょう〕の
【清浄肉眼。:しょうじょうにくげん】
...清浄〔しょうじょう〕の肉眼〔にくげん〕をもって、
【見於三千大千世界。:けんのさんぜんだいせんせかい】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕の、
【内外所有。:ないげしょう】
...内外〔ないげ〕の所有〔あらゆ〕る山林〔せんりん〕、
【山林河海。:せんりんがかい】
...河海〔がかい〕を見〔み〕ること、
【下至阿鼻地獄。:げしあびじごく】
...下〔しも〕阿鼻地獄〔あびじごく〕に至〔いた〕り、
【上至有頂。:じょうしうちょう】
...上〔かみ〕有頂〔うちょう〕に至〔いた〕らん。
【亦見其中。:やっけんごちゅう】
...亦〔また〕、其〔そ〕の中〔なか〕の
【一切衆生。:いっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕を見〔み〕、
【及業因縁。:ぎゅうごういんねん】
...及〔およ〕び業〔ごう〕の因縁〔いんねん〕、
【果報生処。:かほうしょうじょ】
...果報〔かほう〕の生処〔しょうじょ〕悉〔ことごと〕く見〔み〕、
【悉見悉知。:しっけんしっち】
...悉〔ことごと〕く知〔し〕らん。
【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、
【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、
【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、
【若於大衆中:にゃくおだいしゅちゅう】
...若〔も〕し大衆〔だいしゅ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て
【以無所畏心:いむしょいしん】
...無所畏〔むしょい〕の心〔こころ〕を以〔もっ〕て
【説是法華經:せつぜほけきょう】
...是〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕を説〔と〕かん
【汝聴其功徳:にょちょうごくどく】
...汝〔なんじ〕其〔そ〕の功徳〔くどく〕を聴〔き〕け
【是人得八百:ぜにんとくはっぴゃく】
...是〔こ〕の人〔ひと〕は八百〔はっぴゃく〕の
【功徳殊勝眼:くどくしゅしょうげん】
...功徳〔くどく〕有〔あ〕る殊勝〔しゅしょう〕の眼〔まなこ〕を得〔え〕ん
【以是荘厳故:いぜしょうごんこ】
...是〔これ〕を以〔もっ〕て荘厳〔しょうごん〕するが故〔ゆえ〕に
【其目甚清浄:ごもくじんしょうじょう】
...其〔そ〕の目〔め〕甚〔はなは〕だ清浄〔しょうじょう〕ならん
【父母所生眼:ぶもしょしょうげん】
...父母〔ぶも〕所生〔しょしょう〕の眼〔まなこ〕をもって
【悉見三千界:しっけんさんぜんがい】
...悉〔ことごと〕く三千界〔さんぜんがい〕の
【内外彌楼山:ないげみるせん】
...内外〔ないげ〕の彌楼山〔みるせん〕
【須彌及鉄圍:しゅみぎゅうてっち】
...須彌〔しゅみ〕及〔およ〕び鉄圍〔てっち〕
【并諸余山林:びょうしょよせんりん】
...并〔なら〕びに諸余〔しょよ〕の山林〔せんりん〕
【大海江河水:だいかいごうがすい】
...大海〔だいかい〕江河水〔ごうがすい〕を見〔み〕ること
【下至阿鼻獄:げしあびごく】
...下〔しも〕阿鼻獄〔あびごく〕に至〔いた〕り
【上至有頂天:じょうしうちょうてん】
...上〔かみ〕有頂天〔うちょうてん〕に至〔いた〕らん
【其中諸衆生:ごちゅうしょしゅじょう】
...其〔そ〕の中〔なか〕の諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕
【一切皆悉見:いっさいかいしっけん】
...一切〔いっさい〕皆〔みな〕悉〔ことごと〕く見〔み〕ん
【雖未得天眼:すいみとくてんげん】
...未〔いま〕だ天眼〔てんげん〕を得〔え〕ずと雖〔いえど〕も
【肉眼力如是:にくげんりきにょぜ】
...肉眼〔にくげん〕の力〔ちから〕是〔かく〕の如〔ごと〕くならん
【復次常精進。:ぶしじょうしょうじん】
...復〔また〕次〔つぎ〕に常精進〔じょうしょうじん〕、
【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、
【受持此經。:じゅじしきょう】
...此〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕し、
【若読。:にゃくどく】
...若〔も〕しは読〔よ〕み、
【若誦。:にゃくじゅ】
...若〔も〕しは誦〔じゅ〕し、
【若解説。:にゃくげせつ】
...若〔も〕しは解説〔げせつ〕し、
【若書写。:にゃくしょしゃ】
...若〔も〕しは書写〔しょしゃ〕せんに、
【得千二百耳功徳。:とくせんにひゃくにくどく】
...千二百〔せんにひゃく〕の耳〔みみ〕の功徳〔くどく〕を得〔え〕ん。
【以是清浄耳。:いぜしょうじょうに】
...是〔こ〕の清浄〔しょうじょう〕の耳〔みみ〕を以〔もっ〕て、
【聞三千大千世界。:もんさんぜんだいせんせかい】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕の、
【下至阿鼻地獄。:げしあびじごく】
...下〔しも〕阿鼻地獄〔あびじごく〕に至〔いた〕り、
【上至有頂。:じょうしうちょう】
...上〔かみ〕有頂〔うちょう〕に至〔いた〕る。
【其中内外。:ごちゅうないげ】
...其〔そ〕の中〔なか〕の内外〔ないげ〕の
【種種所有。:しゅじゅしょう】
...種種〔しゅじゅ〕の所有〔あらゆ〕る
【語言音声。:ごごんおんじょう】
...語言〔ごごん〕、音声〔おんじょう〕、
【象声。:ぞうしょう】
...象声〔ぞうしょう〕、
【馬声。:めしょう】
...馬声〔めしょう〕、
【牛声。:ごしょう】
...牛声〔ごしょう〕、
【車声。:しゃしょう】
...車声〔しゃしょう〕、
【啼哭声。:たいこくしょう】
...啼哭声〔たいこくしょう〕、
【愁歎声。:しゅうたんじょう】
...愁歎声〔しゅうたんしょう〕、
【螺声。:らしょう】
...螺声〔らしょう〕、
【鼓声。:くしょう】
...鼓声〔くしょう〕、
【鐘声。:しゅしょう】
...鐘声〔しゅしょう〕、
【鈴声。:りょうしょう】
...鈴声〔りょうしょう〕、
【笑声。:しょうしょう】
...笑声〔しょうしょう〕、
【語声。:ごしょう】
...語声〔ごしょう〕、
【男声。:なんしょう】
...男声〔なんしょう〕、
【女声。:にょしょう】
...女声〔にょしょう〕、
【童子声。:どうじしょう】
...童子声〔どうじしょう〕、
【童女声。:どうにょしょう】
...童女声〔どうにょしょう〕、
【法声。:ほうしょう】
...法声〔ほうしょう〕、
【非法声。:ひほうしょう】
...非法声〔ひほうしょう〕、
【苦声。:くしょう】
...苦声〔くしょう〕、
【楽声。:らくしょう】
...楽声〔らくしょう〕、
【凡夫声。:ぼんぶしょう】
...凡夫声〔ぼんぶしょう〕、
【聖人声。:しょうにんしょう】
...聖人声〔しょうにんしょう〕、
【喜声。:きしょう】
...喜声〔きしょう〕、
【不喜声。:ふきしょう】
...不喜声〔ふきしょう〕、
【天声。:てんしょう】
...天声〔てんしょう〕、
【龍声。:りゅうしょう】
...龍声〔りゅうしょう〕、
【夜叉声。:やしゃしょう】
...夜叉声〔やしゃしょう〕、
【乾闥婆声。:けんだつばしょう】
...乾闥婆声〔けんだつばしょう〕、
【阿修羅声。:あしゅらしょう】
...阿修羅声〔あしゅらしょう〕、
【迦楼羅声。:かるらしょう】
...迦楼羅声〔かるらしょう〕、
【緊那羅声。:きんならしょう】
...緊那羅声〔きんならしょう〕、
【摩睺羅伽声。:まごらがしょう】
...摩睺羅伽声〔まごらがしょう〕、
【火声。:かしょう】
...火声〔かしょう〕、
【水声。:すいしょう】
...水声〔すいしょう〕、
【風声。:ふうしょう】
...風声〔ふうしょう〕、
【地獄声。:じごくしょう】
...地獄声〔じごくしょう〕、
【畜生声。:ちくしょうしょう】
...畜生声〔ちくしょうしょう〕、
【餓鬼声。:がきしょう】
...餓鬼声〔がきしょう〕、
【比丘声。:びくしょう】
...比丘声〔びくしょう〕、
【比丘尼声。:びくにしょう】
...比丘尼声〔びくにしょう〕、
【声聞声。:しょうもんしょう】
...声聞声〔しょうもんしょう〕、
【辟支佛声。:ひゃくしぶつしょう】
...辟支佛声〔ひゃくしぶつしょう〕、
【菩薩声。:ぼさつしょう】
...菩薩声〔ぼさつしょう〕、
【佛声。:ぶっしょう】
...佛声〔ぶっしょう〕を聞〔き〕かん。
【以要言之。:いようごんし】
...要〔よう〕を以〔もっ〕て之〔こ〕れを言〔い〕わば、
【三千大千世界中。:さんぜんだいせんせかいちゅう】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕の中〔なか〕の、
【一切内外。:いっさいないげ】
...一切〔いっさい〕内外〔ないげ〕の
【所有諸声。:しょうしょしょう】
...所有〔あらゆ〕る諸〔もろもろ〕の声〔こえ〕、
【雖未得天耳。:すいみとくてんに】
...未〔いま〕だ天耳〔てんに〕を得〔え〕ずと雖〔いえど〕も、
【以父母所生。:いぶもしょしょう】
...父母〔ぶも〕所生〔しょしょう〕の
【清浄常耳。:しょうじょうじょうに】
...清浄〔しょうじょう〕の常〔つね〕の耳〔みみ〕を以〔もっ〕て、
【皆悉聞知。:かいしつもんち】
...皆〔みな〕悉〔ことごと〕く聞〔き〕き知〔し〕らん。
【如是分別。:にょぜふんべつ】
...是〔かく〕の如〔ごと〕く
【種種音声。:しゅじゅおんじょう】
...種種〔しゅじゅ〕の音声〔おんじょう〕を分別〔ふんべつ〕すとも、
【而不壊耳根。:にふえにこん】
...而〔しか〕も耳根〔にこん〕を壊〔やぶ〕らじ。
【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、
【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、
【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、
【父母所生耳:ぶもしょしょうに】
...父母〔ぶも〕所生〔しょしょう〕の耳〔みみ〕
【清浄無濁穢:しょうじょうむじょくえ】
...清浄〔しょうじょう〕にして濁穢〔じょくえ〕無〔な〕く
【以此常耳聞:いしじょうにもん】
...此〔こ〕の常〔つね〕の耳〔みみ〕を以〔もっ〕て
【三千世界声:さんぜんせかいしょう】
...三千世界〔さんぜんせかい〕の声〔こえ〕を聞〔き〕かん
【象馬車牛声:ぞうめしゃごしょう】
...象馬〔ぞうめ〕車牛〔しゃご〕の声〔こえ〕
【鐘鈴螺鼓声:しゅりょうらくしょう】
...鐘鈴〔しゅりょう〕螺鼓〔らく〕の声〔こえ〕
【琴瑟箜篌声:きんじっくごしょう】
...琴瑟〔きんしつ〕箜篌〔くご〕の声〔こえ〕
【簫笛之音声:しょうちゃくしおんじょう】
...簫笛〔しょうちゃく〕の音声〔おんじょう〕
【清浄好歌声:しょうじょうこうかしょう】
...清浄〔しょうじょう〕好歌〔こうか〕の声〔こえ〕
【聴之而不著:ちょうしにふじゃく】
...之〔これ〕を聞〔き〕いて而〔しか〕も著〔じゃく〕せじ
【無数種人声:むしゅしゅにんしょう】
...無数種〔むしゅしゅ〕の人〔ひと〕の声〔こえ〕
【聞悉能解了:もんしつのうげりょう】
...聞〔き〕いて悉〔ことごと〕く能〔よ〕く解了〔げりょう〕せん
【又聞諸天声:うもんしょてんしょう】
...又〔また〕諸天〔しょてん〕の声〔こえ〕
【微妙之歌音:みみょうしかおん】
...微妙〔みみょう〕の歌〔うた〕の音〔こえ〕を聞〔き〕き
【及聞男女声:ぎゅうもんなんにょしょう】
...及〔およ〕び男女〔なんにょ〕の声〔こえ〕
【童子童女声:どうじどうにょしょう】
...童子〔どうじ〕童女〔どうにょ〕の声〔こえ〕を聞〔き〕かん
【山川険谷中:せんぜんけんこくちゅう】
...山川〔せんぜん〕険谷〔けんこく〕の中〔なか〕の
【迦陵頻伽声:かりょうびんがしょう】
...迦陵〔かりょう〕頻伽〔びんが〕の声〔こえ〕
【命命等諸鳥:みょうみょうとうしょちょう】
...命命等〔みょうみょうとう〕の諸鳥〔しょちょう〕
【悉聞其音声:しつもんごおんじょう】
...悉〔ことごと〕く其〔そ〕の音声〔おんじょう〕を聞〔き〕かん
【地獄衆苦痛:じごくしゅくつう】
...地獄〔じごく〕の衆〔もろもろ〕の苦痛〔くつう〕
【種種楚毒声:しゅじゅそどくしょう】
...種種〔しゅじゅ〕の楚毒〔そどく〕の声〔こえ〕
【餓鬼飢渇逼:がきけかっぴつ】
...餓鬼〔がき〕の飢渇〔けかつ〕に逼〔せ〕められて
【求索飲食声:ぐしゃくおんじきしょう】
...飲食〔おんじき〕を求索〔ぐしゃく〕する声〔こえ〕
【諸阿修羅等:しょあしゅらとう】
...諸〔もろもろ〕の阿修羅等〔あしゅらとう〕
【居在大海辺:こざいだいかいへん】
...大海〔だいかい〕の辺〔へん〕に居在〔こざい〕して
【自共言語時:じぐごんごじ】
...自〔みずか〕ら共〔とも〕に言語〔ごんご〕する時〔とき〕
【出于大音声:すいうだいおんじょう】
...大音声〔だいおんじょう〕を出〔いだ〕すをも
【如是説法者:にょぜせっぽうじゃ】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き説法者〔せっぽうしゃ〕は
【安住於此間:あんじゅうおしけん】
...此〔こ〕の間〔あいだ〕に安住〔あんじゅう〕して
【遥聞是衆声:ようもんぜしゅしょう】
...遥〔はる〕かに是〔こ〕の衆〔もろもろ〕の声〔こえ〕を聞〔き〕いて
【而不壊耳根:にふえにこん】
...耳根〔にこん〕を壊〔やぶ〕らじ
【十方世界中:じっぽうせかいちゅう】
...十方〔じっぽう〕世界〔せかい〕の中〔なか〕の
【禽獣鳴相呼:きんじゅみょうそうこ】
...禽獣〔きんじゅ〕の鳴〔な〕いて相〔あい〕呼〔よ〕ばう
【其説法之人:ごせっぽうしにん】
...其〔そ〕の説法〔せっぽう〕の人〔ひと〕
【於此悉聞之:おししつもんし】
...此〔ここ〕に於〔おい〕て悉〔ことごと〕く之〔これ〕を聞〔き〕かん
【其諸梵天上:ごしょぼんでんじょう】
...其〔そ〕の諸〔もろもろ〕の梵天上〔ぼんてんじょう〕
【光音及遍浄:こうおんぎゅうへんじょう】
...光音〔こうおん〕及〔およ〕び遍浄〔へんじょう〕
【乃至有頂天:ないしうちょうてん】
...乃至〔ないし〕有頂天〔うちょうてん〕の
【言語之音声:ごんごしおんじょう】
...言語〔ごんご〕の音声〔おんじょう〕
【法師住於此:ほっしじゅうおし】
...法師〔ほっし〕此〔ここ〕に住〔じゅう〕して
【悉皆得聞之:しっかいとくもんし】
...悉〔ことごと〕く皆〔みな〕之〔これ〕を聞〔き〕くことを得〔え〕ん
【一切比丘衆:いっさいびくしゅ】
...一切〔いっさい〕の比丘衆〔びくしゅ〕
【及諸比丘尼:ぎっしょびくに】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の比丘尼〔びくに〕
【若読誦經典:にゃくどくじゅきょうでん】
...若〔も〕しは經典〔きょうでん〕を読誦〔どくじゅ〕し
【若為他人説:にゃくいたにんせつ】
...若〔も〕しは他人〔たにん〕の為〔ため〕に説〔と〕かんに
【法師住於此:ほっしじゅうおし】
...法師〔ほっし〕此〔ここ〕に住〔じゅう〕して
【悉皆得聞之:しっかいとくもんし】
...悉〔ことごと〕く皆〔みな〕之〔これ〕を聞〔き〕くことを得〔え〕ん
【復有諸菩薩:ぶうしょぼさつ】
...復〔また〕諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕有〔あ〕って
【読誦於經法:どくじゅおきょうぼう】
...經法〔きょうぼう〕を読誦〔どくじゅ〕し
【若為他人説:にゃくいたにんせつ】
...若〔も〕しは他人〔たにん〕の為〔ため〕に説〔と〕き
【撰集解其義:せんじゅうげごぎ】
...撰集〔せんじゅう〕して其〔そ〕の義〔ぎ〕を解〔げ〕せん
【如是諸音声:にょぜしょおんじょう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き諸〔もろもろ〕の音声〔おんじょう〕
【悉皆得聞之:しっかいとくもんし】
...悉〔ことごと〕く皆〔みな〕之〔これ〕を聞〔き〕くことを得〔え〕ん
【諸佛大聖尊:しょぶつだいしょうそん】
...諸佛大聖尊〔しょぶつだいしょうそん〕の
【教化衆生者:きょうけしゅじょうしゃ】
...衆生〔しゅじょう〕を教化〔きょうけ〕したもう者〔もの〕
【於諸大会中:おしょだいえちゅう】
...諸〔もろもろ〕の大会〔だいえ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て
【演説微妙法:えんぜつみみょうほう】
...微妙〔みみょう〕の法〔ほう〕を演説〔えんぜつ〕したもう
【持此法華者:じしほっけしゃ】
...此〔こ〕の法華〔ほっけ〕を持〔たも〕たん者〔もの〕は
【悉皆得聞之:しっかいとくもんし】
...悉〔ことごと〕く皆〔みな〕之〔これ〕を聞〔き〕くことを得〔え〕ん
【三千大千界:さんぜんだいせんがい】
...三千大千界〔さんぜんだいせんがい〕の
【内外諸音声:ないげしょおんじょう】
...内外〔ないげ〕の諸〔もろもろ〕の音声〔おんじょう〕
【下至阿鼻獄:げしあびごく】
...下〔しも〕阿鼻獄〔あびごく〕に至〔いた〕り
【上至有頂天:じょうしうちょうてん】
...上〔かみ〕有頂天〔うちょうてん〕に至〔いた〕るまで
【皆聞其音声:かいもんごおんじょう】
...皆〔みな〕其〔そ〕の音声〔おんじょう〕を聞〔き〕いて
【而不壊耳根:にふえにこん】
...而〔しか〕も耳根〔にこん〕を壊〔やぶ〕らじ
【其耳聡利故:ごにそうりこ】
...其〔そ〕の耳〔みみ〕聡利〔そうり〕なるが故〔ゆえ〕に
【悉能分別知:しつのうふんべっち】
...悉〔ことごと〕く能〔よ〕く分別〔ふんべつ〕して知〔し〕らん
【持是法華者:じぜほっけしゃ】
...是〔こ〕の法華〔ほっけ〕を持〔たも〕たん者〔もの〕は
【雖未得天耳:すいみとくてんに】
...未〔いま〕だ天耳〔てんに〕を得〔え〕ずと雖〔いえど〕も
【但用所生耳:たんゆうしょしょうに】
...但〔ただ〕所生〔しょしょう〕の耳〔みみ〕を用〔もち〕うるに
【功徳已如是:くどくいにょぜ】
...功徳〔くどく〕已〔すで〕に是〔かく〕の如〔ごと〕くならん
【復次常精進。:ぶしじょうしょうじん】
...復〔また〕次〔つぎ〕に常精進〔じょうしょうじん〕、
【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、
【受持是經。:じゅじぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕し、
【若読。:にゃくどく】
...若〔も〕しは読〔よ〕み、
【若誦。:にゃくじゅ】
...若〔も〕しは誦〔じゅ〕し、
【若解説。:にゃくげせつ】
...若〔も〕しは解説〔げせつ〕し、
【若書写。:にゃくしょしゃ】
...若〔も〕しは書写〔しょしゃ〕せんに、
【成就八百鼻功徳。:じょうじゅはっぴゃくびくどく】
...八百〔はっぴゃく〕の鼻〔はな〕の功徳〔くどく〕を成就〔じょうじゅ〕せん。
【以是清浄鼻根。:いぜしょうじょうびこん】
...是〔こ〕の清浄〔しょうじょう〕の鼻根〔びこん〕を以〔もっ〕て、
【聞於三千大千世界。:もんのさんぜんだいせんせかい】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕の、
【上下内外。:じょうげないげ】
...上下〔じょうげ〕内外〔ないげ〕の
【種種諸香。:しゅじゅしょこう】
...種種〔しゅじゅ〕の諸〔もろもろ〕の香〔こう〕を聞〔か〕がん。
【須曼那華香。:しゅまなけこう】
...須曼那華香〔しゅまなけこう〕、
【闍提華香。:しゃだいけこう】
...闍提華香〔しゃだいけこう〕、
【末利華香。:まっりけこう】
...末利華香〔まつりけこう〕、
【瞻蔔華香。:せんぼっけこう】
...瞻蔔華香〔せんぼつけこう〕、
【波羅羅華香。:はららけこう】
...波羅羅華香〔はららけこう〕、
【赤蓮華香。:しゃくれんげこう】
...赤蓮華香〔しゃくれんげこう〕、
【青蓮華香。:しょうれんげこう】
...青蓮華香〔しょうれんげこう〕、
【白蓮華香。:びゃくれんげこう】
...白蓮華香〔びゃくれんげこう〕、
【華樹香。:けじゅこう】
...華樹香〔けじゅこう〕、
【果樹香。:かじゅこう】
...果樹香〔かじゅこう〕、
【栴檀香。:せんだんこう】
...栴檀香〔せんだんこう〕、
【沈水香。:じんずいこう】
...沈水香〔じんすいこう〕、
【多摩羅跋香。:たまらばっこう】
...多摩羅波香〔たまらばっこう〕、
【多伽羅香。:たからこう】
...多伽羅香〔たからこう〕、
【及千萬種和香。:ぎっせんまんじゅわこう】
...及〔およ〕び千萬種〔せんまんじゅ〕の和香〔わこう〕、
【若抹若丸。:にゃくまつにゃくがん】
...若〔も〕しは抹〔まつ〕せる、若〔も〕しは丸〔がん〕せる、
【若塗香。:にゃくずこう】
...若〔も〕しは塗香〔ずこう〕、
【持是經者。:じぜきょうじゃ】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を持〔たも〕たん者〔もの〕は、
【於此間住。:おしけんじゅう】
...此〔こ〕の間〔あいだ〕に於〔おい〕て
【悉能分別。:しつのうふんべつ】
...住〔じゅう〕して、悉〔ことごと〕く能〔よ〕く分別〔ふんべつ〕せん。
【又復別知。:うぶべっち】
...又復〔またまた〕、
【衆生之香。:しゅじょうしこう】
...衆生〔しゅじょう〕の香〔か〕、
【象香。:ぞうこう】
...象〔ぞう〕の香〔か〕、
【馬香。:めこう】
...馬〔め〕の香〔か〕、
【牛羊等香。:ごようとうこう】
...牛羊等〔ごようとう〕の香〔か〕、
【男香。:なんこう】
...男〔なん〕の香〔か〕、
【女香。:にょこう】
...女〔にょ〕の香〔か〕、
【童子香。:どうじこう】
...童子〔どうじ〕の香〔か〕、
【童女香。:どうにょこう】
...童女〔どうにょ〕の香〔か〕、
【及草木叢林香。:ぎっそうもくそうりんこう】
...及〔およ〕び草木〔そうもく〕叢林〔そうりん〕の香〔か〕、
【若近若遠。:にゃくごんにゃくおん】
...若〔も〕しは近〔ちか〕き、若〔も〕しは遠〔とお〕き、
【所有諸香。:しょうしょこう】
...所有〔あらゆ〕る諸〔もろもろ〕の香〔か〕を別〔わきま〕え知〔し〕らん。
【悉皆得聞。:しっかいとくもん】
...悉〔ことごと〕く皆〔みな〕聞〔か〕ぐことを得〔え〕て、
【分別不錯。:ふんべつふしゃく】
...分別〔ふんべつ〕して錯〔あやま〕らじ。
【持是經者。:じぜきょうじゃ】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を持〔たも〕たん者〔もの〕は、
【雖住於此。:すいじゅうおし】
...此〔ここ〕に住〔じゅう〕せりと雖〔いえど〕も、
【亦聞天上。:やくもんてんじょう】
...亦〔また〕、天上〔てんじょう〕
【諸天之香。:しょてんしこう】
...諸天〔しょてん〕の香〔か〕を聞〔か〕がん。
【波利質多羅。:はりしったら】
...波利質多羅〔はりしったら〕、
【拘鞞陀羅樹香。:くびだらじゅこう】
...拘鞞陀羅樹香〔くびだらじゅこう〕、
【及曼陀羅華香。:ぎゅうまんだらけこう】
...及〔およ〕び曼陀羅華香〔まんだらけこう〕、
【摩訶曼陀羅華香。:まかまんだらけこう】
...摩訶曼陀羅華香〔まかまんだらけこう〕、
【曼殊沙華香。:まんじゅしゃけこう】
...曼殊沙華香〔まんじゅしゃけこう〕、
【摩訶曼殊沙華香。:まかまんじゅしゃけこう】
...摩訶曼殊沙華香〔まかまんじゅしゃけこう〕、
【栴檀沈水。:せんだんじんずい】
...栴檀〔せんだん〕、沈水〔じんすい〕、
【種種抹香。:しゅじゅまっこう】
...種種〔しゅじゅ〕の抹香〔まっこう〕、
【諸雑華香。:しょざっけこう】
...諸〔もろもろ〕の雑華香〔ざっけこう〕、
【如是等天香。:にょぜとうてんこう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔とう〕の天香〔てんこう〕、
【和合所出之香。:わごうしょすいしこう】
...和合〔わごう〕して出〔いだ〕す所〔ところ〕の香〔か〕、
【無不聞知。:むふもんち】
...聞〔か〕ぎ知〔し〕らざること無〔な〕けん。
【又聞諸天身香。:うもんしょてんしんこう】
...又〔また〕諸天〔しょてん〕の身〔み〕の香〔か〕を聞〔か〕がん。
【釋提桓因。:しゃくだいかんにん】
...釋提〔しゃくだい〕桓因〔かんにん〕の
【在勝殿上。:ざいしょうでんじょう】
...勝殿〔しょうでん〕の上〔うえ〕に在〔あ〕って、
【五欲娯楽。:ごよくごらく】
...五欲〔ごよく〕に娯楽〔ごらく〕し
【嬉戯時香。:きけじこう】
...嬉戯〔きけ〕する時〔とき〕の香〔か〕、
【若在妙法堂上。:にゃくざいみょうほうどうじょう】
...若〔も〕しは妙法〔みょうほう〕堂〔どう〕の上〔うえ〕に在〔あ〕って、
【為忉利諸天。:いとうりしょてん】
...忉利〔とうり〕の諸天〔しょてん〕の為〔ため〕に
【説法時香。:せっぽうじこう】
...説法〔せっぽう〕する時〔とき〕の香〔か〕、
【若於諸園。:にゃくおしょおん】
...若〔も〕しは諸〔もろもろ〕の園〔その〕に於〔おい〕て
【遊戯時香。:ゆけじこう】
...遊戯〔ゆけ〕する時〔とき〕の香〔か〕、
【及余天等。:ぎゅうよてんとう】
...及〔およ〕び余〔よ〕の天等〔てんとう〕の
【男女身香。:なんにょしんこう】
...男女〔なんにょ〕の身〔み〕の香〔か〕、
【皆悉遥聞。:かいしつようもん】
...皆〔みな〕悉〔ことごと〕く遥〔はる〕かに聞〔か〕がん。
【如是展転。:にょぜてんでん】
...是〔かく〕の如〔ごと〕く展転〔てんでん〕して、
【乃至梵天。:ないしぼんでん】
...乃〔すなわ〕ち梵天〔ぼんてん〕に至〔いた〕り、
【上至有頂。:じょうしうちょう】
...上〔かみ〕有頂〔うちょう〕に至〔いた〕る
【諸天身香。:しょてんしんこう】
...諸天〔しょてん〕の身〔み〕の香〔か〕、
【亦皆聞之。:やっかいもんし】
...亦〔また〕皆〔みな〕之〔これ〕を聞〔か〕ぎ、
【并聞諸天。:びょうもんしょてん】
...并〔なら〕びに諸天〔しょてん〕の
【所焼之香。:しょしょうしこう】
...焼〔た〕く所〔ところ〕の香〔か〕を聞〔か〕がん。
【及声聞香。:ぎっしょうもんこう】
...及〔およ〕び声聞〔しょうもん〕の香〔か〕、
【辟支佛香。:ひゃくしぶっこう】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕の香〔か〕、
【菩薩香。:ぼさつこう】
...菩薩〔ぼさつ〕の香〔か〕、
【諸佛身香。:しょぶっしんこう】
...諸佛〔しょぶつ〕の身〔み〕の香〔か〕、
【亦皆遥聞。:やっかいようもん】
...亦〔また〕皆〔みな〕遥〔はる〕かに聞〔か〕いで、
【知其所在。:ちごしょざい】
...其〔そ〕の所在〔しょざい〕を知〔し〕らん。
【雖聞此香。:すいもんしこう】
...此〔こ〕の香〔か〕を聞〔か〕ぐと雖〔いえど〕も、
【然於鼻根。:ねんのびこん】
...然〔しか〕も鼻根〔びこん〕に於〔おい〕て、
【不壊不錯。:ふえふしゃく】
...壊〔やぶ〕らず錯〔あやま〕らじ。
【若欲分別。:にゃくよくふんべつ】
...若〔も〕し分別〔ふんべつ〕して、
【為他人説。:いたにんせつ】
...他人〔たにん〕の為〔ため〕に説〔と〕かんと欲〔ほっ〕せば、
【憶念不謬。:おくねんふみょう】
...憶念〔おくねん〕して謬〔あやま〕らじ。
【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、
【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、
【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、
【是人鼻清浄:ぜにんびしょうじょう】
...是〔こ〕の人〔ひと〕は鼻〔はな〕清浄〔しょうじょう〕にして
【於此世界中:おしせかいちゅう】
...此〔こ〕の世界〔せかい〕の中〔なか〕に於〔おい〕て
【若香若臭物:にゃっこうにゃくしゅもつ】
...若〔も〕しは香〔かんば〕しき若〔も〕しは臭〔くさ〕き物〔もの〕
【種種悉聞知:しゅじゅしつもんち】
...種種〔しゅじゅ〕悉〔ことごと〕く聞〔か〕ぎ知〔し〕らん
【須曼那闍提:しゅまなしゃだい】
...須曼那闍提〔しゅまなしゃだい〕
【多摩羅栴檀:たまらせんだん】
...多摩羅栴檀〔たまらせんだん〕
【沈水及桂香:じんずいぎゅうけいこう】
...沈水〔じんすい〕及〔およ〕び桂香〔けいこう〕
【種種華果香:しゅじゅけかこう】
...種種〔しゅじゅ〕の華果〔けか〕の香〔か〕
【及知衆生香:ぎっちしゅじょうこう】
...及〔およ〕び衆生〔しゅじょう〕の香〔か〕
【男子女人香:なんしにょにんこう】
...男子〔なんし〕女人〔にょにん〕の香〔か〕を知〔し〕らん
【説法者遠住:せっぽうじゃおんじゅう】
...説法者〔せっぽうしゃ〕は遠〔とお〕く住〔じゅう〕するも
【聞香知所在:もんこうちしょざい】
...香〔か〕を聞〔か〕いで所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【大勢転輪王:だいせいてんりんのう】
...大勢〔だいせい〕の転輪王〔てんりんのう〕
【小転輪及子:しょうてんりんぎっし】
...小転輪〔しょうてんりん〕及〔およ〕び子〔こ〕
【群臣諸宮人:ぐんじんしょぐうにん】
...群臣〔ぐんしん〕諸〔もろもろ〕の宮人〔ぐうにん〕
【聞香知所在:もんこうちしょざい】
...香〔か〕を聞〔か〕いで所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【身所著珍寶:しんしょちゃくちんぼう】
...身〔み〕に著〔き〕たる所〔ところ〕の珍寶〔ちんぼう〕
【及地中寶蔵:ぎゅうじちゅうほうぞう】
...及〔およ〕び地中〔じちゅう〕の寶蔵〔ほうぞう〕
【転輪王寶女:てんりんのうほうにょ】
...転輪王〔てんりんのう〕の寶女〔ほうにょ〕
【聞香知所在:もんこうちしょざい】
...香〔か〕を聞〔か〕いで所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【諸人厳身具:しょにんごんじんぐ】
...諸人〔しょにん〕の厳身〔ごんじん〕の具〔ぐ〕
【衣服及瓔珞:えぶくぎゅうようらく】
...衣服〔えぶく〕及〔およ〕び瓔珞〔ようらく〕
【種種所塗香:しゅじゅしょずこう】
...種種〔しゅじゅ〕の塗〔ぬ〕れる所〔ところ〕の香〔か〕
【聞則知其身:もんそくちごしん】
...聞〔か〕がば則〔すなわ〕ち其〔そ〕の身〔み〕を知〔し〕らん
【諸天若行坐:しょてんにゃくぎょうざ】
...諸天〔しょてん〕の若〔も〕しは行坐〔ぎょうざ〕
【遊戯及神変:ゆけぎゅうじんべん】
...遊戯〔ゆけ〕及〔およ〕び神変〔じんぺん〕
【持是法華者:じぜほっけしゃ】
...是〔こ〕の法華〔ほっけ〕を持〔たも〕たん者〔もの〕は
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【諸樹華果實:しょじゅけかじつ】
...諸樹〔しょじゅ〕の華〔はな〕果實〔このみ〕
【及蘇油香氣:ぎゅうそゆこうけ】
...及〔およ〕び蘇油〔そゆ〕の香氣〔こうけ〕
【持經者住此:じきょうじゃじゅうし】
...持經者〔じきょうしゃ〕は此〔ここ〕に住〔じゅう〕して
【悉知其所在:しっちごしょざい】
...悉〔ことごと〕く其〔そ〕の所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【諸山深嶮処:しょせんじんけんしょ】
...諸山〔しょせん〕の深〔ふか〕く嶮〔けわ〕しき処〔ところ〕に
【栴檀樹華敷:せんだんじゅけふ】
...栴檀樹〔せんだんじゅ〕の華敷〔はなさ〕き
【衆生在中者:しゅじょうざいちゅうしゃ】
...衆生〔しゅじょう〕の中〔なか〕に在〔あ〕る者〔もの〕
【聞香皆能知:もんこうかいのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで皆〔みな〕能〔よ〕く知〔し〕らん
【鉄圍山大海:てっちせんだいかい】
...鉄圍山大海〔てっちせんだいかい〕
【地中諸衆生:じちゅうしょしゅじょう】
...地中〔じちゅう〕の諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕
【持經者聞香:じきょうじゃもんこう】
...持經者〔じきょうしゃ〕は香〔か〕を聞〔か〕いで、
【悉知其所在:しっちごしょざい】
...悉〔ことごと〕く其〔そ〕の所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【阿修羅男女:あしゅらなんにょ】
...阿修羅〔あしゅら〕の男女〔なんにょ〕
【及其諸眷属:ぎゅうごしょけんぞく】
...及〔およ〕び其〔そ〕の諸〔もろもろ〕の眷属〔けんぞく〕の
【闘諍遊戯時:とうじょうゆけじ】
...闘諍〔とうじょう〕し遊戯〔ゆけ〕する時〔とき〕
【聞香皆能知:もんこうかいのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで皆〔みな〕能〔よ〕く知〔し〕らん
【曠野険隘処:こうやけんないしょ】
...曠野〔こうや〕険隘〔けんない〕の処〔ところ〕の
【師子象虎狼:ししぞうころう】
...師子象虎狼〔ししぞうころう〕
【野牛水牛等:やごすいごとう】
...野牛水牛等〔やごすいごとう〕
【聞香知所在:もんこうちしょざい】
...香〔か〕を聞〔か〕いで所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【若有懐妊者:にゃくうえにんしゃ】
...若〔も〕し懐妊〔えにん〕せる者〔もの〕有〔あ〕り
【未辨其男女:みべんごなんにょ】
...未〔いま〕だ其〔そ〕の男女〔なんにょ〕
【無根及非人:むこんぎゅうひにん】
...無根〔むこん〕及〔およ〕び非人〔ひにん〕を辨〔わきま〕えざらんを
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【以聞香力故:いもんこうりきこ】
...香〔か〕を聞〔か〕ぐ力〔ちから〕を以〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に
【知其初懐妊:ちごしょえにん】
...其〔そ〕の初〔はじ〕めて懐妊〔えにん〕すると
【成就不成就:じょうじゅふじょうじゅ】
...成就〔じょうじゅ〕すると成就〔じょうじゅ〕せざると
【安楽産福子:あんらくせんふくし】
...安楽〔あんらく〕にして福子〔ふくし〕を産〔う〕まんとを知〔し〕らん
【以聞香力故:いもんこうりきこ】
...香〔か〕を聞〔か〕ぐ力〔ちから〕を以〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に
【知男女所念:ちなんにょしょねん】
...男女〔なんにょ〕の所念〔しょねん〕
【染欲癡恚心:ぜんよくちいしん】
...染欲癡恚〔ぜんよくちい〕の心〔こころ〕を知〔し〕り
【亦知修善者:やくちしゅぜんしゃ】
...亦〔また〕善〔ぜん〕を修〔しゅ〕する者〔もの〕を知〔し〕らん
【地中衆伏蔵:じちゅうしゅぶくぞう】
...地中〔じちゅう〕の衆〔もろもろ〕の伏蔵〔ふくぞう〕
【金銀諸珍寶:こんごんしょちんぼう】
...金銀〔こんごん〕諸〔もろもろ〕の珍寶〔ちんぼう〕
【銅器之所盛:どうきししょじょう】
...銅器〔どうき〕の盛〔も〕れる所〔ところ〕
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【種種諸瓔珞:しゅじゅしょようらく】
...種種〔しゅじゅ〕の諸〔もろもろ〕の瓔珞〔ようらく〕
【無能識其価:むのうしきごげ】
...能〔よ〕く其〔そ〕の価〔あたい〕を識〔し〕ること無〔な〕きを
【聞香知貴賤:もんこうちきせん】
...香〔か〕を聞〔か〕いで貴賤〔きせん〕
【出処及所在:しゅっしょぎゅうしょざい】
...出処〔しゅっしょ〕及〔およ〕び所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【天上諸華等:てんじょうしょけとう】
...天上〔てんじょう〕の諸華等〔しょけとう〕の
【曼陀曼殊沙:まんだまんじゅしゃ】
...曼陀曼殊沙〔まんだまんじゅしゃ〕
【波利質多樹:はりしったじゅ】
...波利質多樹〔はりしったじゅ〕
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【天上諸宮殿:てんじょうしょくうでん】
...天上〔てんじょう〕の諸〔もろもろ〕の宮殿〔くうでん〕
【上中下差別:じょうちゅうげしゃべつ】
...上〔じょう〕中〔ちゅう〕下〔げ〕の差別〔しゃべつ〕
【衆寶華荘厳:しゅほうけしょうごん】
...衆〔もろもろ〕の寶華〔ほうけ〕にて荘厳〔しょうごん〕せる
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【天園林勝殿:てんおんりんしょうでん】
...天〔てん〕の園林〔おんりん〕勝殿〔しょうでん〕
【諸観妙法堂:しょかんみょうほうどう】
...諸観〔しょかん〕妙法堂〔みょうほうどう〕
【在中而娯楽:ざいちゅうにごらく】
...中〔なか〕に在〔あ〕って娯楽〔ごらく〕する
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【諸天若聴法:しょてんにゃくちょうぼう】
...諸天〔しょてん〕の若〔も〕しは法〔ほう〕を聴〔き〕き
【或受五欲時:わくじゅごよくじ】
...或〔あるい〕は五欲〔ごよく〕を受〔う〕くる時〔とき〕
【来往行坐臥:らいおうぎょうざが】
...来往行坐臥〔らいおうぎょうざが〕する
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【天女所著衣:てんにょしょちゃくえ】
...天女〔てんにょ〕の著〔き〕たる所〔ところ〕の衣〔ころも〕
【好華香荘厳:こうけこうしょうごん】
...好〔よ〕き華香〔けこう〕をもって荘厳〔しょうごん〕して
【周旋遊戯時:しゅせんゆけじ】
...周旋〔しゅせん〕し遊戯〔ゆけ〕する時〔とき〕
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【如是展転上:にょぜてんでんじょう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕く展転〔てんでん〕し上〔のぼ〕って
【乃至於梵天:ないしおぼんでん】
...乃〔すなわ〕ち梵天〔ぼんてん〕に至〔いた〕る
【入禅出禅者:にゅうぜんしゅつぜんしゃ】
...入禅〔にゅうぜん〕出禅〔しゅつぜん〕の者〔もの〕
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【光音遍浄天:こうおんへんじょうてん】
...光音遍浄天〔こうおんへんじょうてん〕
【乃至于有頂:ないしううちょう】
...乃〔すなわ〕ち有頂〔うちょう〕に至〔いた〕るまで
【初生及退没:しょしょうぎゅうたいもつ】
...初生〔しょしょう〕及〔およ〕び退没〔たいもつ〕
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【諸比丘衆等:しょびくしゅとう】
...諸〔もろもろ〕の比丘衆等〔びくしゅら〕の
【於法常精進:おほうじょうしょうじん】
...法〔ほう〕に於〔おい〕て常〔つね〕に精進〔しょうじん〕し
【若坐若經行:にゃくざにゃくきょうぎょう】
...若〔も〕しは坐〔ざ〕し若〔も〕しは經行〔きょうぎょう〕し
【及読誦經法:ぎゅうどくじゅきょうぼう】
...及〔およ〕び經法〔きょうぼう〕を読誦〔どくじゅ〕し
【或在林樹下:わくざいりんじゅげ】
...或〔あるい〕は林樹〔りんじゅ〕の下〔もと〕に在〔あ〕って
【専精而坐禅:せんしょうにざぜん】
...専精〔せんしょう〕にして坐禅〔ざぜん〕する
【持經者聞香:じきょうじゃもんこう】
...持經者〔じきょうしゃ〕は香〔か〕を聞〔か〕いで
【悉知其所在:しっちごしょざい】
...悉〔ことごと〕く其〔そ〕の所在〔しょざい〕を知〔し〕らん
【菩薩志堅固:ぼさっしけんご】
...菩薩〔ぼさつ〕の志〔こころざし〕堅固〔けんご〕にして
【坐禅若読經:ざぜんにゃくどっきょう】
...坐禅〔ざぜん〕し若〔も〕しは經〔きょう〕を読〔よ〕み
【或為人説法:わくいにんせっぽう】
...或〔あるい〕は人〔ひと〕の為〔ため〕に説法〔せっぽう〕する
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【在在方世尊:ざいざいほうせそん】
...在在方〔ざいざいほう〕の世尊〔せそん〕の
【一切所恭敬:いっさいしょくぎょう】
...一切〔いっさい〕に恭敬〔くぎょう〕せられて
【愍衆而説法:みんしゅにせっぽう】
...衆〔しゅ〕を愍〔あわ〕れんで説法〔せっぽう〕したもう
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【衆生在佛前:しゅじょうざいぶつぜん】
...衆生〔しゅじょう〕の佛前〔ぶつぜん〕に在〔あ〕って
【聞經皆歓喜:もんきょうかいかんぎ】
...經〔きょう〕を聞〔き〕いて皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕し
【如法而修行:にょほうにしゅぎょう】
...法〔ほう〕の如〔ごと〕く修行〔しゅぎょう〕する
【聞香悉能知:もんこうしつのうち】
...香〔か〕を聞〔か〕いで悉〔ことごと〕く能〔よ〕く知〔し〕らん
【雖未得菩薩:すいみとくぼさつ】
...未〔いま〕だ菩薩〔ぼさつ〕の
【無漏法生鼻:むろほうしょうび】
...無漏法〔むろほう〕より生〔しょう〕ぜる鼻〔はな〕を得〔え〕ずと雖〔いえど〕も
【而是持經者:にぜじきょうじゃ】
...而〔しか〕も是〔こ〕の持經者〔じきょうしゃ〕は
【先得此鼻相:せんとくしびそう】
...先〔ま〕ず此〔こ〕の鼻〔はな〕の相〔そう〕を得〔え〕ん
【復次常精進。:ぶしじょうしょうじん】
...復〔また〕次〔つぎ〕に常精進〔じょうしょうじん〕、
【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、
【受持是經。:じゅじぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕し、
【若読。:にゃくどく】
...若〔も〕しは読〔よ〕み、
【若誦。:にゃくじゅ】
...若〔も〕しは誦〔じゅ〕し、
【若解説。:にゃくげせつ】
...若〔も〕しは解説〔げせつ〕し、
【若書写。:にゃくしょしゃ】
...若〔も〕しは書写〔しょしゃ〕せんに、
【得千二百舌功徳。:とくせんにひゃくぜっくどく】
...千二百〔せんにひゃく〕の舌〔した〕の功徳〔くどく〕を得〔え〕ん。
【若好若醜。:にゃくこうにゃくしゅう】
...若〔も〕しは好〔こう〕、若〔も〕しは醜〔しゅう〕、
【若美若不美。:にゃくみにゃくふみ】
...若〔も〕しは美〔み〕、若〔も〕しは不美〔ふみ〕、
【及諸苦渋物。:ぎっしょくしゅうもつ】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の苦渋物〔くじゅうもつ〕、
【在其舌根。:ざいごぜっこん】
...其〔そ〕の舌根〔ぜっこん〕に在〔お〕かば、
【皆変成上味。:かいへんじょうじょうみ】
...皆〔みな〕変〔へん〕じて上味〔じょうみ〕と成〔な〕り、
【如天甘露。:にょてんかんろ】
...天〔てん〕の甘露〔かんろ〕の如〔ごと〕くにして、
【無不美者。:むふみしゃ】
...美〔よ〕からざる者〔もの〕無〔な〕けん。
【若以舌根。:にゃくいぜっこん】
...若〔も〕し舌根〔ぜっこん〕を以〔もっ〕て、
【於大衆中。:おだいしゅちゅう】
...大衆〔だいしゅ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て
【有所演説。:うしょえんぜつ】
...演説〔えんぜつ〕する所〔ところ〕有〔あ〕らんに、
【出深妙声。:すいじんみょうしょう】
...深妙〔じんみょう〕の声〔こえ〕を出〔いだ〕して、
【能入其心。:のうにゅうごしん】
...能〔よ〕く其〔そ〕の心〔こころ〕に入〔い〕れて、
【皆令歓喜快楽。:かいりょうかんぎけらく】
...皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕し快楽〔けらく〕せしめん。
【又諸天子天女。:うしょてんじてんにょ】
...又〔また〕、諸〔もろもろ〕の天子〔てんじ〕、天女〔てんにょ〕、
【釋梵諸天。:しゃくぼんしょてん】
...釋〔しゃく〕、梵〔ぼん〕、諸天〔しょてん〕、
【聞是深妙音声。:もんぜじんみょうおんじょう】
...是〔こ〕の深妙〔じんみょう〕の音声〔おんじょう〕の、
【有所演説。:うしょえんぜつ】
...演説〔えんぜつ〕する所〔ところ〕有〔あ〕る
【言論次第。:ごんろんしだい】
...言論〔ごんろん〕の次第〔しだい〕を聞〔き〕いて、
【皆悉来聴。:かいしつらいちょう】
...皆〔みな〕悉〔ことごと〕く来〔きた〕って聴〔き〕かん。
【及諸龍。:ぎっしょりゅう】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の龍〔りゅう〕、
【龍女。:りゅうにょ】
...龍女〔りゅうにょ〕、
【夜叉。:やしゃ】
...夜叉〔やしゃ〕、
【夜叉女。:やしゃにょ】
...夜叉女〔やしゃにょ〕、
【乾闥婆。:けんだつば】
...乾闥婆〔けんだつば〕、
【乾闥婆女。:けんだつばにょ】
...乾闥婆女〔けんだつばにょ〕、
【阿修羅。:あしゅら】
...阿修羅〔あしゅら〕、
【阿修羅女。:あしゅらにょ】
...阿修羅女〔あしゅらにょ〕、
【迦楼羅。:かるら】
...迦楼羅〔かるら〕、
【迦楼羅女。:かるらにょ】
...迦楼羅女〔かるらにょ〕、
【緊那羅。:きんなら】
...緊那羅〔きんなら〕、
【緊那羅女。:きんならにょ】
...緊那羅女〔きんならにょ〕、
【摩睺羅伽。:まごらが】
...摩睺羅伽〔まごらが〕、
【摩睺羅伽女。:まごらがにょ】
...摩睺羅伽女〔まごらがにょ〕、
【為聴法故。:いちょうぼうこ】
...法〔ほう〕を聴〔き〕かんが為〔ため〕の故〔ゆえ〕に、
【皆来親近。:かいらいしんごん】
...皆〔みな〕来〔きた〕って親近〔しんごん〕し、
【恭敬供養。:くぎょうくよう】
...恭敬〔くぎょう〕し、供養〔くよう〕せん。
【及比丘。:ぎゅうびく】
...及〔およ〕び比丘〔びく〕、
【比丘尼。:びくに】
...比丘尼〔びくに〕、
【優婆塞。:うばそく】
...優婆塞〔うばそく〕、
【優婆夷。:うばい】
...優婆夷〔うばい〕、
【国王。:こくおう】
...国王〔こくおう〕、
【王子。:おうじ】
...王子〔おうじ〕、
【群臣。:ぐんじん】
...群臣〔ぐんしん〕、
【眷属。:けんぞく】
...眷属〔けんぞく〕、
【小転輪王。:しょうてんりんのう】
...小転輪王〔しょうてんりんのう〕、
【大転輪王。:だいてんりんのう】
...大転輪王〔だいてんりんのう〕、
【七寶千子。:しっぽうせんし】
...七寶千子〔しっぽうせんし〕、
【内外眷属。:ないげけんぞく】
...内外〔ないげ〕の眷属〔けんぞく〕、
【乗其宮殿。:じょうごくうでん】
...其〔そ〕の宮殿〔くうでん〕に乗〔じょう〕じて、
【倶来聴法。:くらいちょうぼう】
...倶〔とも〕に来〔きた〕って法〔ほう〕を聴〔き〕かん。
【以是菩薩。:いぜぼさつ】
...是〔こ〕の菩薩〔ぼさつ〕、
【善説法故。:ぜんせっぽうこ】
...善〔よ〕く説法〔せっぽう〕するを以〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に、
【婆羅門。:ばらもん】
...婆羅門〔ばらもん〕、
【居士。:こじ】
...居士〔こじ〕、
【国内人民。:こくないにんみん】
...国内〔こくない〕の人民〔にんみん〕、
【尽其形壽。:じんごぎょうじゅ】
...其〔そ〕の形壽〔ぎょうじゅ〕を尽〔つく〕すまで、
【随侍供養。:ずいじくよう】
...随侍〔ずいじ〕し、供養〔くよう〕せん。
【又諸声聞。:うしょしょうもん】
...又〔また〕諸〔もろもろ〕の声聞〔しょうもん〕、
【辟支佛。:ひゃくしぶつ】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕、
【菩薩。:ぼさつ】
...菩薩〔ぼさつ〕、
【諸佛。:しょぶつ】
...諸佛〔しょぶつ〕、
【常楽見之。:じょうぎょうけんし】
...常〔つね〕に楽〔ねが〕って之〔これ〕を見〔み〕たまわん。
【是人所在方面。:ぜにんしょざいほうめん】
...是〔こ〕の人〔ひと〕の所在〔しょざい〕の方面〔ほうめん〕には、
【諸佛皆向。:しょぶつかいこう】
...諸佛〔しょぶつ〕皆〔みな〕、
【其処説法。:ごしょせっぽう】
...其〔そ〕の処〔ところ〕に向〔むか〕って法〔ほう〕を説〔と〕きたまわん。
【悉能受持。:しつのうじゅじ】
...悉〔ことごと〕く能〔よ〕く
【一切佛法。:いっさいぶっぽう】
...一切〔いっさい〕の佛法〔ぶっぽう〕を受持〔じゅじ〕し、
【又能出於。:うのうすいお】
...又〔また〕能〔よ〕く
【深妙法音。:じんみょうほうおん】
...深妙〔じんみょう〕の法音〔ほうおん〕を出〔いだ〕さん。
【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、
【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、
【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、
【是人舌根浄:ぜにんぜっこんじょう】
...是〔こ〕の人〔ひと〕は舌根〔ぜっこん〕浄〔きよ〕くして
【終不受惡味:じゅうふじゅあくみ】
...終〔つい〕に惡味〔あくみ〕を受〔う〕けじ
【其有所食噉:ごうしょじきだん】
...其〔そ〕の食噉〔じきだん〕する所〔ところ〕有〔あ〕るは
【悉皆成甘露:しっかいじょうかんろ】
...悉〔ことごと〕く皆〔みな〕甘露〔かんろ〕と成〔な〕らん
【以深浄妙声:いじんじょうみょうしょう】
...深浄〔じんじょう〕の妙声〔みょうしょう〕を以〔もっ〕て
【於大衆説法:おだいしゅせっぽう】
...大衆〔だいしゅ〕に於〔おい〕て法〔ほう〕を説〔と〕かん
【以諸因縁喩:いしょいんねんゆ】
...諸〔もろもろ〕の因縁〔いんねん〕喩〔たとえ〕を以〔もっ〕て
【引導衆生心:いんどうしゅじょうしん】
...衆生〔しゅじょう〕の心〔こころ〕を引導〔いんどう〕せん
【聞者皆歓喜:もんじゃかいかんぎ】
...聞〔き〕く者〔もの〕皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕して
【設諸上供養:せっしょじょうくよう】
...諸〔もろもろ〕の上供養〔じょうくよう〕を設〔もう〕けん
【諸天龍夜叉:しょてんりゅうやしゃ】
...諸〔もろもろ〕の天龍〔てんりゅう〕夜叉〔やしゃ〕
【及阿修羅等:ぎゅうあしゅらとう】
...及〔およ〕び阿修羅等〔あしゅらとう〕
【皆以恭敬心:かいいくぎょうしん】
...皆〔みな〕恭敬〔くぎょう〕の心〔こころ〕を以〔もっ〕て
【而共来聴法:にぐらいちょうぼう】
...共〔とも〕に来〔きた〕って法〔ほう〕を聴〔き〕かん
【是説法之人:ぜせっぽうしにん】
...是〔こ〕の説法〔せっぽう〕の人〔ひと〕
【若欲以妙音:にゃくよくいみょうおん】
...若〔も〕し妙音〔みょうおん〕を以〔もっ〕て
【遍満三千界:へんまんさんぜんがい】
...三千界〔さんぜんかい〕に遍満〔へんまん〕せんと欲〔ほっ〕せば
【随意即能至:ずいいそくのうし】
...意〔こころ〕に随〔したが〕って即〔すなわ〕ち能〔よ〕く至〔いた〕らん
【大小転輪王:だいしょうてんりんのう】
...大小〔だいしょう〕の転輪王〔てんりんのう〕
【及千子眷属:ぎっせんしけんぞく】
...及〔およ〕び千子〔せんし〕眷属〔けんぞく〕
【合掌恭敬心:がっしょうくぎょうしん】
...合掌〔がっしょう〕し恭敬〔くぎょう〕の心〔こころ〕をもって
【常来聴受法:じょうらいちょうじゅほう】
...常〔つね〕に来〔きた〕って法〔ほう〕を聴受〔ちょうじゅ〕せん
【諸天龍夜叉:しょてんりゅうやしゃ】
...諸〔もろもろ〕の天龍〔てんりゅう〕夜叉〔やしゃ〕
【羅刹毘舎闍:らせつびしゃじゃ】
...羅刹毘舎闍〔らせつびしゃじゃ〕
【亦以歓喜心:やくいかんぎしん】
...亦〔また〕歓喜〔かんぎ〕の心〔こころ〕を以〔もっ〕て
【常楽来供養:じょうぎょうらいくよう】
...常〔つね〕に楽〔ねが〕って来〔きた〕り供養〔くよう〕せん
【梵天王魔王:ぼんでんのうまおう】
...梵天王〔ぼんてんのう〕魔王〔まおう〕
【自在大自在:じざいだいじざい】
...自在〔じざい〕大自在〔だいじざい〕
【如是諸天衆:にょぜしょてんじゅ】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き諸〔もろもろ〕の天衆〔てんしゅ〕
【常来至其所:じょうらいしごしょ】
...常〔つね〕に其〔そ〕の所〔ところ〕に来至〔らいし〕せん
【諸佛及弟子:しょぶつぎゅうでし】
...諸佛〔しょぶつ〕及〔およ〕び弟子〔でし〕
【聞其説法音:もんごせっぽうおん】
...其〔そ〕の説法〔せっぽう〕の音〔こえ〕を聞〔き〕いて
【常念而守護:じょうねんにしゅご】
...常〔つね〕に念〔ねん〕じて守護〔しゅご〕し
【或時為現身:わくじいげんしん】
...或時〔あるとき〕は為〔ため〕に身〔み〕を現〔げん〕じたまわん
【復次常精進。:ぶしじょうしょうじん】
...復〔また〕次〔つぎ〕に常精進〔じょうしょうじん〕、
【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、
【受持是經。:じゅじぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕し、
【若読。:にゃくどく】
...若〔も〕しは読〔よ〕み、
【若誦。:にゃくじゅ】
...若〔も〕しは誦〔じゅ〕し、
【若解説。:にゃくげせつ】
...若〔も〕しは解説〔げせつ〕し、
【若書写。:にゃくしょしゃ】
...若〔も〕しは書写〔しょしゃ〕せんに、
【得八百身功徳。:とくはっぴゃくしんくどく】
...八百〔はっぴゃく〕の身〔み〕の功徳〔くどく〕を得〔え〕て、
【得清浄身。:とくしょうじょうしん】
...清浄〔しょうじょう〕の身〔み〕、
【如浄瑠璃。:にょじょうるり】
...浄瑠璃〔じょうるり〕の如〔ごと〕くにして、
【衆生喜見。:しゅじょうきけん】
...衆生〔しゅじょう〕の見〔み〕んと憙〔ねが〕うを得〔え〕ん。
【其身浄故。:ごしんじょうこ】
...其〔そ〕の身〔み〕浄〔きよ〕きが故〔ゆえ〕に、
【三千大千世界衆生。:さんぜんだいせんせかいしゅじょう】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕の衆生〔しゅじょう〕の
【生時死時。:しょうじしじ】
...生〔しょう〕ずる時〔とき〕、死〔し〕する時〔とき〕、
【上下好醜。:じょうげこうしゅう】
...上下〔じょうげ〕、好醜〔こうしゅう〕、
【生善処惡処。:しょうぜんしょあくしょ】
...善処〔ぜんしょ〕、惡処〔あくしょ〕に生〔しょう〕ずる、
【悉於中現。:しっとちゅうげん】
...悉〔ことごと〕く中〔なか〕に於〔おい〕て現〔げん〕ぜん。
【及鉄圍山。:ぎゅうてっちせん】
...及〔およ〕び鉄圍山〔てっちせん〕、
【大鉄圍山。:だいてっちせん】
...大鉄圍山〔だいてっちせん〕、
【彌楼山。:みるせん】
...彌楼山〔みるせん〕、
【摩訶彌楼山等。:まかみるせんとう】
...摩訶彌楼山等〔まかみるせんとう〕の
【諸山王。:しょせんのう】
...諸〔もろもろ〕の山王〔せんのう〕、
【及其中衆生。:ぎゅうごちゅうしゅじょう】
...及〔およ〕び其〔そ〕の中〔なか〕の衆生〔しゅじょう〕、
【悉於中現。:しっとちゅうげん】
...悉〔ことごと〕く中〔なか〕に於〔おい〕て現〔げん〕ぜん。
【下至阿鼻地獄。:げしあびじごく】
...下〔しも〕阿鼻地獄〔あびじごく〕に至〔いた〕り、
【上至有頂。:じょうしうちょう】
...上〔かみ〕有頂〔うちょう〕に至〔いた〕る所〔しょ〕有〔う〕、
【所有及衆生。:しょうぎゅうしゅじょう】
...及〔およ〕び衆生〔しゅじょう〕、
【悉於中現。:しっとちゅうげん】
...悉〔ことごと〕く中〔なか〕に於〔おい〕て現〔げん〕ぜん。
【若声聞。:にゃくしょうもん】
...若〔も〕しは声聞〔しょうもん〕、
【辟支佛。:ひゃくしぶつ】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕、
【菩薩。:ぼさつ】
...菩薩〔ぼさつ〕、
【諸佛説法。:しょぶつせっぽう】
...諸佛〔しょぶつ〕の説法〔せっぽう〕する、
【皆於身中。:かいおしんじゅう】
...皆〔みな〕身中〔しんちゅう〕に於〔おい〕て、
【現其色像。:げんごしきぞう】
...其〔そ〕の色像〔しきぞう〕を現〔げん〕ぜん。
【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、
【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、
【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、
【若持法華經:にゃくじほけきょう】
...若〔も〕し法華經〔ほけきょう〕を持〔たも〕たんは
【其身甚清浄:ごしんじんしょうじょう】
...其〔そ〕の身〔み〕甚〔はなは〕だ清浄〔しょうじょう〕なること
【如彼浄瑠璃:にょひじょうるり】
...彼〔か〕の浄瑠璃〔じょうるり〕の如〔ごと〕くにして
【衆生皆喜見:しゅじょうかいきけん】
...衆生〔しゅじょう〕皆〔みな〕見〔み〕んと憙〔ねが〕わん
【又如浄明鏡:うにょじょうみょうきょう】
...又〔また〕浄明〔じょうみょう〕なる鏡〔かがみ〕に
【悉見諸色像:しっけんしょしきぞう】
...悉〔ことごと〕く諸〔もろもろ〕の色像〔しきぞう〕を見〔み〕るが如〔ごと〕く
【菩薩於浄身:ぼさっとじょうしん】
...菩薩〔ぼさつ〕浄身〔じょうしん〕に於〔おい〕て
【皆見世所有:かいけんせしょう】
...皆〔みな〕世〔よ〕の所〔しょ〕有〔う〕を見〔み〕ん
【唯独自明了:ゆいどくじみょうりょう】
...唯〔ただ〕独〔ひとり〕自〔みずか〕ら明了〔みょうりょう〕にして
【余人所不見:よにんしょふけん】
...余人〔よにん〕の見〔み〕ざる所〔ところ〕ならん
【三千世界中:さんぜんせかいちゅう】
...三千世界〔さんぜんせかい〕の中〔なか〕の
【一切諸群萌:いっさいしょぐんみょう】
...一切〔いっさい〕の諸〔もろもろ〕の群萌〔ぐんみょう〕
【天人阿修羅:てんにんあしゅら】
...天人〔てんにん〕阿修羅〔あしゅら〕
【地獄鬼畜生:じごっきちくしょう】
...地獄鬼〔じごくき〕畜生〔ちくしょう〕
【如是諸色像:にょぜしょしきぞう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き諸〔もろもろ〕の色像〔しきぞう〕
【皆於身中現:かいおしんじゅうげん】
...皆〔みな〕身中〔しんちゅう〕に於〔おい〕て現〔げん〕ぜん
【諸天等宮殿:しょてんとうくうでん】
...諸天等〔しょてんとう〕の宮殿〔くうでん〕
【乃至於有頂:ないしおうちょう】
...乃〔すなわ〕ち有頂〔うちょう〕に至〔いた〕ると
【鉄圍及彌楼:てっちぎゅうみる】
...鉄圍〔てっち〕及〔およ〕び彌楼〔みる〕
【摩訶彌楼山:まかみるせん】
...摩訶彌楼山〔まかみるせん〕
【諸大海水等:しょだいかいすいとう】
...諸〔もろもろ〕の大海水等〔だいかいすいとう〕
【皆於身中現:かいおしんじゅうげん】
...皆〔みな〕身中〔しんちゅう〕に於〔おい〕て現〔げん〕ぜん
【諸佛及声聞:しょぶつぎゅうしょうもん】
...諸佛〔しょぶつ〕及〔およ〕び声聞〔しょうもん〕
【佛子菩薩等:ぶっしぼさっとう】
...佛子〔ぶっし〕菩薩等〔ぼさつとう〕の
【若独若在衆:にゃくどくにゃくざいしゅ】
...若〔も〕しは独〔ひとり〕若〔も〕しは衆〔しゅ〕に在〔あ〕って
【説法悉皆現:せっぽうしっかいげん】
...説法〔せっぽう〕する悉〔ことごと〕く皆〔みな〕現〔げん〕ぜん
【雖未得無漏:すいみとくむろ】
...未〔いま〕だ無漏〔むろ〕
【法性之妙身:ほっしょうしみょうしん】
...法性〔ほっしょう〕の妙身〔みょうしん〕を得〔え〕ずと雖〔いえど〕も
【以清浄常體:いしょうじょうじょうたい】
...清浄〔しょうじょう〕の常體〔じょうたい〕を以〔もっ〕て
【一切於中現:いっさいおちゅうげん】
...一切〔いっさい〕中〔なか〕に於〔おい〕て現〔げん〕ぜん
【復次常精進。:ぶしじょうしょうじん】
...復〔また〕次〔つぎ〕に常精進〔じょうしょうじん〕、
【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、
【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、
【如来滅後。:にょらいめつご】
...如来〔にょらい〕の滅後〔めつご〕に、
【受持是經。:じゅじぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を受持〔じゅじ〕し、
【若読。:にゃくどく】
...若〔も〕しは読〔よ〕み、
【若誦。:にゃくじゅ】
...若〔も〕しは誦〔じゅ〕し、
【若解説。:にゃくげせつ】
...若〔も〕しは解説〔げせつ〕し、
【若書写。:にゃくしょしゃ】
...若〔も〕しは書写〔しょしゃ〕せんに、
【得千二百意功徳。:とくせんにひゃくいくどく】
...千二百〔せんにひゃく〕の意〔こころ〕の功徳〔くどく〕を得〔え〕ん。
【以是清浄意根。:いぜしょうじょういこん】
...是〔こ〕の清浄〔しょうじょう〕の意根〔いこん〕を以〔もっ〕て、
【乃至聞一偈一句。:ないしもんいちげいっく】
...乃至〔ないし〕一偈〔いちげ〕一句〔いっく〕を聞〔き〕くに、
【通達無量無辺之義。:つうだつむりょうむへんしぎ】
...無量無辺〔むりょうむへん〕の義〔ぎ〕を通達〔つうだつ〕せん。
【解是義已。:げぜぎい】
...是〔こ〕の義〔ぎ〕を解〔げ〕し已〔おわ〕って、
【能演説一句一偈。:のうえんぜついっくいちげ】
...能〔よ〕く一句〔いっく〕一偈〔いちげ〕を演説〔えんぜつ〕すること、
【至於一月四月。:しおいちがつしがつ】
...一月〔いちがつ〕、四月〔しがつ〕、
【乃至一歳。:ないしいっさい】
...乃至〔ないし〕一歳〔いっさい〕に至〔いた〕らん。
【諸所説法。:しょしょせっぽう】
...諸〔もろもろ〕の所説〔しょせつ〕の法〔ほう〕、
【随其義趣。:ずいごぎしゅ】
...其〔そ〕の義趣〔ぎしゅ〕に随〔したが〕って、
【皆与實相。:かいよじっそう】
...皆〔みな〕實相〔じつそう〕と
【不相違背。:ふそういはい】
...相〔あい〕違背〔いはい〕せじ。
【若説俗間經書。:にゃくせつぞっけんきょうしょ】
...若〔も〕し俗間〔ぞっけん〕の經書〔きょうしょ〕、
【治世語言。:じせごごん】
...治世〔じせ〕の語言〔ごごん〕、
【資生業等。:ししょうごうとう】
...資生〔ししょう〕の業等〔ごうとう〕を説〔と〕かんも、
【皆順正法。:かいじゅんしょうぼう】
...皆〔みな〕正法〔しょうぼう〕に順〔じゅん〕ぜん。
【三千大千世界。:さんぜんだいせんせかい】
...三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕の
【六趣衆生。:ろくしゅしゅじょう】
...六趣〔ろくしゅ〕の衆生〔しゅじょう〕の、
【心之所行。:しんししょぎょう】
...心〔こころ〕の行〔ぎょう〕ずる所〔ところ〕、
【心所動作。:しんしょどうさ】
...心〔こころ〕の動作〔どうさ〕する所〔ところ〕、
【心所戯論。:しんしょけろん】
...心〔こころ〕の戯論〔けろん〕する所〔ところ〕、
【皆悉知之。:かいしっちし】
...皆〔みな〕悉〔ことごと〕く之〔これ〕を知〔し〕らん。
【雖未得。:すいみとく】
...未〔いま〕だ①
【無漏智慧。:むろちえ】
...無漏〔むろ〕の智慧〔ちえ〕を①得〔え〕ずと雖〔いえど〕も、
【而其意根。:にごいこん】
...而〔しか〕も其〔そ〕の意根〔いこん〕の
【清浄如此。:しょうじょうにょし】
...清浄〔しょうじょう〕なること、此〔かく〕の如〔ごと〕くならん。
【是人有所思惟。:ぜにんうしょしゆい】
...是〔こ〕の人〔ひと〕の思惟〔しゆい〕し、
【籌量言説。:ちゅうりょうごんぜつ】
...籌量〔ちゅうりょう〕し、言説〔ごんぜつ〕する所〔ところ〕有〔あ〕らんは、
【皆是佛法。:かいぜぶっぽう】
...皆〔みな〕是〔こ〕れ佛法〔ぶっぽう〕にして、
【無不眞實。:むふしんじつ】
...眞實〔しんじつ〕ならざること無〔な〕く、
【亦是先佛。:やくぜせんぶつ】
...亦〔また〕是〔こ〕れ先佛〔せんぶつ〕の
【經中所説。:きょうちゅうしょせつ】
...經〔きょう〕の中〔なか〕の所説〔しょせつ〕ならん。
【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、
【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、
【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、
【是人意清浄:ぜにんいしょうじょう】
...是〔こ〕の人〔ひと〕は意〔こころ〕清浄〔しょうじょう〕
【明利無穢濁:みょうりむえじょく】
...明利〔みょうり〕にして穢濁〔えじょく〕無〔な〕く
【以此妙意根:いしみょういこん】
...此〔こ〕の妙〔たえ〕なる意根〔いこん〕を以〔もっ〕て
【知上中下法:ちじょうちゅうげほう】
...上〔じょう〕中〔ちゅう〕下〔げ〕の法〔ほう〕を知〔し〕り
【乃至聞一偈:ないしもんいちげ】
...乃至〔ないし〕一偈〔いちげ〕を聞〔き〕くに
【通達無量義:つうだつむりょうぎ】
...無量〔むりょう〕の義〔ぎ〕を通達〔つうだつ〕せん
【次第如法説:しだいにょほうせつ】
...次第〔しだい〕して法〔ほう〕の如〔ごと〕く説〔と〕くこと
【月四月至歳:がっしがつしさい】
...月〔がつ〕四月〔しがつ〕より歳〔とし〕に至〔いた〕らん
【是世界内外:ぜせかいないげ】
...是〔こ〕の世界〔せかい〕の内外〔ないげ〕の
【一切諸衆生:いっさいしょしゅじょう】
...一切〔いっさい〕諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕
【若天龍及人:にゃくてんりゅうぎゅうにん】
...若〔も〕しは天龍〔てんりゅう〕及〔およ〕び人〔にん〕
【夜叉鬼神等:やしゃきじんとう】
...夜叉〔やしゃ〕鬼神等〔きじんとう〕
【其在六趣中:ございろくしゅちゅう】
...其〔そ〕の六趣〔ろくしゅ〕の中〔なか〕に在〔あ〕る
【所念若干種:しょねんにゃっかんしゅ】
...所念〔しょねん〕の若干〔そこばく〕の種〔しゅ〕
【持法華之報:じほっけしほう】
...法華〔ほっけ〕を持〔たも〕つの報〔むくい〕として
【一時皆悉知:いちじかいしっち】
...一時〔いちじ〕に皆〔みな〕悉〔ことごと〕く知〔し〕らん
【十方無数佛:じっぽうむしゅぶつ】
...十方〔じっぽう〕無数〔むしゅ〕の佛〔ほとけ〕
【百福荘厳相:ひゃっぷくしょうごんそう】
...百福〔ひゃっぷく〕荘厳〔しょうごん〕の相〔そう〕あって
【為衆生説法:いしゅじょうせっぽう】
...衆生〔しゅじょう〕の為〔ため〕に説法〔せっぽう〕したもう
【悉聞能受持:しつもんのうじゅじ】
...悉〔ことごと〕く聞〔き〕いて能〔よ〕く受持〔じゅじ〕せん
【思惟無量義:しゆいむりょうぎ】
...無量〔むりょう〕の義〔ぎ〕を思惟〔しゆい〕し
【説法亦無量:せっぽうやくむりょう】
...説法〔せっぽう〕すること亦〔また〕無量〔むりょう〕にして
【終始不忘錯:じゅうしふもうじゃく】
...終始〔しゅうし〕忘〔わす〕れ錯〔あやま〕らじ
【以持法華故:いじほっけこ】
...法華〔ほっけ〕を持〔たも〕つを以〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に
【悉知諸法相:しっちしょほうそう】
...悉〔ことごと〕く諸法〔しょほう〕の相〔そう〕を知〔し〕り
【随義識次第:ずいぎしきしだい】
...義〔ぎ〕に随〔したが〕って次第〔しだい〕を識〔し〕り
【達名字語言:だつみょうじごごん】
...名字〔みょうじ〕語言〔ごごん〕を達〔たっ〕して
【如所知演説:にょしょちえんぜつ】
...知〔し〕れる所〔ところ〕の如〔ごと〕く演説〔えんぜつ〕せん
【此人有所説:しにんうしょせつ】
...此〔こ〕の人〔ひと〕の所説〔しょせつ〕有〔あ〕るは
【皆是先佛法:かいぜせんぶっぽう】
...皆〔みな〕是〔こ〕れ先佛〔せんぶつ〕の法〔ほう〕ならん
【以演此法故:いえんしほうこ】
...此〔こ〕の法〔ほう〕を演〔の〕ぶるを以〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に
【於衆無所畏:おしゅむしょい】
...衆〔しゅ〕に於〔おい〕て畏〔おそ〕るる所〔ところ〕無〔な〕けん
【持法華經者:じほけきょうじゃ】
...法華經〔ほけきょう〕を持〔たも〕つ者〔もの〕は
【意根浄若斯:いこんじょうにゃくし】
...意根〔いこん〕浄〔きよ〕きこと斯〔かく〕の若〔ごと〕くならん
【雖未得無漏:すいみとくむろ】
...未〔いま〕だ無漏〔むろ〕を得〔え〕ずと雖〔いえど〕も
【先有如是相:せんぬにょぜそう】
...先〔ま〕ず是〔かく〕の如〔ごと〕き相〔そう〕有〔あ〕らん
【是人持此經:ぜにんじしきょう】
...是〔こ〕の人〔ひと〕此〔こ〕の經〔きょう〕を持〔たも〕ち
【安住希有地:あんじゅうけうじ】
...希有〔けう〕の地〔じ〕に安住〔あんじゅう〕して
【為一切衆生:いいっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕に
【歓喜而愛敬:かんぎにあいきょう】
...歓喜〔かんぎ〕せられ愛敬〔あいきょう〕せられん
【能以千萬種:のういせんまんじゅ】
...能〔よ〕く千萬種〔せんまんじゅ〕の
【善巧之語言:ぜんぎょうしごごん】
...善巧〔ぜんぎょう〕の語言〔ごごん〕を以〔もっ〕て
【分別而演説:ふんべつにえんぜつ】
...分別〔ふんべつ〕して演説〔えんぜつ〕せん
【持法華經故:じほけきょうこ】
...法華經〔ほけきょう〕を持〔たも〕つが故〔ゆえ〕なり
【妙法蓮華經巻第六:みょうほうれんげきょうかんだいろく】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 巻第六〔かんだいろく〕