日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


顕仏未来記 7 大法興廃の大瑞


第六章 大法興廃の大瑞

【問うて曰く、仏記既に此くの如し、】
確かに仏の未来記が、あなたの身の上にあてはまることは、よくわかりました。

【汝が未来記は如何。】
それでは、あなた自身が考える未来記とは、どのようなものなのでしょうか。

【答へて曰く、仏記に順じて之を勘ふるに既に】
それは、釈尊の未来記に従って、それを考えてみると、

【後五百歳の始めに相当たれり。】
今は、すでに後五百歳の始め、末法の始めにあたっています。

【仏法必ず東土〔とうど〕の日本より出づべきなり。】
末法の真実の仏法は、必ず、東の日本から出現するはずです。

【其の前相必ず正像に超過せる天変地夭〔ちよう〕之有るか。】
ゆえに、その前兆として必ずや正法、像法時代に超えた天変地夭があるでしょう。

【所謂仏生の時、転法輪の時、入涅槃の時、】
釈迦の誕生の時、仏が法を説いた時、また入滅の時に起こった、

【吉瑞凶瑞共に前後に絶えたる大瑞なり。】
吉瑞も凶瑞も前後の時代にはなかった大きな出来事だったのです。

【仏は此聖人の本なり。経々の文を見るに、仏の御誕生の時は】
仏は、聖人のもとなのです。経文を見ると釈尊が誕生した時の様子は、

【五色の光気四方に遍くして夜も昼の如し。】
五色の光りが四方をあまねく照らして、夜も昼のようであったと説かれています。

【仏御入滅の時には十二の白虹南北に亘〔わた〕り、】
また、釈尊が入滅の時には、十二の白い虹が南北にわたって現われ

【大日輪光り無くして闇夜の如くなりし。】
太陽は光りを無くしてしまって、闇夜のようになってしまったと説かれている。

【其の後正像二千年の間、】
その後、正法、像法二千年の間に

【内外の聖人生滅有れども】
内道、外道の多くの聖人が出現し、そして死んでいったけれども、

【此の大瑞には如〔し〕かず。】
この釈尊の時のような大瑞には、とうてい及ばなかったのです。

【而るに去ぬる正嘉年中より今年に至るまで、】
しかし、正嘉の年(1257年)より今年(1273年)に至るまでの間に、

【或は大地震、或は大天変、】
あるいは、大地震が起こり、あるいは、大いなる天変があって、

【宛〔あたか〕も仏陀の生滅の時の如し。】
これらは、あたかも釈尊の生滅の時の瑞相のようであったのです。

【当に知るべし、】
これによって、まさに知るべきなのです。

【仏の如き聖人生まれたまはんか、滅したまはんか。】
釈尊のような聖人が生まれてくるのか。それとも、亡くなってしまったのか。

【大虚〔おおぞら〕に亘って大彗星出づ、】
大空には、大彗星が出ましたが、

【誰の王臣を以て之に対せん。】
いったい、どのような王臣の出現がこのような瑞相に対応するのでしょうか。

【大地を傾動して】
また、大地震が起こって地面が傾いて動き、

【三たび振裂〔しんれつ〕す、】
三度も激しく振動したほど、激しいものでしたが、

【何れの聖賢を以て之を課〔おお〕せん。】
どのような聖人、賢人によって、このような出来事が起こるのでしょうか。

【当に知るべし、】
まず、そのことを理解すべきでしょう。

【通途〔つうず〕の世間の吉凶の大瑞に非ざるべし。】
これらの大瑞は、一般世間における普通の吉凶の大瑞ではないのです。

【惟〔こ〕れ偏に此の大法興廃の大瑞なり。】
これは、ひとえに大仏法が興隆し、釈迦仏法が廃れるという大瑞なのです。

【天台云はく「雨の猛きを見て】
天台大師は、法華文句の第九の巻に「雨の降り方の猛烈さを見て、

【竜の大なるを知り、】
それを降らせている竜の大きさを知ることができる。

【華の盛んなるを見て】
また蓮華の花の咲き方の盛んなことを見て、

【池の深きを知る」等云云。】
その池の深いことを知ることができる」と述べています。

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