日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


妙法蓮華經 勧持品第十三


【妙法蓮華經勧持品第十三:みょうほうれんげきょうかんじほんだいじゅうさん】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 勧持品第十三〔かんじほんだいじゅうさん〕




【爾時薬王菩薩摩訶薩。:にじやくおうぼさつまかさつ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に薬王菩薩摩訶薩〔やくおうぼさつまかさつ〕、

【及大楽説。:ぎゅうだいぎょうせつ】
及〔およ〕び大楽説〔だいぎょうせつ〕

【菩薩摩訶薩。:ぼさつまかさつ】
菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【与二萬菩薩眷属倶。:よにまんぼさつけんぞっく】
二萬〔にまん〕の菩薩〔ぼさつ〕眷属〔けんぞく〕と倶〔とも〕に、

【皆於佛前。:かいおぶつぜん】
皆〔みな〕佛前〔ぶつぜん〕に於〔おい〕て、

【作是誓言。:さぜせいごん】
是〔こ〕の誓言〔せいごん〕を作〔な〕さく、

【唯願世尊。:ゆいがんせそん】
...唯〔ただ〕願〔ねが〕わくは世尊〔せそん〕、

【不以為慮。:ふいいりょ】
...以〔もっ〕て慮〔うらおも〕いしたもう為〔べ〕からず。

【我等於佛滅後。:がとうおぶつめつご】
...我等〔われら〕佛〔ほとけ〕の滅後〔めつご〕に於〔おい〕て、

【當奉持読誦。:とうぶじどくじゅ】
...當〔まさ〕に①

【説此經典。:せっしきょうでん】
...此〔こ〕の經典〔きょうでん〕を①奉持〔ぶじ〕し、読誦〔どくじゅ〕し、説〔と〕きたてまつるべし。

【後惡世衆生。:ごあくせしゅじょう】
...後〔のち〕の惡世〔あくせ〕の衆生〔しゅじょう〕、

【善根転少。:ぜんごんてんしょう】
...善根〔ぜんごん〕転〔うたた〕少〔すくな〕くして

【多増上慢。:たぞうじょうまん】
...増上慢〔ぞうじょうまん〕多〔おお〕く、

【貪利供養。:とんりくよう】
...利供養〔りくよう〕を貪〔むさぼ〕り

【増不善根。:ぞうふぜんごん】
...不善根〔ふぜんごん〕を増〔ま〕し、

【遠離解脱。:おんりげだつ】
...解脱〔げだつ〕を遠離〔おんり〕せん。

【雖難可教化。:すいなんかきょうけ】
...教化〔きょうけ〕すべきこと難〔かた〕しと雖〔いえど〕も、

【我等當起大忍力。:がとうとうきだいにんりき】
...我等〔われら〕當〔まさ〕に大忍力〔だいにんりき〕を起〔おこ〕して、

【読誦此經。:どくじゅしきょう】
...此〔こ〕の經〔きょう〕を読誦〔どくじゅ〕し、

【持説書写。:じせっしょしゃ】
...持説〔じせつ〕し、書写〔しょしゃ〕し、

【種種供養。:しゅじゅくよう】
...種種〔しゅじゅ〕に供養〔くよう〕して、

【不惜身命。:ふしゃくしんみょう】
...身命〔しんみょう〕を惜〔お〕しまざるべし。

【爾時衆中。:にじしゅじゅう】
爾〔そ〕の時〔とき〕に、衆中〔しゅじゅう〕の

【五百阿羅漢。:ごひゃくあらかん】
五百〔ごひゃく〕の阿羅漢〔あらかん〕の

【得受記者。:とくじゅきしゃ】
受記〔じゅき〕を得〔え〕たる者〔もの〕、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我等亦自誓願。:がとうやくじせいがん】
...我等〔われら〕亦〔また〕、自〔みずか〕ら誓願〔せいがん〕すらく、

【於異国土。:おいこくど】
...異〔い〕の国土〔こくど〕に於〔おい〕て

【廣説此經。:こうぜっしきょう】
...廣〔ひろ〕く此〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かん。

【復有学無学。:ぶうがくむがく】
復〔また〕、学無学〔がくむがく〕

【八千人。:はっせんにん】
八千人〔はっせんにん〕の

【得受記者。:とくじゅきしゃ】
受記〔じゅき〕を得〔え〕たる者〔もの〕有〔あ〕り。

【従座而起。:じゅうざにき】
座〔ざ〕より起〔た〕って、

【合掌向佛。:がっしょうこうぶつ】
合掌〔がっしょう〕し、佛〔ほとけ〕に向〔むか〕いたてまつりて、

【作是誓言。:さぜせいごん】
是〔こ〕の誓言〔せいごん〕を作〔な〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我等亦當。:がとうやくとう】
...我等〔われら〕亦〔また〕、當〔まさ〕に

【於他国土。:おたこくど】
...他〔た〕の国土〔こくど〕に於〔おい〕て、

【廣説此經。:こうぜつしきょう】
...廣〔ひろ〕く此〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕くべし。

【所以者何。:しょいしゃが】
...所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【是娑婆国中。:ぜしゃばこくちゅう】
...是〔こ〕の娑婆国〔しゃばこく〕の中〔うち〕は、

【人多弊惡。:にんたへいあく】
...人〔ひと〕弊惡〔へいあく〕多〔おお〕く、

【懐増上慢。:えぞうじょうまん】
...増上慢〔ぞうじょうまん〕を懐〔いだ〕き、

【功徳浅薄。:くどくせんぱく】
...功徳〔くどく〕浅薄〔せんぱく〕に、

【瞋濁諂曲。:しんじょくてんごく】
...瞋濁〔しんじょく〕諂曲〔てんごく〕にして、

【心不實故。:しんぷじっこ】
...心〔こころ〕不實〔ふじつ〕なるが故〔ゆえ〕に。

【爾時佛姨母。:にじぶっちも】
爾〔そ〕の時〔とき〕に佛〔ほとけ〕の姨母〔いも〕・

【摩訶波闍波提比丘尼。:まかはじゃはだいびくに】
摩訶波闍波提比丘尼〔まかはじゃはだいびくに〕、

【与学無学比丘尼。:よがくむがくびくに】
学無学〔がくむがく〕の比丘尼〔びくに〕

【六千人倶。:ろくせんにんく】
六千人〔ろくせんにん〕と倶〔とも〕に、

【従座而起。:じゅうざにき】
座〔ざ〕より起〔た〕って、

【一心合掌。:いっしんがっしょう】
一心〔いっしん〕に合掌〔がっしょう〕し、

【瞻仰尊顔。:せんごうそんげん】
尊顔〔そんげん〕を瞻仰〔せんごう〕して、

【目不暫捨。:もくふざんしゃ】
目〔め〕暫〔しばら〕くも捨〔す〕てず。

【於時世尊。:おじせそん】
時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【告憍曇彌。:ごうきょうどんみ】
憍曇彌〔きょうどんみ〕に告〔つ〕げたまわく、

【何故憂色。:がこうしき】
...何〔なに〕が故〔ゆえ〕ぞ、憂〔うれえ〕の色〔いろ〕にて

【而視如来。:にじにょらい】
...如来〔にょらい〕を視〔み〕る。

【汝心将無謂。:にょしんしょうむい】
...汝〔なんじ〕が心〔こころ〕に将〔まさ〕に、

【我不説汝名。:がふせつにょみょう】
...我〔われ〕汝〔なんじ〕が名〔な〕を説〔と〕いて

【授阿耨多羅三藐三菩提記耶。:じゅあのくたらさんみゃくさんぼだいきや】
...阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕の記〔き〕を授〔さず〕けず、と謂〔おも〕うこと無〔な〕しや。

【憍曇彌。:きょうどんみ】
...憍曇彌〔きょうどんみ〕、

【我先総説。:がせんそうせつ】
...我〔われ〕、先〔さき〕に総〔そう〕じて、

【一切声聞。:いっさいしょうもん】
...一切〔いっさい〕の声聞〔しょうもん〕、

【皆已授記。:かいいじゅき】
...皆〔みな〕已〔すで〕に授記〔じゅき〕すと説〔と〕きき。

【今汝欲知記者。:こんにょよくちきしゃ】
...今〔いま〕汝〔なんじ〕記〔き〕を知〔し〕らんと欲〔ほっ〕せば、

【将来之世。:しょうらいしせ】
...将来〔しょうらい〕の世〔よ〕に、

【當於六萬八千億。:とうおろくまんはっせんのく】
...當〔まさ〕に六萬八千億〔ろくまんはっせんのく〕の

【諸佛法中。:しょぶっぽうちゅう】
...諸佛〔しょぶつ〕の法〔ほう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【為大法師。:いだいほっし】
...大法師〔だいほっし〕と為〔な〕るべし。

【及六千学無学比丘尼。:ぎゅうろくせんがくむがくびくに】
...及〔およ〕び六千〔ろくせん〕の学無学〔がくむがく〕の比丘尼〔びくに〕も、

【倶為法師。:くいほっし】
...倶〔とも〕に法師〔ほっし〕と為〔な〕らん。

【汝如是。:にょにょぜ】
...汝〔なんじ〕、是〔かく〕の如〔ごと〕く漸漸〔ぜんぜん〕に

【漸漸具菩薩道。:ぜんぜんぐぼさつどう】
...菩薩〔ぼさつ〕の道〔どう〕を具〔ぐ〕して、

【當得作佛。:とうとくさぶつ】
...當〔まさ〕に作佛〔さぶつ〕することを得〔う〕べし。

【號一切衆生喜見如来。:ごういっさいしゅじょうきけんにょらい】
...一切衆生喜見如来〔いっさいしゅじょうきけんにょらい〕・

【應供。:おうぐ】
...應供〔おうぐ〕・

【正遍知。:しょうへんち】
...正遍知〔しょうへんち〕・

【明行足。:みょうぎょうそく】
...明行足〔みょうぎょうそく〕・

【善逝。:ぜんぜい】
...善逝〔ぜんぜい〕・

【世間解。:せけんげ】
...世間解〔せけんげ〕・

【無上士。:むじょうじ】
...無上士〔むじょうじ〕・

【調御丈夫。:じょうごじょうぶ】
...調御丈夫〔じょうごじょうぶ〕・

【天人師。:てんにんし】
...天人師〔てんにんし〕・

【佛世尊。:ぶっせそん】
...佛世尊〔ぶっせそん〕と號〔なづ〕けん。

【憍曇彌。:きょうどんみ】
...憍曇彌〔きょうどんみ〕、

【是一切衆生喜見佛。:ぜいっさいしゅじょうきけんぶつ】
...是〔こ〕の一切衆生喜見佛〔いっさいしゅじょうきけんぶつ〕、

【及六千菩薩。:ぎゅうろくせんぼさつ】
...及〔およ〕び六千〔ろくせん〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【転次授記。:てんしじゅき】
...転次〔てんし〕に記〔き〕を授〔さず〕かりて、

【得阿耨多羅三藐三菩提。:とくあのくたらさんみゃくさんぼだい】
...阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕を得〔え〕ん。

【爾時羅睺羅母。:にじらごらも】
爾〔そ〕の時〔とき〕に羅睺羅〔らごら〕の母〔はは〕・

【耶輸陀羅比丘尼。:やしゅだらびくに】
耶輸陀羅比丘尼〔やしゅだらびくに〕、

【作是念。:さぜねん】
是〔こ〕の念〔ねん〕を作〔な〕さく、

【世尊於授記中。:せそんおじゅきちゅう】
...世尊〔せそん〕、授記〔じゅき〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【独不説我名。:どくふせつがみょう】
...独〔ひとり〕我〔わ〕が名〔な〕を説〔と〕きたまわず。

【佛告耶輸陀羅。:ぶつごうやしゅだら】
佛〔ほとけ〕、耶輸陀羅〔やしゅだら〕に告〔つ〕げたまわく、

【汝於来世。:にょおらいせ】
...汝〔なんじ〕、来世〔らいせ〕

【百千萬億。:ひゃくせんまんのく】
...百千萬億〔ひゃくせんまんのく〕の

【諸佛法中。:しょぶっぽうちゅう】
...諸佛〔しょぶつ〕の法〔ほう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【修菩薩行。:しゅぼさつぎょう】
...菩薩〔ぼさつ〕の行〔ぎょう〕を修〔しゅ〕し、

【為大法師。:いだいほっし】
...大法師〔だいほっし〕と為〔な〕り、

【漸具佛道。:ぜんぐぶつどう】
...漸〔ようや〕く佛道〔ぶつどう〕を具〔ぐ〕して、

【於善国中。:おぜんこくちゅう】
...善国〔ぜんこく〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【當得作佛。:とうとくさぶつ】
...當〔まさ〕に作佛〔さぶつ〕することを得〔う〕べし。

【號具足千萬光相如来。:ごうぐそくせんまんこうそうにょらい】
...具足千萬光相如来〔ぐそくせんまんこうそうにょらい〕・

【應供。:おうぐ】
...應供〔おうぐ〕・

【正遍知。:しょうへんち】
...正遍知〔しょうへんち〕・

【明行足。:みょうぎょうそく】
...明行足〔みょうぎょうそく〕・

【善逝。:ぜんぜい】
...善逝〔ぜんぜい〕・

【世間解。:せけんげ】
...世間解〔せけんげ〕・

【無上士。:むじょうじ】
...無上士〔むじょうじ〕・

【調御丈夫。:じょうごじょうぶ】
...調御丈夫〔じょうごじょうぶ〕・

【天人師。:てんにんし】
...天人師〔てんにんし〕・

【佛世尊。:ぶっせそん】
...佛世尊〔ぶっせそん〕と號〔なづ〕けん。

【佛壽無量。:ぶつじゅむりょう】
...佛〔ほとけ〕の壽〔じゅ〕、

【阿僧祇劫。:あそうぎこう】
...無量阿僧祇劫〔むりょうあそうぎこう〕ならん。

【爾時摩訶波闍波提比丘尼。:にじまかはじゃはだいびくに】
爾〔そ〕の時〔とき〕に摩訶波闍波提比丘尼〔まかはじゃはだいびくに〕、

【及耶輸陀羅比丘尼。:ぎゅうやしゅだらびくに】
及〔およ〕び耶輸陀羅比丘尼〔やしゅだらびくに〕、

【并其眷属。:びょうごけんぞく】
并〔なら〕びに其〔そ〕の眷属〔けんぞく〕、

【皆大歓喜。:かいだいかんぎ】
皆〔みな〕大〔おお〕いに歓喜〔かんぎ〕し、

【得未曾有。:とくみぞうう】
未曾有〔みぞう〕なることを得〔え〕、

【即於佛前。:そくおぶつぜん】
即〔すなわ〕ち佛前〔ぶつぜん〕に於〔おい〕て、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔もう〕さく、

【世尊導師:せそんどうし】
...世尊導師〔せそんどうし〕

【安穏天人:あんのんてんにん】
...天人〔てんにん〕を安穏〔あんのん〕ならしめたもう

【我等聞記:がとうもんき】
...我等〔われら〕記〔き〕を聞〔き〕いて

【心安具足:しんなんぐそく】
...心〔こころ〕安〔やす〕んじて具足〔ぐそく〕しぬ

【諸比丘尼。:しょびくに】
諸〔もろもろ〕の比丘尼〔びくに〕、

【説是偈已。:せつぜげい】
是〔こ〕の偈〔げ〕を説〔と〕き已〔おわ〕って、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我等亦能。:がとうやくのう】
...我等〔われら〕亦〔また〕、能〔よ〕く他方〔たほう〕の

【於他方国土。:おたほうこくど】
...国土〔こくど〕に於〔おい〕て、

【廣宣此經。:こうせんしきょう】
...廣〔ひろ〕く此〔こ〕の經〔きょう〕を宣〔の〕べん。

【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【視八十萬億那由他。:じはちじゅうまんのくなゆた】
八十萬億那由他〔はちじゅうまんのくなゆた〕の

【諸菩薩摩訶薩。:しょぼさつまかさつ】
諸〔もろもろ〕の菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕を視〔みそなわ〕す。

【是諸菩薩。:ぜしょぼさつ】
是〔こ〕の諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕は、

【皆是阿惟越致。:かいぜあゆいおっち】
皆〔みな〕是〔こ〕れ阿惟越致〔あゆいおっち〕にして、

【転不退法輪。:てんふたいほうりん】
不退〔ふたい〕の法輪〔ほうりん〕を転〔てん〕じ、

【得諸陀羅尼。:とくしょだらに】
諸〔もろもろ〕の陀羅尼〔だらに〕を得〔え〕たり。

【即従座起。:そくじゅうざき】
即〔すなわ〕ち座〔ざ〕より起〔た〕って、

【至於佛前。:しおぶつぜん】
佛前〔ぶつぜん〕に至〔いた〕り、

【一心合掌。:いっしんがっしょう】
一心〔いっしん〕に合掌〔がっしょう〕して、

【而作是念。:にさぜねん】
是〔こ〕の念〔ねん〕を作〔な〕さく、

【若世尊。:にゃくせそん】
...若〔も〕し世尊〔せそん〕、

【告勅我等。:ごうちょくがとう】
...我等〔われら〕に

【持説此經者。:じせっしきょうしゃ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕を持説〔じせつ〕せよと告勅〔ごうちょく〕したまわば、

【當如佛教。:とうにょぶっきょう】
...當〔まさ〕に佛〔ほとけ〕の教〔おしえ〕の如〔ごと〕く、

【廣宣斯法。:こうせんしほう】
...廣〔ひろ〕く斯〔こ〕の法〔ほう〕を宣〔の〕ぶべし。

【復作是念。:ぶさぜねん】
復〔また〕是〔こ〕の念〔ねん〕を作〔な〕さく、

【佛今黙然。:ぶっこんもくねん】
...佛〔ほとけ〕、今〔いま〕黙然〔もくねん〕として、

【不見告勅。:ふけんごうちょく】
...告勅〔ごうちょく〕せられず、

【我當云何。:がとううんが】
...我〔われ〕當〔まさ〕に云何〔いかん〕がすべき。

【時諸菩薩。:じしょぼさつ】
時〔とき〕に諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【敬順佛意。:きょうじゅんぶっち】
佛意〔ぶっち〕に敬順〔きょうじゅん〕し、

【并欲自満本願。:びょうよくじまんほんがん】
并〔なら〕びに自〔みずか〕ら本願〔ほんがん〕を満〔まん〕ぜんと欲〔ほっ〕して、

【便於佛前。:べんのぶつぜん】
便〔すなわ〕ち佛前〔ぶつぜん〕に於〔おい〕て、

【作師子吼。:さししく】
師子吼〔ししく〕を作〔な〕して、

【而發誓言。:にほっせいごん】
誓言〔せいごん〕を發〔おこ〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我等於如来滅後。:がとうおにょらいめつご】
...我等〔われら〕、如来〔にょらい〕の滅後〔めつご〕に於〔おい〕て、

【周旋往返。:しゅせんおうへん】
...②

【十方世界。:じっぽうせかい】
...十方世界〔じっぽうせかい〕に②周旋往返〔しゅせんおうへん〕して、

【能令衆生。:のうりょうしゅじょう】
...能〔よ〕く衆生〔しゅじょう〕をして、

【書写此經。:しょしゃしきょう】
...此〔こ〕の經〔きょう〕を書写〔しょしゃ〕し、

【受持読誦。:じゅじどくじゅ】
...受持〔じゅじ〕し、読誦〔どくじゅ〕し、

【解説其義。:げせつごぎ】
...其〔そ〕の義〔ぎ〕を解説〔げせつ〕し、

【如法修行。:にょほうしゅぎょう】
...法〔ほう〕の如〔ごと〕く修行〔しゅぎょう〕し、

【正憶念。:しょうおくねん】
...正憶念〔しょうおくねん〕せしめん。

【皆是佛之威力。:かいぜぶっしいりき】
...皆〔みな〕是〔こ〕れ佛〔ほとけ〕の威力〔いりき〕ならん。

【唯願世尊。:ゆいがんせそん】
...唯〔ただ〕願〔ねが〕わくは世尊〔せそん〕、

【在於他方。:ざいおたほう】
...他方〔たほう〕に在〔ましま〕すとも、

【遥見守護。:ようけんしゅご】
...遥〔はる〕かに守護〔しゅご〕せられよ。

【即時諸菩薩。:そくじしょぼさつ】
即時〔そくじ〕に諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕、

【倶同發声。:くどうほっしょう】
倶〔とも〕に同〔おな〕じく声〔こえ〕を發〔おこ〕して、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔もう〕さく、

【唯願不為慮:ゆいがんふいりょ】
...唯〔ただ〕願〔ねが〕わくは慮〔うらおも〕いしたもう為〔べ〕からず

【於佛滅度後:おぶつめつどご】
...佛〔ほとけ〕の滅度〔めつど〕の後〔のち〕の

【恐怖惡世中:くふあくせちゅう】
...恐怖〔くふ〕惡世〔あくせ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て

【我等當廣説:がとうとうこうぜつ】
...我等〔われら〕當〔まさ〕に廣〔ひろ〕く説〔と〕くべし

【有諸無智人:うしょむちにん】
...諸〔もろもろ〕の無智〔むち〕の人〔ひと〕の

【惡口罵詈等:あっくめりとう】
...惡口〔あっく〕罵詈等〔めりとう〕し

【及加刀杖者:ぎゅうかとうじょうしゃ】
...及〔およ〕び刀杖〔とうじょう〕を加〔くわ〕うる者〔もの〕有〔あ〕らん

【我等皆當忍:がとうかいとうにん】
...我等〔われら〕皆〔みな〕當〔まさ〕に忍〔しの〕ぶべし

【惡世中比丘:あくせちゅうびく】
...惡世〔あくせ〕の中〔なか〕の比丘〔びく〕は

【邪智心諂曲:じゃちしんてんごく】
...邪智〔じゃち〕にして心〔こころ〕諂曲〔てんごく〕に

【未得謂為得:みとくいいとく】
...未〔いま〕だ得〔え〕ざるを為〔こ〕れ得〔え〕たりと謂〔おも〕い

【我慢心充満:がまんしんじゅうまん】
...我慢〔がまん〕の心〔こころ〕充満〔じゅうまん〕せん

【或有阿練若:わくうあれんにゃ】
...或〔あるい〕は阿練若〔あれんにゃ〕に

【納衣在空閑:のうえざいくうげん】
...納衣〔のうえ〕にして空閑〔くうげん〕に在〔あ〕って

【自謂行眞道:じいぎょうしんどう】
...自〔みずか〕ら眞〔しん〕の道〔どう〕を行〔ぎょう〕ずと謂〔おも〕いて

【輕賤人間者:きょうせんにんげんしゃ】
...人間〔にんげん〕を輕賤〔きょうせん〕する者〔もの〕有〔あ〕らん

【貪著利養故:とんじゃくりようこ】
...利養〔りよう〕に貪著〔とんじゃく〕するが故〔ゆえ〕に

【与白衣説法:よびゃくえせっぽう】
...白衣〔びゃくえ〕の与〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕いて

【為世所恭敬:いせしょくぎょう】
...世〔よ〕に恭敬〔くぎょう〕せらるること

【如六通羅漢:にょろくつうらかん】
...六通〔ろくつう〕の羅漢〔らかん〕の如〔ごと〕くならん

【是人懐惡心:ぜにんえあくしん】
...是〔こ〕の人〔ひと〕惡心〔あくしん〕を懐〔いだ〕き

【常念世俗事:じょうねんせぞくじ】
...常〔つね〕に世俗〔せぞく〕の事〔じ〕を念〔おも〕い

【仮名阿練若:けみょうあれんにゃ】
...名〔な〕を阿練若〔あれんにゃ〕に仮〔か〕って

【好出我等過:こうすいがとうか】
...好〔この〕んで我等〔われら〕の過〔とが〕を出〔いだ〕さん

【而作如是言:にさにょぜごん】
...而〔しか〕も是〔かく〕の如〔ごと〕き言〔ことば〕を作〔な〕さん

【此諸比丘等:ししょびくとう】
...此〔こ〕の諸〔もろもろ〕の比丘等〔びくら〕は

【為貪利養故:いとんりようこ】
...利養〔りよう〕を貪〔むさぼ〕るを為〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に

【説外道論議:せつげどうろんぎ】
...外道〔げどう〕の論議〔ろんぎ〕を説〔と〕き

【自作此經典:じさしきょうでん】
...自〔みずか〕ら此〔こ〕の經典〔きょうでん〕を作〔つく〕って

【誑惑世間人:おうわくせけんにん】
...世間〔せけん〕の人〔ひと〕を誑惑〔おうわく〕す

【為求名聞故:いぐみょうもんこ】
...名聞〔みょうもん〕を求〔もと〕むるを為〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に

【分別説是經:ふんべっせつぜきょう】
...分別〔ふんべつ〕して是〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕くと

【常在大衆中:じょうざいだいしゅちゅう】
...常〔つね〕に大衆〔だいしゅ〕の中〔なか〕に在〔あ〕って

【欲毀我等故:よっきがとうこ】
...我等〔われら〕を毀〔そし〕らんと欲〔ほっ〕するが故〔ゆえ〕に

【向国王大臣:こうこくおうだいじん】
...国王〔こくおう〕大臣〔だいじん〕

【婆羅門居士:ばらもんこじ】
...婆羅門居士〔ばらもんこじ〕

【及余比丘衆:ぎゅうよびくしゅ】
...及〔およ〕び余〔よ〕の比丘衆〔びくしゅ〕に向〔むか〕って

【誹謗説我惡:ひほうせつがあく】
...誹謗〔ひほう〕して我〔わ〕が惡〔あく〕を説〔と〕いて

【謂是邪見人:いぜじゃけんにん】
...是〔こ〕れ邪見〔じゃけん〕の人〔ひと〕

【説外道論議:せつげどうろんぎ】
...外道〔げどう〕の論議〔ろんぎ〕を説〔と〕くと謂〔い〕わん

【我等敬佛故:がとうきょうぶっこ】
...我等〔われら〕佛〔ほとけ〕を敬〔うやま〕うが故〔ゆえ〕に

【悉忍是諸惡:しつにんぜしょあく】
...悉〔ことごと〕く是〔こ〕の諸惡〔しょあく〕を忍〔しの〕ばん

【為斯所輕言:いししょきょうごん】
...斯〔これ〕に輕〔かろ〕しめられて③

【汝等皆是佛:にょとうかいぜぶつ】
...汝等〔なんだち〕は皆〔みな〕是〔こ〕れ佛〔ほとけ〕なりと③言〔い〕われん

【如此輕慢言:にょしきょうまんごん】
...此〔かく〕の如〔ごと〕き輕慢〔きょうまん〕の言〔ことば〕を

【皆當忍受之:かいとうにんじゅし】
...皆〔みな〕當〔まさ〕に忍〔しの〕んで之〔これ〕を受〔う〕くべし

【濁劫惡世中:じょっこうあくせちゅう】
...濁劫〔じょっこう〕惡世〔あくせ〕の中〔なか〕には

【多有諸恐怖:たうしょくふ】
...多〔おお〕く諸〔もろもろ〕の恐怖〔くふ〕有〔あ〕らん

【惡鬼入其身:あっきにゅうごしん】
...惡鬼〔あっき〕其〔そ〕の身〔み〕に入〔い〕って

【罵詈毀辱我:めりきにくが】
...我〔われ〕を罵詈〔めり〕毀辱〔きにく〕せん

【我等敬信佛:がとうきょうしんぶつ】
...我等〔われら〕佛〔ほとけ〕を敬信〔きょうしん〕して

【當著忍辱鎧:とうちゃくにんにくがい】
...當〔まさ〕に忍辱〔にんにく〕の鎧〔よろい〕を著〔き〕るべし

【為説是經故:いせつぜきょうこ】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かんが為〔ため〕の故〔ゆえ〕に

【忍此諸難事:にんししょなんじ】
...此〔こ〕の諸〔もろもろ〕の難事〔なんじ〕を忍〔しの〕ばん

【我不愛身命:がふあいしんみょう】
...我〔われ〕身命〔しんみょう〕を愛〔あい〕せず

【但惜無上道:たんじゃくむじょうどう】
...但〔ただ〕無上道〔むじょうどう〕を惜〔お〕しむ

【我等於来世:がとうおらいせ】
...我等〔われら〕来世〔らいせ〕に於〔おい〕て

【護持佛所嘱:ごじぶっしょぞく】
...佛〔ほとけ〕の所嘱〔しょぞく〕を護持〔ごじ〕せん

【世尊自當知:せそんじとうち】
...世尊〔せそん〕自〔みずか〕ら當〔まさ〕に知〔し〕ろしめすべし

【濁世惡比丘:じょくせあくびく】
...濁世〔じょくせ〕の惡比丘〔あくびく〕は

【不知佛方便:ふちぶっぽうべん】
...佛〔ほとけ〕の方便〔ほうべん〕

【随宜所説法:ずいぎしょせっぽう】
...随宜〔ずいぎ〕所説〔しょせつ〕の法〔ほう〕を知〔し〕らず

【惡口而嚬蹙:あっくにひんじゅく】
...惡口〔あっく〕して嚬蹙〔ひんじゅく〕し

【数数見擯出:さくさっけんひんずい】
...数数〔しばしば〕擯出〔ひんずい〕せられ

【遠離於塔寺:おんりおとうじ】
...塔寺〔とうじ〕を遠離〔おんり〕せん

【如是等衆惡:にょぜとうしゅあく】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔ら〕の衆惡〔しゅあく〕をも

【念佛告勅故:ねんぶつごうちょっこ】
...佛〔ほとけ〕の告勅〔ごうちょっ〕を念〔おも〕うが故〔ゆえ〕に

【皆當忍是事:かいとうにんぜじ】
...皆〔みな〕當〔まさ〕に是〔こ〕の事〔じ〕を忍〔しの〕ぶべし

【諸聚落城邑:しょじゅらくじょうおう】
...諸〔もろもろ〕の聚落〔じゅらく〕城邑〔じょうおう〕に

【其有求法者:ごうぐほうしゃ】
...其〔そ〕れ法〔ほう〕を求〔もと〕むる者〔もの〕有〔あ〕らば

【我皆到其所:がかいとうごしょ】
...我〔われ〕皆〔みな〕其〔そ〕の所〔ところ〕に到〔いた〕って

【説佛所嘱法:せつぶっしょぞくほう】
...佛〔ほとけ〕の所嘱〔しょぞく〕の法〔ほう〕を説〔と〕かん

【我是世尊使:がぜせそんし】
...我〔われ〕は是〔こ〕れ世尊〔せそん〕の使〔つかい〕なり

【処衆無所畏:しょしゅむしょい】
...衆〔しゅ〕に処〔しょ〕するに畏〔おそ〕るる所〔ところ〕無〔な〕し

【我當善説法:がとうぜんせっぽう】
...我〔われ〕當〔まさ〕に善〔よ〕く法〔ほう〕を説〔と〕くべし

【願佛安穏住:がんぶつあんのんじゅう】
...願〔ねが〕わくは佛〔ほとけ〕安穏〔あんのん〕に住〔じゅう〕したまえ

【我於世尊前:がおせそんぜん】
...我〔われ〕世尊〔せそん〕の前〔みまえ〕

【諸来十方佛:しょらいじっぽうぶつ】
...諸〔もろもろ〕の来〔きた〕りたまえる十方〔じっぽう〕の佛〔ほとけ〕に於〔おい〕て

【發如是誓言:ほつにょぜせいごん】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き誓言〔せいごん〕を發〔おこ〕す

【佛自知我心:ぶつじちがしん】
...佛〔ほとけ〕自〔みずか〕ら我〔わ〕が心〔こころ〕を知〔し〕ろしめすらむ



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