日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


妙法蓮華經 陀羅尼品第二十六


【妙法蓮華經陀羅尼品第二十六:みょうほうれんげきょうだらにほんだいにじゅうろく】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 陀羅尼品第二十六〔だらにほんだいにじゅうろく〕




【爾時薬王菩薩。:にじやくおうぼさつ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕、

【即従座起。:そくじゅうざき】
即〔すなわ〕ち座〔ざ〕より起〔た〕って、

【偏袒右肩。:へんだんうけん】
偏〔ひとえ〕えに右〔みぎ〕の肩〔かた〕を袒〔あらわ〕にし、

【合掌向佛。:がっしょうこうぶつ】
合掌〔がっしょう〕し佛〔ほとけ〕に向〔むか〕いたてまつりて、

【而白佛言。:にびゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、

【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕の、

【有能受持。:うのうじゅじ】
...能〔よ〕く①

【法華經者。:ほけきょうじゃ】
...法華經〔ほけきょう〕を①受持〔じゅじ〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕、

【若読誦通利。:にゃくどくじゅつうり】
...若〔も〕しは読誦〔どくじゅ〕し、通利〔つうり〕し、

【若書写經巻。:にゃくしょしゃきょうがん】
...若〔も〕しは經巻〔きょうがん〕を書写〔しょしゃ〕せんに、

【得幾所福。:とっきしょふく】
...幾所〔いくばく〕の福〔ふく〕をか得〔え〕ん。

【佛告薬王。:ぶつごうやくおう】
佛〔ほとけ〕、薬王〔やくおう〕に告〔つ〕げたまわく、

【若有善男子。:にゃくうぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、

【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕有〔あ〕って、

【供養八百萬億。:くようはっぴゃくまんのく】
...八百萬億〔はっぴゃくまんのく〕

【那由他。:なゆた】
...那由他〔なゆた〕

【恒河沙等諸佛。:ごうがしゃとうしょぶつ】
...恒河沙等〔ごうがしゃとう〕の諸佛〔しょぶつ〕を供養〔くよう〕せん。

【於汝意云何。:おにょいうんが】
...汝〔なんじ〕が意〔こころ〕に於〔おい〕て云何〔いかん〕。

【其所得福。:ごしょとくふく】
...其〔そ〕の所得〔しょとく〕の福〔ふく〕、

【寧為多不。:にょういたふ】
...寧〔むし〕ろ多〔おお〕しと為〔せ〕んや不〔いな〕や。

【甚多世尊。:じんたせそん】
...甚〔はなは〕だ多〔おお〕し、世尊〔せそん〕。

【佛言。:ぶつごん】
佛〔ほとけ〕の言〔のたま〕わく、

【若善男子。:にゃくぜんなんし】
...若〔も〕し善男子〔ぜんなんし〕、

【善女人。:ぜんにょにん】
...善女人〔ぜんにょにん〕、

【能於是經。:のうおぜきょう】
...能〔よ〕く是〔こ〕の經〔きょう〕に於〔おい〕て、

【乃至受持。:ないしじゅじ】
...乃至〔ないし〕

【一四句偈。:いっしくげ】
...一四句偈〔いちしくげ〕を受持〔じゅじ〕し、

【読誦解義。:どくじゅげぎ】
...読誦〔どくじゅ〕し、解義〔げぎ〕し、

【如説修行。:にょせっしゅぎょう】
...説〔せつ〕の如〔ごと〕く修行〔しゅぎょう〕せん。

【功徳甚多。:くどくじんた】
...功徳〔くどく〕甚〔はなは〕だ多〔おお〕し。

【爾時薬王菩薩。:にじやくおうぼさつ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我今當与説法者。:がこんとうよせっぽうじゃ】
...我〔われ〕今〔いま〕當〔まさ〕に説法者〔せっぽうしゃ〕に

【陀羅尼咒。:だらにしゅ】
...陀羅尼咒〔だらにしゅ〕を与〔あた〕えて、

【以守護之。:いしゅごし】
...以〔もっ〕て之〔これ〕を守護〔しゅご〕すべし。

【即説咒曰:そくせっしゅわつ】
即〔すなわ〕ち咒〔しゅ〕を説〔と〕いて曰〔もう〕さく、

【安爾・:あに・】
....安爾〔あに〕〔一〕

【曼爾・:まに・】
....曼爾〔まに〕〔二〕

【摩禰・:まねい・】
....摩禰〔まねい〕〔三〕

【摩摩禰・:ままねい・】
....摩摩禰〔ままねい〕〔四〕

【旨隷・:しれい・】
....旨隷〔しれい〕〔五〕

【遮梨第・:しゃりてい・】
....遮梨第〔しゃりてい〕〔六〕

【賖咩・:しゃみゃ・】
....賖咩〔しゃみゃ〕〔羊鳴音七〕

【賖履・:しゃび・】
....賖履〔しゃび〕〔罔雉反〕

【多瑋・:たい・】
....多瑋〔たい〕〔八〕

【羶・:せん・】
....羶〔せん〕〔輪干反〕

【帝・:てい・】
....帝〔てい〕〔九〕

【目帝・:もくてい・】
....目帝〔もくてい〕〔十〕

【目多履・:もくたび・】
....目多履〔もくたび〕〔十一〕

【沙履・:しゃび・】
....沙履〔しゃび〕〔十二〕

【阿瑋沙履・:あいしゃび・】
....阿瑋沙履〔あいしゃび〕〔十三〕

【桑履・:そうび・】
....桑履〔そうび〕〔十四〕

【沙履・:しゃび・】
....沙履〔しゃび〕〔十五〕

【叉裔・:しゃえい・】
....叉裔〔しゃえい〕〔十六〕

【阿叉裔・:あきしゃえい・】
....阿叉裔〔あきしゃえい〕〔十七〕

【阿耆膩・:あぎに・】
....阿耆膩〔あぎに〕〔十八〕

【羶帝・:せんてい・】
....羶帝〔せんてい〕〔十九〕

【賖履・:しゃび・】
....賖履〔しゃび〕〔二十〕

【陀羅尼・:だらに・】
....陀羅尼〔だらに〕〔二十一〕

【阿盧伽婆娑・:あろきゃばさい・】
....阿盧伽婆娑〔あろきゃばさい〕〔蘇奈反〕

【簸蔗毘叉膩・:はしゃびしゃに・】
....簸蔗毘叉膩〔はしゃびしゃに〕〔二十二〕

【禰毘剃・:ねいびてい・】
....禰毘剃〔ねいびてい〕〔二十三〕

【阿便哆・:あべんた・】
....阿便哆〔あべんた〕〔都餓反〕

【邏禰履剃・:らねいびてい・】
....邏禰履剃〔らねいびてい〕〔二十四〕

【阿亶哆波隷輸地・:あたんたはれいしゅだい・】
....阿亶哆波隷輸地〔あたんたはれいしゅだい〕〔途売反二十五〕

【漚究隷・:うくれい・】
....漚究隷〔うくれい〕〔二十六〕

【牟究隷・:むくれい・】
....牟究隷〔むくれい〕〔二十七〕

【阿羅隷・:あられい・】
....阿羅隷〔あられい〕〔二十八〕

【波羅隷・:はられい・】
....波羅隷〔はられい〕〔二十九〕

【首迦差・:しゅきゃし・】
....首迦差〔しゅきゃし〕〔初几反三十〕

【阿三磨三履・:あさんまさんび・】
....阿三磨三履〔あさんまさんび〕〔三十一〕

【佛駄毘吉利袠帝・:ぼだびきりちりてい・】
....佛駄毘吉利袠帝〔ぼだびきりちりてい〕〔三十二〕

【達磨波利差・:だつまはりし・】
....達磨波利差〔だつまはりし〕〔猜離反〕

【帝・:てい・】
....帝〔てい〕〔三十三〕

【僧伽涅瞿沙禰・:そうぎゃちりぐしゃねい・】
....僧伽涅瞿沙禰〔そうぎゃちりぐしゃねい〕〔三十四〕

【婆舎婆舎輸地・:ばしゃばしゃしゅだい・】
....婆舎婆舎輸地〔ばしゃばしゃしゅだい〕〔三十五〕

【曼哆邏・:まんたら・】
....曼哆邏〔まんたら〕〔三十六〕

【曼哆邏叉夜多・:まんたらしゃやた・】
....曼哆邏叉夜多〔まんたらしゃやた〕〔三十七〕

【郵楼哆郵楼哆・:うろたうろた・】
....郵楼哆郵楼哆〔うろたうろた〕〔三十八〕

【憍舎略・:きょうしゃりゃ・】
....憍舎略〔きょうしゃりゃ〕〔盧遮反三十九〕

【惡叉邏・:あきしゃら・】
....惡叉邏〔あきしゃら〕〔四十〕

【惡叉冶多冶・:あきしゃやたや・】
....惡叉冶多冶〔あきしゃやたや〕〔四十一〕

【阿婆盧・:あばろ・】
....阿婆盧〔あばろ〕〔四十二〕

【阿摩若・:あまにゃ・】
....阿摩若〔あまにゃ〕〔荏𧀹反〕

【那多夜・:なたや・】
....那多夜〔なたや〕〔四十三〕

【世尊。:せそん】
....世尊〔せそん〕、

【是陀羅尼神咒。:ぜだらにじんしゅ】
....是〔こ〕の陀羅尼神咒〔だらにじんしゅ〕は、

【六十二億。:ろくじゅうにおく】
....六十二億〔ろくじゅうにおく〕

【恒河沙等。:ごうがしゃとう】
....恒河沙等〔ごうがしゃとう〕の

【諸佛所説。:しょぶっしょせつ】
....諸佛〔しょぶつ〕の所説〔しょせつ〕なり。

【若有侵毀。:にゃくうしんき】
....若〔も〕し②

【此法師者。:しほっししゃ】
....此〔こ〕の法師〔ほっし〕を

【則為侵毀。:そくいしんき】
....侵毀〔しんき〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕は、則〔すなわ〕ち為〔こ〕れ、

【是諸佛已。:ぜしょぶっち】
....是〔こ〕の諸佛〔しょぶつ〕を②侵毀〔しんき〕し已〔おわ〕れるなり。

【時釋迦牟尼佛。:じしゃかむにぶつ】
時〔とき〕に釋迦牟尼佛〔しゃかむにぶつ〕、

【讃薬王菩薩言。:さんやくおうぼさつごん】
薬王菩薩〔やくおうぼさつ〕を讃〔ほ〕めて言〔のたま〕わく、

【善哉善哉。:ぜんざいぜんざい】
...善哉〔ぜんざい〕善哉〔ぜんざい〕、

【薬王。:やくおう】
...薬王〔やくおう〕、

【汝愍念擁護。:にょみんねんおうご】
...汝〔なんじ〕③

【此法師故。:しほっしこ】
...此〔こ〕の法師〔ほっし〕を③愍念〔みんねん〕し擁護〔おうご〕するが故〔ゆえ〕に、

【説是陀羅尼。:せつぜだらに】
...是〔こ〕の陀羅尼〔だらに〕を説〔と〕く。

【於諸衆生。:おしょしゅじょう】
...諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕に於〔おい〕て、

【多所饒益。:たしょにょうやく】
...饒益〔にょうやく〕する所〔ところ〕多〔おお〕からん。

【爾時勇施菩薩。:にじゆぜぼさつ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に勇施菩薩〔ゆぜぼさつ〕、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我亦為擁護。:がやくいおうご】
...我〔われ〕亦〔また〕を④

【読誦受持。:どくじゅじゅじ】
...⑤

【法華經者。:ほけきょうじゃ】
...法華經〔ほけきょう〕を⑤読誦〔どくじゅ〕し、受持〔じゅじ〕せん者〔もの〕を④擁護〔おうご〕せんが為〔ため〕に、

【説陀羅尼。:せつだらに】
...陀羅尼〔だらに〕を説〔と〕かん。

【若此法師。:にゃくしほっし】
...若〔も〕し此〔こ〕の法師〔ほっし〕、

【得是陀羅尼。:とくぜだらに】
...是〔こ〕の陀羅尼〔だらに〕を得〔え〕ば、

【若夜叉。:にゃくやしゃ】
...若〔も〕しは夜叉〔やしゃ〕、

【若羅刹。:にゃくらせつ】
...若〔も〕しは羅刹〔らせつ〕、

【若富単那。:にゃくふたんな】
...若〔も〕しは富単那〔ふたんな〕、

【若吉蔗。:にゃっきっしゃ】
...若〔も〕しは吉蔗〔きっしゃ〕、

【若鳩槃荼。:にゃっくはんだ】
...若〔も〕しは鳩槃荼〔くはんだ〕、

【若餓鬼等。:にゃくがきとう】
...若〔も〕しは餓鬼等〔がきとう〕、

【伺求其短。:しぐごたん】
...其〔そ〕の短〔たん〕を伺〔うかが〕い求〔もと〕むとも、

【無能得便。:むのうとくべん】
...能〔よ〕く便〔たより〕りを得〔う〕ること無〔な〕けん。

【即於佛前。:そくおぶつぜん】
即〔すなわ〕ち佛前〔ぶつぜん〕に於〔おい〕て、

【而説咒曰:にせっしゅわつ】
咒〔しゅ〕を説〔と〕いて曰〔もう〕さく、

【座・:ざ・】
....座〔ざ〕〔誓螺反〕

【隷・:れい・】
....隷〔れい〕〔一〕

【摩訶座隷・:まかざれい・】
....摩訶座隷〔まかざれい〕〔二〕

【郁枳・:うき・】
....郁枳〔うき〕〔三〕

【目枳・:もき・】
....目枳〔もき〕〔四〕

【阿隷・:あれい・】
....阿隷〔あれい〕〔五〕

【阿羅婆第・:あらはてい・】
....阿羅婆第〔あらはてい〕〔六〕

【涅隷第・:ちりてい・】
....涅隷第〔ちりてい〕〔七〕

【涅隷多婆第・:ちりたはてい・】
....涅隷多婆第〔ちりたはてい〕〔八〕

【伊緻・:いち・】
....伊緻〔いち〕〔猪履反〕

【抳・:に・】
....抳〔に〕〔九〕

【韋緻抳・:いちに・】
....韋緻抳〔いちに〕〔十〕

【旨緻抳・:しちに・】
....旨緻抳〔しちに〕〔十一〕

【涅隷墀抳・:にりちに・】
....涅隷墀抳〔にりちに〕〔十二〕

【涅犁墀婆底・:にりちはち・】
....涅犁墀婆底〔にりちはち〕〔十三〕

【世尊。:せそん】
....世尊〔せそん〕、

【是陀羅尼神咒。:ぜだらにじんしゅ】
....是〔こ〕の陀羅尼神咒〔だらにじんしゅ〕は、

【恒河沙等。:ごうがしゃとう】
....恒河沙等〔ごうがしゃとう〕の

【諸佛所説。:しょぶっしょせつ】
....諸佛〔しょぶつ〕の所説〔しょせつ〕なり。

【亦皆随喜。:やっかいずいき】
....亦〔また〕皆〔みな〕随喜〔ずいき〕したもう。

【若有侵毀。:にゃくうしんき】
....若〔も〕し⑥

【此法師者。:しほっししゃ】
....此〔こ〕の法師〔ほっし〕を⑥侵毀〔しんき〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕は、

【則為侵毀。:そくいしんき】
....則〔すなわ〕ち為〔こ〕れ、

【是諸佛已。:ぜしょぶっち】
....是〔こ〕の諸佛〔しょぶつ〕を侵毀〔しんき〕し已〔おわ〕れるなり。

【爾時毘沙門天王護世者。:にじびしゃもんでんのうごせしゃ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に毘沙門天王護世者〔びしゃもんてんのうごせしゃ〕、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我亦為愍念衆生。:がやくいみんねんしゅじょう】
...我〔われ〕亦〔また〕衆生〔しゅじょう〕を愍念〔みんねん〕し、

【擁護此法師故。:おうごしほっしこ】
...此〔こ〕の法師〔ほっし〕を擁護〔おうご〕せんが為〔ため〕の故〔ゆえ〕に、

【説是陀羅尼。:せつぜだらに】
...是〔こ〕の陀羅尼〔だらに〕を説〔と〕かん。

【即説咒曰。:そくせっしゅわつ】
即〔すなわ〕ち咒〔しゅ〕を説〔と〕いて曰〔もう〕さく、

【阿犁・:あり・】
....阿犁〔あり〕〔一〕

【那犁・:なり・】
....那犁〔なり〕〔二〕

【㝹那犁・:となり・】
....㝹那犁〔となり〕〔三〕

【阿那盧:あなろ】
....阿那盧〔あなろ〕〔四〕

【那履・:なび・】
....那履〔なび〕〔五〕

【拘那履:くなび】
....拘那履〔くなび〕〔六〕

【世尊。:せそん】
....世尊〔せそん〕、

【以是神咒。:いぜじんしゅ】
....是〔こ〕の神咒〔じんしゅ〕を以〔もっ〕て

【擁護法師。:おうごほっし】
....法師〔ほっし〕を擁護〔おうご〕せん。

【我亦自當。:がやくじとう】
....我〔われ〕亦〔また〕自〔みずか〕ら當〔まさ〕に、

【擁護持是經者。:おうごじぜきょうじゃ】
....是〔こ〕の經〔きょう〕を持〔たも〕たん者〔もの〕を擁護〔おうご〕して、

【令百由旬内。:りょうひゃくゆじゅんない】
....百〔ひゃく〕由旬〔ゆじゅん〕の内〔うち〕に、

【無諸衰患。:むしょすいげん】
....諸〔もろもろ〕の衰患〔すいげん〕無〔な〕からしむべし。

【爾時持国天王。:にじじこくてんのう】
爾〔そ〕の時〔とき〕に持国天王〔じこくてんのう〕、

【在此会中。:ざいしえちゅう】
此〔こ〕の会中〔えちゅう〕に在〔あ〕って、

【与千萬億。:よせんまんのく】
千萬億〔せんまんのく〕

【那由他。:なゆた】
那由他〔なゆた〕の

【乾闥婆衆。:けんだつばしゅ】
乾闥婆衆〔けんだつばしゅ〕の、

【恭敬圍遶。:くぎょういにょう】
恭敬〔くぎょう〕し囲繞〔いにょう〕せると、

【前詣佛所。:ぜんげいぶっしょ】
前〔すす〕んで佛所〔ぶっしょ〕に詣〔もう〕で、

【合掌白佛言。:がっしょうびゃくぶつごん】
合掌〔がっしょう〕し佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我亦以陀羅尼神咒。:がやくいだらにじんしゅ】
...我〔われ〕亦〔また〕陀羅尼神咒〔だらにじんしゅ〕を以〔もっ〕て、

【擁護持法華經者。:おうごじほけきょうじゃ】
...法華經〔ほけきょう〕を持〔たも〕たん者〔もの〕を擁護〔おうご〕せん。

【即説咒曰。:そくせっしゅわつ】
即〔すなわ〕ち咒〔しゅ〕を説〔と〕いて曰〔もう〕さく、

【阿伽禰・:あぎゃねい・】
....阿伽禰〔あぎゃねい〕(一)

【伽禰・:ぎゃねい・】
....伽禰〔ぎゃねい〕(二)

【瞿利・:ぐり・】
....瞿利〔ぐり〕(三)

【乾陀利・:げんだり・】
....乾陀利〔げんだり〕(四)

【旃陀利・:せんだり・】
....旃陀利〔せんだり〕(五)

【摩蹬耆・:まとうぎ・】
....摩蹬耆〔まとうぎ〕(六)

【常求利・:じょうぐり・】
....常求利〔じょうぐり〕(七)

【浮楼莎抳・:ぶろしゃに・】
....浮楼莎抳〔ぶろしゃに〕(八)

【頞底・:あんち・】
....頞底〔あんち〕(九)

【世尊。:せそん】
....世尊〔せそん〕、

【是陀羅尼神咒。:ぜだらにじんしゅ】
....是〔こ〕の陀羅尼神咒〔だらにじんしゅ〕は、

【四十二億。:しじゅうにおく】
....四十二億〔しじゅうにおく〕の

【諸佛所説。:しょぶっしょせつ】
....諸佛〔しょぶつ〕の所説〔しょせつ〕なり。

【若有侵毀。:にゃくうしんき】
....若〔も〕し⑦

【此法師者。:しほっししゃ】
....此〔こ〕の法師〔ほっし〕を⑦侵毀〔しんき〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕は、

【則為侵毀。:そくいしんき】
....則〔すなわ〕ち為〔こ〕れ

【是諸佛已。:ぜしょぶっち】
....是〔こ〕の諸佛〔しょぶつ〕を侵毀〔しんき〕し已〔おわ〕れるなり。

【爾時有羅刹女等。:にじうらせつにょとう】
爾〔そ〕の時〔とき〕に羅刹女等〔らせつにょとう〕有〔あ〕り。

【一名藍婆。:いちみょうらんば】
一〔いち〕を藍婆〔らんば〕と名〔な〕づけ、

【二名毘藍婆。:にみょうびらんば】
二〔に〕を毘藍婆〔びらんば〕と名〔な〕づけ、

【三名曲歯。:さんみょうこくし】
三〔さん〕を曲歯〔こくし〕と名〔な〕づけ、

【四名華歯。:しみょうけし】
四〔し〕を華歯〔けし〕と名〔な〕づけ、

【五名黒歯。:ごみょうこくし】
五〔ご〕を黒歯〔こくし〕と名〔な〕づけ、

【六名多髮。:ろくみょうたほつ】
六〔ろく〕を多髮〔たほつ〕と名〔な〕づけ、

【七名無厭足。:しちみょうむえんぞく】
七〔しち〕を無厭足〔むえんぞく〕と名〔な〕づけ、

【八名持瓔珞。:はちみょうじようらく】
八〔はち〕を持瓔珞〔じようらく〕と名〔な〕づけ、

【九名皐諦。:くみょうこうたい】
九〔く〕を皐諦〔こうたい〕と名〔な〕づけ、

【十名奪一切衆生精氣。:じゅうみょうだついっさいしゅじょうしょうけ】
十〔じゅう〕を奪一切衆生精氣〔だついっさいしゅじょうしょうけ〕と名〔な〕づく。

【是十羅刹女。:ぜじゅうらせつにょ】
是〔こ〕の十羅刹女〔じっらせつにょ〕、

【与鬼子母。:よきしも】
鬼子母〔きしも〕、

【并其子。:びょうごし】
并〔なら〕びに其〔そ〕の子〔こ〕、

【及眷属。:ぎゅうけんぞく】
及〔およ〕び眷属〔けんぞく〕と

【倶詣佛所。:くけいぶっしょ】
倶〔とも〕に佛所〔ぶっしょ〕に詣〔もう〕で、

【同声白佛言。:どうしょうびゃくぶつごん】
声〔こえ〕を同〔おな〕じうして佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我等亦欲擁護。:がとうやくよくおうご】
...我等〔われら〕亦〔また〕、⑧

【読誦受持。:どくじゅじゅじ】
...⑨

【法華經者。:ほけきょうじゃ】
...法華經〔ほけきょう〕を⑨読誦〔どくじゅ〕し、受持〔じゅじ〕せん者〔もの〕を⑧擁護〔おうご〕して、

【除其衰患。:じょごすいげん】
...其〔そ〕の衰患〔すいげん〕を除〔のぞ〕かんと欲〔ほっ〕す。

【若有伺求。:にゃくうしぐ】
...若〔も〕し、⑩

【法師短者。:ほっしたんじゃ】
...法師〔ほっし〕の短〔たん〕を⑩伺〔うかが〕い求〔もと〕むる者〔もの〕有〔あ〕りとも、

【令不得便。:りょうふとくべん】
...便〔たより〕を得〔え〕ざらしめん。

【即於佛前。:そくおぶつぜん】
即〔すなわ〕ち佛前〔ぶつぜん〕に於〔おい〕て、

【而説咒曰。:にせっしゅわつ】
咒〔しゅ〕を説〔と〕いて曰〔もう〕さく、

【伊提履・:いていび・】
....伊提履〔いていび〕〔一〕

【伊提泯・:いていびん・】
....伊提泯〔いていびん〕〔二〕

【伊提履・:いていび・】
....伊提履〔いていび〕〔三〕

【阿提履・:あていび・】
....阿提履〔あていび〕〔四〕

【伊提履・:いていび・】
....伊提履〔いていび〕〔五〕

【泥履・:でいび・】
....泥履〔でいび〕〔六〕

【泥履・:でいび・】
....泥履〔でいび〕〔七〕

【泥履・:でいび・】
....泥履〔でいび〕〔八〕

【泥履・:でいび・】
....泥履〔でいび〕〔九〕

【泥履・:でいび・】
....泥履〔でいび〕〔十〕

【楼醯・:ろけい・】
....楼醯〔ろけい〕〔十一〕

【楼醯・:ろけい・】
....楼醯〔ろけい〕〔十二〕

【楼醯・:ろけい・】
....楼醯〔ろけい〕〔十三〕

【楼醯・:ろけい・】
....楼醯〔ろけい〕〔十四〕

【多醯・:たけい・】
....多醯〔たけい〕〔十五〕

【多醯・:たけい・】
....多醯〔たけい〕〔十六〕

【多醯・:たけい・】
....多醯〔たけい〕〔十七〕

【兜醯・:とけい・】
....兜醯〔とけい〕〔十八〕

【㝹醯・:とけい・】
....㝹醯〔とけい〕〔十九〕

【寧上我頭上。:にょうじょうがずじょう】
...寧〔むし〕ろ我〔わ〕が頭〔こうべ〕の上〔うえ〕に上〔のぼ〕るとも、

【莫悩於法師。:まくのうおほっし】
...法師〔ほっし〕を悩〔なや〕すこと莫〔なか〕れ。

【若夜叉。:にゃくやしゃ】
...若〔も〕しは夜叉〔やしゃ〕、

【若羅刹。:にゃくらせつ】
...若〔も〕しは羅刹〔らせつ〕、

【若餓鬼。:にゃくがき】
...若〔も〕しは餓鬼〔がき〕、

【若富単那。:にゃくふたんな】
...若〔も〕しは富単那〔ふたんな〕、

【若吉蔗。:にゃっきっしゃ】
...若〔も〕しは吉蔗〔きっしゃ〕、

【若毘陀羅。:にゃくびだら】
...若〔も〕しは毘陀羅〔びだら〕、

【若揵駄。:にゃっけんだ】
...若〔も〕しは揵駄〔けんだ〕、

【若烏摩勒伽。:にゃくうまろきゃ】
...若〔も〕しは烏摩勒伽〔うまろきゃ〕、

【若阿跋摩羅。:にゃくあばつまら】
...若〔も〕しは阿跋摩羅〔あばつまら〕、

【若夜叉吉蔗。:にゃくやしゃきっしゃ】
...若〔も〕しは夜叉吉蔗〔やしゃきっしゃ〕、

【若人吉蔗。:にゃくにんきっしゃ】
...若〔も〕しは人吉蔗〔にんきっしゃ〕にせよ、

【若熱病。:にゃくねつびょう】
...若〔も〕しは熱病〔ねつびょう〕の、

【若一日。:にゃくいちにち】
...若〔も〕しは一日〔いちにち〕、

【若二日。:にゃくににち】
...若〔も〕しは二日〔ににち〕、

【若三日。:にゃくさんにち】
...若〔も〕しは三日〔さんにち〕、

【若四日。:にゃくしにち】
...若〔も〕しは四日〔しにち〕、

【乃至七日。:ないししちにち】
...乃至〔ないし〕七日〔しちにち〕にせよ、

【若常熱病。:にゃくじょうねつびょう】
...若〔も〕しは常〔つね〕の熱病〔ねつびょう〕にせよ、

【若男形。:にゃくなんぎょう】
...若〔も〕しは男形〔なんぎょう〕、

【若女形。:にゃくにょぎょう】
...若〔も〕しは女形〔にょぎょう〕、

【若童男形。:にゃくどうなんぎょう】
...若〔も〕しは童男形〔どうなんぎょう〕、

【若童女形。:にゃくどうにょぎょう】
...若〔も〕しは童女形〔どうにょぎょう〕、

【乃至夢中。:ないしむちゅう】
...乃至〔ないし〕夢中〔むちゅう〕にせよ、

【亦復莫悩。:やくぶまくのう】
...亦復〔またまた〕悩〔なや〕ますこと莫〔なか〕れ。

【即於佛前。:そくおぶつぜん】
即〔すなわ〕ち佛前〔ぶつぜん〕に於〔おい〕て、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔もう〕さく、

【若不順我咒:にゃくふじゅんがしゅ】
...若〔も〕し我〔わ〕が咒〔しゅ〕に順〔じゅん〕ぜずして

【悩乱説法者:のうらんせっぽうじゃ】
...説法者〔せっぽうしゃ〕を悩乱〔のうらん〕せば

【頭破作七分:ずはさしちぶん】
...頭〔こうべ〕破〔わ〕れて七分〔しちぶん〕に作〔な〕ること

【如阿梨樹枝:にょありじゅし】
...阿梨樹〔ありじゅ〕の枝〔えだ〕の如〔ごと〕くならん

【如殺父母罪:にょしぶもざい】
...父母〔ぶも〕を殺〔しい〕する罪〔つみ〕の如〔ごと〕く

【亦如圧油殃:やくにょおうゆおう】
...亦〔また〕油〔あぶら〕を圧〔お〕す殃〔つみ〕

【斗秤欺誑人:とうしょうごおうにん】
...斗秤〔とうしょう〕をもって人〔ひと〕を欺誑〔ごおう〕し

【調達破僧罪:じょうだつはそうざい】
...調達〔ちょうだつ〕が破僧罪〔はそうざい〕の如〔ごと〕く

【犯此法師者:ぼんしほっししゃ】
...此〔こ〕の法師〔ほっし〕を犯〔おか〕さん者〔もの〕は

【當獲如是殃:とうぎゃくにょぜおう】
...當〔まさ〕に是〔かく〕の如〔ごと〕き殃〔つみ〕を獲〔う〕べし

【諸羅刹女。:しょらせつにょ】
諸〔もろもろ〕の羅刹女〔らせつにょ〕、

【説此偈已。:せっしげい】
此〔こ〕の偈〔げ〕を説〔と〕き已〔おわ〕って、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【我等亦當。:がとうやくとう】
...我等〔われら〕亦〔また〕當〔まさ〕に、

【身自擁護。:しんじおうご】
...身〔み〕自〔みずか〕ら是〔こ〕の經〔きょう〕を

【受持読誦。:じゅじどくじゅ】
...受持〔じゅじ〕し、読誦〔どくじゅ〕し、

【修行是經者。:しゅぎょうぜきょうじゃ】
...修行〔しゅぎょう〕せん者〔もの〕を擁護〔おうご〕して、

【令得安穏。:りょうとくあんのん】
...安穏〔あんのん〕なることを得〔え〕、

【離諸衰患。:りしょすいげん】
...諸〔もろもろ〕の衰患〔すいげん〕を離〔はな〕れ、

【消衆毒薬。:しょうしゅどくやく】
...衆〔もろもろ〕の毒薬〔どくやく〕を消〔しょう〕さしむべし。

【佛告諸羅刹女。:ぶつごうしょらせつにょ】
佛〔ほとけ〕、諸〔もろもろ〕の羅刹女〔らせつにょ〕に告〔つ〕げたまわく、

【善哉善哉。:ぜんざいぜんざい】
...善哉〔ぜんざい〕善哉〔ぜんざい〕、

【汝等但能擁護。:にょとうたんのうおうご】
...汝等〔なんだち〕但〔ただ〕能〔よ〕く、

【受持法華名者。:じゅじほっけみょうしゃ】
...法華〔ほっけ〕の名〔みな〕を受持〔じゅじ〕せん者〔もの〕を擁護〔おうご〕せんすら、

【福不可量。:ふくふかりょう】
...福〔ふく〕量〔はか〕るべからず。

【何況擁護。:がきょうおうご】
...何〔いか〕に況〔いわん〕んや、

【具足受持。:ぐそくじゅじ】
...具足〔ぐそく〕して受持〔じゅじ〕し、

【供養經巻。:くようきょうがん】
...經巻〔きょうがん〕に

【華香瓔珞。:けこうようらく】
...華香〔けこう〕、瓔珞〔ようらく〕、

【抹香塗香焼香。:まっこうずこうしょうこう】
...抹香〔まっこう〕、塗香〔ずこう〕、焼香〔しょうこう〕、

【幡蓋伎楽。:ばんがいぎがく】
...幡蓋〔ばんがい〕、伎楽〔ぎがく〕を供養〔くよう〕し、

【然種種燈。:ねんしゅじゅとう】
...種種〔しゅじゅ〕の燈〔ともしび〕、

【蘇燈油燈。:そとうゆとう】
...蘇燈〔そとう〕、油燈〔ゆとう〕、

【諸香油燈。:しょこうゆとう】
...諸〔もろもろ〕の香油燈〔こうゆとう〕、

【蘇摩那華油燈。:そまなけゆとう】
...蘇摩那華油燈〔そまなけゆとう〕、

【瞻蔔華油燈。:せんぼっけゆとう】
...瞻蔔華油燈〔せんぼくけゆとう〕、

【婆師迦華油燈。:ばしかけゆとう】
...婆師迦華油燈〔ばしかけゆとう〕、

【優鉢羅華油燈。:うはっらけゆとう】
...優鉢羅華油燈〔うはつらけゆとう〕を燃〔とも〕し、

【如是等。:にょぜとう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き等〔とう〕の

【百千種供養者。:ひゃくせんじゅくようしゃ】
...百千種〔ひゃくせんじゅ〕をもって供養〔くよう〕する者〔もの〕を擁護〔おうご〕せんをや。

【皐諦。:こうたい】
...皐諦〔こうたい〕、

【汝等及眷属。:にょとうぎゅうけんぞく】
...汝等〔なんだち〕及〔およ〕び眷属〔けんぞく〕、

【應當擁護。:おうとうおうご】
...應當〔まさ〕に、

【如是法師。:にょぜほっし】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き法師〔ほっし〕を擁護〔おうご〕すべし。

【説此陀羅尼品時。:せっしだらにほんじ】
此〔こ〕の陀羅尼品〔だらにほん〕を説〔と〕きたもう時〔とき〕、

【六萬八千人。:ろくまんはっせんにん】
六萬八千人〔ろくまんはっせんにん〕、

【得無生法忍。:とくむしょうぼうにん】
無生法忍〔むしょうほうにん〕を得〔え〕たり。



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