日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


妙法蓮華經 薬草喩品第五


【妙法蓮華經薬草喩品第五:みょうほうれんげきょうやくそうゆほんだいご】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 薬草喩品第五〔やくそうゆほんだいご〕




【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【告摩訶迦葉。:ごうまかかしょう】
摩訶迦葉〔まかかしょう〕

【及諸大弟子。:ぎっしょだいでし】
及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の大弟子〔だいでし〕に告〔つ〕げたまわく、

【善哉善哉。:ぜんざいぜんざい】
...善哉〔ぜんざい〕善哉〔ぜんざい〕、

【迦葉。:かしょう】
...迦葉〔かしょう〕、

【善説如来。:ぜんせつにょらい】
...善〔よ〕く如来〔にょらい〕の

【眞實功徳。:しんじっくどく】
...眞實〔しんじつ〕の功徳〔くどく〕を説〔と〕く。

【誠如所言。:じょうにょしょごん】
...誠〔まこと〕に所言〔しょごん〕の如〔ごと〕し。

【如来復有。:にょらいぶう】
...如来〔にょらい〕復〔また〕、

【無量無辺。:むりょうむへん】
...無量無辺〔むりょうむへん〕

【阿僧祇功徳。:あそうぎくどく】
...阿僧祇〔あそうぎ〕の功徳〔くどく〕有〔あ〕り。

【汝等若於。:にょとうにゃくお】
...汝等〔なんだち〕、若〔も〕し

【無量億劫。:むりょうおっこう】
...無量〔むりょう〕億劫〔おくこう〕に於〔おい〕て

【説不能尽。:せっぷのうじん】
...説〔と〕くとも、尽〔つく〕すこと能〔あた〕わじ。

【迦葉當知。:かしょうとうち】
...迦葉〔かしょう〕、當〔まさ〕に知〔し〕るべし。

【如来是諸法之王。:にょらいぜしょほうしおう】
...如来〔にょらい〕は是〔こ〕れ、諸法〔しょほう〕の王〔おう〕なり。

【若有所説。:にゃくうしょせつ】
...若〔も〕し所説〔しょせつ〕有〔あ〕るは、

【皆不虚也。:かいふこや】
...皆〔みな〕虚〔むな〕しからず。

【於一切法。:おいっさいほう】
...一切〔いっさい〕の法〔ほう〕に於〔おい〕て、

【以智方便。:いちほうべん】
...智〔ち〕の方便〔ほうべん〕を以〔もっ〕て

【而演説之。:にえんぜっし】
...之〔これ〕を演説〔えんぜつ〕す。

【其所説法。:ごしょせっぽう】
...其〔そ〕の所説〔しょせつ〕の法〔ほう〕は、

【皆悉到於。:かいしっとうお】
...皆〔みな〕悉〔ことごと〕く

【一切智地。:いっさいちじ】
...一切〔いっさい〕智地〔ちじ〕に到〔いた〕らしむ。

【如来観知。:にょらいかんち】
...如来〔にょらい〕は

【一切諸法。:いっさいしょほう】
...一切〔いっさい〕諸法〔しょほう〕の

【之所歸趣。:ししょきしゅ】
...歸趣〔きしゅ〕する所〔ところ〕を観知〔かんち〕し、

【亦知一切衆生。:やくちいっさいしゅじょう】
...亦〔また〕一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕の

【深心所行。:じんしんしょぎょう】
...深心〔じんしん〕の所行〔しょぎょう〕を知〔し〕って、

【通達無礙。:つうだつむげ】
...通達〔つうだつ〕無礙〔むげ〕なり。

【又於諸法。:うおしょほう】
...又〔また〕諸法〔しょほう〕に於〔おい〕て、

【究尽明了。:くじんみょうりょう】
...究尽〔くじん〕明了〔みょうりょう〕にして、

【示諸衆生。:じしょしゅじょう】
...諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕に、

【一切智慧。:いっさいちえ】
...一切〔いっさい〕の智慧〔ちえ〕を示〔しめ〕す。

【迦葉。:かしょう】
...迦葉〔かしょう〕、

【譬如三千大千世界。:ひにょさんぜんだいせんせかい】
...譬〔たと〕えば三千大千世界〔さんせんだいせんせかい〕の

【山川谿谷土地。:せんぜんけいこくどじ】
...山川〔せんぜん〕、谿谷〔けいこく〕、土地〔どじ〕に

【所生卉木叢林。:しょしょうきもくそうりん】
...生〔お〕いたる所〔ところ〕の卉木〔きもく〕叢林〔そうりん〕、

【及諸薬草。:ぎっしょやくそう】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の薬草〔やくそう〕、

【種類若干。:しゅるいにゃっかん】
...種類〔しゅるい〕若干〔そこばく〕にして、

【名色各異。:みょうしきかくい】
...名色〔みょうしき〕各〔おのおの〕異〔ことな〕るが如〔ごと〕し。

【密雲彌布。:みっつんみふ】
...密雲彌布〔みつうんみふ〕して、

【遍覆三千大千世界。:へんぷさんぜんだいせんせかい】
...遍〔あまね〕く三千大千世界〔さんぜんだいせんせかい〕に覆〔おお〕い、

【一時等澍。:いちじとうじゅ】
...一時〔いちじ〕に等〔ひと〕しく澍〔そそ〕ぐ。

【其沢普洽。:ごたくふごう】
...其〔そ〕の沢〔うるおい〕、普〔あまね〕く

【卉木叢林。:きもくそうりん】
...卉木〔きもく〕叢林〔そうりん〕、

【及諸薬草。:ぎっしょやくそう】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の薬草〔やくそう〕の

【小根小茎。:しょうこんしょうきょう】
...小根〔しょうこん〕小茎〔しょうきょう〕、

【小枝小葉。:しょうししょうよう】
...小枝〔しょうし〕小葉〔しょうよう〕、

【中根中茎。:ちゅうこんちゅうきょう】
...中根〔ちゅうこん〕中茎〔ちゅうきょう〕、

【中枝中葉。:ちゅうしちゅうよう】
...中枝〔ちゅうし〕中葉〔ちゅうよう〕、

【大根大茎。:だいこんだいきょう】
...大根〔だいこん〕大茎〔だいきょう〕、

【大枝大葉。:だいしだいよう】
...大枝〔だいし〕大葉〔だいよう〕に洽〔うるお〕う。

【諸樹大小。:しょじゅだいしょう】
...諸樹〔しょじゅ〕の大小〔だいしょう〕、

【随上中下。:ずいじょうちゅうげ】
...上〔じょう〕中〔ちゅう〕下〔げ〕に随〔したが〕って、

【各有所受。:かくうしょじゅ】
...各〔おのおの〕受〔う〕くる所〔ところ〕有〔あ〕り。

【一雲所雨。:いちうんしょう】
...一雲〔いちうん〕の雨〔ふ〕らす所〔ところ〕、

【称其種性。:しょうごしゅしょう】
...其〔そ〕の種性〔しゅしょう〕に称〔かな〕いて、

【而得生長。:にとくしょうじょう】
...生長〔しょうじょう〕することを得〔え〕、

【華果敷實。:けかふじつ】
...華果〔けか〕は敷〔ひら〕け實〔みの〕る。

【雖一地所生。:すいいちじしょしょう】
...一地〔いちじ〕の所生〔しょしょう〕、

【一雨所潤。:いちうしょにん】
...一雨〔いちう〕の所潤〔しょにん〕なりと雖〔いえど〕も、

【而諸草木。:にしょそうもく】
...而〔しか〕も諸〔もろもろ〕の草木〔そうもく〕に、

【各有差別。:かくうしゃべつ】
...各〔おのおの〕差別〔しゃべつ〕有〔あ〕り。

【迦葉當知。:かしょうとうち】
...迦葉〔かしょう〕、當〔まさ〕に知〔し〕るべし。

【如来亦復如是。:にょらいやくぶにょぜ】
...如来〔にょらい〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【出現於世。:しゅつげんのせ】
...世〔よ〕に出現〔しゅつげん〕すること、

【如大雲起。:にょだいうんき】
...大雲〔だいうん〕の起〔おこ〕るが如〔ごと〕く、

【以大音声。:いだいおんじょう】
...大音声〔だいおんじょう〕を以〔もっ〕て、

【普遍世界。:ふへんせかい】
...普〔あまね〕く世界〔せかい〕の

【天人阿修羅。:てんにんあしゅら】
...天〔てん〕、人〔にん〕、阿修羅〔あしゅら〕に遍〔へん〕せること、

【如彼大雲。:にょひだいうん】
...彼〔か〕の大雲〔だいうん〕の

【遍覆三千大千国土。:へんぷさんぜんだいせんこくど】
...遍〔あまね〕く三千大千〔さんぜんだいせん〕国土〔こくど〕に覆〔おお〕うが如〔ごと〕し。

【於大衆中。:おだいしゅちゅう】
...大衆〔だいしゅ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て

【而唱是言。:にしょうぜごん】
...是〔こ〕の言〔ことば〕を唱〔とな〕う。

【我是如来。:がぜにょらい】
....我〔われ〕は是〔こ〕れ如来〔にょらい〕・

【應供。:おうぐ】
....應供〔おうぐ〕・

【正遍知。:しょうへんち】
....正遍知〔しょうへんち〕・

【明行足。:みょうぎょうそく】
....明行足〔みょうぎょうそく〕・

【善逝。:ぜんぜい】
....善逝〔ぜんぜい〕・

【世間解。:せけんげ】
....世間解〔せけんげ〕・

【無上士。:むじょうじ】
....無上士〔むじょうじ〕・

【調御丈夫。:じょうごじょうぶ】
....調御丈夫〔じょうごじょうぶ〕・

【天人師。:てんにんし】
....天人師〔てんにんし〕・

【佛世尊。:ぶっせそん】
....佛世尊〔ぶっせそん〕なり。

【未度者令度。:みどしゃりょうど】
....未〔いま〕だ度〔ど〕せざる者〔もの〕は度〔ど〕せしめ、

【未解者令解。:みげしゃりょうげ】
....未〔いま〕だ解〔げ〕せざる者〔もの〕は解〔げ〕せしめ、

【未安者令安。:みあんしゃりょうあん】
....未〔いま〕だ安〔あん〕ぜざる者〔もの〕は安〔あん〕ぜしめ、

【未涅槃者。:みねはんじゃ】
....未〔いま〕だ涅槃〔ねはん〕せざる者〔もの〕は

【令得涅槃。:りょうとくねはん】
....涅槃〔ねはん〕を得〔え〕せしむ。

【今世後世。:こんぜごぜ】
....今世〔こんぜ〕、後世〔のちせ〕、

【如實知之。:にょじっちし】
....實〔じつ〕の如〔ごと〕く之〔これ〕を知〔し〕る。

【我是一切知者。:がぜいっさいちしゃ】
....我〔われ〕は是〔こ〕れ一切〔いっさい〕知者〔ちしゃ〕、

【一切見者。:いっさいけんしゃ】
....一切〔いっさい〕見者〔けんしゃ〕、

【知道者。:ちどうしゃ】
....知道者〔ちどうしゃ〕、

【開道者。:かいどうしゃ】
....開道者〔かいどうしゃ〕、

【説道者。:せつどうしゃ】
....説道者〔せつどうしゃ〕なり。

【汝等天人。:にょとうてんにん】
....汝等〔なんだち〕、天〔てん〕、人〔にん〕、

【阿修羅衆。:あしゅらしゅ】
....阿修羅衆〔あしゅらしゅ〕、

【皆應到此。:かいおうとうし】
....皆〔みな〕應〔まさ〕に此〔ここ〕に到〔いた〕るべし。

【為聴法故。:いちょうぼうこ】
....法〔ほう〕を聴〔き〕かんが為〔ため〕の故〔ゆえ〕に。

【爾時無数。:にじむしゅ】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に無数〔むしゅ〕

【千萬億種衆生。:せんまんのくしゅしゅじょう】
...千萬億〔せんまんのく〕種〔しゅ〕の衆生〔しゅじょう〕、

【来至佛所。:らいしぶっしょ】
...佛所〔ぶっしょ〕に来至〔らいし〕して

【而聴法。:にちょうぼう】
...法〔ほう〕を聴〔き〕く。

【如来于時。:にょらいうじ】
...如来〔にょらい〕、時〔とき〕に

【観是衆生。:かんぜしゅじょう】
...是〔こ〕の衆生〔しゅじょう〕の

【諸根利鈍。:しょこんりどん】
...諸根〔しょこん〕の利鈍〔りどん〕、

【精進懈怠。:しょうじんけだい】
...精進〔しょうじん〕、懈怠〔けだい〕を観〔かん〕じて、

【随其所堪。:ずいごしょかん】
...其〔そ〕の堪〔た〕うる所〔ところ〕に随〔したが〕って、

【而為説法。:にいせっぽう】
...為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕くこと

【種種無量。:しゅじゅむりょう】
...種種〔しゅじゅ〕無量〔むりょう〕にして、

【皆令歓喜。:かいりょうかんぎ】
...皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕し

【快得善利。:けとくぜんり】
...快〔こころよ〕く善利〔ぜんり〕を得〔え〕せしむ。

【是諸衆生。:ぜしょしゅじょう】
...是〔こ〕の諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕、

【聞是法已。:もんぜほうい】
...是〔こ〕の法〔ほう〕を聞〔き〕き已〔おわ〕って

【現世安穏。:げんせあんのん】
...現世〔げんせ〕安穏〔あんのん〕にして

【後生善処。:ごしょうぜんしょ】
...後〔のち〕に善処〔ぜんしょ〕に生〔しょう〕じ、

【以道受楽。:いどうじゅらく】
...道〔どう〕を以〔もっ〕て楽〔らく〕を受〔う〕け、

【亦得聞法。:やくとくもんぼう】
...亦〔また〕法〔ほう〕を聞〔き〕くことを得〔う〕。

【既聞法已。:きもんぼうい】
...既〔すで〕に法〔ほう〕を聞〔き〕き已〔おわ〕って、

【離諸障礙。:りしょしょうげ】
...諸〔もろもろ〕の障礙〔しょうげ〕を離〔はな〕れ、

【於諸法中。:おしょほうちゅう】
...諸法〔しょほう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【任力所能。:にんりきしょのう】
...力〔ちから〕の能〔た〕うる所〔ところ〕に任〔まか〕せて、

【漸得入道。:ぜんとくにゅうどう】
...漸〔ようや〕く道〔どう〕に入〔い〕ることを得〔う〕。

【如彼大雲。:にょひだいうん】
...彼〔か〕の大雲〔だいうん〕の

【雨於一切。:うおいっさい】
...一切〔いっさい〕の

【卉木叢林。:きもくそうりん】
...卉木〔きもく〕叢林〔そうりん〕、

【及諸薬草。:ぎっしょやくそう】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の薬草〔やくそう〕に雨〔あめふ〕るに、

【如其種性。:にょごしゅしょう】
...其〔そ〕の種性〔しゅしょう〕の如〔ごと〕く

【具足蒙潤。:ぐそくむにん】
...具足〔ぐそく〕して潤〔うるおい〕を蒙〔こおむ〕り、

【各得生長。:かくとくしょうちょう】
...各〔おのおの〕生長〔しょうじょう〕することを得〔う〕るが如〔ごと〕し。

【如来説法。:にょらいせっぽう】
...如来〔にょらい〕の説法〔せっぽう〕は

【一相一味。:いちそういちみ】
...一相〔いっそう〕、一味〔いちみ〕なり。

【所謂解脱相。:しょいげだっそう】
...所謂〔いわゆる〕解脱〔げだつ〕相〔そう〕、

【離相滅相。:りそうめっそう】
...離相〔りそう〕、滅相〔めっそう〕なり。

【究竟至於。:くきょうしお】
...究竟〔くきょう〕して

【一切種智。:いっさいしゅち】
...一切〔いっさい〕種智〔しゅち〕に至〔いた〕る。

【其有衆生。:ごうしゅじょう】
...其〔そ〕れ衆生〔しゅじょう〕有〔あ〕って、

【聞如来法。:もんにょらいほう】
...如来〔にょらい〕の法〔ほう〕を聞〔き〕いて、

【若持読誦。:にゃくじどくじゅ】
...若〔も〕しは持〔たも〕ち読誦〔どくじゅ〕し、

【如説修行。:にょせっしゅぎょう】
...説〔せつ〕の如〔ごと〕く修行〔しゅぎょう〕するに、

【所得功徳。:しょとっくどく】
...得〔う〕る所〔ところ〕の功徳〔くどく〕、

【不自覚知。:ふじかくち】
...自〔みずか〕ら覚知〔かくち〕せず。

【所以者何。:しょいしゃが】
...所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【唯有如来。:ゆいうにょらい】
...唯〔ただ〕如来〔にょらい〕のみ有〔あ〕って、

【知此衆生。:ちししゅじょう】
...此〔こ〕の衆生〔しゅじょう〕の種〔しゅ〕・

【種相體性。:しゅそうたいしょう】
...相〔そう〕・體〔たい〕・性〔しょう〕、

【念何事。:ねんがじ】
...何〔なに〕の事〔じ〕を念〔ねん〕じ、

【思何事。:しがじ】
...何〔なに〕の事〔じ〕を思〔し〕し、

【修何事。:しゅがじ】
...何〔なに〕の事〔じ〕を修〔しゅ〕し、

【云何念。:うんがねん】
...云何〔いか〕に念〔ねん〕じ、

【云何思。:うんがし】
...云何〔いか〕に思〔し〕し、

【云何修。:うんがしゅ】
...云何〔いか〕に修〔しゅ〕し、

【以何法念。:いがほうねん】
...何〔なに〕の法〔ほう〕を以〔もっ〕て念〔ねん〕じ、

【以何法思。:いがほうし】
...何〔なに〕の法〔ほう〕を以〔もっ〕て思〔し〕し、

【以何法修。:いがほうしゅ】
...何〔なに〕の法〔ほう〕を以〔もっ〕て修〔しゅ〕し、

【以何法。:いがほう】
...何〔なに〕の法〔ほう〕を以〔もっ〕て

【得何法。:とくがほう】
...何〔なに〕の法〔ほう〕を得〔う〕ということを知〔し〕れり。

【衆生住於。:しゅじょうじゅうお】
...衆生〔しゅじょう〕の

【種種之地。:しゅじゅしじ】
...種種〔しゅじゅ〕の地〔じ〕に住〔じゅう〕せるを、

【唯有如来。:ゆいうにょらい】
...唯〔ただ〕如来〔にょらい〕のみ有〔あ〕って、

【如實見之。:にょじっけんし】
...如實〔にょじつ〕に之〔これ〕を見〔み〕て

【明了無礙。:みょうりょうむげ】
...明了〔みょうりょう〕無礙〔むげ〕なり。

【如彼卉木叢林。:にょひきもくそうりん】
...彼〔か〕の卉木〔きもく〕叢林〔そうりん〕、

【諸薬草等。:しょやくそうとう】
...諸〔もろもろ〕の薬草等〔やくそうとう〕の、

【而不自知。:にふじち】
...而〔しか〕も自〔みずか〕ら

【上中下性。:じょうちゅうげしょう】
...上〔じょう〕中〔ちゅう〕下〔げ〕の性〔しょう〕を知〔し〕らざるが如〔ごと〕し。

【如来知是。:にょらいちぜ】
...如来〔にょらい〕は是〔こ〕れ

【一相一味之法。:いちそういちみしほう】
...一相〔いちそう〕一味〔いちみ〕の法〔ほう〕なりと知〔し〕れり。

【所謂解脱相。:しょいげだっそう】
...所謂〔いわゆる〕、解脱相〔げだつそう〕、

【離相滅相。:りそうめっそう】
...離相〔りそう〕滅相〔めっそう〕、

【究竟涅槃。:くきょうねはん】
...究竟〔くきょう〕の涅槃〔ねはん〕、

【常寂滅相。:じょうじゃくめっそう】
...常寂〔じょうじゃく〕の滅相〔めっそう〕にして、

【終歸於空。:じゅうきおくう】
...終〔つい〕に空〔くう〕に歸〔き〕す。

【佛知是已。:ぶっちぜい】
...佛〔ほとけ〕、是〔これ〕を知〔し〕り已〔おわ〕れども、

【観衆生心欲。:かんしゅじょうしんよく】
...衆生〔しゅじょう〕の心欲〔しんよく〕を観〔かん〕じて

【而将護之。:にしょうごし】
...之〔これ〕を将護〔しょうご〕す。

【是故不即為説。:ぜこふそくいせつ】
...是〔こ〕の故〔ゆえ〕に、即〔すなわ〕ち

【一切種智。:いっさいしゅち】
...為〔ため〕に一切〔いっさい〕種智〔しゅち〕を説〔と〕かず。

【汝等迦葉。:にょとうかしょう】
...汝等〔なんだち〕迦葉〔かしょう〕、

【甚為希有。:じんにけう】
...甚〔はなは〕だ為〔こ〕れ希有〔けう〕なり。

【能知如来。:のうちにょらい】
...能〔よ〕く如来〔にょらい〕の

【随宜説法。:ずいぎせっぽう】
...随宜〔ずいぎ〕の説法〔せっぽう〕を知〔し〕って、

【能信能受。:のうしんのうじゅ】
...能〔よ〕く信〔しん〕じ能〔よ〕く受〔う〕く。

【所以者何。:しょいしゃが】
...所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【諸佛世尊。:しょぶっせそん】
...諸佛〔しょぶつ〕世尊〔せそん〕の

【随宜説法。:ずいぎせっぽう】
...随宜〔ずいぎ〕の説法〔せっぽう〕は、

【難解難知。:なんげなんち】
...解〔げ〕し難〔がた〕く知〔し〕り難〔がた〕ければなり。

【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、

【破有法王:はうほうおう】
...有〔う〕を破〔は〕する法王〔ほうおう〕

【出現世間:しゅつげんせけん】
...世間〔せけん〕に出現〔しゅつげん〕して

【随衆生欲:ずいしゅじょうよく】
...衆生〔しゅじょう〕の欲〔よく〕に随〔したが〕って

【種種説法:しゅじゅせっぽう】
...種種〔しゅじゅ〕に法〔ほう〕を説〔と〕きたまう

【如来尊重:にょらいそんじゅう】
...如来〔にょらい〕は尊重〔そんじゅう〕にして

【智慧深遠:ちえじんのん】
...智慧〔ちえ〕深遠〔じんのん〕なり

【久黙斯要:くもくしよう】
...久〔ひさ〕しく斯〔こ〕の要〔よう〕を黙〔もく〕して

【不務速説:ふむそくせつ】
...務〔いそ〕ぎて速〔すみや〕かに説〔と〕きたまわず

【有智若聞:うちにゃくもん】
...智〔ち〕有〔あ〕るは若〔も〕し聞〔き〕いては

【則能信解:そくのうしんげ】
...則〔すなわ〕ち能〔よ〕く信解〔しんげ〕し

【無智疑悔:むちぎけ】
...智〔ち〕無〔な〕きは疑悔〔ぎけ〕して

【則為永失:そくいようしつ】
...則〔すなわ〕ち永〔なが〕く失〔うしな〕う為〔な〕し

【是故迦葉:ぜこかしょう】
...是〔こ〕の故〔ゆえ〕に迦葉〔かしょう〕

【随力為説:ずいりきいせつ】
...力〔ちから〕に随〔したが〕いて為〔ため〕に説〔と〕いて

【以種種縁:いしゅじゅえん】
...種種〔しゅじゅ〕の縁〔えん〕を以〔もっ〕て

【令得正見:りょうとくしょうけん】
...正見〔しょうけん〕を得〔え〕せしむ

【迦葉當知:かしょうとうち】
...迦葉〔かしょう〕當〔まさ〕に知〔し〕るべし

【譬如大雲:ひにょだいうん】
...譬〔たと〕えば大雲〔だいうん〕の

【起於世間:きおせけん】
...世間〔せけん〕に起〔おこ〕って

【遍覆一切:へんぷいっさい】
...遍〔あまね〕く一切〔いっさい〕を覆〔おお〕うに

【恵雲含潤:えうんがんにん】
...恵雲〔えうん〕は潤〔うるおい〕を含〔ふく〕み

【電光晃曜:でんこうこうよう】
...電光〔でんこう〕晃〔て〕り曜〔かがや〕き

【雷声遠震:らいしょうおんしん】
...雷声〔らいしょう〕遠〔とお〕く震〔ふる〕いて

【令衆悦予:りょうしゅえっちょ】
...衆〔しゅ〕をして悦予〔えっちょ〕せしめ

【日光掩蔽:にっこうえんべい】
...日光〔にっこう〕掩〔おお〕い蔽〔かく〕して

【地上清涼:じじょうしょうりょう】
...地〔じ〕の上〔うえ〕清涼〔せいりょう〕に

【靉靆垂布:あいだいすいふ】
...靉靆〔あいだい〕垂布〔すいふ〕して

【如可承攬:にょかじょうらん】
...承攬〔じょうらん〕すべきが如〔ごと〕く

【其雨普等:ごうふとう】
...其〔そ〕の雨〔あめ〕普等〔ふとう〕にして

【四方倶下:しほうくげ】
...四方〔しほう〕に倶〔とも〕に下〔くだ〕り

【流澍無量:るじゅむりょう】
...流澍〔るじゅ〕すること無量〔むりょう〕にして

【率土充洽:そつどじゅうごう】
...率土〔そつど〕充〔み〕ち洽〔うるお〕う

【山川険谷:せんぜんけんこく】
...山川〔せんぜん〕険谷〔けんこく〕の

【幽邃所生:ゆすいしょしょう】
...幽邃〔ゆうすい〕に生〔お〕いたる所〔ところ〕の

【卉木薬草:きもくやくそう】
...卉木〔きもく〕薬草〔やくそう〕

【大小諸樹:だいしょうしょじゅ】
...大小〔だいしょう〕の諸樹〔しょじゅ〕

【百穀苗稼:ひゃくこくみょうけ】
...百穀〔ひゃっこく〕苗稼〔みょうけ〕

【甘蔗蒲萄:かんじゃぶどう】
...甘蔗〔かんじゃ〕蒲萄〔ぶどう〕

【雨之所潤:うししょにん】
...雨〔あめ〕の潤〔うるお〕す所〔ところ〕

【無不豊足:むふぶそく】
...豊〔ゆた〕かに足〔た〕らざること無〔な〕く

【乾地普洽:かんじふごう】
...乾地〔かんじ〕は普〔あまね〕く洽〔うるお〕い

【薬木並茂:やくもくびょうむ】
...薬木〔やくもく〕並〔ならび〕に茂〔しげ〕り

【其雲所出:ごうんしょしゅつ】
...其〔そ〕の雲〔くも〕より出〔い〕ずる所〔ところ〕の

【一味之水:いちみしすい】
...一味〔いちみ〕の水〔みず〕に

【草木叢林:そうもくそうりん】
...草木〔そうもく〕叢林〔そうりん〕

【随分受潤:ずいぶんじゅにん】
...分〔ぶん〕に随〔したが〕って潤〔うるおい〕を受〔う〕く

【一切諸樹:いっさいしょじゅ】
...一切〔いっさい〕の諸樹〔しょじゅ〕

【上中下等:じょうちゅうげとう】
...上〔じょう〕中〔ちゅう〕下〔げ〕等〔ひと〕しく

【称其大小:しょうごだいしょう】
...其〔そ〕の大小〔だいしょう〕に称〔かな〕いて

【各得生長:かくとくしょうじょう】
...各〔おのおの〕生長〔しょうじょう〕することを得〔え〕

【根茎枝葉:こんきょうしよう】
...根茎〔こんきょう〕枝葉〔しよう〕

【華果光色:けかこうしき】
...華果〔けか〕光色〔こうしき〕

【一雨所及:いちうしょぎゅう】
...一雨〔いちう〕の及〔およ〕ぼす所〔ところ〕

【皆得鮮沢:かいとくせんたく】
...皆〔みな〕鮮沢〔せんたく〕することを得〔う〕

【如其體相:にょごたいそう】
...其〔そ〕の體相〔たいそう〕

【性分大小:しょうぶんだいしょう】
...性〔しょう〕の大小〔だいしょう〕に分〔わか〕れたるが如〔ごと〕く

【所潤是一:しょにんぜいち】
...潤〔うるお〕す所〔ところ〕是〔こ〕れ一〔いち〕なれども

【而各滋茂:にかくしむ】
...而〔しか〕も各〔おのおの〕滋茂〔しげ〕るが如〔ごと〕し

【佛亦如是:ぶっちゃくにょぜ】
...佛〔ほとけ〕も亦〔また〕是〔かく〕の如〔ごと〕し

【出現於世:しゅつげんのせ】
...世〔よ〕に出現〔しゅつげん〕したもうこと

【譬如大雲:ひにょだいうん】
...譬〔たと〕えば大雲〔だいうん〕の

【普覆一切:ふふいっさい】
...普〔あまね〕く一切〔いっさい〕に覆〔おお〕うが如〔ごと〕し

【既出于世:きしゅっつせ】
...既〔すで〕に世〔よ〕に出〔い〕でぬれば

【為諸衆生:いしょしゅじょう】
...諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕の為〔ため〕に

【分別演説:ふんべつえんぜつ】
...①

【諸法之實:しょほうしじつ】
...諸法〔しょほう〕の實〔じつ〕を①分別〔ふんべつ〕し演説〔えんぜつ〕したもう

【大聖世尊:だいしょうせそん】
...大聖世尊〔だいしょうせそん〕

【於諸天人:おしょてんにん】
...諸〔もろもろ〕の天人〔てんにん〕

【一切衆中:いっさいしゅちゅう】
...一切〔いっさい〕衆〔しゅ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て

【而宣是言:にせんぜごん】
...是〔こ〕の言〔ことば〕を宣〔の〕べたもう

【我為如来:がいにょらい】
...我〔われ〕は為〔こ〕れ如来〔にょらい〕

【両足之尊:りょうそくしそん】
...両足〔りょうそく〕の尊〔そん〕なり

【出于世間:しゅっつせけん】
...世間〔せけん〕に出〔い〕ずること

【猶如大雲:ゆにょだいうん】
...猶〔なお〕大雲〔だいうん〕の如〔ごと〕し

【充潤一切:じゅうにんいっさい】
...一切〔いっさい〕の枯槁〔ここう〕の

【枯槁衆生:ここうしゅじょう】
...衆生〔しゅじょう〕を充潤〔じゅうにん〕して

【皆令離苦:かいりょうりく】
...皆〔みな〕苦〔く〕を離〔はな〕れて

【得安穏楽:とくあんのんらく】
...安穏〔あんのん〕の楽〔らく〕

【世間之楽:せけんしらく】
...世間〔せけん〕の楽〔らく〕

【及涅槃楽:ぎゅうねはんらく】
...及〔およ〕び涅槃〔ねはん〕の楽〔らく〕を得〔え〕せしむ

【諸天人衆:しょてんにんじゅ】
...諸〔もろもろ〕の天人衆〔てんにんしゅ〕

【一心善聴:いっしんぜんちょう】
...一心〔いっしん〕に善〔よ〕く聴〔き〕け

【皆應到此:かいおうとうし】
...皆〔みな〕應〔まさ〕に此〔ここ〕に到〔いた〕って

【覲無上尊:ごんむじょうそん】
...無上尊〔むじょうそん〕を覲〔み〕るべし

【我為世尊:がいせそん】
...我〔われ〕は為〔こ〕れ世尊〔せそん〕なり

【無能及者:むのうぎっしゃ】
...能〔よ〕く及〔およ〕ぶ者〔もの〕無〔な〕し

【安穏衆生:あんのんしゅじょう】
...衆生〔しゅじょう〕を安穏〔あんのん〕ならしめんが故〔ゆえ〕に

【故現於世:こげんのせ】
...世〔よ〕に現〔げん〕じて

【為大衆説:いだいしゅせつ】
...大衆〔だいしゅ〕の為〔ため〕に

【甘露浄法:かんろじょうほう】
...甘露〔かんろ〕の浄法〔じょうほう〕を説〔と〕く

【其法一味:ごほういちみ】
...其〔そ〕の法〔ほう〕一味〔いちみ〕にして

【解脱涅槃:げだつねはん】
...解脱〔げだつ〕涅槃〔ねはん〕なり

【以一妙音:いいちみょうおん】
...一〔いち〕の妙音〔みょうおん〕を以〔もっ〕て

【演暢斯義:えんちょうしぎ】
...斯〔こ〕の義〔ぎ〕を演暢〔えんちょう〕す

【常為大乗:じょういだいじょう】
...常〔つね〕に大乗〔だいじょう〕の為〔ため〕に

【而作因縁:にさいんねん】
...而〔しか〕も因縁〔いんねん〕を作〔な〕す

【我観一切:がかんいっさい】
...我〔われ〕一切〔いっさい〕を観〔み〕ること

【普皆平等:ふかいびょうどう】
...普〔あまね〕く皆〔みな〕平等〔びょうどう〕にして

【無有彼此:むうひし】
...彼此〔ひし〕

【愛憎之心:あいぞうししん】
...愛憎〔あいぞう〕の心〔こころ〕有〔あ〕ること無〔な〕し

【我無貪著:がむとんじゃく】
...我〔われ〕貪著〔とんじゃく〕無〔な〕く

【亦無限礙:やくむげんげ】
...亦〔また〕限礙〔げんげ〕無〔な〕し

【恒為一切:ごういいっさい】
...恒〔つね〕に一切〔いっさい〕の為〔ため〕に

【平等説法:びょうどうせっぽう】
...平等〔びょうどう〕に法〔ほう〕を説〔と〕く

【如為一人:にょいいちにん】
...一人〔いちにん〕の為〔ため〕にするが如〔ごと〕く

【衆多亦然:しゅたやくねん】
...衆多〔しゅた〕も亦〔また〕然〔しか〕なり

【常演説法:じょうえんぜっぽう】
...常〔つね〕に法〔ほう〕を演説〔えんぜつ〕して

【曾無他事:ぞうむたじ】
...曾〔かつ〕て他事〔たじ〕無〔な〕し

【去来坐立:こらいざりゅう】
...去来〔こらい〕坐立〔ざりゅう〕

【終不疲厭:じゅうふひえん】
...終〔つい〕に疲厭〔ひえん〕せず

【充足世間:じゅうそくせけん】
...世間〔せけん〕に充足〔じゅうそく〕すること

【如雨普潤:にょうふにん】
...雨〔あめ〕の普〔あまね〕く潤〔うるお〕すが如〔ごと〕し

【貴賤上下:きせんじょうげ】
...貴賤〔きせん〕上下〔じょうげ〕

【持戒毀戒:じかいきかい】
...持戒〔じかい〕毀戒〔きかい〕

【威儀具足:いぎぐそく】
...威儀〔いぎ〕具足〔ぐそく〕せる

【及不具足:ぎゅうふぐそく】
...及〔およ〕び具足〔ぐそく〕せざる

【正見邪見:しょうけんじゃけん】
...正見〔しょうけん〕邪見〔じゃけん〕

【利根鈍根:りこんどんこん】
...利根〔りこん〕鈍根〔どんこん〕に

【等雨法雨:とううほうう】
...等〔ひと〕しく法雨〔ほうう〕を雨〔ふ〕らして

【而無懈倦:にむけけん】
...而〔しか〕も懈倦〔けけん〕無〔な〕し

【一切衆生:いっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕の

【聞我法者:もんがほうしゃ】
...我〔わ〕が法〔ほう〕を聞〔き〕く者〔もの〕は

【随力所受:ずいりきしょじゅ】
...力〔ちから〕の受〔う〕くる所〔ところ〕に随〔したが〕って

【住於諸地:じゅうおしょじ】
...諸〔もろもろ〕の地〔じ〕に住〔じゅう〕す

【或処人天:わくしょにんでん】
...或〔あるい〕は人天〔にんてん〕

【転輪聖王:てんりんじょうおう】
...転輪聖王〔てんりんじょうおう〕

【釋梵諸王:しゃくぼんしょおう】
...釋梵〔しゃくぼん〕諸王〔しょおう〕に処〔しょ〕する

【是小薬草:ぜしょうやくそう】
...是〔こ〕れ小〔しょう〕の薬草〔やくそう〕なり

【知無漏法:ちむろほう】
...無漏〔むろ〕の法〔ほう〕を知〔し〕って

【能得涅槃:のうとくねはん】
...能〔よ〕く涅槃〔ねはん〕を得〔え〕

【起六神通:きろくじんづう】
...六神通〔ろくじんづう〕を起〔おこ〕し

【及得三明:ぎっとくさんみょう】
...及〔およ〕び三明〔さんみょう〕を得〔え〕

【独処山林:どくしょせんりん】
...独〔ひとり〕山林〔せんりん〕に処〔しょ〕して

【常行禅定:じょうぎょうぜんじょう】
...常〔つね〕に禅定〔ぜんじょう〕を行〔ぎょう〕じ

【得縁覚證:とくえんがくしょう】
...縁覚〔えんがく〕の證〔しょう〕を得〔う〕る

【是中薬草:ぜちゅうやくそう】
...是〔こ〕れ中〔ちゅう〕の薬草〔やくそう〕なり

【求世尊処:ぐせそんしょ】
...世尊〔せそん〕の処〔しょ〕を求〔もと〕めて

【我當作佛:がとうさぶつ】
...我〔われ〕當〔まさ〕に作佛〔さぶつ〕すべしと

【行精進定:ぎょうしょうじんじょう】
...精進定〔しょうじんじょう〕を行〔ぎょう〕ずる

【是上薬草:ぜじょうやくそう】
...是〔こ〕れ上〔じょう〕の薬草〔やくそう〕なり

【又諸佛子:うしょぶっし】
...又〔また〕諸〔もろもろ〕の佛子〔ぶっし〕

【専心佛道:せんしんぶつどう】
...心〔こころ〕を佛道〔ぶつどう〕に専〔もっぱ〕らにして

【常行慈悲:じょうぎょうじひ】
...常〔つね〕に慈悲〔じひ〕を行〔ぎょう〕じ

【自知作佛:じちさぶつ】
...自〔みずか〕ら作佛〔さぶつ〕せんこと

【決定無疑:けつじょうむぎ】
...決定〔けつじょう〕して疑〔うたがい〕無〔な〕しと知〔し〕る

【是名小樹:ぜみょうしょうじゅ】
...是〔これ〕を小樹〔しょうじゅ〕と名〔な〕づく

【安住神通:あんじゅうじんづう】
...神通〔じんづう〕に安住〔あんじゅう〕して

【転不退輪:てんふたいりん】
...不退〔ふたい〕の輪〔りん〕を転〔てん〕じ

【度無量億:どむりょうおく】
...無量億〔むりょうおく〕

【百千衆生:ひゃくせんしゅじょう】
...百千〔ひゃくせん〕の衆生〔しゅじょう〕を度〔ど〕する

【如是菩薩:にょぜぼさつ】
...是〔かく〕の如〔ごと〕きの菩薩〔ぼさつ〕を

【名為大樹:みょういだいじゅ】
...名〔な〕づけて大樹〔だいじゅ〕と為〔な〕す

【佛平等説:ぶつびょうどうせつ】
...佛〔ほとけ〕の平等〔びょうどう〕の説〔せつ〕

【如一味雨:にょいちみう】
...一味〔いちみ〕の雨〔あめ〕の如〔ごと〕し

【随衆生性:ずいしゅじょうしょう】
...衆生〔しゅじょう〕の性〔しょう〕に随〔したが〕って

【所受不同:しょじゅふどう】
...受〔う〕くる所〔ところ〕不同〔ふどう〕なること

【如彼草木:にょひそうもく】
...彼〔か〕の草木〔そうもく〕の

【所稟各異:しょほんかくい】
...禀〔う〕くる所〔ところ〕各〔おのおの〕異〔ことな〕るが如〔ごと〕し

【佛以此喩:ぶっちしゆ】
...佛〔ほとけ〕此〔こ〕の喩〔たとえ〕を以〔もっ〕て

【方便開示:ほうべんかいじ】
...方便〔ほうべん〕して開示〔かいじ〕し

【種種言辞:しゅじゅごんじ】
...種種〔しゅじゅ〕の言辞〔ごんじ〕をもって

【演説一法:えんぜついっぽう】
...一法〔いっぽう〕を演説〔えんぜつ〕すれども

【於佛智慧:おぶっちえ】
...佛〔ほとけ〕の智慧〔ちえ〕に於〔おい〕ては

【如海一滴:にょかいいっちゃく】
...海〔うみ〕の一滴〔いってき〕の如〔ごと〕し

【我雨法雨:がうほうう】
...我〔われ〕法雨〔ほうう〕を雨〔ふ〕らして

【充満世間:じゅうまんせけん】
...世間〔せけん〕に充満〔じゅうまん〕す

【一味之法:いちみしほう】
...一味〔いちみ〕の法〔ほう〕を

【随力修行:ずいりきしゅぎょう】
...力〔ちから〕に随〔したが〕って修行〔しゅぎょう〕すること

【如彼叢林:にょひそうりん】
...彼〔か〕の叢林〔そうりん〕

【薬草諸樹:やくそうしょじゅ】
...薬草〔やくそう〕諸樹〔しょじゅ〕の

【随其大小:ずいごだいしょう】
...其〔そ〕の大小〔だいしょう〕に随〔したが〕って

【漸増茂好:ぜんぞうむこう】
...漸〔ようや〕く茂好〔むこう〕を増〔ま〕すが如〔ごと〕し

【諸佛之法:しょぶっしほう】
...諸佛〔しょぶつ〕の法〔ほう〕は

【常以一味:じょういいちみ】
...常〔つね〕に一味〔いちみ〕を以〔もっ〕て

【令諸世間:りょうしょせけん】
...諸〔もろもろ〕の世間〔せけん〕をして

【普得具足:ふとくぐそく】
...普〔あまね〕く具足〔ぐそく〕することを得〔え〕せしめたもう

【漸次修行:ぜんじしゅぎょう】
...漸次〔ぜんじ〕に修行〔しゅぎょう〕して

【皆得道果:かいとくどうか】
...皆〔みな〕道果〔どうか〕を得〔う〕

【声聞縁覚:しょうもんえんがく】
...声聞〔しょうもん〕縁覚〔えんがく〕の

【処於山林:しょおせんりん】
...山林〔せんりん〕に処〔しょ〕し

【住最後身:じゅうさいごしん】
...最後身〔さいごしん〕に住〔じゅう〕して

【聞法得果:もんぼうとっか】
...法〔ほう〕を聞〔き〕いて果〔か〕を得〔う〕る

【是名薬草:ぜみょうやくそう】
...是〔これ〕を薬草〔やくそう〕の

【各得増長:かくとくぞうじょう】
...各〔おのおの〕増長〔ぞうじょう〕することを得〔う〕と名〔な〕づく

【若諸菩薩:にゃくしょぼさつ】
...若〔も〕し諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕

【智慧堅固:ちえけんご】
...智慧〔ちえ〕堅固〔けんご〕にして

【了達三界:りょうだっさんがい】
...三界〔さんがい〕を了達〔りょうだつ〕し

【求最上乗:ぐさいじょうじょう】
...最上乗〔さいじょうじょう〕を求〔もと〕むる

【是名小樹:ぜみょうしょうじゅ】
...是〔これ〕を小樹〔しょうじゅ〕の

【而得増長:にとくぞうじょう】
...而〔しか〕も増長〔ぞうじょう〕することを得〔う〕と名〔な〕づく

【復有住禅:ぶうじゅうぜん】
...復〔また〕禅〔ぜん〕に住〔じゅう〕して

【得神通力:とくじんづうりき】
...神通力〔じんづうりき〕を得〔え〕

【聞諸法空:もんしょほうくう】
...諸法〔しょほう〕の空〔くう〕を聞〔き〕いて

【心大歓喜:しんだいかんぎ】
...心〔こころ〕大〔おお〕いに歓喜〔かんぎ〕し

【放無数光:ほうむしゅこう】
...無数〔むしゅ〕の光〔ひかり〕を放〔はな〕って

【度諸衆生:どしょしゅじょう】
...諸〔もろもろ〕の衆生〔しゅじょう〕を度〔ど〕すること有〔あ〕る

【是名大樹:ぜみょうだいじゅ】
...是〔これ〕を大樹〔だいじゅ〕の

【而得増長:にとくぞうじょう】
...而〔しか〕も増長〔ぞうじょう〕することを得〔う〕と名〔な〕づく

【如是迦葉:にょぜかしょう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕く迦葉〔かしょう〕

【佛所説法:ぶっしょせっぽう】
...佛〔ほとけ〕の所説〔しょせつ〕の法〔ほう〕は

【譬如大雲:ひにょだいうん】
...譬〔たと〕えば大雲〔だいうん〕の

【以一味雨:いいちみう】
...一味〔いちみ〕の雨〔あめ〕を以〔もっ〕て

【潤於人華:にんのにんげ】
...人華〔にんげ〕を潤〔うるお〕して

【各得成實:かくとくじょうじつ】
...各〔おのおの〕實〔み〕成〔な〕ることを得〔え〕せしむるが如〔ごと〕し

【迦葉當知:かしょうとうち】
...迦葉〔かしょう〕當〔まさ〕に知〔し〕るべし

【以諸因縁:いしょいんねん】
...諸〔もろもろ〕の因縁〔いんねん〕

【種種譬喩:しゅじゅひゆ】
...種種〔しゅじゅ〕の譬喩〔ひゆ〕を以〔もっ〕て

【開示佛道:かいじぶつどう】
...佛道〔ぶつどう〕を開示〔かいじ〕す

【是我方便:ぜがほうべん】
...是〔こ〕れ我〔わ〕が方便〔ほうべん〕なり

【諸佛亦然:しょぶつやくねん】
...諸佛〔しょぶつ〕も亦〔また〕然〔しか〕なり

【今為汝等:こんににょとう】
...今〔いま〕汝等〔なんだち〕が為〔ため〕に

【説最實事:せっさいじつじ】
...最〔さい〕實事〔じつじ〕を説〔と〕く

【諸声聞衆:しょしょうもんじゅ】
...諸〔もろもろ〕の声聞衆〔しょうもんしゅ〕は

【皆非滅度:かいひめつど】
...皆〔みな〕滅度〔めつど〕せるに非〔あら〕ず

【汝等所行:にょとうしょぎょう】
...汝等〔なんだち〕が所行〔しょぎょう〕は

【是菩薩道:ぜぼさつどう】
...是〔こ〕れ菩薩〔ぼさつ〕の道〔どう〕なり

【漸漸修学:ぜんぜんしゅがく】
...漸漸〔ぜんぜん〕に修学〔しゅがく〕して

【悉當成佛:しっとうじょうぶつ】
...悉〔ことごと〕く當〔まさ〕に成佛〔じょうぶつ〕すべし



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