日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


妙法蓮華經 安楽行品第十四


【妙法蓮華經安楽行品第十四:みょうほうれんげきょうあんらくぎょうほんだいじゅうし】
妙法蓮華經〔みょうほうれんげきょう〕 安楽行品第十四〔あんらくぎょうほんだいじゅうし〕




【爾時文殊師利法王子。:にじもんじゅしりほうおうじ】
爾〔そ〕の時〔とき〕に文殊師利法王子〔もんじゅしりほうおうじ〕

【菩薩摩訶薩。:ぼさつまかさつ】
菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【白佛言。:びゃくぶつごん】
佛〔ほとけ〕に白〔もう〕して言〔もう〕さく、

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【是諸菩薩。:ぜしょぼさつ】
...是〔こ〕の諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕は、

【甚為難有。:じんになんぬ】
...甚〔はなは〕だ為〔こ〕れ有〔あ〕り難〔がた〕し。

【敬順佛故。:きょうじゅんぶっこ】
...佛〔ほとけ〕に敬順〔きょうじゅん〕したてまつるが故〔ゆえ〕に、

【發大誓願。:ほつだいせいがん】
...大誓願〔だいせいがん〕を發〔おこ〕す。

【於後惡世。:おごあくせ】
....後〔のち〕の惡世〔あくせ〕に於〔おい〕て、

【護持読誦。:ごじどくじゅ】
....①

【説是法華經。:せつぜほけきょう】
....是〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕を、①護持〔ごじ〕し、読誦〔どくじゅ〕し、説〔と〕かん。

【世尊。:せそん】
...世尊〔せそん〕、

【菩薩摩訶薩。:ぼさつまかさつ】
...菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【於後惡世。:おごあくせ】
...後〔のち〕の惡世〔あくせ〕に於〔おい〕て、

【云何能説是經。:うんがのうせつぜきょう】
...云何〔いかん〕が能〔よ〕く是〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かん。

【佛告文殊師利。:ぶつごうもんじゅしり】
佛〔ほとけ〕、文殊師利〔もんじゅしり〕に告〔つ〕げたまわく、

【若菩薩摩訶薩。:にゃくぼさつまかさつ】
...若〔も〕し菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【於後惡世。:おごあくせ】
...後〔のち〕の惡世〔あくせ〕に於〔おい〕て

【欲説是經。:よくせつぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かんと欲〔ほっ〕せば、

【當安住四法。:とうあんじゅうしほう】
...當〔まさ〕に四法〔しほう〕に安住〔あんじゅう〕すべし。

【一者安住菩薩行処。:いちしゃあんじゅうぼさつぎょうしょ】
...一〔いち〕には菩薩〔ぼさつ〕の行処〔ぎょうしょ〕、

【親近処。:しんごんしょ】
...親近処〔しんごんしょ〕に安住〔あんじゅう〕して、

【能為衆生。:のういしゅじょう】
...能〔よ〕く衆生〔しゅじょう〕の為〔ため〕に

【演説是經。:えんぜつぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を演説〔えんぜつ〕すべし。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【云何名菩薩摩訶薩行処。:うんがみょうぼさつまかさつぎょうしょ】
...云何〔いかん〕なるをか菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕の行処〔ぎょうしょ〕と名〔な〕づくる。

【若菩薩摩訶薩。:にゃくぼさつまかさつ】
...若〔も〕し菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【住忍辱地。:じゅうにんにくじ】
...忍辱〔にんにく〕の地〔じ〕に住〔じゅう〕し、

【柔和善順。:にゅうわぜんじゅん】
...柔和〔にゅうわ〕善順〔ぜんじゅん〕にして、

【而不卒暴。:にふそつぼう】
...卒暴〔そつぼう〕ならず、

【心亦不驚。:しんやくふきょう】
...心〔こころ〕亦〔また〕驚〔おどろ〕かず、

【又復於法。:うぶおほう】
...又復〔またまた〕、法〔ほう〕に於〔おい〕て

【無所行。:むしょぎょう】
...行〔ぎょう〕ずる所〔ところ〕無〔な〕くして、

【而観諸法如實相。:にかんしょほうにょじっそう】
...諸法〔しょほう〕如實〔にょじつ〕の相〔そう〕を観〔かん〕じ、

【亦不行不分別。:やくふぎょうふふんべつ】
...亦〔また〕不分別〔ふふんべつ〕をも行〔ぎょう〕ぜざる、

【是名菩薩摩訶薩行処。:ぜみょうぼさつまかさつぎょうしょ】
...是〔これ〕を菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕の行処〔ぎょうしょ〕と名〔な〕づく。

【云何名菩薩摩訶薩親近処。:うんがみょうぼさつまかさつしんごんしょ】
...云何〔いかん〕なるをか菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕の親近処〔しんごんしょ〕と名〔な〕づくる。

【菩薩摩訶薩。:ぼさつまかさつ】
...菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕は、

【不親近。:ふしんごん】
...②

【国王。:こくおう】
...国王〔こくおう〕、

【王子。:おうじ】
...王子〔おうじ〕、

【大臣。:だいじん】
...大臣〔だいじん〕、

【官長。:かんちょう】
...官長〔かんちょう〕に②親近〔しんごん〕せざれ。

【不親近。:ふしんごん】
...③

【諸外道。:しょげどう】
...諸〔もろもろ〕の外道〔げどう〕、

【梵志。:ぼんじ】
...梵志〔ぼんし〕、

【尼揵子等。:にけんじとう】
...尼揵子等〔にけんしとう〕、

【及造世俗文筆。:ぎゅうぞうせぞくもんぴつ】
...及〔およ〕び世俗〔せぞく〕の文筆〔もんぴつ〕、

【讃詠外書。:さんようげしょ】
...讃詠〔さんよう〕の外書〔げしょ〕を造〔つく〕ると、

【及路伽耶陀。:ぎゅうろかやだ】
...及〔およ〕び路伽耶陀〔ろかやだ〕、

【逆路伽耶陀者。:ぎゃくろがやだしゃ】
...逆路伽耶陀〔ぎゃくろかやだ〕の者〔もの〕に③親近〔しんごん〕せざれ。

【亦不親近。:やくふしんごん】
...亦〔また〕、④

【諸有凶戯。:しょうくけ】
...諸〔もろもろ〕の有〔あ〕らゆる凶戯〔くけ〕、

【相扠。:そうしゃ】
...相扠〔そうしゃ〕、

【相撲。:そうぼく】
...相撲〔そうぼく〕、

【及那羅等。:ぎゅうならとう】
...及〔およ〕び那羅等〔ならとう〕の

【種種変現之戯。:しゅじゅへんげんしけ】
...種種〔しゅじゅ〕の変現〔へんげん〕の戯〔たわむれ〕に④親近〔しんごん〕せざれ。

【又不親近。:うふしんごん】
...又〔また〕⑤

【旃陀羅。:せんだら】
...旃陀羅〔せんだら〕、

【及畜猪羊雞狗。:ぎゅうちくちょようけいく】
...及〔およ〕び猪羊〔ちょよう〕雞狗〔けいく〕を畜〔やしな〕い、

【畋猟漁捕。:でんりょうごぶ】
...畋猟〔でんりょう〕漁捕〔ごぶ〕する

【諸惡律儀。:しょあくりつぎ】
...諸〔もろもろ〕の惡律儀〔あくりつぎ〕に⑤親近〔しんごん〕せざれ。

【如是人等。:にょぜにんとう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き人等〔ひとら〕、

【或時来者。:わくじらいしゃ】
...或時〔あるとき〕に来〔きた〕らば、

【則為説法。:そくいせっぽう】
...則〔すなわ〕ち為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕いて、

【無所悕望。:むしょけもう】
...悕望〔けもう〕する所〔ところ〕無〔な〕かれ。

【又不親近求声聞。:うふしんごんぐしょうもん】
...又〔また〕、声聞〔しょうもん〕を求〔もと〕むる⑥

【比丘。:びく】
...比丘〔びく〕、

【比丘尼。:びくに】
...比丘尼〔びくに〕、

【優婆塞。:うばそく】
...優婆塞〔うばそく〕、

【優婆夷。:うばい】
...優婆夷〔うばい〕に⑥親近〔しんごん〕せざれ。

【亦不問訊。:やくふもんじん】
...亦〔また〕問訊〔もんじん〕せざれ。

【若於房中。:にゃくおぼうちゅう】
...若〔も〕しは房中〔ぼうちゅう〕に於〔おい〕ても、

【若經行処。:にゃくきょうぎょうしょ】
...若〔も〕しは經行〔きょうぎょう〕の処〔ところ〕、

【若在講堂中。:にゃくざいこうどうちゅう】
...若〔も〕しは講堂〔こうどう〕の中〔なか〕に在〔あ〕っても、

【不共住止。:ふぐじゅうし】
...共〔とも〕に住止〔じゅうし〕せざれ。

【或時来者。:わくじらいしゃ】
...或時〔あるとき〕に来〔きた〕らば、

【随宜説法。:ずいぎせっぽう】
...宜〔よろ〕しきに随〔したが〕って法〔ほう〕を説〔と〕いて、

【無所悕求。:むしょけぐ】
...悕求〔けぐ〕する所〔ところ〕無〔な〕かれ。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【又菩薩摩訶薩。:うぼさつまかさつ】
...又〔また〕菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕は、

【不應於女人身。:ふおうおにょにんしん】
...應〔まさ〕に女人〔にょにん〕の身〔み〕に於〔おい〕て、

【取能生欲想相。:しゅのうしょうよくそうそう】
...能〔よ〕く欲想〔よくそう〕を生〔しょう〕ずる相〔そう〕を取〔と〕って、

【而為説法。:にいせっぽう】
...為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕くべからず。

【亦不楽見。:やくふぎょうけん】
...亦〔また〕見〔み〕んと楽〔ねが〕わざれ。

【若入他家。:にゃくにゅうたけ】
...若〔も〕し他〔た〕の家〔いえ〕に入〔い〕らんには、

【不与小女。:ふよしょうにょ】
...小女〔しょうにょ〕、

【処女寡女等共語。:しょにょけにょとうぐご】
...処女〔しょにょ〕、寡女等〔けにょら〕と共〔とも〕に語〔かた〕らざれ。

【亦復不近。:やくぶふごん】
...亦復〔またまた〕、

【五種不男之人。:ごしゅふなんしにん】
...五種不男〔ごしゅふなん〕の人〔ひと〕に近〔ちか〕づいて、

【以為親厚。:いいしんこう】
...以〔もっ〕て親厚〔しんこう〕を為〔な〕さざれ。

【不独入他家。:ふどくにゅうたけ】
...独〔ひとり〕他〔た〕の家〔いえ〕に入〔い〕らざれ。

【若有因縁。:にゃくういんねん】
...若〔も〕し因縁〔いんねん〕有〔あ〕って、

【須独入時。:しゅどくにゅうじ】
...独〔ひとり〕入〔い〕ることを須〔もち〕いん時〔とき〕には、

【但一心念佛。:たんいっしんねんぶつ】
...但〔ただ〕一心〔いっしん〕に佛〔ほとけ〕を念〔ねん〕ぜよ。

【若為女人説法。:にゃくいにょにんせっぽう】
...若〔も〕し女人〔にょにん〕の為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕かんには、

【不露歯笑。:ふろししょう】
...歯〔は〕を露〔あらわ〕にして笑〔え〕まざれ。

【不現胸臆。:ふげんくおく】
...胸臆〔くおく〕を現〔あらわ〕さざれ。

【乃至為法。:ないしいほう】
...乃至〔ないし〕法〔ほう〕の為〔ため〕にも、

【猶不親厚。:ゆふしんこう】
...猶〔なお〕親厚〔しんこう〕せざれ。

【況復余事。:きょうぶよじ】
...況〔いわん〕や復〔また〕余〔よ〕の事〔じ〕をや。

【不楽畜年小弟子。:ふぎょうちくねんしょうでし】
...楽〔ねが〕って年小〔ねんしょう〕の弟子〔でし〕、

【沙彌小児。:しゃみしょうに】
...沙彌〔しゃみ〕、小児〔しょうに〕を畜〔たくわ〕えざれ。

【亦不楽与同師。:やくふぎょうよどうし】
...亦〔また〕、与〔とも〕に師〔し〕を同〔おな〕じうすることを楽〔ねが〕わざれ。

【常好坐禅。:じょうこうざぜん】
...常〔つね〕に坐禅〔ざぜん〕を好〔この〕んで、

【在於閑処。:ざいおげんじょ】
...閑〔しずか〕かなる処〔ところ〕に在〔あ〕って、

【修摂其心。:しゅしょうごしん】
...其〔そ〕の心〔こころ〕を修摂〔しゅしょう〕せよ。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【是名初親近処。:ぜみょうしょしんごんしょ】
...是〔これ〕を初〔はじ〕めの親近処〔しんごんしょ〕と名〔な〕づく。

【復次菩薩摩訶薩。:ぶしぼさつまかさつ】
...復〔また〕次〔つぎ〕に菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【観一切法空。:かんいっさいほうくう】
...一切〔いっさい〕の法〔ほう〕を観〔かん〕ずるに空〔くう〕なり。

【如實相。:にょじっそう】
...如實相〔にょじつそう〕なり。

【不顚倒。:ふてんどう】
...顚倒〔てんどう〕せず、

【不動。:ふどう】
...動〔どう〕ぜず、

【不退。:ふたい】
...退〔たい〕せず、

【不転。:ふてん】
...転〔てん〕ぜず。

【如虚空。:にょこくう】
...虚空〔こくう〕の如〔ごと〕くにして

【無所有性。:むしょうしょう】
...所〔しょ〕有〔う〕の性〔しょう〕無〔な〕し。

【一切語言道断。:いっさいごごんどうだん】
...一切〔いっさい〕の語言〔ごごん〕の道〔どう〕断〔た〕え、

【不生。:ふしょう】
...生〔しょう〕ぜず、

【不出。:ふしゅつ】
...出〔しゅっ〕せず、

【不起。:ふき】
...起〔き〕せず。

【無名。:むみょう】
...名〔な〕無〔な〕く、

【無相。:むそう】
...相〔そう〕無〔な〕く、

【實無所有。:じつむしょう】
...實〔じつ〕に所〔しょ〕有〔う〕無〔な〕し。

【無量。:むりょう】
...無量〔むりょう〕、

【無辺。:むへん】
...無辺〔むへん〕、

【無礙。:むげ】
...無礙〔むげ〕、

【無障。:むしょう】
...無障〔むしょう〕なり。

【但以因縁有。:たんにいんねんぬ】
...但〔ただ〕因縁〔いんねん〕を以〔もっ〕て有〔あ〕り、

【従顚倒生。:じゅうてんどうしょう】
...顚倒〔てんどう〕に従〔よ〕って生〔しょう〕ず。

【故説。:こせつ】
...故〔かるがゆえ〕に説〔と〕く、

【常楽観如是法相。:じょうぎょうかんにょぜほっそう】
...常〔つね〕に楽〔ねが〕って是〔かく〕の如〔ごと〕き法相〔ほっそう〕を観〔かん〕ぜよ。

【是名菩薩摩訶薩。:ぜみょうぼさつまかさつ】
...是〔これ〕を菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕の

【第二親近処。:だいにしんごんしょ】
...第二〔だいに〕の親近処〔しんごんしょ〕と名〔な〕づく。

【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、

【若有菩薩:にゃくうぼさつ】
...若〔も〕し菩薩〔ぼさつ〕有〔あ〕って

【於後惡世:おごあくせ】
...後〔のち〕の惡世〔あくせ〕に於〔おい〕て

【無怖畏心:むふいしん】
...無怖畏〔むふい〕の心〔こころ〕をもって

【欲説此經:よくせっしきょう】
...此〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かんと欲〔ほっ〕せば

【應入行処:おうにゅうぎょうしょ】
...應〔まさ〕に行処〔ぎょうしょ〕

【及親近処:ぎゅうしんごんしょ】
...及〔およ〕び親近処〔しんごんしょ〕に入〔い〕るべし

【常離国王:じょうりこくおう】
...常〔つね〕に国王〔こくおう〕

【及国王子:ぎゅうこくおうじ】
...及〔およ〕び国王子〔こくおうじ〕

【大臣官長:だいじんかんちょう】
...大臣〔だいじん〕官長〔かんちょう〕

【凶険戯者:くけんけしゃ】
...凶険〔くけん〕の戯者〔けしゃ〕

【及旃陀羅:ぎゅうせんだら】
...及〔およ〕び旃陀羅〔せんだら〕

【外道梵志:げどうぼんじ】
...外道梵志〔げどうぼんし〕を離〔はな〕れ

【亦不親近:やくふしんごん】
...亦〔また〕⑦

【増上慢人:ぞうじょうまんにん】
...増上慢〔ぞうじょうまん〕の人〔ひと〕

【貪著小乗:とんじゃくしょうじょう】
...小乗〔しょうじょう〕の

【三蔵学者:さんぞうがくしゃ】
...三蔵〔さんぞう〕に貪著〔とんじゃく〕する学者〔がくしゃ〕に⑦親近〔しんごん〕せざれ

【破戒比丘:はかいびく】
...破戒〔はかい〕の比丘〔びく〕

【名字羅漢:みょうじらかん】
...名字〔みょうじ〕の羅漢〔らかん〕

【及比丘尼:ぎゅうびくに】
...及〔およ〕び比丘尼〔びくに〕の

【好戯笑者:こうけしょうしゃ】
...戯笑〔けしょう〕を好〔この〕む者〔もの〕

【深著五欲:じんじゃくごよく】
...深〔ふか〕く五欲〔ごよく〕に著〔じゃく〕して

【求現滅度:ぐげんめつど】
...現〔げん〕の滅度〔めつど〕を求〔もと〕むる

【諸優婆夷:しょうばい】
...諸〔もろもろ〕の優婆夷〔うばい〕に

【皆勿親近:かいもっしんごん】
...皆〔みな〕親近〔しんごん〕すること勿〔なか〕れ

【若是人等:にゃくぜにんとう】
...是〔かく〕の若〔ごと〕き人等〔ひとら〕

【以好心来:いこうしんらい】
...好心〔こうしん〕を以〔もっ〕て来〔きた〕り

【到菩薩所:とうぼさっしょ】
...菩薩〔ぼさつ〕の所〔ところ〕に到〔いた〕って

【為聞佛道:いもんぶつどう】
...佛道〔ぶつどう〕を聞〔き〕かんと為〔せ〕ば

【菩薩則以:ぼさっそくい】
...菩薩〔ぼさつ〕則〔すなわ〕ち

【無所畏心:むしょいしん】
...無所畏〔むしょい〕の心〔こころ〕を以〔もっ〕て

【不懐悕望:ふえけもう】
...悕望〔けもう〕を懐〔いだ〕かずして

【而為説法:にいせっぽう】
...為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕け

【寡女処女:けにょしょにょ】
...寡女〔けにょ〕処女〔しょにょ〕

【及諸不男:ぎっしょふなん】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の不男〔ふなん〕に

【皆勿親近:かいもっしんごん】
...皆〔みな〕親近〔しんごん〕して

【以為親厚:いいしんこう】
...以〔もっ〕て親厚〔しんこう〕を為〔な〕すこと勿〔なか〕れ

【亦莫親近:やくまくしんごん】
...亦〔また〕⑧

【屠児魁膾:とにけえ】
...屠児魁膾〔とにけえ〕

【畋猟漁捕:でんりょうごぶ】
...畋猟漁捕〔でんりょうごぶ〕

【為利殺害:いりせつがい】
...利〔り〕の為〔ため〕に殺害〔せつがい〕するに⑧親近〔しんごん〕すること莫〔なか〕れ

【販肉自活:ほんにくじかつ】
...肉〔にく〕を販〔う〕って自活〔じかつ〕し

【衒売女色:けんまいにょしき】
...女色〔にょしき〕を衒売〔けんまい〕する

【如是之人:にょぜしにん】
...是〔かく〕の如〔ごと〕きの人〔ひと〕に

【皆勿親近:かいもっしんごん】
...皆〔みな〕親近〔しんごん〕すること勿〔なか〕れ

【凶険相撲:くけんそうぼく】
...凶険〔くけん〕の相撲〔そうぼく〕

【種種嬉戯:しゅじゅきけ】
...種種〔しゅじゅ〕の嬉戯〔きけ〕

【諸婬女等:しょいんにょとう】
...諸〔もろもろ〕の婬女等〔いんにょら〕に

【尽勿親近:じんもっしんごん】
...尽〔ことごと〕く親近〔しんごん〕すること勿〔なか〕れ

【莫独屏処:まくどくびょうしょ】
...独〔ひとり〕屏処〔びょうしょ〕にて

【為女説法:いにょせっぽう】
...女〔にょ〕の為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕くこと莫〔なか〕れ

【若説法時:にゃくせっぽうじ】
...若〔も〕し法〔ほう〕を説〔と〕かん時〔とき〕には

【無得戯笑:むとくけしょう】
...戯笑〔けしょう〕することを得〔う〕ること無〔な〕かれ

【入里乞食:にゅうりこつじき】
...里〔さと〕に入〔い〕って乞食〔こつじき〕せんには

【将一比丘:しょういちびく】
...一〔ひと〕りの比丘〔びく〕を将〔ひき〕いよ

【若無比丘:にゃくむびく】
...若〔も〕し比丘〔びく〕無〔な〕くんば

【一心念佛:いっしんねんぶつ】
...一心〔いっしん〕に佛〔ほとけ〕を念〔ねん〕ぜよ

【是則名為:ぜそくみょうい】
...是〔こ〕れ則〔すなわ〕ち名〔な〕づけて

【行処近処:ぎょうしょごんしょ】
...行処〔ぎょうしょ〕近処〔ごんしょ〕と為〔な〕す

【以此二処:いしにしょ】
...此〔こ〕の二処〔にしょ〕を以〔もっ〕て

【能安楽説:のうあんらくせつ】
...能〔よ〕く安楽〔あんらく〕に説〔と〕け

【又復不行:うぶふぎょう】
...又復〔またまた〕⑨

【上中下法:じょうちゅうげほう】
...上〔じょう〕中〔ちゅう〕下〔げ〕の法〔ほう〕

【有為無為:ういむい】
...有為〔うい〕無為〔むい〕

【實不實法:じっぷじっぽう】
...實〔じつ〕不實〔ふじつ〕の法〔ほう〕を⑨行〔ぎょう〕ぜざれ

【亦不分別:やくふふんべつ】
...亦〔また〕⑩

【是男是女:ぜなんぜにょ】
...是〔こ〕れ男〔なん〕是〔こ〕れ女〔にょ〕と⑩分別〔ふんべつ〕せざれ

【不得諸法:ふとくしょほう】
...諸法〔しょほう〕を得〔え〕ざれ

【不知不見:ふちふけん】
...知〔し〕らざれ見〔み〕ざれ

【是則名為:ぜそくみょうい】
...是〔こ〕れ則〔すなわ〕ち名〔な〕づけて

【菩薩行処:ぼさつぎょうしょ】
...菩薩〔ぼさつ〕の行処〔ぎょうしょ〕と為〔な〕す

【一切諸法:いっさいしょほう】
...一切〔いっさい〕の諸法〔しょほう〕は

【空無所有:くうむしょう】
...空〔くう〕にして所〔しょ〕有〔う〕無〔な〕し

【無有常住:むうじょうじゅう】
...常住〔じょうじゅう〕有〔あ〕ること無〔な〕く

【亦無起滅:やくむきめつ】
...亦〔また〕起滅〔きめつ〕無〔な〕し

【是名智者:ぜみょうちしゃ】
...是〔これ〕を智者〔ちしゃ〕の

【所親近処:しょしんごんしょ】
...所親〔しょしん〕近処〔ごんしょ〕と名〔な〕づく

【顚倒分別:てんどうふんべつ】
...顚倒〔てんどう〕して

【諸法有無:しょほううむ】
...諸法〔しょほう〕は有〔う〕なり無〔む〕なり

【是實非實:ぜじつひじつ】
...是〔こ〕れ實〔じつ〕なり非實〔ひじつ〕なり

【是生非生:ぜしょうひしょう】
...是〔こ〕れ生〔しょう〕なり非生〔ひしょう〕なりと分別〔ふんべつ〕す

【在於閑処:ざいおげんじょ】
...閑〔しずか〕かなる処〔ところ〕に在〔あ〕って

【修摂其心:しゅしょうごしん】
...其〔そ〕の心〔こころ〕を修摂〔しゅしょう〕し

【安住不動:あんじゅうふどう】
...安住〔あんじゅう〕して動〔どう〕ぜざること

【如須彌山:にょしゅみせん】
...須彌山〔しゅみせん〕の如〔ごと〕くせよ

【観一切法:かんいっさいほう】
...一切〔いっさい〕の法〔ほう〕を観〔かん〕ずるに

【皆無所有:かいむしょう】
...皆〔みな〕所〔しょ〕有〔う〕無〔な〕し

【猶如虚空:ゆにょこくう】
...猶〔なお〕虚空〔こくう〕の如〔ごと〕し

【無有堅固:むうけんご】
...堅固〔けんご〕なること有〔あ〕ること無〔な〕し

【不生不出:ふしょうふしゅつ】
...不生〔ふしょう〕なり不出〔ふしゅつ〕なり

【不動不退:ふどうふたい】
...不動〔ふどう〕なり不退〔ふたい〕なり

【常住一相:じょうじゅういっそう】
...常住〔じょうじゅう〕にして一相〔いちそう〕なり

【是名近処:ぜみょうごんしょ】
...是〔これ〕を近処〔ごんしょ〕と名〔な〕づく

【若有比丘:にゃくうびく】
...若〔も〕し比丘〔びく〕有〔あ〕って

【於我滅後:おがめつご】
...我〔わ〕が滅後〔めつご〕に於〔おい〕て

【入是行処:にゅうぜぎょうしょ】
...是〔こ〕の行処〔ぎょうしょ〕

【及親近処:ぎゅうしんごんしょ】
...及〔およ〕び親近処〔しんごんしょ〕に入〔い〕って

【説斯經時:せっしきょうじ】
...斯〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かん時〔とき〕には

【無有怯弱:むうこうにゃく】
...怯弱〔こうにゃく〕有〔あ〕ること無〔な〕けん

【菩薩有時:ぼさつうじ】
...菩薩〔ぼさつ〕時〔とき〕有〔あ〕って

【入於静室:にゅうおじょうしつ】
...静室〔じょうしつ〕に入〔い〕り

【以正憶念:いしょうおくねん】
...正憶念〔しょうおくねん〕を以〔もっ〕て

【随義観法:ずいぎかんぽう】
...義〔ぎ〕に随〔したが〕って法〔ほう〕を観〔かん〕じ

【従禅定起:じゅうぜんじょうき】
...禅定〔ぜんじょう〕より起〔た〕って

【為諸国王:いしょこくおう】
...諸〔もろもろ〕の国王〔こくおう〕

【王子臣民:おうじじんみん】
...王子〔おうじ〕臣民〔しんみん〕

【婆羅門等:ばらもんとう】
...婆羅門等〔ばらもんとう〕の為〔ため〕に

【開化演暢:かいけえんちょう】
...開化〔かいけ〕し演暢〔えんちょう〕して

【説斯經典:せっしきょうでん】
...斯〔こ〕の經典〔きょうでん〕を説〔と〕かば

【其心安穏:ごしんあんのん】
...其〔そ〕の心〔こころ〕安穏〔あんのん〕にして

【無有怯弱:むうこうにゃく】
...怯弱〔こうにゃく〕有〔あ〕ること無〔な〕けん

【文殊師利:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕

【是名菩薩:ぜみょうぼさつ】
...是〔これ〕を菩薩〔ぼさつ〕の

【安住初法:あんじゅうしょほう】
...初〔はじめ〕の法〔ほう〕に安住〔あんじゅう〕して

【能於後世:のうおごせ】
...能〔よ〕く後〔のち〕の世〔よ〕に於〔おい〕て

【説法華經:せつほけきょう】
...法華經〔ほけきょう〕を説〔と〕くと名〔な〕づく

【又文殊師利。:うもんじゅしり】
...又〔また〕文殊師利〔もんじゅしり〕、

【如来滅後。:にょらいめつご】
...如来〔にょらい〕の滅後〔めつご〕に、

【於末法中。:おまっぽうちゅう】
...末法〔まっほう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【欲説是經。:よくせつぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かんと欲〔ほっ〕せば、

【應住安楽行。:おうじゅうあんらくぎょう】
...應〔まさ〕に安楽行〔あんらくぎょう〕に住〔じゅう〕すべし。

【若口宣説。:にゃっくせんぜつ】
...若〔も〕しは口〔くち〕に宣説〔せんぜつ〕し、

【若読經時。:にゃくどっきょうじ】
...若〔も〕しは經〔きょう〕を読〔よ〕まん時〔とき〕、

【不楽説人。:ふぎょうせつにん】
...楽〔ねが〕って人〔ひと〕

【及經典過。:ぎゅうきょうでんか】
...及〔およ〕び經典〔きょうでん〕の過〔とが〕を説〔と〕かざれ。

【亦不輕慢。:やくふきょうまん】
...亦〔また〕、⑪

【諸余法師。:しょよほっし】
...諸余〔しょよ〕の法師〔ほっし〕を⑪輕慢〔きょうまん〕せざれ。

【不説他人。:ふせったにん】
...他人〔たにん〕の好惡〔こうあく〕

【好惡長短。:こうあくじょうたん】
...長短〔ちょうたん〕を説〔と〕かざれ。

【於声聞人。:おしょうもんにん】
...声聞〔しょうもん〕の人〔ひと〕に於〔おい〕て、

【亦不称名。:やくふしょうみょう】
...亦〔また〕、名〔な〕を称〔しょう〕して

【説其過惡。:せつごかあく】
...其〔そ〕の過惡〔かあく〕を説〔と〕かざれ。

【亦不称名。:やくふしょうみょう】
...亦〔また〕、名〔な〕を称〔しょう〕して

【讃歎其美。:さんだんごみ】
...其〔そ〕の美〔よ〕きことを讃歎〔さんだん〕せざれ。

【又亦不生。:うやくふしょう】
...又亦〔またまた〕、

【怨嫌之心。:おんけんししん】
...怨嫌〔おんけん〕の心〔こころ〕を生〔しょう〕ぜざれ。

【善修如是。:ぜんしゅにょぜ】
...善〔よ〕く是〔かく〕の如〔ごと〕き

【安楽心故。:あんらくしんこ】
...安楽〔あんらく〕の心〔こころ〕を修〔しゅ〕するが故〔ゆえ〕に、

【諸有聴者。:しょうちょうじゃ】
...諸〔もろもろ〕の聴〔き〕くこと有〔あ〕らん者〔もの〕、

【不逆其意。:ふぎゃくごい】
...其〔そ〕の意〔こころ〕に逆〔さから〕わじ。

【有所難問。:うしょなんもん】
...難問〔なんもん〕する所〔ところ〕有〔あ〕らば、

【不以小乗法答。:ふいしょうじょうほうとう】
...小乗〔しょうじょう〕の法〔ほう〕を以〔もっ〕て答〔こた〕えざれ。

【但以大乗。:たんにだいじょう】
...但〔ただ〕大乗〔だいじょう〕を以〔もっ〕て、

【而為解説。:にいげせつ】
...為〔ため〕に解説〔げせつ〕して、

【令得一切種智。:りょうとくいっさいしゅち】
...一切〔いっさい〕種智〔しゅち〕を得〔え〕せしめよ。

【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、

【菩薩常楽:ぼさつじょうぎょう】
...菩薩〔ぼさつ〕常〔つね〕に楽〔ねが〕って

【安穏説法:あんのんせっぽう】
...安穏〔あんのん〕に法〔ほう〕を説〔と〕け

【於清浄地:おしょうじょうじ】
...清浄〔しょうじょう〕の地〔じ〕に於〔おい〕て

【而施牀座:にせじょうざ】
...牀座〔じょうざ〕を施〔ほどこ〕し

【以油塗身:いゆずしん】
...油〔あぶら〕を以〔もっ〕て身〔み〕に塗〔ぬ〕り

【澡浴塵穢:そうよくじんね】
...塵穢〔じんね〕を澡浴〔そうよく〕し

【著新浄衣:ちゃくしんじょうえ】
...新浄〔しんじょう〕の衣〔ころも〕を著〔き〕

【内外倶浄:ないげくじょう】
...内外〔ないげ〕倶〔とも〕に浄〔きよ〕くして

【安処法座:あんじょほうざ】
...法座〔ほうざ〕に安処〔あんじょ〕して

【随問為説:ずいもんいせつ】
...問〔とい〕に随〔したが〕って為〔ため〕に説〔と〕け

【若有比丘:にゃくうびく】
...若〔も〕し比丘〔びく〕

【及比丘尼:ぎゅうびくに】
...及〔およ〕び比丘尼〔びくに〕

【諸優婆塞:しょうばそく】
...諸〔もろもろ〕の優婆塞〔うばそく〕

【及優婆夷:ぎゅううばい】
...及〔およ〕び優婆夷〔うばい〕

【国王王子:こくおうおうじ】
...国王〔こくおう〕王子〔おうじ〕

【群臣士民:ぐんじんじみん】
...群臣〔ぐんしん〕士民〔じみん〕有〔あ〕らば

【以微妙義:いみみょうぎ】
...微妙〔みみょう〕の義〔ぎ〕を以〔もっ〕て

【和顔為説:わげんいせつ】
...和顔〔わげん〕にして為〔ため〕に説〔と〕け

【若有難問:にゃくうなんもん】
...若〔も〕し難問〔なんもん〕すること有〔あ〕らば

【随義而答:ずいぎにとう】
...義〔ぎ〕に随〔したが〕って答〔こた〕えよ

【因縁譬喩:いんねんひゆ】
...因縁〔いんねん〕譬喩〔ひゆ〕をもって

【敷演分別:ふえんふんべつ】
...敷演〔ふえん〕し分別〔ふんべつ〕せよ

【以是方便:いぜほうべん】
...是〔こ〕の方便〔ほうべん〕を以〔もっ〕て

【皆使發心:かいしほっしん】
...皆〔みな〕發心〔ほっしん〕せしめ

【漸漸増益:ぜんぜんぞうやく】
...漸漸〔ぜんぜん〕に増益〔ぞうやく〕して

【入於佛道:にゅうおぶつどう】
...佛道〔ぶつどう〕に入〔い〕らしめよ

【除嬾惰意:じょらんだい】
...嬾惰〔らんだ〕の意〔こころ〕

【及懈怠想:ぎゅうけだいそう】
...及〔およ〕び懈怠〔けだい〕の想〔おもい〕を除〔のぞ〕き

【離諸憂悩:りしょうのう】
...諸〔もろもろ〕の優悩〔うのう〕を離〔はな〕れて

【慈心説法:じしんせっぽう】
...慈心〔じしん〕をもって法〔ほう〕を説〔と〕け

【昼夜常説:ちゅうやじょうせつ】
...昼夜〔ちゅうや〕に常〔つね〕に

【無上道教:むじょうどうきょう】
...無上道〔むじょうどう〕の教〔おしえ〕を説〔と〕け

【以諸因縁:いしょいんねん】
...諸〔もろもろ〕の因縁〔いんねん〕

【無量譬喩:むりょうひゆ】
...無量〔むりょう〕の譬喩〔ひゆ〕を以〔もっ〕て

【開示衆生:かいじしゅじょう】
...衆生〔しゅじょう〕に開示〔かいじ〕して

【咸令歓喜:げんりょうかんぎ】
...咸〔ことごと〕く歓喜〔かんぎ〕せしめよ

【衣服臥具:えぶくがぐ】
...衣服〔えぶく〕臥具〔がぐ〕

【飲食醫薬:おんじきいやく】
...飲食〔おんじき〕醫薬〔いやく〕

【而於其中:におごちゅう】
...而〔しか〕も其〔そ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て

【無所悕望:むしょけもう】
...悕望〔けもう〕する所〔ところ〕無〔な〕かれ

【但一心念:たんいっしんねん】
...但〔ただ〕一心〔いっしん〕に

【説法因縁:せっぽういんねん】
...説法〔せっぽう〕の因縁〔いんねん〕を念〔ねん〕じ

【願成佛道:がんじょうぶつどう】
...佛道〔ぶつどう〕を成〔じょう〕じて

【令衆亦爾:りょうしゅやくに】
...衆〔しゅ〕をして亦〔また〕爾〔しか〕ならしめんと願〔ねが〕うべし

【是則大利:ぜそくだいり】
...是〔こ〕れ則〔すなわ〕ち大利〔だいり〕

【安楽供養:あんらっくよう】
...安楽〔あんらく〕の供養〔くよう〕なり

【我滅度後:がめつどご】
...我〔わ〕が滅度〔めつど〕の後〔のち〕に

【若有比丘:にゃくうびく】
...若〔も〕し比丘〔びく〕有〔あ〕って

【能演説斯:のうえんぜっし】
...能〔よ〕く斯〔こ〕の

【妙法華經:みょうほけきょう】
...妙法華經〔みょうほけきょう〕を演説〔えんぜつ〕せば

【心無嫉恚:しんむしっち】
...心〔こころ〕に嫉恚〔しっち〕

【諸悩障礙:しょのうしょうげ】
...諸〔しょ〕悩障〔のうしょう〕礙〔げ〕無〔な〕く

【亦無憂愁:やくむうしゅう】
...亦〔また〕優愁〔うしゅう〕

【及罵詈者:ぎゅうめりしゃ】
...及〔およ〕び罵詈〔めり〕する者〔もの〕無〔な〕く

【又無怖畏:うむふい】
...又〔また〕怖畏〔ふい〕し

【加刀杖等:かとうじょうとう】
...刀杖〔とうじょう〕を加〔くわ〕えらるる等〔とう〕無〔な〕く

【亦無擯出:やくむひんずい】
...亦〔また〕擯出〔ひんずい〕せらるること無〔な〕けん

【安住忍故:あんじゅうにんこ】
...忍〔にん〕に安住〔あんじゅう〕するが故〔ゆえ〕に

【智者如是:ちしゃにょぜ】
...智者〔ちしゃ〕是〔かく〕の如〔ごと〕く

【善修其心:ぜんしゅごしん】
...善〔よ〕く其〔そ〕の心〔こころ〕を修〔しゅ〕せば

【能住安楽:のうじゅうあんらく】
...能〔よ〕く安楽〔あんらく〕に住〔じゅう〕すること

【如我上説:にょがじょうせつ】
...我〔わ〕が上〔かみ〕に説〔と〕くが如〔ごと〕くならん

【其人功徳:ごにんくどく】
...其〔そ〕の人〔ひと〕の功徳〔くどく〕は

【千萬億劫:せんまんのっこう】
...千萬億劫〔せんまんのくこう〕に

【算数譬喩:さんじゅひゆ】
...算数〔さんじゅ〕譬喩〔ひゆ〕をもって

【説不能尽:せっぷのうじん】
...説〔と〕くとも尽〔つく〕くすこと能〔あた〕わじ

【又文殊師利。:うもんじゅしり】
...又〔また〕文殊師利〔もんじゅしり〕、

【菩薩摩訶薩。:ぼさつまかさつ】
...菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕にして、

【於後末世。:おごまっせ】
...後〔のち〕の末世〔まっせ〕の、

【法欲滅時。:ほうよくめつじ】
...法滅〔ほうめっ〕せんと欲〔ほっ〕せん時〔とき〕に於〔おい〕て、

【受持読誦。:じゅじどくじゅ】
...⑫

【斯經典者。:しきょうでんしゃ】
...斯〔こ〕の經典〔きょうでん〕を⑫受持〔じゅじ〕し、読誦〔どくじゅ〕せん者〔もの〕は、

【無懐嫉妬。:むえしっと】
...嫉妬〔しっと〕

【諂誑之心。:てんのうししん】
...諂誑〔てんのう〕の心〔こころ〕を懐〔いだ〕くこと無〔な〕かれ。

【亦勿輕罵。:やくもっきょうめ】
...亦〔また〕、⑬

【学佛道者。:がくぶつどうしゃ】
...佛道〔ぶつどう〕を学〔がく〕する者〔もの〕を⑬輕罵〔きょうめ〕し、

【求其長短。:ぐごじょうたん】
...其〔そ〕の長短〔ちょうたん〕を求〔もと〕むること勿〔なか〕れ。

【若比丘。:にゃくびく】
...若〔も〕し比丘〔びく〕、

【比丘尼。:びくに】
...比丘尼〔びくに〕、

【優婆塞。:うばそく】
...優婆塞〔うばそく〕、

【優婆夷。:うばい】
...優婆夷〔うばい〕の

【求声聞者。:ぐしょうもんしゃ】
...声聞〔しょうもん〕を求〔もと〕むる者〔もの〕、

【求辟支佛者。:ぐひゃくしぶっしゃ】
...辟支佛〔ひゃくしぶつ〕を求〔もと〕むる者〔もの〕、

【求菩薩道者。:ぐぼさつどうしゃ】
...菩薩〔ぼさつ〕の道〔どう〕を求〔もと〕むる者〔もの〕、

【無得悩之。:むとくのうし】
...之〔これ〕を悩〔なや〕まし、

【令其疑悔。:りょうごぎけ】
...其〔それ〕をして疑悔〔ぎけ〕せしめて、

【語其人言。:ごごにんごん】
...其〔そ〕の人〔ひと〕に語〔かた〕って、

【汝等去道甚遠。:にょとうこどうじんのん】
....汝等〔なんだち〕道〔どう〕を去〔さ〕ること甚〔はなは〕だ遠〔とお〕し、

【終不能得。:じゅうふのうとく】
....終〔つい〕に⑭

【一切種智。:いっさいしゅち】
....一切種智〔いっさいしゅち〕を⑭得〔う〕ること能〔あた〕わじ。

【所以者何。:しょいしゃが】
....所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【汝是放逸之人。:にょぜほういつしにん】
....汝〔なんじ〕は是〔こ〕れ放逸〔ほういつ〕の人〔ひと〕なり、

【於道懈怠故。:おどうけだいこ】
....道〔どう〕に於〔おい〕て懈怠〔けだい〕なるが故〔ゆえ〕に。

【又亦不應。:うやくふおう】
...と言〔い〕うことを得〔う〕ること無〔な〕かれ。又亦〔またまた〕、應〔まさ〕に

【戯論諸法。:けろんしょほう】
...諸法〔しょほう〕を戯論〔けろん〕して、

【有所諍競。:うしょじょうきょう】
...諍競〔じょうきょう〕する所〔ところ〕有〔あ〕るべからず。

【當於一切衆生。:とうおいっさいしゅじょう】
...當〔まさ〕に一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕に於〔おい〕て

【起大悲想。:きだいひそう】
...大悲〔だいひ〕の想〔おもい〕を起〔おこ〕し、

【於諸如来。:おしょにょらい】
...諸〔もろもろ〕の如来〔にょらい〕に於〔おい〕て

【起慈父想。:きじぶそう】
...慈父〔じぶ〕の想〔おもい〕を起〔おこ〕し、

【於諸菩薩。:おしょぼさつ】
...諸〔もろもろ〕の菩薩〔ぼさつ〕に於〔おい〕て

【起大師想。:きだいしそう】
...大師〔だいし〕の想〔おもい〕を起〔おこ〕すべし。

【於十方諸大菩薩。:おじっぽうしょだいぼさつ】
...十方〔じっぽう〕の諸〔もろもろ〕の大菩薩〔だいぼさつ〕に於〔おい〕て、

【常應深心。:じょうおうじんしん】
...常〔つね〕に應〔まさ〕に深心〔じんしん〕に

【恭敬禮拝。:くぎょうらいはい】
...恭敬〔くぎょう〕禮拝〔らいはい〕すべし。

【於一切衆生。:おいっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕に於〔おい〕て、

【平等説法。:びょうどうせっぽう】
...平等〔びょうどう〕に法〔ほう〕を説〔と〕け。

【以順法故。:いじゅんほうこ】
...法〔ほう〕に順〔じゅん〕ずるを以〔もっ〕ての故〔ゆえ〕に、

【不多不少。:ふたふしょう】
...多〔おお〕くもせず少〔すくな〕くもせざれ。

【乃至深愛法者。:ないしじんないほうしゃ】
...乃至〔ないし〕深〔ふか〕く法〔ほう〕を愛〔あい〕せん者〔もの〕にも、

【亦不為多説。:やくふいたせつ】
...亦〔また〕為〔ため〕に多〔おお〕く説〔と〕かざれ。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【是菩薩摩訶薩。:ぜぼさつまかさつ】
...是〔こ〕の菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【於後末世。:おごまっせ】
...後〔のち〕の末世〔まっせ〕の、

【法欲滅時。:ほうよくめつじ】
...法滅〔ほうめっ〕せんと欲〔ほっ〕せん時〔とき〕に於〔おい〕て、

【有成就。:うじょうじゅ】
...⑮

【是第三安楽行者。:ぜだいさんあんらくぎょうしゃ】
...是〔こ〕の第三〔だいさん〕の安楽行〔あんらくぎょう〕を⑮成就〔じょうじゅ〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕は、

【説是法時。:せつぜほうじ】
...是〔こ〕の法〔ほう〕を説〔と〕かん時〔とき〕、

【無能悩乱。:むのうのうらん】
...能〔よ〕く悩乱〔のうらん〕するもの無〔な〕けん。

【得好同学。:とっこうどうがく】
...好〔よ〕き同学〔どうがく〕の、

【共読誦是經。:ぐどくじゅぜきょう】
...共〔とも〕に是〔こ〕の經〔きょう〕を読誦〔どくじゅ〕するを得〔え〕、

【亦得大衆。:やくとくだいしゅ】
...亦〔また〕大衆〔だいしゅ〕の、

【而来聴受。:にらいちょうじゅ】
...而〔しか〕も来〔きた〕って聴受〔ちょうじゅ〕し、

【聴已能持。:ちょういのうじ】
...聴〔き〕き已〔おわ〕って能〔よ〕く持〔たも〕ち、

【持已能誦。:じいのうじゅ】
...持〔たも〕ち已〔おわ〕って能〔よ〕く誦〔じゅ〕し、

【誦已能説。:じゅいのうせつ】
...誦〔じゅ〕し已〔おわ〕って能〔よ〕く説〔と〕き、

【説已能書。:せっちのうしょ】
...説〔と〕き已〔おわ〕って能〔よ〕く書〔か〕き、

【若使人書。:にゃくしにんしょ】
...若〔も〕しは人〔ひと〕をして書〔か〕かしめ、

【供養經巻。:くようきょうがん】
...經巻〔きょうがん〕を供養〔くよう〕し、

【恭敬尊重讃歎。:くぎょうそんじゅうさんだん】
...恭敬〔くぎょう〕し、尊重〔そんじゅう〕し、讃歎〔さんだん〕するを得〔え〕ん。

【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、

【若欲説是經:にゃくよくせつぜきょう】
...若〔も〕し是〔こ〕の經〔きょう〕を説〔と〕かんと欲〔ほっ〕せば

【當捨嫉恚慢:とうしゃしっちまん】
...當〔まさ〕に嫉恚慢〔しっちまん〕

【諂誑邪偽心:てんのうじゃぎしん】
...諂誑〔てんのう〕邪偽〔じゃぎ〕の心〔こころ〕を捨〔す〕てて

【常修質直行:じょうしゅしちじきぎょう】
...常〔つね〕に質直〔しちじき〕の行〔ぎょう〕を修〔しゅ〕すべし

【不輕蔑於人:ふきょうめっとにん】
...人〔ひと〕を輕蔑〔きょうめつ〕せず

【亦不戯論法:やくふけろんぼう】
...亦〔また〕法〔ほう〕を戯論〔けろん〕せざれ

【不令他疑悔:ふりょうたぎけ】
...他〔た〕をして疑悔〔ぎけ〕せしめて

【云汝不得佛:うんにょふとくぶつ】
...汝〔なんじ〕は佛〔ほとけ〕を得〔え〕じと云〔い〕わざれ

【是佛子説法:ぜぶっしせっぽう】
...是〔こ〕の佛子〔ぶっし〕法〔ほう〕を説〔と〕かんには

【常柔和能忍:じょうにゅうわのうにん】
...常〔つね〕に柔和〔にゅうわ〕にして能〔よ〕く忍〔しの〕び

【慈悲於一切:じひおいっさい】
...一切〔いっさい〕を慈悲〔じひ〕して

【不生懈怠心:ふしょうけだいしん】
...懈怠〔けだい〕の心〔こころ〕を生〔しょう〕ぜざれ

【十方大菩薩:じっぽうだいぼさつ】
...十方〔じっぽう〕の大菩薩〔だいぼさつ〕

【愍衆故行道:みんしゅこぎょうどう】
...衆〔しゅ〕を愍〔あわ〕れむが故〔ゆえ〕に道〔どう〕を行〔ぎょう〕ずるに

【應生恭敬心:おうしょうくぎょうしん】
...應〔まさ〕に恭敬〔くぎょう〕の心〔こころ〕を生〔しょう〕ずべし

【是則我大師:ぜそくがだいし】
...是〔こ〕れ則〔すなわ〕ち我〔わ〕が大師〔だいし〕なりと

【於諸佛世尊:おしょぶっせそん】
...諸佛〔しょぶつ〕世尊〔せそん〕に於〔おい〕て

【生無上父想:しょうむじょうぶそう】
...無上〔むじょう〕の父〔ちち〕の想〔おもい〕を生〔しょう〕じ

【破於憍慢心:はおきょうまんしん】
...憍慢〔きょうまん〕の心〔こころ〕を破〔は〕して

【説法無障礙:せっぽうむしょうげ】
...法〔ほう〕を説〔と〕くに障礙〔しょうげ〕無〔む〕からしめよ

【第三法如是:だいさんぼうにょぜ】
...第三〔だいさん〕の法〔ほう〕是〔かく〕の如〔ごと〕し

【智者應守護:ちしゃおうしゅご】
...智者〔ちしゃ〕應〔まさ〕に守護〔しゅご〕すべし

【一心安楽行:いっしんあんらくぎょう】
...一心〔いっしん〕に安楽〔あんらく〕に行〔ぎょう〕ぜば

【無量衆所敬:むりょうしゅしょきょう】
...無量〔むりょう〕の衆〔しゅ〕に敬〔うやま〕われん

【又文殊師利。:うもんじゅしり】
...又〔また〕文殊師利〔もんじゅしり〕、

【菩薩摩訶薩。:ぼさつまかさつ】
...菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕にして、

【於後末世。:おごまっせ】
...後〔のち〕の末世〔まっせ〕の、

【法欲滅時。:ほうよくめつじ】
...法滅〔ほうめっ〕せんと欲〔ほっ〕せん時〔とき〕に於〔おい〕て、

【有受持法華經者。:うじゅじほけきょうじゃ】
...法華經〔ほけきょう〕を受持〔じゅじ〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕は、

【於在家出家人中。:おざいけしゅっけにんじゅう】
...在家〔ざいけ〕、出家〔しゅっけ〕の人〔ひと〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【生大慈心。:しょうだいじしん】
...大慈〔だいじ〕の心〔こころ〕を生〔しょう〕じ、

【於非菩薩人中。:おひぼさつにんじゅう】
...菩薩〔ぼさつ〕に非〔あら〕ざる人〔ひと〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【生大悲心。:しょうだいひしん】
...大悲〔だいひ〕の心〔こころ〕を生〔しょう〕じて、

【應作是念。:おうさぜねん】
...應〔まさ〕に是〔こ〕の念〔ねん〕を作〔な〕すべし。

【如是之人。:にょぜしにん】
....是〔かく〕の如〔ごと〕きの人〔ひと〕は、

【則為大失。:そくいだいしつ】
....則〔すなわ〕ち為〔こ〕れ、

【如来方便。:にょらいほうべん】
....大〔おお〕いに如来〔にょらい〕の方便〔ほうべん〕

【随宜説法。:ずいぎせっぽう】
....随宜〔ずいぎ〕の説法〔せっぽう〕を失〔うしな〕えり。

【不聞不知不覚。:ふもんふちふかく】
....聞〔き〕かず知〔し〕らず覚〔さと〕らず、

【不問不信不解。:ふもんふしんふげ】
....問〔と〕わず信〔しん〕ぜず解〔げ〕せず。

【其人雖不問。:ごにんすいふもん】
....其〔そ〕の人〔ひと〕、⑯

【不信不解是經。:ふしんふげぜきょう】
....是〔こ〕の經〔きょう〕を、問〔と〕わず信〔しん〕ぜず解〔げ〕せずと⑯雖〔いえど〕も、

【我得阿耨多羅三藐三菩提時。:がとくあのくたらさんみゃくさんぼだいじ】
....我〔われ〕、阿耨多羅三藐三菩提〔あのくたらさんみゃくさんぼだい〕を得〔え〕ん時〔とき〕、

【随在何地。:ずいざいがじ】
....随〔したが〕って何〔いず〕れの地〔じ〕に在〔あ〕っても、

【以神通力。:いじんづうりき】
....神通力〔じんづうりき〕と

【智慧力。:ちえりき】
....智慧力〔ちえりき〕を以〔もっ〕て、

【引之令得。:いんしりょうとく】
....之〔これ〕を引〔ひ〕いて、

【住是法中。:じゅうぜほうちゅう】
....是〔こ〕の法〔ほう〕の中〔なか〕に住〔じゅう〕することを得〔え〕せしめん。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【是菩薩摩訶薩。:ぜぼさつまかさつ】
...是〔こ〕の菩薩摩訶薩〔ぼさつまかさつ〕、

【於如来滅後。:おにょらいめつご】
...如来〔にょらい〕の滅後〔めつご〕に於〔おい〕て、

【有成就。:うじょうじゅ】
...⑰

【此第四法者。:しだいしほうしゃ】
...此〔こ〕の第四〔だいし〕の法〔ほう〕を⑰成就〔じょうじゅ〕すること有〔あ〕らん者〔もの〕は、

【説是法時。:せつぜほうじ】
...是〔こ〕の法〔ほう〕を説〔と〕かん時〔とき〕、

【無有過失。:むうかしつ】
...過失〔かしつ〕有〔あ〕ること無〔な〕けん。

【常為比丘。:じょういびく】
...常〔つね〕に比丘〔びく〕、

【比丘尼。:びくに】
...比丘尼〔びくに〕、

【優婆塞。:うばそく】
...優婆塞〔うばそく〕、

【優婆夷。:うばい】
...優婆夷〔うばい〕、

【国王王子。:こくおうおうじ】
...国王〔こくおう〕王子〔おうじ〕、

【大臣人民。:だいじんにんみん】
...大臣〔だいじん〕人民〔にんみん〕、

【婆羅門居士等。:ばらもんこじとう】
...婆羅門居士等〔ばらもんこじとう〕に、

【供養恭敬。:くようくぎょう】
...供養〔くよう〕恭敬〔くぎょう〕、

【尊重讃歎。:そんじゅうさんだん】
...尊重〔そんじゅう〕讃歎〔さんだん〕せらるることを為〔え〕ん。

【虚空諸天。:こくうしょてん】
...虚空〔こくう〕の諸天〔しょてん〕、

【為聴法故。:いちょうぼうこ】
...法〔ほう〕を聴〔き〕かんが為〔ため〕の故〔ゆえ〕に、

【亦常随侍。:やくじょうずいじ】
...亦〔また〕常〔つね〕に随侍〔ずいじ〕せん。

【若在聚落城邑。:にゃくざいじゅらくじょうおう】
...若〔も〕し聚落〔じゅらく〕、城邑〔じょうおう〕、

【空閑林中。:くうげんりんじゅう】
...空閑〔くうげん〕、林中〔りんちゅう〕に在〔あ〕らんとき、

【有人来欲難問者。:うにんらいよくなんもんじゃ】
...人〔ひと〕有〔あ〕り、来〔きた〕って難問〔なんもん〕せんと欲〔ほっ〕せば、

【諸天昼夜。:しょてんちゅうや】
...諸天〔しょてん〕昼夜〔ちゅうや〕に、

【常為法故。:じょういほうこ】
...常〔つね〕に法〔ほう〕の為〔ため〕の故〔ゆえ〕に、

【而衛護之。:にえいごし】
...而〔しか〕も之〔これ〕を衛護〔えいご〕し、

【能令聴者。:のうりょうちょうじゃ】
...能〔よ〕く聴〔き〕く者〔もの〕をして、

【皆得歓喜。:かいとっかんぎ】
...皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕することを得〔え〕せしめん。

【所以者何。:しょいしゃが】
...所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【此經是一切。:しきょうぜいっさい】
...此〔こ〕の經〔きょう〕は是〔こ〕れ、一切〔いっさい〕の過去〔かこ〕、

【過去未来現在。:かこみらいげんざい】
...未来〔みらい〕、現在〔げんざい〕の諸佛〔しょぶつ〕の

【諸佛神力。:しょぶつじんりき】
...神力〔じんりき〕をもって、

【所護故。:しょごこ】
...護〔まも〕りたもう所〔ところ〕なるが故〔ゆえ〕に。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【是法華經。:ぜほけきょう】
...是〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕は、

【於無量国中。:おむりょうこくちゅう】
...無量〔むりょう〕の国〔くに〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【乃至名字。:ないしみょうじ】
...乃至〔ないし〕名字〔みょうじ〕をも、

【不可得聞。:ふかとくもん】
...聞〔き〕くことを得〔う〕べからず。

【何況得見。:がきょうとっけん】
...何〔いか〕に況〔いわん〕んや、見〔み〕ることを得〔え〕、

【受持読誦。:じゅじどくじゅ】
...受持〔じゅじ〕し、読誦〔どくじゅ〕せんをや。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【譬如強力。:ひにょごうりき】
...譬〔たと〕えば、強力〔ごうりき〕の

【転輪聖王。:てんりんじょうおう】
...転輪聖王〔てんりんじょうおう〕、

【欲以威勢。:よくいいせい】
...威勢〔いせい〕を以〔もっ〕て

【降伏諸国。:ごうぶくしょこく】
...諸国〔しょくに〕を降伏〔ごうぶく〕せんと欲〔ほっ〕せんに、

【而諸小王。:にしょしょうおう】
...而〔しか〕も諸〔もろもろ〕の小王〔しょうおう〕、

【不順其命。:ふじゅんごみょう】
...其〔そ〕の命〔めい〕に順〔したが〕わざれば、

【時転輪王。:じてんりんのう】
...時〔とき〕に転輪王〔てんりんのう〕、

【起種種兵。:きしゅじゅひょう】
...種種〔しゅじゅ〕の兵〔へい〕を起〔おこ〕して、

【而往討罰。:におうとうばつ】
...往〔ゆ〕いて討罰〔とうばつ〕するが如〔ごと〕し。

【王見兵衆。:おうけんひょうしゅ】
...王〔おう〕、兵衆〔ひょうしゅ〕の

【戦有功者。:せんぬくしゃ】
...戦〔たたか〕うに功〔く〕有〔あ〕る者〔もの〕を見〔み〕て、

【即大歓喜。:そくだいかんぎ】
...即〔すなわ〕ち大〔おお〕いに歓喜〔かんぎ〕し、

【随功賞賜。:ずいくしょうし】
...功〔く〕に随〔したが〕って賞賜〔しょうし〕し、

【或与田宅。:わくよでんたく】
...或〔あるい〕は田宅〔でんたく〕、

【聚落城邑。:じゅらくじょうおう】
...聚落〔じゅらく〕、城邑〔じょうおう〕を与〔あた〕え、

【或与衣服厳身之具。:わくよえぶくごんじんしぐ】
...或〔あるい〕は衣服〔えぶく〕、厳身〔ごんじん〕の具〔ぐ〕を与〔あた〕え、

【或与種種珍寶。:わくよしゅじゅちんぼう】
...或〔あるい〕は種種〔しゅじゅ〕の珍寶〔ちんぼう〕、

【金。:こん】
...金〔こん〕、

【銀。:ごん】
...銀〔ごん〕、

【瑠璃。:るり】
...瑠璃〔るり〕、

【硨磲。:しゃこ】
...硨磲〔しゃこ〕、

【碼碯。:めのう】
...碼碯〔めのう〕、

【珊瑚。:さんご】
...珊瑚〔さんご〕、

【琥珀。:こはく】
...琥珀〔こはく〕、

【象馬車乗。:ぞうめしゃじょう】
...象馬〔ぞうめ〕、車乗〔しゃじょう〕、

【奴婢人民。:ぬびにんみん】
...奴婢〔ぬひ〕、人民〔にんみん〕を与〔あた〕う。

【唯髻中明珠。:ゆいけいちゅうみょうしゅ】
...唯〔ただ〕、髻中〔けいちゅう〕の明珠〔みょうしゅ〕のみ

【不以与之。:ふいよし】
...以〔もっ〕て之〔これ〕を与〔あた〕えず。

【所以者何。:しょいしゃが】
...所以〔ゆえ〕は何〔いか〕ん。

【独王頂上。:どくおうちょうじょう】
...独〔ひとり〕王〔おう〕の頂上〔ちょうじょう〕に、

【有此一珠。:うしいっしゅ】
...此〔こ〕の一〔ひと〕つの珠〔たま〕有〔あ〕り、

【若以与之。:にゃくいよし】
...若〔も〕し以〔もっ〕て之〔これ〕を与〔あた〕えば、

【王諸眷属。:おうしょけんぞく】
...王〔おう〕の諸〔もろもろ〕の眷属〔けんぞく〕、

【必大驚怪。:ひつだいきょうけ】
...必〔かなら〕ず大〔おお〕いに驚〔おどろ〕き怪〔あや〕しめばなり。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【如来亦復如是。:にょらいやくぶにょぜ】
...如来〔にょらい〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【以禅定智慧力。:いぜんじょうちえりき】
...禅定〔ぜんじょう〕、智慧〔ちえ〕の力〔ちから〕を以〔もっ〕て、

【得法国土。:とくほうこくど】
...法〔ほう〕の国土〔こくど〕を得〔え〕て、

【王於三界。:おうおさんがい】
...三界〔さんがい〕に王〔おう〕たり。

【而諸魔王。:にしょまおう】
...而〔しか〕るを諸〔もろもろ〕の魔王〔まおう〕、

【不肯順伏。:ふこうじゅんぶく】
...肯〔あ〕えて順伏〔じゅんぶく〕せず。

【如来賢聖諸将。:にょらいげんじょうしょしょう】
...如来〔にょらい〕の賢聖〔げんじょう〕の諸将〔しょしょう〕、

【与之共戦。:よしぐせん】
...之〔これ〕と共〔とも〕に戦〔たたか〕うに、

【其有功者。:ごうくしゃ】
...其〔そ〕の功〔く〕有〔あ〕る者〔もの〕には、

【心亦歓喜。:しんやっかんぎ】
...心〔こころ〕亦〔また〕歓喜〔かんぎ〕して、

【於四衆中。:おししゅちゅう】
...四衆〔ししゅ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【為説諸經。:いせっしょきょう】
...為〔ため〕に諸經〔しょきょう〕を説〔と〕いて、

【令其心悦。:りょうごしんえつ】
...其〔そ〕の心〔こころ〕をして悦〔よろこ〕ばしめ、

【賜以禅定。:しいぜんじょう】
...賜〔たも〕うに禅定〔ぜんじょう〕、

【解脱。:げだつ】
...解脱〔げだつ〕、

【無漏根力。:むろこんりき】
...無漏根〔むろこん〕、

【諸法之財。:しょほうしざい】
...力〔ちから〕の諸法〔しょほう〕の財〔たから〕を以〔もっ〕てし、

【又復賜与。:うぶしよ】
...又復〔またまた〕、

【涅槃之城。:ねはんしじょう】
...涅槃〔ねはん〕の城〔しろ〕を賜与〔しよ〕して、

【言得滅度。:ごんとくめつど】
...滅度〔めつど〕を得〔え〕たりと言〔い〕って、

【引導其心。:いんどうごしん】
...其〔そ〕の心〔こころ〕を引導〔いんどう〕して、

【令皆歓喜。:りょうかいかんぎ】
...皆〔みな〕歓喜〔かんぎ〕せしむ。

【而不為説。:にふいせつ】
...而〔しか〕も為〔ため〕に、

【是法華經。:ぜほけきょう】
...是〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕を説〔と〕かず。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【如転輪王。:にょてんりんのう】
...転輪王〔てんりんのう〕の、

【見諸兵衆。:けんしょひょうしゅ】
...諸〔もろもろ〕の兵衆〔ひょうしゅ〕の

【有大功者。:うだいくしゃ】
...大功〔だいく〕有〔あ〕る者〔もの〕を見〔み〕ては、

【心甚歓喜。:しんじんかんぎ】
...心〔こころ〕甚〔はなは〕だ歓喜〔かんぎ〕して、

【以此難信之珠。:いしなんしんししゅ】
...此〔こ〕の難信〔なんしん〕の珠〔たま〕の、

【久在髻中。:くざいけいちゅう】
...久〔ひさ〕しく髻中〔けいちゅう〕に在〔あ〕って、

【不妄与人。:ふもうよにん】
...妄〔みだ〕りに人〔ひと〕に与〔あた〕えざるを以〔もっ〕て、

【而今与之。:にこんよし】
...今〔いま〕之〔これ〕を与〔あた〕えんが

【如来亦復如是。:にょらいやくぶにょぜ】
...如〔ごと〕く、如来〔にょらい〕も亦復〔またまた〕是〔かく〕の如〔ごと〕し。

【於三界中。:おさんがいちゅう】
...三界〔さんがい〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【為大法王。:いだいほうおう】
...大法王為〔だいほうおうた〕り。

【以法教化。:いほうきょうけ】
...法〔ほう〕を以〔もっ〕て

【一切衆生。:いっさいしゅじょう】
...一切〔いっさい〕衆生〔しゅじょう〕を教化〔きょうけ〕す。

【見賢聖軍。:けんげんじょうぐん】
...賢聖〔げんじょう〕の軍〔ぐん〕の、

【与五陰魔。:よごおんま】
...五陰魔〔ごおんま〕、

【煩悩魔。:ぼんのうま】
...煩悩魔〔ぼんのうま〕、

【死魔共戦。:しまぐせん】
...死魔〔しま〕と共〔とも〕に戦〔たたか〕うに、

【有大功勲。:うだいくくん】
...大功勲〔だいくくん〕有〔あ〕って、

【滅三毒。:めっさんどく】
...三毒〔さんどく〕を滅〔めっ〕し、

【出三界。:しゅっさんがい】
...三界〔さんがい〕を出〔い〕でて、

【破魔網。:はまもう】
...魔網〔まもう〕を破〔は〕するを見〔み〕ては、

【爾時如来。:にじにょらい】
...爾〔そ〕の時〔とき〕に如来〔にょらい〕、

【亦大歓喜。:やくだいかんぎ】
...亦〔また〕大〔おお〕いに歓喜〔かんぎ〕して、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕の、

【能令衆生。:のうりょうしゅじょう】
...能〔よ〕く衆生〔しゅじょう〕をして、

【至一切智。:しいっさいち】
...一切智〔いっさいち〕に至〔いた〕らしめ、

【一切世間。:いっさいせけん】
...一切〔いっさい〕世間〔せけん〕に

【多怨難信。:たおんなんしん】
...怨〔あだ〕多〔おお〕くして信〔しん〕じ難〔がた〕く、

【先所未説。:せんしょみせつ】
...先〔さき〕に未〔いま〕だ説〔と〕かざる所〔ところ〕なるを、

【而今説之。:にこんせっし】
...而〔しか〕も今〔いま〕之〔これ〕を説〔と〕く。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕は、

【是諸如来。:ぜしょにょらい】
...是〔こ〕れ諸〔もろもろ〕の如来〔にょらい〕の

【第一之説。:だいいっしせつ】
...第一〔だいいち〕の説〔せつ〕、

【於諸説中。:おしょせっちゅう】
...諸説〔しょせつ〕の中〔なか〕に於〔おい〕て

【最為甚深。:さいいじんじん】
...最〔もっと〕も為〔こ〕れ甚深〔じんじん〕なり。

【末後賜与。:まつごしよ】
...末後〔まつご〕に賜与〔しよ〕すること、

【如彼強力之王。:にょひごうりきしおう】
...彼〔か〕の強力〔ごうりき〕の王〔おう〕の、

【久護明珠。:くごみょうしゅ】
...久〔ひさ〕しく護〔まも〕れる明珠〔みょうしゅ〕を、

【今乃与之。:こんないよし】
...今〔いま〕乃〔すなわ〕ち之〔これ〕を与〔あた〕うるが如〔ごと〕し。

【文殊師利。:もんじゅしり】
...文殊師利〔もんじゅしり〕、

【此法華經。:しほけきょう】
...此〔こ〕の法華經〔ほけきょう〕は、

【諸佛如来。:しょぶつにょらい】
...諸佛〔しょぶつ〕如来〔にょらい〕の

【秘密之蔵。:ひみつしぞう】
...秘密〔ひみつ〕の蔵〔ぞう〕なり。

【於諸經中。:おしょきょうちゅう】
...諸經〔しょきょう〕の中〔なか〕に於〔おい〕て、

【最在其上。:さいざいごじょう】
...最〔もっと〕も其〔そ〕の上〔かみ〕に在〔あ〕り、

【長夜守護。:じょうやしゅご】
...長夜〔じょうや〕に守護〔しゅご〕して、

【不妄宣説。:ふもうせんぜつ】
...妄〔みだ〕りに宣説〔せんぜつ〕せざるを、

【始於今日。:しおこんにち】
...始〔はじ〕めて今日〔こんにち〕に於〔おい〕て、

【乃与汝等。:ないよにょとう】
...乃〔すなわ〕ち汝等〔なんだち〕が与〔とも〕に、

【而敷演之。:にふえんし】
...而〔しか〕も之〔これ〕を敷演〔ふえん〕す。

【爾時世尊。:にじせそん】
爾〔そ〕の時〔とき〕に世尊〔せそん〕、

【欲重宣此義。:よくじゅうせんしぎ】
重〔かさ〕ねて此〔こ〕の義〔ぎ〕を宣〔の〕べんと欲〔ほっ〕して、

【而説偈言:にせつげごん】
偈〔げ〕を説〔と〕いて言〔のたま〕わく、

【常行忍辱:じょうぎょうにんにく】
...常〔つね〕に忍辱〔にんにく〕を行〔ぎょう〕じ

【哀愍一切:あいみんいっさい】
...一切〔いっさい〕を哀愍〔あいみん〕して

【乃能演説:ないのうえんぜつ】
...乃〔すなわ〕ち能〔よ〕く

【佛所讃經:ぶっしょさんぎょう】
...佛〔ほとけ〕の讃〔ほ〕めたもう所〔ところ〕の經〔きょう〕を演説〔えんぜつ〕す

【後末世時:ごまっせじ】
...後〔のち〕の末世〔まっせ〕の時〔とき〕

【持此經者:じしきょうじゃ】
...此〔こ〕の經〔きょう〕を持〔たも〕たん者〔もの〕は

【於家出家:おけしゅっけ】
...家〔け〕と出家〔しゅっけ〕と

【及非菩薩:ぎゅうひぼさつ】
...及〔およ〕び非菩薩〔ひぼさつ〕とに於〔おい〕て

【應生慈悲:おうしょうじひ】
...應〔まさ〕に慈悲〔じひ〕を生〔しょう〕ずべし

【斯等不聞:しとうふもん】
...斯等〔これら〕

【不信是經:ふしんぜきょう】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を聞〔き〕かず信〔しん〕ぜず

【則為大失:そくいだいしつ】
...則〔すなわ〕ち為〔こ〕れ大〔おお〕いに失〔うしな〕えり

【我得佛道:がとくぶつどう】
...我〔われ〕佛道〔ぶつどう〕を得〔え〕て

【以諸方便:いしょほうべん】
...諸〔もろもろ〕の方便〔ほうべん〕を以〔もっ〕て

【為説此法:いせっしほう】
...為〔ため〕に此〔こ〕の法〔ほう〕を説〔と〕いて

【令住其中:りょうじゅうごちゅう】
...其〔そ〕の中〔なか〕に住〔じゅう〕せしめん

【譬如強力:ひにょごうりき】
...譬〔たと〕えば強力〔ごうりき〕の

【転輪之王:てんりんしおう】
...転輪〔てんりん〕の王〔おう〕

【兵戦有功:ひょうせんうく】
...兵〔つわもの〕の戦〔たたか〕って功〔く〕有〔あ〕るに

【賞賜諸物:しょうししょもつ】
...諸物〔しょもつ〕の

【象馬車乗:ぞうめしゃじょう】
...象馬〔ぞうめ〕車乗〔しゃじょう〕

【厳身之具:ごんじんしぐ】
...厳身〔ごんじん〕の具〔ぐ〕

【及諸田宅:ぎっしょでんたく】
...及〔およ〕び諸〔もろもろ〕の田宅〔でんたく〕

【聚落城邑:じゅらくじょうおう】
...聚落〔じゅらく〕城邑〔じょうおう〕を賞賜〔しょうし〕し

【或与衣服:わくよえぶく】
...或〔あるい〕は衣服〔えぶく〕

【種種珍寶:しゅじゅちんぼう】
...種種〔しゅじゅ〕の珍寶〔ちんぼう〕

【奴婢財物:ぬひざいもつ】
...奴婢〔ぬひ〕財物〔ざいもつ〕を与〔あた〕え

【歓喜賜与:かんぎしよ】
...歓喜〔かんぎ〕して賜与〔しよ〕す

【如有勇健:にょうゆうごん】
...勇健〔ゆうごん〕にして

【能為難事:のういなんじ】
...能〔よ〕く難事〔なんじ〕を為〔な〕すこと有〔あ〕るには

【王解髻中:おうげけいちゅう】
...王髻中〔おうけいちゅう〕の

【明珠賜之:みょうしゅしし】
...明珠〔みょうしゅ〕を解〔と〕きて之〔これ〕を賜〔たま〕わんが如〔ごと〕く

【如来亦爾:にょらいやくに】
...如来〔にょらい〕も亦〔また〕爾〔しか〕なり

【為諸法王:いしょほうおう】
...為〔こ〕れ諸法〔しょほう〕の王〔おう〕

【忍辱大力:にんにくだいりき】
...忍辱〔にんにく〕の大力〔だいりき〕

【智慧寶蔵:ちえほうぞう】
...智慧〔ちえ〕の寶蔵〔ほうぞう〕あり

【以大慈悲:いだいじひ】
...大慈悲〔だいじひ〕を以〔もっ〕て

【如法化世:にょほうけせ】
...法〔ほう〕の如〔ごと〕く世〔よ〕を化〔け〕す

【見一切人:けんいっさいにん】
...一切〔いっさい〕の人〔ひと〕の

【受諸苦悩:じゅしょくのう】
...諸〔もろもろ〕の苦悩〔くのう〕を受〔う〕け

【欲求解脱:よくぐげだつ】
...解脱〔げだつ〕を欲求〔よくぐ〕して

【与諸魔戦:よしょません】
...諸〔もろもろ〕の魔〔ま〕と戦〔たたか〕うを見〔み〕て

【為是衆生:いぜしゅじょう】
...是〔こ〕の衆生〔しゅじょう〕の為〔ため〕に

【説種種法:せっしゅじゅほう】
...種種〔しゅじゅ〕の法〔ほう〕を説〔と〕き

【以大方便:いだいほうべん】
...大方便〔だいほうべん〕を以〔もっ〕て

【説此諸經:せっししょきょう】
...此〔こ〕の諸經〔しょきょう〕を説〔と〕く

【既知衆生:きちしゅじょう】
...既〔すで〕に衆生〔しゅじょう〕

【得其力已:とくごりきい】
...其〔そ〕の力〔ちから〕を得〔え〕已〔おわ〕んぬと知〔し〕っては

【末後乃為:まつごないい】
...末後〔まつご〕に乃〔すなわ〕ち為〔ため〕に

【説是法華:せつぜほっけ】
...是〔こ〕の法華〔ほっけ〕を説〔と〕くこと

【如王解髻:にょおうげけい】
...王〔おう〕髻〔もとどり〕の明珠〔みょうしゅ〕を解〔と〕きて

【明珠与之:みょうしゅよし】
...之〔これ〕を与〔あた〕えんが如〔ごと〕し

【此經為尊:しきょういそん】
...此〔こ〕の經〔きょう〕は為〔こ〕れ尊〔そん〕

【衆經中上:しゅきょうちゅうじょう】
...衆經〔しゅきょう〕の中〔なか〕の上〔かみ〕なり

【我常守護:がじょうしゅご】
...我〔われ〕常〔つね〕に守護〔しゅご〕して

【不妄開示:ふもうかいじ】
...妄〔みだ〕りに開示〔かいじ〕せず

【今正是時:こんしょうぜじ】
...今〔いま〕正〔まさ〕しく是〔こ〕れ時〔とき〕なり

【為汝等説:いにょとうせつ】
...汝等〔なんだち〕が為〔ため〕に説〔と〕く

【我滅度後:がめつどご】
...我〔わ〕が滅度〔めつど〕の後〔のち〕に

【求佛道者:ぐぶつどうしゃ】
...佛道〔ぶつどう〕を求〔もと〕めん者〔もの〕

【欲得安穏:よくとくあんのん】
...安穏〔あんのん〕に

【演説斯經:えんぜっしきょう】
...斯〔こ〕の經〔きょう〕を演説〔えんぜつ〕することを得〔え〕んと欲〔ほっ〕せば

【應當親近:おうとうしんごん】
...應當〔まさ〕に

【如是四法:にょぜしほう】
...是〔かく〕の如〔ごと〕き四法〔しほう〕に親近〔しんごん〕すべし

【読是經者:どくぜきょうじゃ】
...是〔こ〕の經〔きょう〕を読〔よ〕まん者〔もの〕は

【常無憂悩:じょうむうのう】
...常〔つね〕に憂悩〔うのう〕無〔な〕く

【又無病痛:うむびょうつう】
...又〔また〕病痛〔びょうつう〕無〔な〕く

【顔色鮮白:げんしきせんびゃく】
...顔色〔げんしき〕鮮白〔せんびゃく〕ならん

【不生貪窮:ふしょうびんぐ】
...貪窮〔びんぐ〕

【卑賤醜陋:ひせんしゅうる】
...卑賤〔ひせん〕醜陋〔しゅうる〕に生〔うま〕れじ

【衆生楽見:しゅじょうぎょうけん】
...衆生〔しゅじょう〕の見〔み〕んと楽〔ねが〕わんこと

【如慕賢聖:にょぼげんじょう】
...賢聖〔げんじょう〕を慕〔した〕うが如〔ごと〕くならん

【天諸童子:てんしょどうじ】
...天〔てん〕の諸〔もろもろ〕の童子〔どうじ〕

【以為給使:いいきゅうじ】
...以〔もっ〕て給使〔きゅうじ〕を為〔な〕さん

【刀杖不加:とうじょうふか】
...刀杖〔とうじょう〕も加〔くわ〕えず

【毒不能害:どくふのうがい】
...毒〔どく〕も害〔がい〕すること能〔あた〕わじ

【若人惡罵:にゃくにんおめ】
...若〔も〕し人〔ひと〕惡〔にく〕み罵〔ののし〕らば

【口則閉塞:くそくへいそく】
...口〔くち〕則〔すなわ〕ち閉塞〔へいそく〕せん

【遊行無畏:ゆぎょうむい】
...遊行〔ゆぎょう〕するに畏〔おそ〕れ無〔な〕きこと

【如師子王:にょししおう】
...師子王〔ししおう〕の如〔ごと〕く

【智慧光明:ちえこうみょう】
...智慧〔ちえ〕の光明〔こうみょう〕

【如日之照:にょにっししょう】
...日〔ひ〕の照〔てら〕すが如〔ごと〕くならん

【若於夢中:にゃくおむちゅう】
...若〔も〕し夢〔ゆめ〕の中〔うち〕に於〔おい〕ても

【但見妙事:たんけんみょうじ】
...但〔ただ〕妙〔たえ〕なる事〔じ〕を見〔み〕ん

【見諸如来:けんしょにょらい】
...諸〔もろもろ〕の如来〔にょらい〕の

【坐師子座:ざししざ】
...師子座〔ししざ〕に坐〔ざ〕したまいて

【諸比丘衆:しょびくしゅ】
...諸〔もろもろ〕の比丘衆〔びくしゅ〕に

【圍遶説法:いにょうせっぽう】
...囲繞〔いにょう〕せられて説法〔せっぽう〕したもうを見〔み〕ん

【又見龍神:うけんりゅうじん】
...又〔また〕龍神〔りゅうじん〕

【阿修羅等:あしゅらとう】
...阿修羅等〔あしゅらとう〕

【数如恒沙:しゅにょごうじゃ】
...数〔かず〕恒沙〔ごうじゃ〕の如〔ごと〕くにして

【恭敬合掌:くぎょうがっしょう】
...恭敬〔くぎょう〕合掌〔がっしょう〕し

【自見其身:じけんごしん】
...自〔みずか〕ら其〔そ〕の身〔み〕を見〔み〕るに

【而為説法:にいせっぽう】
...而〔しか〕も為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕くと見〔み〕ん

【又見諸佛:うけんしょぶつ】
...又〔また〕諸佛〔しょぶつ〕の

【身相金色:しんそうこんじき】
...身相〔しんそう〕金色〔こんじき〕にして

【放無量光:ほうむりょうこう】
...無量〔むりょう〕の光〔ひかり〕を放〔はな〕って

【照於一切:しょうおいっさい】
...一切〔いっさい〕を照〔てら〕し

【以梵音声:いぼんのんじょう】
...梵音声〔ぼんおんじょう〕を以〔もっ〕て

【演説諸法:えんぜっしょほう】
...諸法〔しょほう〕を演説〔えんぜつ〕し

【佛為四衆:ぶっちししゅ】
...佛〔ほとけ〕四衆〔ししゅ〕の為〔ため〕に

【説無上法:せつむじょうほう】
...無上〔むじょう〕の法〔ほう〕を説〔と〕きたもう

【見身処中:けんしんしょちゅう】
...身〔み〕を見〔み〕るに中〔なか〕に処〔しょ〕して

【合掌讃佛:がっしょうさんぶつ】
...合掌〔がっしょう〕して佛〔ほとけ〕を讃〔さん〕じ

【聞法歓喜:もんぼうかんぎ】
...法〔ほう〕を聞〔き〕き歓喜〔かんぎ〕して

【而為供養:にいくよう】
...供養〔くよう〕を為〔な〕し

【得陀羅尼:とくだらに】
...陀羅尼〔だらに〕を得〔え〕

【證不退智:しょうふたいち】
...不退〔ふたい〕の智〔ち〕を證〔しょう〕す

【佛知其心:ぶっちごしん】
...佛〔ほとけ〕其〔そ〕の心〔こころ〕

【深入佛道:じんにゅうぶつどう】
...深〔ふか〕く佛道〔ぶつどう〕に入〔い〕れりと知〔し〕ろしめして

【即為授記:そくいじゅき】
...即〔すなわ〕ち為〔ため〕に

【成最正覚:じょうさいしょうがく】
...最正覚〔さいしょうがく〕を成〔じょう〕ずることを授記〔じゅき〕して

【汝善男子:にょぜんなんし】
...汝〔なんじ〕善男子〔ぜんなんし〕

【當於来世:とうおらいせ】
...當〔まさ〕に来世〔らいせ〕に於〔おい〕て

【得無量智:とくむりょうち】
...無量智〔むりょうち〕の

【佛之大道:ぶっしだいどう】
...佛〔ほとけ〕の大道〔だいどう〕を得〔え〕て

【国土厳浄:こくどごんじょう】
...国土〔こくど〕厳浄〔ごんじょう〕にして

【廣大無比:こうだいむひ】
...廣大〔こうだい〕なること比〔たぐい〕無〔な〕く

【亦有四衆:やくうししゅ】
...亦〔また〕四衆〔ししゅ〕有〔あ〕り

【合掌聴法:がっしょうちょうぼう】
...合掌〔がっしょう〕して法〔ほう〕を聴〔き〕くべしとのたもうを見〔み〕ん

【又見自身:うけんじしん】
...又〔また〕自身〔じしん〕

【在山林中:ざいせんりんちゅう】
...山林〔せんりん〕の中〔なか〕に在〔あ〕って

【修習善法:しゅじゅうぜんぼう】
...善法〔ぜんほう〕を修習〔しゅじゅう〕し

【證諸實相:しょうしょじっそう】
...諸〔もろもろ〕の實相〔じつそう〕を證〔しょう〕し

【深入禅定:じんにゅうぜんじょう】
...深〔ふか〕く禅定〔ぜんじょう〕に入〔い〕って

【見十方佛:けんじっぽうぶつ】
...十方〔じっぽう〕の佛〔ほとけ〕を見〔み〕たてまつると見〔み〕ん

【諸佛身金色:しょぶっしんこんじき】
...諸佛〔しょぶつ〕の身〔み〕金色〔こんじき〕にして

【百福相荘厳:ひゃっぷくそうしょうごん】
...百福〔ひゃっぷく〕の相〔そう〕荘厳〔しょうごん〕したもう

【聞法為人説:もんぼういにんせつ】
...法〔ほう〕を聞〔き〕いて人〔ひと〕の為〔ため〕に説〔と〕く

【常有是好夢:じょううぜこうむ】
...常〔つね〕に是〔こ〕の好〔よ〕き夢〔ゆめ〕有〔あ〕らん

【又夢作国王:うむさこくおう】
...又〔また〕夢〔ゆめ〕むらく国王〔こくおう〕と作〔な〕って

【捨宮殿眷属:しゃくうでんけんぞく】
...宮殿〔くうでん〕眷属〔けんぞく〕

【及上妙五欲:ぎゅうじょうみょうごよく】
...及〔およ〕び上妙〔じょうみょう〕の五欲〔ごよく〕を捨〔す〕てて

【行詣於道場:ぎょうけいおどうじょう】
...道場〔どうじょう〕に行詣〔ぎょうけい〕し

【在菩提樹下:ざいぼだいじゅげ】
...菩提樹下〔ぼだいじゅげ〕に在〔あ〕って

【而処師子座:にしょししざ】
...師子座〔ししざ〕に処〔しょ〕し

【求道過七日:ぐどうかしちにち】
...道〔どう〕を求〔もと〕むること七日〔しちにち〕を過〔す〕ぎて

【得諸佛之智:とくしょぶっしち】
...諸佛〔しょぶつ〕の智〔ち〕を得〔え〕

【成無上道已:じょうむじょうどうい】
...無上道〔むじょうどう〕を成〔じょう〕じ已〔おわ〕り

【起而転法輪:きにてんぼうりん】
...起〔た〕って法輪〔ほうりん〕を転〔てん〕じ

【為四衆説法:いししゅせっぽう】
...四衆〔ししゅ〕の為〔ため〕に法〔ほう〕を説〔と〕くこと

【經千萬億劫:きょうせんまんのっこう】
...千萬億劫〔せんまんのくこう〕を經〔へ〕

【説無漏妙法:せつむろみょうほう】
...無漏〔むろ〕の妙法〔みょうほう〕を説〔と〕き

【度無量衆生:どむりょうしゅじょう】
...無量〔むりょう〕の衆生〔しゅじょう〕を度〔ど〕して

【後當入涅槃:ごとうにゅうねはん】
...後〔のち〕に當〔まさ〕に涅槃〔ねはん〕に入〔い〕ること

【如煙尽燈滅:にょえんじんとうめつ】
...煙〔けむり〕尽〔つ〕きて燈〔ひ〕の滅〔き〕ゆるが如〔ごと〕し

【若後惡世中:にゃくごあくせちゅう】
...若〔も〕し後〔のち〕の惡世〔あくせ〕の中〔なか〕に

【説是第一法:せつぜだいいっぽう】
...是〔こ〕の第一〔だいいち〕の法〔ほう〕を説〔と〕かば

【是人得大利:ぜにんとくだいり】
...是〔こ〕の人〔ひと〕大利〔だいり〕を得〔え〕んこと

【如上諸功徳:にょじょうしょくどく】
...上〔かみ〕の諸〔もろもろ〕の功徳〔くどく〕の如〔ごと〕くならん



ページのトップへ戻る