日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


立正安国論 10 疑いを断じて信を生ず


第九問 法水の浅深を斟酌し仏家の棟梁を崇重せん

【客則ち席を避〔さ〕け襟〔えり〕を刷〔つくろ〕ひて曰く、】
客は、姿勢を改めて襟を正して次のように言いました。

【仏教斯区〔まちまち〕にして旨趣〔ししゅ〕窮〔きわ〕め難く、】
仏の教えは、細かく分かれており、その真意は、なかなか究めがたく、

【不審多端〔たたん〕にして理非明らかならず。】
また数々の疑問も多く、道理も明らかでありません。

【但し法然聖人の選択〔せんちゃく〕現在なり。】
しかし、法然上人の選択集が間違っている事は明らかな事です。

【諸仏・諸経・諸菩薩・諸天等を以て】
この選択集には、多くの仏も経も菩薩も諸天善神も

【捨閉閣抛〔しゃへいかくほう〕と載〔の〕す。其の文顕然〔けんねん〕なり。】
捨てよ閉じよ閣〔さしお〕け抛〔なげう〕てと書かれている事は間違いありません。

【茲〔これ〕に因〔よ〕って聖人国を去り善神所〔ところ〕を捨て、】
この誤った事が信じられている為に、聖人は、国を去り、諸天善神も地を捨て、

【天下飢渇〔けかち〕し、世上疫病〔やくびょう〕すと。】
その結果、天下は、飢饉と疫病に苦しんでいるのです。

【今〔いま〕主人広く経文を引いて明らかに理非を示す。】
今、あなたが広く経文を引用して道理を示されました。

【故に妄執既〔すで〕に飜〔ひるがえ〕り、】
それによって、いままで盲目的に念仏に執着していた間違った考えを改め、

【耳目〔じもく〕数〔しばしば〕朗〔あき〕らかなり。】
耳目を開いて正しい考えを理解する事が出来ました。

【所詮〔しょせん〕国土泰平天下安穏〔あんのん〕は、一人〔いちにん〕より】
国土が泰平であり天下が安穏である事は、上は天皇から

【万民〔ばんみん〕に至るまで好む所なり楽〔ねが〕ふ所なり。】
下は庶民に至るまで、すべての人々が望み願うところです。

【早く一闡提〔いっせんだい〕の施を止め、永く衆僧尼〔しゅそうに〕の】
一日も早く一闡提への布施を止めて、将来まで正法をたもつ僧侶や尼僧に

【供〔く〕を致し、仏海〔ぶっかい〕の白浪〔はくろう〕を収め、】
供養をして、仏教の敵〔かたき〕が巻き起こした荒波をおさめ、

【法山〔ほうざん〕の緑林〔りょくりん〕を截〔き〕らば、】
仏法に背く輩〔やから〕を斬って念仏を止めれば、

【世は羲農〔ぎのう〕の世と成り国は唐虞〔とうぐ〕の国と為らん。】
世の中は、中国の伝説にあるような平和で豊かな国土となるでしょう。

【然して後〔のち〕法水の浅深〔せんじん〕を斟酌〔しんしゃく〕し、】
その後に仏法の血脈がどこに流れているかを調べて

【仏家の棟梁〔とうりょう〕を崇重せん。】
仏教の本尊として崇め敬うべきでしょう。

第九答 汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ

【主人悦〔よろこ〕んで曰く、鳩化〔はとけ〕して鷹〔たか〕と為り、】
主人は、その言葉に喜び、まるで、いきなり愚かな鳩が賢い鷹となり、

【雀〔すずめ〕変〔へん〕じて蛤〔はまぐり〕と為る。】
役立たずのスズメが美味しいハマグリになったようです。

【悦ばしいかな、汝蘭室〔らんしつ〕の友に交はりて】
嬉しい事に、香りの良い蘭室に入れば自然と身体が香り、

【麻畝〔まほ〕の性〔しょう〕と成る。】
周りが麻で囲まれればヨモギでさえもまっすぐに育ちます。

【誠に其の難を顧〔かえり〕みて専ら此の言を信ぜば、】
真摯に現在の災難を顧みて、この議論の結論を信じれば、

【風和〔やわ〕らぎ浪〔なみ〕静かにして不日〔ふじつ〕に豊年ならんのみ。】
現在の暴風が和らぎ怒涛の波がおさまって、豊かな年が来ることでしょう。

【但し人の心は時に随って移り、】
しかし、人の心は、うつろいやすく、

【物の性は境に依って改まる。】
また物の意義は、その環境によって変化するものです。

【譬へば猶〔なお〕水中の月の波に動き、】
たとえば、水に映った月が波によってその姿を変え、

【陣前〔じんぜん〕の軍〔いくさ〕の剣〔つるぎ〕に靡〔なび〕くがごとし。】
戦場では、軍隊の武器の量に戦況が変わるようなものなのです。

【汝当座に信ずと雖も後定めて永く忘れん。】
あなたは、現在は、私の言葉を信じているようですが、後に忘れてしまうでしょう。

【若〔も〕し先づ国土を安〔やす〕んじて現当を祈らんと欲せば、】
もしも心から国土の安泰を願い、現世の安穏を祈り、未来の成仏を求めるならば、

【速〔すみ〕やかに情慮〔じょうりょ〕を廻〔めぐ〕らし】
すみやかに心を改めて、

【怱〔いそ〕いで対治を加へよ。】
いそいで謗法の者を退治しなければなりません。

【所以〔ゆえん〕は何〔いかん〕。薬師経の七難の内、】
なぜならば、薬師経の七難のうち、

【五難忽〔たちま〕ちに起こり二難猶残れり。】
五つの難は、すでに起きていますが、まだ、二つの難が残っているからです。

【所以〔いわゆる〕他国侵逼〔しんぴつ〕の難・】
ようするに、それは、外国からの侵略と

【自界叛逆〔ほんぎゃく〕の難なり。】
国内の内戦なのです。

【大集経の三災の内、二災早く顕はれ一災未だ起こらず。】
大集経にある三つの災いのうち、二つの災いは、すでに現れましたが、

【所以兵革〔ひょうかく〕の災なり。】
もう一つがまだ残っています。それは、戦争です。

【金光明〔こんこうみょう〕経の内、種々の災過一々に起こると雖も、】
金光明経に説かれる様々な災禍は、ほとんど起こりましたが、

【他方の怨賊〔おんぞく〕国内を侵掠〔しんりょう〕する、】
他国の恨みを持った軍隊が国内を侵略するという

【此の災未だ露〔あら〕はれず、此の難未だ来たらず。】
この災難だけは、未だ現われていません。

【仁王〔にんのう〕経の七難の内、六難今盛んにして一難未だ現ぜず。】
仁王経の七難のうち六難は、今や盛んに起こっていますが、四方の賊が攻めて来て、

【所以〔いわゆる〕四方の賊来たりて国を侵すの難なり。】
この国を侵略するという難だけは、未だ現われていません。

【加之〔しかのみならず〕国土乱れん時は先づ鬼神乱る、】
その上、仁王経の文章にも、国が乱れる時は、まず鬼神が暴れる。

【鬼神乱るゝが故に万民乱ると。】
鬼神が暴れるから万民が乱れるとありました。

【今此の文に就〔つ〕いて具〔つぶさ〕に事〔こと〕の情〔こころ〕を案ずるに、】
この経文に照らし合わせて現在の日本の状況を考えると、

【百鬼早く乱れ万民多く亡ぶ。】
まさしく鬼神が力をふるって、その為に多くの人々が倒れ死んだのです。

【先難是〔これ〕明らかなり、】
このように経典には、明らかに説かれており幾つもの難がすでに起こっております。

【後災〔こうさい〕何ぞ疑はん。】
残りの災難も必ず現われるに違いありません。

【若し残る所の難〔なん〕悪法の科〔とが〕に依って並び起こり競ひ来たらば】
もし、残りの戦乱の二難が、選択集の謗法の罪によって起こるならば、

【其の時何〔いかん〕が為〔せ〕んや。】
その時は、どうすれば良いのでしょうか。

【帝王は国家を基〔もとい〕として天下を治め、】
帝王は、国家の体制を基礎として政治を行ない、

【人臣は田園を領して世上を保つ。】
人民は、産業を興して世の中をたもっています。

【而るに他方の賊来たりて其の国を侵逼〔しんぴつ〕し、】
それなのに外国から攻められて国土を侵略され、

【自界叛逆〔ほんぎゃく〕して其の地を掠領〔りょうりょう〕せば、】
また国内の戦乱によって土地が荒廃したならば、

【豈〔あに〕驚かざらんや豈騒がざらんや。】
どうして、それを驚かず、騒がずにいられましょうか。

【国を失ひ家を滅せば何〔いず〕れの所にか世を遁〔のが〕れん。】
国が亡び、家を失って、いったいどこに逃れる事が出来るでしょうか。

【汝須〔すべから〕く一身の安堵〔あんど〕を思はゞ】
一身の安らかである事を願うならば、

【先ず四表の静謐〔せいひつ〕を祈〔いの〕るべきものか。】
まず、何をおいても世の中が穏やかである事を折らなければなりません。

【就中〔なかんずく〕人の世に在〔あ〕るや各〔おのおの〕後生を恐る。】
そうでなくても、人は誰でも死後のことを恐れるものです。

【是〔ここ〕を以て或は邪教を信じ、或は謗法を貴ぶ。】
その為に多くの邪教を信じ、謗法である教えを尊んだりするのです。

【各是非に迷ふことを悪〔にく〕むと雖も、】
その正邪に迷う事、自体は、問題ではありますが、

【而も猶仏法に帰することを哀〔かな〕しむ。】
それでも仏法に帰依しようとする心は、まことに哀れであると言えます。

【何ぞ同じく信心の力を以て】
そうであるからこそ、同じ信心をするなら、

【妄〔みだ〕りに邪義の詞〔ことば〕を宗〔あが〕めんや。】
邪宗の言葉を信じてはならないのです。

【若し執心翻〔ひるがえ〕らず、亦曲意〔きょくい〕猶存せば、】
もし、邪教に執着し心をひるがえさず間違った教えがいつまでも続くようであれば、

【早く有為〔うい〕の郷〔さと〕を辞して】
早く、この世を去って、死んでのちは、

【必ず無間〔むけん〕の獄〔ひとや〕に堕〔お〕ちなん。】
必ず無間地獄に堕ちるのです。

【所以〔ゆえん〕は何〔いかん〕、大集経に云はく】
なぜならば、大集経には、次のように説かれています。

【「若し国王有って無量世に於て施戒慧〔せかいえ〕を修すとも、】
もし、国王がいて、過去世に長時間、布施をなし戒律を持ち智恵を修行しても、

【我が法の滅せんを見て捨てゝ擁護〔おうご〕せずんば、】
仏法の滅びようとするのを見て、これを護らないならば、

【是くの如く種〔う〕うる所の無量の善根悉く皆滅失し、】
過去の長時間の間に植えた多くの善根も、すべて消え失せてしまい、

【乃至〔ないし〕其の王久しからずして当に重病に遇〔あ〕ひ、】
やがては、その王は重い病気にかかり、

【寿終〔じゅじゅう〕の後〔のち〕大地獄に生ずべし。】
最終的には、死んで、後には大地獄に堕ちるであろう。

【王の如く夫人〔ぶにん〕・太子・大臣・城主・柱師・郡主・宰官〔さいかん〕も】
また、この王ばかりでなく、夫人も太子も大臣も

【亦復是くの如くならん」と。】
すべての家臣もそれと同じようになるであろう。

【仁王経に云く】
仁王経の嘱累品にも次のように説かれています。

【「人〔ひと〕仏教を壊〔やぶ〕らば復孝子無く、六親不和にして】
仏教を破る者には、親孝行の子は生まれない。父母、兄弟、妻子が仲違いして、

【天神も祐〔たす〕けず、疾疫〔しつえき〕悪鬼日〔ひび〕に来たりて侵害し、】
諸天善神も助けてくれず、病魔に襲われない日々はなく、

【災怪首尾〔さいけしゅび〕し、連禍縦横〔れんかじゅうおう〕し、】
生涯どこへ行っても災難がついてまわり、

【死して地獄・餓鬼・畜生に入らん。若し出でて人と為らば】
死んでからは地獄、餓鬼、畜生に堕ちるであろう。たまたま人間と生まれても、

【兵奴〔ひょうぬ〕の果報ならん。】
このことによって兵隊や奴隷となって苦しみを受け続けるであろう。

【響きの如く影の如く、】
音が響くように物に影があるように、

【人の夜書〔ものか〕くに火は滅すれども字は存するが如く、】
また人が夜、燈火で文字を書き、その燈火が消えても文字が残るように現世の罪は、

【三界の果報も亦復是くの如し」と。】
いつまでも現世で犯した謗法の罪は、三世に渡って消えないのです。

【法華経第二に云はく】
法華経第二の巻の譬楡品には、次のように説かれています。

【若し人信ぜずして此の経を毀謗〔きぼう〕せば、】
もし、人が法華経を信じず、謗〔そし〕るならば、

【乃至其の人命終〔みょうじゅう〕して阿鼻獄に入らん」と。】
その人は、命が終わって無間地獄に堕ちる。

【又同第七巻不軽品〔ふきょうほん〕に云はく】
また、同じく法華経第七巻の常不軽菩薩品には、次のように説かれています。

【「千劫阿鼻地獄に於て】
法華経の行者を迫害した者は、

【大苦悩を受く」と。】
千劫という長い時間、無間地獄に堕ちて大苦悩を受ける。

【涅槃経に云はく】
涅槃経の迦葉品には次のように説かれています。

【「善友を遠離〔おんり〕し正法〔しょうぼう〕を聞かず悪法に住せば、】
正しい仲間と離れて正法を聞かず、悪法に執着するならば、

【是の因縁の故に沈没〔ちんもつ〕して阿鼻地獄に在って】
それが原因となって無間地獄の底に沈み、

【受くる所の身形〔しんぎょう〕縦横〔じゅうおう〕】
受けるところの苦しみは、

【八万四千由延〔ゆえん〕ならん」と。】
八万四千由旬という広大な無限地獄の大きさである。

【広く衆経を披〔ひら〕きたるに専ら謗法を重んず。】
このように多くの経文に謗法の罪が最も重いとされています。

【悲しいかな、皆正法〔しょうぼう〕の門〔もん〕を出でて】
それにもかかわらず、ほんとうに悲しい事に、みんな正法の門を出て、

【深く邪法の獄〔ごく〕に入る。】
邪教謗法の地獄に入ってしまうのです。

【愚かなるかな各〔おのおの〕悪教の綱に懸〔か〕かりて】
愚かにも、また、人々が悪い教えの綱〔つな〕に縛られて、

【鎮〔とこしなえ〕に謗教の網に纏〔まつ〕はる。】
長い間、謗法の網にからまって脱げ出せずにおります。

【此の朦霧〔もうむ〕の迷ひ彼の盛焔〔じょうえん〕の底に沈む。】
現世では、邪宗の濃霧で迷い、死後には、阿鼻地獄の焔の底に沈むのです。

【豈愁〔うれ〕へざらんや、豈苦しまざらんや。】
まことに憂慮すべき、怖ろしい事です。

【汝早く信仰の寸心を改めて】
そうであるからこそ、はやく邪宗を信仰する誤った心を改〔あらた〕めて、

【速やかに実乗の一善に帰せよ。】
ただちに唯一の真実の教えである法華経に帰依するべきです。

【然れば則ち三界は皆仏国なり、】
そうすれば、この世界は、そのまま仏のいる国となり、

【仏国其れ衰へんや。】
この仏のいる国は、決して衰える事はないのです。

【十方は悉く宝土なり、】
この世界の周りは、すべて豊かな地域となり、

【宝土何ぞ壊〔やぶ〕れんや。】
この豊かな地域は、決して壊れる事はないのです。

【国に衰微〔すいび〕無く土に破壊〔はえ〕無くんば】
国が衰えることなく、世界が破壊されなければ、

【身は是〔これ〕安全にして、心は是禅定ならん。】
自らの身体は、安全であり、心は、平和であるでしょう。

【此の詞〔ことば〕此の言〔こと〕信ずべく崇〔あが〕むべし。】
この言葉を心から信じ、そして尊〔とうと〕ばなければ、なりません。

第十問 唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡めん

【客の曰く、】
それを聞いて、客は、言いました。

【今生〔こんじょう〕後生〔ごしょう〕誰〔たれ〕か慎〔つつし〕まざらん】
現世の安穏や後生の善処を、誰が願わない者がありましょうか。

【誰か和〔したが〕はざらん。】
誰がそれを恐れない者がおりましょうか。

【此の経文を披きて具〔つぶさ〕に仏語を承〔うけたまわ〕るに、】
この経文を開いて詳細に仏の言葉を読んでみると、

【誹謗の科〔とが〕至って重く毀法〔きぼう〕の罪誠〔まこと〕に深し。】
謗法の罪がいかに重く深いものであるかを知る事が出来ました。

【我〔われ〕一仏を信じて諸仏を抛〔なげう〕ち、】
私が阿弥陀仏だけを信じて諸仏をなげうち、

【三部経を仰ぎて諸経を閣〔さしお〕きしは】
浄土三部経のみを信じて諸経を捨てたのは、

【是〔これ〕私曲〔しきょく〕の思ひに非〔あら〕ず、】
私だけの思いや考えではなく、

【則ち先達〔せんだつ〕の詞〔ことば〕に随ひしなり。】
すべて誤った過去の仏教者の言葉を信じてそれに隨ったまでなのです。

【十方の諸人も亦復是くの如くなるべし。】
おそらく世の中のすべての人々も同じでしょうか。

【今世〔こんぜ〕には性心〔しょうしん〕を労〔ろう〕し】
現世では、心を痛め、

【来生〔らいしょう〕には阿鼻に堕〔だ〕せんこと】
来世には、無間地獄に堕ちる事は、

【文〔もん〕明らかに理詳〔つまび〕らかなり疑ふべからず。】
経文明らかであり、その道理に疑う余地はまったくありません。

【弥〔いよいよ〕貴公の慈誨〔じかい〕を仰ぎ、】
ますます、貴僧の慈悲あふれる教訓を仰いで、

【益〔ますます〕愚客の癡心〔ちしん〕を開き、】
自らの愚かな信仰心を改めて、

【速やかに対治を廻〔めぐ〕らして早く泰平を致し、】
すみやかに謗法を止める方法をめぐらし、一日でも早く平和を築〔きず〕き、

【先づ生前を安〔やす〕んじ更に没後〔もつご〕を扶〔たす〕けん。】
まず現世を安穏にして、その後に未来の成仏を期しましょう。

【唯〔ただ〕我が信ずるのみに非ず、】
ただ、私が信ずるだけではなく、

【又他の誤りをも誡〔いまし〕めんのみ。】
他の人々の誤りをも、誡めてただしたいと思っております。


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