日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


崇峻天皇御書 6 信頼は法華経の故


第五章 信頼は法華経の故

【竜象と殿の兄とは殿の御ためにはあ〔悪〕しかりつる人ぞかし。】
竜象房とあなたの兄は、あなたのためには悪い人でありました。

【天の御計〔はか〕らひに殿の御心の如くなるぞかし。】
そこで諸天の御計いによって、あなたの思う通りになったのです。

【いかに天の御心に背かんとはをぼするぞ。】
それなのに、どうして、あなたは、諸天の心に背こうなどと思われるのでしょうか。

【設〔たと〕ひ千万の財〔たから〕をみ〔満〕ちたりとも、】
たとえ千万の財宝を得たとしても、

【上にすてられまいらせ給ひては、何の詮かあるべき。】
江馬殿にすてられてしまっては、何の意味もないではありませんか。

【已〔すで〕に上にはをや〔親〕の様に思はれまい〔進〕らせ、】
すでに、あなたは、江馬殿から親のように思われ、

【水の器に随ふが如く、こうじ〔犢〕の母を思ひ老者の杖をたのむが如く、】
ちょうど水が器に随い、仔牛が母を慕い、また老人が杖をたよりにするように、

【主のとの〔殿〕を思〔おぼ〕し食〔め〕されたるは】
江馬殿があなたのことを、このように信頼されているのは、

【法華経の御たすけにあらずや。】
法華経の偉大な力に守られているからに他ならないのです。

【あらうらや〔羨〕ましやとこそ、御内の人々は思はるゝらめ。】
同僚の人々は、定めてそれを、うらやんでいることでしょう。

【と〔疾〕くとく此の四人かた〔語〕らひて日蓮にき〔聞〕かせ給へ。】
早く、この四人と語りあって味方とし、その経緯を日蓮に聞かせてください。

【さるならば強盛に天に申すべし。】
そうであるならば日蓮も、あなたのために強盛に諸天の加護を祈りましょう。

【又殿の故御父御母の御事も、】
また、あなたの今は亡き父母のことも、

【左衛門尉〔さえもんのじょう〕があまりに歎き候ぞと天にも申し入れ候なり。】
「左衛門尉が非常に悲しんでおります」と諸天に申しいれております。

【定んで釈迦仏の御前に子細候らん。】
必ずや釈迦牟尼仏のおぼえもめでたいことでありましょう。

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