日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


当体義抄 8 結要付属


第七章 結要付属

【問ふ、次〔つぎ〕上〔かみ〕に引く所の文証・現証殊勝〔しゅしょう〕なり。】
それでは、いままで引用した数々の文証、現証は、非常に優れているのに、

【何ぞ神力の一文に執するや。】
どうして、あなたは、神力品の一文にこだわるのでしょうか。

【答ふ、此の一文は深意〔じんい〕有る故に】
それは、この一文には、深い意味があるからなのです。

【殊更に吉〔よ〕きなり。】
当体蓮華を説明する文章として最もふさわしいのです。

【問ふ、其の深意如何。】
では、その深い意味とは何でしょうか。

【答ふ、此の文は釈尊の本眷属〔けんぞく〕・地涌の菩薩に】
それは、この文章は、釈尊が本眷属である地涌の上行菩薩に、

【結要〔けっちょう〕の五字の当体を付嘱すと説きたまへる文なるが故なり。】
結要付属の五字の当体を、付嘱するとお説きになられた文章だからなのです。

【久遠実成の釈迦如来は「我が昔の所願の如き、今は已〔すで〕に満足しぬ。】
久遠実成の釈迦如来は「私の過去からの所願は、現在は、すでに満足した。

【一切衆生を化〔け〕して皆仏道に入らしむ」との】
一切衆生を化導して、すべて仏道に入らしめた」と述べられて、

【御願已に満足し、】
その願いである出世の本懐をすでに満足し、

【如来の滅後後五百歳中広宣流布の】
ついで如来滅後、後五百歳の中において広宣流布をすると言って、

【付嘱を説かんが為、地涌の菩薩を召し出だして】
結要付嘱を説かんがために地涌の菩薩を召〔め〕し出〔いだ〕し、

【本門の当体蓮華を要〔よう〕を以て付嘱し給へる文なれば、】
本門の当体蓮華を肝要〔かんよう〕をもって付嘱した文章である故に、

【釈尊出世の本懐〔ほんがい〕、道場所得〔しょとく〕の秘法、】
釈尊の出世の本懐であり、道場において得る所の秘法であり、

【末法の我等が現当二世を成就する当体蓮華の誠証〔じょうしょう〕は】
末法の我らが現在、未来の願いを成就するための当体蓮華である証拠は、

【此の文なり。故に末法今時に於て、】
この文章なのです。故に末法今時において、

【如来の御使ひより外に当体蓮華の証文に此の文を知って】
如来の使いである日蓮大聖人以外に、この当体蓮華の証文を知って

【出だす人、都〔すべ〕て有るべからざるなり。】
取り出〔い〕だす人は、絶対にいないのです。

【真実以て秘文なり、真実以て大事なり、真実以て尊きなり。】
まことの秘文であり、まことの大事であり、まことに尊いものなのです。

【南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。】
南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。

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