日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


当体義抄 11 末法の衆生の証得


第十章 末法の衆生の証得

【問ふ、末法今時〔こんじ〕、誰人〔たれびと〕か当体蓮華を証得せるや。】
それでは、末法において誰人が当体蓮華を証得したのでしょうか。

【答ふ、当世の体〔てい〕を見るに】
それは、現在の世相を見る時、正法を誹謗して、

【大阿鼻〔あび〕地獄〔じごく〕の当体を証得する人之多しと雖も、】
無間地獄の当体を証得する人は、数多いけれども、

【仏の蓮華を証得せるの人之〔これ〕無し。】
仏の蓮華を証得した者は、まったくいないのです。

【其の故は無得道の権教方便を信仰して、】
その理由は、得道することができない権教方便の教えを信じて、

【法華の当体、真実の蓮華を毀謗〔きぼう〕する故なり。】
法華の当体である真実の蓮華を毀謗するからなのです。

【仏説いて云はく】
釈尊は、法華経譬喩品第三に次のように説かれています。

【「若し人信ぜずして此の経を毀謗せば、】
「もし、人、この法華経を信じないで誹謗するならば、

【則ち一切世間の仏種〔ぶっしゅ〕を断ぜん。】
その人は、一切世間の仏の因種を断ってしまうであろう。

【乃至其の人命終〔みょうじゅう〕して阿鼻獄に入らん」文。】
その者は、死んだ後、無間地獄に堕ちるであろう」と。

【天台云はく「斯〔こ〕の経は遍〔あまね〕く】
天台大師は「此の法華経は、あまねく、地獄界から天界までの

【六道の仏種を開す。若し此の経を謗ぜば、】
六道の者の仏種を開くのである。もしも、この経を誹謗するならば、

【義断〔だん〕に当たる」文。】
それは、六道所具の仏種を断絶することになるのである」と説明しています。

【日蓮云はく、此の経は】
これを受け日蓮は、次のように主張します。すなわち、この法華経(御本尊)は、

【是〔これ〕十界の仏種に通ず。】
ただ、六道だけではなく、広く十界の仏種に通ずるのです。

【若し此の経を謗ぜば、】
もしも、この経(御本尊)を誹謗すれば、

【義是〔これ〕十界の仏種を断ずるに当たる。】
それは、十界の仏種を、ことごとく断絶することになるのです。

【是の人無間〔むけん〕に於て決定〔けつじょう〕して堕在〔だざい〕す。】
したがって、その人は、死んだ後に必ず無間地獄に堕ちて、

【何ぞ出づる期〔ご〕を得んや。】
永久に、そこから出られないのです。

【然るに日蓮が一門は、正直に権教の邪法邪師の邪義を捨てゝ、】
しかるに日蓮の一門は、正直に権教方便の邪法、邪師の邪義を捨てて、

【正直に正法正師の正義を信ずる故に、当体蓮華を証得して】
正直に正法、正師の正義を信ずるが故に当体蓮華を証得して、

【常〔じょう〕寂光〔じゃっこう〕の当体の妙理を顕はす事は、】
常寂光の当体の妙理を顕わすことは、

【本門寿量の教主の金言を信じて南無妙法蓮華経と唱ふるが故なり。】
本門寿量の教主の金言を信じて、南無妙法蓮華経と唱えるからなのです。

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