日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


当体義抄 13 当体義抄送状


【当体義抄送状 文永一〇年 五二歳】
当体義抄送状 文永10年 52歳御作


【問ふ、当体蓮華解〔げ〕し難し。】
当体蓮華は、非常に理解し難い法門でありますが、

【故に譬喩〔ひゆ〕を仮りて之を顕はすとは、】
それ故に譬喩をもって、これを顕すと云う事が、

【経文に証拠有るか。】
どの経文に説かれているのでしょうか。

【答ふ、経に云はく「世間の法に染まらざること、】
それは、法華経涌出品第十五に「世間の法に染まらざることは、

【蓮華の水に在るが如し、地より涌出す」云云。】
蓮華が沼に咲くようなものである」と説かれています。

【地涌〔じゆ〕の菩薩〔ぼざつ〕の当体蓮華なり。譬喩は知んぬべし。】
これが地涌の菩薩の当体蓮華なのです。この譬喩の意味をよくよく理解すべきです。

【以上後日に之を改め書すべし。】
後日に、これを改めて書いて御送りしましょう。

【此の法門は妙経所詮〔しょせん〕の理にして釈迦如来の御本懐〔ほんがい〕、】
この法門は、法華経の重要な理〔ことわり〕であって釈迦如来の本懐であり、

【地涌の大士に付嘱せる末法に弘通せん経の肝心なり。】
地涌の菩薩に付嘱された末法に弘通すべき教えの肝心なのです。

【国主信心あらんの後始めて之を申すべき秘蔵の法門なり。】
国主が信心された暁〔あかつき〕に始めて之を公言する秘蔵の法門なのです。

【日蓮より最蓮房〔さいれんぼう〕に伝へ畢〔おわ〕んぬ。】
日蓮より最蓮房に、このことを伝えおきます。

【日蓮花押】
日蓮花押

ページのトップへ戻る