日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


兄弟抄 02 法華経は仏法の心髄


第01章 法華経は仏法の心髄

【兄弟抄 建治二年四月 五五歳】
兄弟抄 建治2年4月 55歳御作

【夫〔それ〕法華経と申すは八万法蔵の肝心、十二部経の骨髄なり。】
法華経と言うのは、八万法蔵の肝心であり、十二部経の骨髄なのです。

【三世の諸仏は此の経を師として正覚を成じ、】
三世の諸仏は、法華経を師として正覚を成就し、

【十方の仏陀は一乗を眼目〔げんもく〕として衆生を引導し給ふ。】
十方世界の仏は、一乗法である法華経を眼目として衆生を導いたのです。

【今現に経蔵に入って此を見るに、】
今、現実に経蔵に入って一切経を見てみると、

【後漢〔ごかん〕の永平〔えいへい〕より唐〔とう〕の末に至るまで、】
中国に仏法が渡った後漢の永平年間から、唐の末にいたるまでの約850年間に、

【渡れる所の一切経論に二本あり。】
中国に渡って来た一切経論に二種類ありますが、

【所謂旧訳〔くやく〕の経は五千四十八巻なり。】
いわゆる鳩摩羅什などの訳である旧訳の経は、5048巻であり、

【新訳の経は七千三百九十九巻なり。】
玄奘などの新訳の経は、7399巻です。

【彼の一切経は皆各々分々に随って】
それらの一切経は、皆、それぞれ、分々に随って

【我第一なりとなの〔名乗〕れり。】
我こそ第一なりと名乗りを上げているのです。

【然るに法華経と彼の経々とを引き合はせて之を見るに】
しかるに法華経と、それらの経々を引き合わせて比べてみると、

【勝劣天地なり、高下雲泥なり。】
その勝劣は、天地の差であり、高下は、雲泥の相違なのです。

【彼の経々は衆星の如く、法華経は月の如し。】
それらの経々は、多くの星のようなものであり、法華経は、月のようなものであり、

【彼の経々は灯炬〔とうこ〕星月の如く、】
また、かの経々は、焚火や星、月の光のようなものであり、

【法華経は大日輪の如し。】
法華経は、太陽のようなものなのです。

【此は総なり。】
これは、法華経と諸経とを総じて比較した場合です。



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