御書研鑚の集い 御書研鑽資料
真言見聞 4 真言亡国の現証
第03章 真言亡国の現証
【諸法は現量に如〔し〕かず。】
諸法は、現実にしかず、
【承久〔じょうきゅう〕の兵乱〔ひょうらん〕の時、関東には其の用意もなし。】
承久の兵乱の時、鎌倉幕府では、祈禱をする考えなど思いもつかなかったのですが、
【国主として調伏〔じょうぶく〕を企〔くわだ〕て、】
朝廷側は、後鳥羽上皇が鎌倉幕府の調伏を思いつき、
【四十一人の貴僧に仰〔おお〕せて十五壇の秘法を行はる。】
四十一人の貴いと思われる僧侶に命じて、真言の十五壇の秘法を行ったのです。
【其の中に守護経の法を紫宸殿〔ししんでん〕にして】
その祈祷の中で守護経の法を、天皇が住まわれている紫宸殿において、
【御室〔おむろ〕始めて行はる。】
仁和寺の道助法親王が初めて行ったのです。
【七日に満ぜし日、京方〔かみがた〕負け畢〔おわ〕んぬ。】
その祈禱が満了する七日目に、朝廷方が負けてしまいました。
【亡国の現証に非ずや。】
これは、亡国の証明ではないのでしょうか。
【是は僅〔わず〕かに今生の小事なり。】
これは、今の世の些細な事実ではありますが、
【権教邪法に依って悪道に堕ちん事浅猿〔あさまし〕かるべし。】
権教、邪法によって悪道に堕ちることは、このように間違いがないのです。