日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


真言見聞 13 法華最第一の文証


第12章 法華最第一の文証

【無量義経説法品に云はく】
無量義経説法品第二に

【「四十余年〔しじゅうよねん〕未顕真実〔みけんしんじつ〕」文。】
「四十余年には未だ真実を顕さず」と説かれています。

【一の巻に云はく「世尊は法久しくして後】
法華経巻一の方便品第二に「世尊は、方便の法を久しく説いた後、

【要〔かなら〕ず当に真実を説きたまふべし」文。】
必ず、まさに真実を説かれるであろう」とあります。

【又云はく「一大事の因縁の故に世に出現したまふ」。】
また同品に「一大事の因縁のゆえに、仏は、この世に出現された」とあります。

【四の巻に云はく「薬王今汝に告ぐ、我が所説の諸経あり】
巻四の法師品第十に「薬王よ、今、汝に告げる。我が所説の諸経がある。

【而も此の経の中に於て法華最も第一なり」文。】
しかも、この諸経の中において法華経が最も第一である」とあるのです。

【又云はく「已〔すで〕に説き今説き当に説かん」文。】
また同品に「已に説き、今説き、当に説く」とあります。

【宝塔品に云はく「我仏道を為〔も〕って】
見宝塔品第十一に「私は仏道をもって、

【無量の土に於て始めより今に至るまで】
無量の国土において、初めから今日に至るまで

【広く諸経を説く。而も其の中に於て此の経第一なり」文。】
広く諸経を説いてきた。その中において、この法華経が第一である」とあります。

【安楽行品に云はく】
安楽行品第十四に

【「此の法華経は是〔これ〕諸〔もろもろ〕の如来第一の説なり。】
「この法華経は諸の如来の第一の説である。

【諸経の中に於て最も為れ甚深なり」文。】
諸経の中において最も甚深である」とあります。

【又云はく「此の法華経は諸仏如来秘密の蔵なり。】
また「この法華経は諸仏如来の秘密の蔵である。

【諸経の中に於て最も其の上に在り」文。】
諸経の中において最もその上にある」とあります。

【薬王品に云はく「此の法華経も亦復〔またまた〕是〔か〕くの如し。】
薬王菩薩本事品第二十三に「山の中で須弥山が第一であるように、この法華経もまた

【諸経の中に於て最も為れ其の上なり」文。】
諸経の中において最もその上である」とあります。

【又云はく「此の経も亦復是くの如し。】
また同品に「多くの王の中で転輪聖王が最も第一であるように、この法華経も

【諸経の中に於て最も為れ其の尊〔そん〕なり」文。】
諸経の中において最もその尊である」とあるのです。

【又云はく「此の経も亦復是くの如し。】
また「帝釈が、三十三天の中において王であるように、この法華経も、また

【諸経の中の王なり」文。】
諸経の中の王である」とあります。

【又云はく「此の経も亦復是くの如し。】
また同品に「凡人の中で阿羅漢、辟支仏が第一であるように、この法華経もまた

【一切の如来の所説、若しは菩薩の所説、】
一切の如来の所説、もしは菩薩の所説、

【若しは声聞の所説、諸の経法の中に最も為れ第一なり」等云云。】
もしは声聞の所説、諸の経法の中に最第一である」などとあるのです。

【玄の十に云はく】
法華玄義の巻十に

【「又已今当〔いこんとう〕の説に最も難信〔なんしん〕難解〔なんげ〕と為す、】
「また、法華経は、已今当の三説で最も難信難解である。

【前経は是〔これ〕已説〔いせつ〕なり」文。秀句〔しゅうく〕の下に云はく】
爾前経は已説である」とあります。法華秀句の巻下には

【「謹〔つつし〕んで案〔あん〕ずるに法華経法師品の偈〔げ〕に云はく、】
「謹んで案ずるに、法華経法師品の偈に、

【薬王今汝に告ぐ、我が所説の諸経あり。】
薬王よ、今汝に告げる。我が所説の諸経がある。

【而も此の経の中に於て法華最も第一なり」文。】
しかも、この諸経の中において法華経が最も第一である」とあります。

【又云はく「当に知るべし】
また「まさに知るべし。

【已説は四時の経なり」文。】
已説とは、法華経以外の華厳、阿含、方等、般若の四時の経である」とあります。

【文句の八に云はく「今法華は法を論ずれば」云云。】
法華文句の巻八に「今、法華経は、法を論ずると、実相の一法一理に帰す」とあり、

【記の八に云はく「鋒〔ほこ〕に当たる」云云。】
法華文句記の巻八に「法華経は爾前の方便権教を破る鉾に当たる」とあり、

【秀句の下に云はく】
法華秀句の巻下に

【「明らかに知んぬ他宗所依〔しょえ〕の経は是王中の王ならず」云云。】
「明らかに他宗の依りどころとする経は、王中の王でないことを知った」とあり、

【釈迦・多宝・十方の諸仏、天台・妙楽・】
釈迦仏、多宝如来、十方の諸仏や天台大師、妙楽大師、

【伝教等は法華経は真実、華厳経は方便なり。】
伝教大師らは、法華経は、真実であり、華厳経は、方便であるとし、

【「未顕〔みけん〕真実〔しんじつ〕」】
「未だ真実を顕さない」

【「正直〔しょうじき〕捨方便〔しゃほうべん〕」】
「正直に方便を捨てて」

【「不受〔ふじゅ〕余経〔よきょう〕一偈〔いちげ〕」】
「余経の一偈をも受けてはいけない」

【「若し人信ぜずして乃至】
「もし人が信ぜずして(中略)

【其の人命終して阿鼻獄に入らん」と云云。】
その人は、命終して阿鼻地獄に入るだろう」と説いているのです。


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