御書研鑚の集い 御書研鑽資料
真言見聞 15 真言の邪義
第14章 真言の邪義
【凡そ真言の誤り多き中に、】
およそ真言宗には、多くの誤りがありますが、その中に、
【一、十住心〔じゅうじゅうしん〕に第八法華・第九華厳・】
一、弘法の十住心の教判に、第八は、法華経、第九は、華厳経、
【第十真言云云。何れの経論に出でたるや。】
第十は、真言経と言っているが、どの経論に出ているのでしょうか。
【一、善無畏の四句と】
一、善無畏が立てた大日経義釈にある四句教判と
【弘法の十住心と眼前の違目なり。】
弘法の十住心教判とは、明白に異なっています。
【何ぞ師弟敵対するや。】
どうして師と弟子が敵対しているのでしょうか。
【一、五蔵を立つる時、六波羅蜜経〔ろくはらみつきょう〕の】
一、五蔵教判を立てる時、顕教として嫌う大乗理趣六波羅蜜多経の
【陀羅尼蔵〔だらにぞう〕を、何ぞ必ず我が家の真言と云ふや。】
陀羅尼蔵をどうして、自分の宗派の真言と言うのでしょうか。
【一、震旦〔しんだん〕の人師争〔あらそ〕って醍醐〔だいご〕を盗むといふ。】
一、弘法は、顕密二経論で「震旦の人師が争って醍醐を盗む」と言っていますが
【年紀〔ねんき〕何ぞ相違〔そうい〕するや。】
時代が相違するのではないでしょうか。
【其の故は開皇〔かいこう〕十七年より、】
なぜならば、天台大師入滅の開皇十七年から、
【唐の徳宗の貞元〔じょうげん〕】
大乗理趣六波羅蜜多経が中国に初めて渡ったのは、
【四年戌辰〔つちのえたつ〕の歳に至るまで百九十二年なり。】
唐の皇帝徳宗の貞元四年戊辰の年に至るまでは、百九十二年です。
【何ぞ天台入滅百九十二年の後に渡れる六波羅蜜経の醍醐を】
天台大師は、自分の入滅百九十二年後に渡ってくる大乗理趣六波羅蜜多経の醍醐を、
【盗み給ふべきや。顕然〔けんねん〕の違目〔いもく〕なり。】
どうして盗むことができるのでしょうか。この年代の違いははっきりしています。
【若し爾〔しか〕れば人を謗じ法を謗ず、】
もし、そうであれば、弘法が秘蔵法鑰に「人を謗じ法を謗ずるは、
【定んで阿鼻獄に堕すと云ふは自責なるや。】
必ず阿鼻地獄に堕ちる」と述べているのは、自分自身の事なのでしょうか。
【一、弘法の心経の秘鍵〔ひけん〕の五分に何ぞ】
一、弘法は、般若心経秘鍵を著し、般若心経の五分の中で、
【法華を摂〔しょう〕するや。】
法華経の名を入れているが、どうして法華経を入れているのでしょうか。
【能〔よ〕く能く尋ぬべき事なり。】
よくよく研究してみるべきです。