日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


聖愚問答抄(下) 30 第29章 謗法訶責の折伏行を勧める

【今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで】
しかし、今の世は、濁世であり、人の心も僻〔ひが〕み歪〔ゆが〕んでおり、

【権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。】
権教や謗法ばかりが多く、正法は、弘まり難〔にく〕いのです。

【此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。】
この時には、読誦や書写の修行も、観念観法の工夫や修練も無用なのです。

【只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、】
ただ折伏を行じて、力があれば威勢を以って謗法を砕〔くだ〕き、

【又法門を以ても邪義を責めよとなり。】
また、法門によって邪義を責めよと言うことなのです。

【取捨其の旨を得て一向に執する事なかれと書けり。】
摂受、折伏の取捨については、一方に偏執する事がないように書かれているのです。

【今の世を見るに正法一純に弘まる国か、】
今の世を見て、正法の一純に弘まっている国か、

【邪法の興盛〔こうじょう〕する国か勘〔かんが〕ふべし。】
邪法の盛んな国か、よくよく考えなければなりません。

【然るを浄土宗の法然は】
ところが浄土宗の法然は、

【念仏に対して法華経を捨閉閣抛〔しゃへいかくほう〕とよみ、】
念仏に対して法華経を捨閉閣抛と読み、

【善導は法華経を雑行と名づけ、剰〔あまつさ〕へ千中無一とて千人信ずとも】
善導は、法華経を雑行と名づけ、そのうえ「千中無一」と言って、千人信じても

【一人得道の者あるべからずと書けり。】
一人も得道する者は、いないと書いているのです。

【真言宗の弘法は法華経を華厳にも劣り、】
真言宗の弘法は、法華経を華厳経にも劣る、

【大日経には三重の劣と書き、戯論〔けろん〕の法と定めたり。】
大日経には、三重の劣であると書き、戯論の法と定めている。

【正覚〔しょうかく〕房は】
正覚房は、

【法華経は大日経のは〔履〕きもの〔物〕と〔採〕りにも及ばずと云ひ、】
法華経は大日経の履物取りにも及ばない。

【釈尊をば大日如来の牛飼ひにもた〔足〕らずと判ぜり。】
釈尊は、大日如来の牛飼いにもたりないと批判しているのです。

【禅宗は法華経は吐きたるつばき〔唾〕、】
禅宗は、法華経を吐き捨てた唾〔つばき〕、

【月をさす指、教網なんど下す。】
月をさす指、教えの網などと蔑〔さげす〕んでいるのです。

【小乗律等は法華経は邪教、天魔の所説と名づけたり。】
小乗の律宗は、法華経は、邪教、天魔の所説と名づけているのです。

【此等豈〔あに〕謗法にあらずや。】
これらは、謗法ではないでしょうか。

【責めても猶あまりあり、禁〔いまし〕めても亦足らず。】
どれほど責めても攻めたりないし、どれほど禁めても諫めたりないのです。


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