日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


観心本尊抄 4 一念三千を盗み入れる


第3章 一念三千を盗み入れる

【夫〔それ〕智者の弘法〔ぐほう〕三十年。】
その天台智者大師の弘教期間は、三十年に及びますが、

【二十九年の間は玄文〔げんもん〕等の諸義を説いて、】
二十九年の間は、玄義や文句などを説き、

【五時八教・百界千如を明かし、】
五時八教・百界千如を明かしました。

【前〔さき〕五百余年の間の諸非を責め、並びに天竺〔てんじく〕の論師の】
それで五百余年にわたる中国の仏教界の間違いを責め、さらにインドの大論師さえ、

【未だ述べざるを顕はす。】
未だ理解出来なかった甚深の仏教の奥義を顕わしたのです。

【章安大師云はく「天竺の大論〔だいろん〕】
章安大師は、天台大師を賛嘆して「インドの大論師さえ、

【尚〔なお〕其の類に非〔あら〕ず、】
なお天台と比較する事が出来ない。

【震旦〔しんだん〕の人師何ぞ労〔わざら〕はしく語るに及ばん。】
ましてや中国の仏教学者など語るに及ばないのです。

【此誇耀〔こよう〕に非ず】
これは、驕り高ぶって言っているのではなく、

【法相〔ほっそう〕の然〔しか〕らしむるのみ」等云云。】
天台大師の説かれた法の体系が優れているからなのです」と言われています。

【墓無いかな天台の末学等、華厳・真言の元祖の盗人〔ぬすびと〕に】
しかし、情けない事に天台宗の愚かな者達が、法盗人である華厳宗や真言宗の元祖に

【一念三千の重宝を盗み取られて】
一念三千の重宝を盗み取られ、

【還〔かえ〕って彼等が門家と成りぬ。】
かえってこのような盗人達の門家となってしまいました。

【章安〔しょうあん〕大師兼〔か〕ねて此の事を知って歎〔なげ〕いて言はく】
章安大師は、この事を知って嘆いて

【「斯〔こ〕の言〔ことば〕若〔も〕し墜〔お〕ちなば】
「この一念三千の法義が、もし、将来失墜するようなことがあれば、

【将来悲しむべし」云云。】
実に悲しむべき事である」と述べています。


ページのトップへ戻る