御書研鑚の集い 御書研鑽資料
観心本尊抄 18 権迹熟益の本尊
第17章 権迹熟益の本尊
【夫〔それ〕始め寂滅道場〔じゃくめつどうじょう〕・】
釈迦が寂滅道場において成道して最初に説法した
【華蔵〔けぞう〕世界より沙羅林〔しゅらりん〕に終はるまで五十余年の間、】
華厳経の華蔵世界から、沙羅林で最後に涅槃経を説くまで一代五十余年の間、
【華蔵・密厳〔みつごん〕・】
華蔵経で説く華蔵世界、大日如来が住すると云う密厳仏国、法華経迹門で説く
【三変〔さんぺん〕・四見〔しけん〕等の三土四土〔さんどしど〕は、】
三変の三土、涅槃経に説く四見の四つの国土は、
【皆成劫〔じょうこう〕の上の無常の土〔ど〕に変化〔へんげ〕する所の】
すべて成住壊空の四劫で変化し続ける無常の世界であり、
【方便・実報・寂光・】
これらはみな、方便土、実報土、寂光土、
【安養・浄瑠璃〔じょうるり〕・】
阿弥陀仏の西方浄土、薬師如来の東方浄瑠璃世界、
【密厳等なり。】
大日の密厳などの爾前迹門で説く国土なのです。
【能変〔のうへん〕の教主涅槃に入〔い〕りぬれば、】
それ故にインド出世の釈迦如来が涅槃に入るならば、
【所変〔しょへん〕の諸仏随って滅尽〔めつじん〕す。】
その他の諸仏も一緒に滅してしまうのです。
【土も又以〔もっ〕て】
そして、その仏と共に方便土、実報土、寂光土、西方浄土、東方浄瑠璃世界などの
【是〔か〕くの如し。】
国土も同じように滅してしまうのです。