日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


南条時光御息文 14 南条殿御返事

【南条殿御返事 建治二年三月一八日 五五歳】
南条殿御返事 建治2年3月18日 55歳御作


【いも〔芋〕のかしら〔頭〕・河のり〔苔〕・又わさび一々】
芋のかしら、河海苔、それにワサビなど、

【人々の御志承り候ひぬ。】
人々の厚い御志を確かに頂きました。

【鳥のかいご〔卵〕をやしなひ、牛の子を牛のねぶ〔舐〕るが如し。】
この御供養の品々は、親鳥が卵を温め、親牛が子牛を育てるようなものです。

【夫〔それ〕衣は身をつゝ〔包〕み、食は命をつぐ。】
衣服は、身を包み、食物は、命をつなぐものです。

【されば法華経を山中にして読みまいらせ候人を、】
それゆえ、法華経を山中で、読み修行する人を、

【ねんご〔懇〕ろにやし〔養〕なはせ給ふは、】
手厚く供養されることは、

【釈迦仏をやしなひまいらせ、法華経の命をつ〔継〕ぐにあらずや。】
釈迦牟尼仏に御供養申し上げ、法華経の命をつなぐ行為では、ないでしょうか。

【妙荘厳王〔みょうしょうごんのう〕は三聖を山中にやしなひて】
妙荘厳王〔みょうしょうごんのう〕は、三人の修行者を山中に養った功徳によって

【沙羅樹〔しゃらじゅ〕王仏となり、檀王〔だんおう〕は】
沙羅樹〔しゃらじゅ〕王仏となり、須頭檀王〔すずだんのう〕は、

【阿私〔あし〕仙人を供養して釈迦仏とならせ給ふ。】
阿私〔あし〕仙人に供養し、釈迦牟尼仏となられました。

【されば必ずよ〔読〕みか〔書〕ゝねども、】
とすれば、法華経を読み書くことをしなくても、

【よ〔読〕みか〔書〕く人を供養すれば、仏になる事疑ひなかりけり。】
読み書く人を供養するならば、成仏することは、疑いありません。

【経に云はく】
このことは、法華経、如来神力品に

【「是の人仏道に於て決定〔けつじょう〕して疑ひ有ること無けん」と。】
「是の人は、仏道に於て仏になることは、決定して疑い無い」と説かれています。

【南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。】
南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。

【建治〔けんじ〕二年三月十八日   日蓮花押】
建治2年3月18日   日蓮花押

【謹上 南条殿御返事】
謹上 南条殿御返事

【橘三郎殿・太郎大夫〔たいふ〕殿、一紙に云云、恐れ入り候。】
橘三郎殿、太郎大夫殿に、この手紙ひとつで申し上げることは、恐れ入りますが、

【返す返すははき〔伯耆〕殿読み聞かせまいらせ給へ。】
何度も、日興殿から、読んで差し上げたく存じます。


ページのトップへ戻る