日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


南条時光御息文 36 上野殿御返事(子財書)

【上野殿御返事 弘安三年八月二六日 五九歳】
上野殿御返事 弘安3年8月26日 59歳御作


【女子〔おなご〕は門をひら〔開〕く、男子は家をつ〔継〕ぐ。】
女の子は、嫁いで血筋を他家へ開き、男の子は、家を継ぐのです。

【日本国を知りても子なくば】
日本国を治める身となっても、

【誰にかつ〔継〕がすべき。】
子供が居なければ、誰に継がせたら、良いのでしょうか。

【財〔たから〕を大千にみ〔満〕てゝも】
財宝を三千大千世界に満ちるほど得る事ができても

【子なくば誰にかゆづ〔譲〕るべき。】
子供が居なければ、誰に譲る事ができるでしょうか。

【されば外典三千余巻には子ある人を長者といふ。】
それゆえに外典三千余巻には、子供が居る人を長者と言い、

【内典五千余巻には子なき人を貧人といふ。】
内典五千余巻には、子供が居ない人を貧人と説かれています。

【女子一人、男子一人、】
あなたは、女の子一人、男の子一人の子持ちです。

【たとへば天には日月のごとし。地には東西にかたどれり。】
それは、たとえば、天に日月、地には、東西があるように、

【鳥の二つのはね〔羽〕、車の二つのわ〔輪〕なり。】
また、鳥に二つの羽、車に両輪があるようなものです。

【さればこの男子をば日若〔ひわか〕御前と申させ給へ。】
そこで、この男子を、日若御前と呼んでください。

【くは〔詳〕しくは又々申すべし。】
詳しくは、また申し上げます。

【八月二十六日   日蓮花押】
8月26日   日蓮花押

【上野殿御返事】
上野殿御返事


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