御書研鑚の集い 御書研鑽資料
南条時光御息文 21 南条殿女房御返事(八木書)
【南条殿女房御返事 弘安元年五月二四日 五七歳】南条殿女房御返事 弘安元年5月24日 57歳御作
【八木〔はちぼく〕二俵送り給び候ひ了〔おわ〕んぬ。】
米を二俵、御送り頂きました。
【度々〔たびたび〕の御志申し尽くし難く候。】
度々の御志は、御礼の申し上げようもありません。
【夫〔それ〕水は寒積れば氷となる。】
水は、寒さが増せば、氷となり、
【雪は年累〔かさ〕なって水精〔すいしょう〕となる。】
雪は、時間を重ねれば、水晶のような固さになります。
【悪積れば地獄となる。善積れば仏となる。】
同じように悪が積もれば、地獄に堕ち、善行を積めば、仏となります。
【女人は嫉妬かさなれば毒蛇となる。】
女性は、嫉妬が重なれば、毒蛇となります。
【法華経供養の功徳かさならば、】
このように法華経供養の功徳が重なれば、
【あに竜女があとをつがざらん。】
竜女の跡〔あと〕を継いで、成仏することは、間違いありません。
【山といひ、河といひ、馬といひ、下人といひ、】
身延まで来るのに、山と言い、河と言い、馬と言い、使用人と言い、
【かたがたかんなん〔艱難〕のところに、度々の御志申すばかりなし。】
なにかと御苦労の多いところに、度々の御志、申し述べようもありません。
【御所労の人の臨終正念・】
病気であった人が、臨終正念であったとのこと、
【霊山浄土疑ひなかるべし。】
霊山浄土は、絶対に疑いありません。
【五月二十四日 日蓮花押】
5月24日 日蓮花押
【御返事】
御返事